医学講座

眼瞼下垂症手術とレーザーメス

 医療機器に対する、
 誤った認識があります。
 例えば、レーザーを使うと…
 痛みもなく…
 キズも残らず…
 一瞬にしてシミが消える?
 ホクロが跡形もなく取れる?
 腫れや出血がゼロの手術ができる?
      ■         ■
 夢のようなお話しです。
 こんなことは絶対にありません
 レーザーは取り扱いが難しく、
 脱毛用レーザーですら、
 出力や設定を誤ると…
 キズが残ったり…
 ヤケドをします。
      ■         ■
 日本ではエステで…
 レーザー機器や
 光治療器を使っての
 脱毛が黙認されていますが、
 医療機関以外でレーザー機器を使うのは違法です。
 韓国では医療機関にしかレーザー脱毛は認められていません。
 レーザーは決して夢の医療機器ではないのです。
 マスコミですら、誤った認識を持っています。
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 下の記事は、
 平成20年12月28日、朝日新聞朝刊に掲載されていました。
 医療記事の面に掲載されていたので、
 読者の信用度は高いと思います。
 大部分は間違っていませんが、
 眼瞼下垂症手術に炭酸ガスレーザーメスを使うと、
 出血を抑え、
 術後の腫れが少ない、
 と書かれています。
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 眼科専門医であり、
 形成外科専門医である先生への取材で
 書かれたと思われます。
 内容に対する検証が
 不足しています。
 確かに、
 一部の眼科医の間では、
 炭酸ガスレーザーを使用した、
 眼瞼下垂症手術が推奨されています。
 レーザー会社が協賛した、
 手術の勉強会もあるようです。
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 先日の韓国の学会でも、
 有名大学の眼形成外科の先生が、
 炭酸ガスレーザーを使用した、
 眼瞼の手術について講演されていました。
 その先生は講演中に、
 炭酸ガスレーザーの手術には…
 十分なトレーニングが必要であり、
 初心者が安易に導入すべきではない!
 とはっきり発言されていました。
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 眼瞼下垂症手術は、
 眼科でも
 形成外科でも
 美容外科でも
 受けられます。
 美容外科は自由診療ですが、
 眼科と形成外科は保険診療です。
 料金も同一です。
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 私は形成外科専門医や
 眼科専門医が手術をした、
 眼瞼下垂症手術のやり直しをしたことがあります。
 もちろん、
 私が手術をしても…
 100%完璧とはなりません。
 中には、苦言をいただく方もいらっしゃいます。
 それだけ難しい手術です。
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 私が申し上げたいのは、
 炭酸ガスレーザーメスを使用したから…
 形成外科専門医だから…
 大手美容外科だから…
 眼科専門医だから…
 年間100眼以上手術しているから…
 手術後にキレイになれる保証はない、
 ということです。
 私が検索した眼科のHPには、
 これで眼瞼下垂症が治ったの?
 というような症例も掲載されていました。
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 さくらんぼさんが困っていらっしゃるように、
 一般の方は、
 どこで手術を受けたらよいかわかりません。
 一つ私が推奨することは、
 HPをくまなく検索して、
 自分が理想とする写真が
 何症例か載っている病院を見つける。
 そこへ行って診察を受け、
 先生に会って、
 信頼できる先生だと思ったら任せる。
 あとは選んだ人の自己責任です。
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 朝日新聞の記者さんには、
 形成外科専門医にも、
 取材をしていただきたかったです。
 私は、
 炭酸ガスレーザーメスを使用するよりも、
 手術中の確認や、
 瞼を上げる量の調節が、
 この眼瞼下垂症手術のポイントだと思います。
 なかなか奥が深く難しい手術です。
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 平成20年12月28日、朝日新聞朝刊の記事です。
 どうしました
 眼瞼下垂
 65歳の主婦。最近目が開きにくくなり、眼科で眼瞼下垂と診断されました。
 医師は「緊急性はないが、手術をすると肩こりなども楽になる」と言われました。
 長年の眼精疲労や肩こりから解放されるのであれば手術したいです。
 手術法など について教えてください。(千葉県・S)
Q どんな病気ですか。
A まぶたを上げる筋肉の力が弱くなり、目を開けてもまぶたが垂れ下がってくる病気です。
 相談の方は、加齢によって筋力が落ちる後天性の眼瞼下垂と思われます。
 70歳前後に起きることが多いのですが、最近では50歳前後と、比較的に若い患者が増えていて、ハードコンタクトレンズの長期使用が原因ではないかといわれています。
Q どんな症状が表れるのでしょうか。
A まぶたが瞳孔の部分にかかると視野が狭くなり、すだれがかかったように薄暗く感じたりします。
 うっとうしいので指でまぶたを持ち上げたり、
 無意識のうちに見えやすいようにあごを突き出したり、
 額の筋肉を使って目を見開こうとしたりするために、
 頭痛や肩こりといった症状につながる人が多いようです。
Q 手術はどのように行われますか。
A まぶたを持ち上げる筋肉を短縮することによって、
 まぶたが上がりやすくなるようにします。
 局所麻酔をかけて両方のまぶたを手術するのに、
 1時間前後かかります。
Q 体への負担が少ない新しい技術もあるそうですが。
A まぶたは血管が多いため出血が多く、
 手術後も腫れるのが難点でした。
 最近は、止血をしながら切開することができる炭酸ガスレーザーメスを使うことで、
 出血を抑え、術後の腫れを少なくするよう工夫する医療機関も出てきました。
Q 手術の効果は。
A 視野が広がり、よく見えるようになることはもちろんですが、
 額の筋肉を使わなくてもまぶたが上がるため、
 おでこのシワが浅くなり、
 見た目が若くなるというアンチ・エイジングの効果もあります。
 また、頭痛や肩こりといった症状についても、
 手術を受けた人のうち7~8割が改善するという報告があります。
 宮田信之(みやたのぶゆき)さん
 岡田眼科副院長 =横浜市港南区
 (以上、朝日新聞より引用)

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