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「完璧」の「璧」

 平成20年12月26日、朝日新聞朝刊、
 ひとときへの投稿記事です。
 「完璧」は遠いけれど
 最近、漢字について
 「読めても、書けなくなった」
 と嘆くことが多くなりました。
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 12月5日付の朝刊生活面を開いたら、
 見出しに「完璧な母に」とありました。
 文中には「かんぺき」とルビをふっているところがあり、
 この「璧」は特別な字なのかなあと思って、
 電子辞書を引いてみました。
 「目からうろこが落ちる」思いでした。
 ふだん、
 私は「璧」を「壁」と書いてきました。
 しかし、辞書には「壁」とはありませんでした。
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 これまで、自分だけがそう思っていたのかと、
 おそるわそる夫や友人に聞いたところ、
 私と同じで「えっ」という感じ。
 さすがに、元国語の先生に聞くと「璧」でした。
 間違いを恥ずかしいと思っていたのに、
 いつしか「仲間がいた」と安心している私でした。
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 字一つとっても、このように間違いはあるし、
 3歩も歩けば忘れてしまうほどなので、
 最近は「メモ魔」になりました。
 でも紙やチラシ、新聞の端、
 日記などにメモし、
 あちこちに置きます。
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 そのため、
 探し回って時間を費やしてしまいます。
 「完璧」は望んでもかないそうもありません。
 今後も私らしく、
 電子辞書をかたわらに置いて、
 「おめでたく」生きたいと思いました。
 福島県会津若松市
 有馬ミトメ 主婦67歳
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 お恥ずかしながら…
 私も「完璧」の「璧」の字について
 「璧」なのか?「壁」なのか?
 意識していませんでした。
 心配になって日記を見直してみました。
 幸い‘かんぺき’と入力すると
 →‘完璧’と変換されるので、
 間違っていませんでした。
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 投稿者の女性は
 67歳で電子辞書を使っていらっしゃる。
 すごいですね。
 私の世代は紙の辞書でした。
 今の電子辞書は、
 医学用語、
 英和辞典、
 広辞苑まで
 入っています。
 私たちの時代には、
 英和辞典と重い医学英和辞典を
 持ち歩いたものでした。
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 私を含めて、
 最近はPCや携帯の普及で、
 辞書を引くよりも、
 PCや携帯で…
 字を調べることが多いようです。
 そして極端に少なくなったのが、
 字を書く機会です。
 大学入試も医学部や理系は、
 国語はあってもセンター試験だけです。
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 試験で字を書くのは、
 小論文程度です。
 そうすると、
 字を書いて覚える機会が…
 極端に少なくなっています。
 首相が漢字を読み間違ったのを、
 笑ってばかりはいられません。
 漢字の書き間違い、
 変換誤りには、
 十分に気をつけたいと思います。

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