医学講座

患者さんからの教え

 医学は万能ではなく、
 どんなに優秀な医師でも、
 日々勉強と反省をしないと、
 成長できません。
 一番の勉強は、
 自分が担当させていただいた、
 患者さんです。
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 内科の先生でしたら、
 治療の甲斐なく、
 万全の治療をしたのに…
 患者さんが亡くなってしまう…
 ことがあります。
 ご家族にお願いして、
 病理解剖をさせていただく…
 わからなかった病気が、
 病理解剖で解明されることもあります。
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 私は自分が亡くなったら、
 主治医から依頼された時は、
 病理解剖を承諾するように言っています。
 もし、自然死に近い死に方で、
 解剖の必要がなければ、
 組織すべてを臓器提供するように、
 ドナーカードに書いてあります。
 医師にとって最大の教科書は、
 患者さんなのです。
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 形成外科や美容外科で、
 患者さんが亡くなることは、
 不幸な事故を除いて…
 まずありません。
 その代わり…
 仕上がりが悪いとか…
 思っていた通りではないとか…
 苦言をいただくことがあります。
 他の病院で手術を受けて、
 結果が思わしくないので…
 札幌美容形成外科を受診なさる方も、
 いらっしゃいます。
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 逆に、私が手術をさせていただいた方で、
 他のクリニックへ行かれた方も?
 いらっしゃるかもしれません?
 結果が思わしくない時に…
 いかに対処するかで、
 技術の向上や、
 よりよい手術法の開発が、
 生まれることもあります。
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 些細(ささい)なことでも
 改善の余地があります。
 昔、植皮手術をした後で、
 遮光(しゃこう)をしてください。
 そうしないと、色素沈着といって…
 植皮した部位が黒くなります。
 と看護師さんが、
 退院前に遮光指導をしていました。
 地方の病院勤務をしていた時です。
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 先生、アルミ箔で遮光してくださいって
 看護婦さんが教えてくれたけど…
 アルミ箔だと…
 これ!すぐにボロボロになって
 穴があいて、光が入ってしまう!
 トンガリコーンの袋だったら
 丈夫だし、穴もあかないから!
 と教えていただきました。
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 レーザーでシミの治療をした後も、
 遮光をしないと、
 炎症後色素沈着という、
 厄介なシミになることがあります。
 治療前のシミより目立つこともあります。
 そのため遮光指導をします。
 この遮光指導の時に、
 私はいつもトンガリコーンの袋を思い出します。
 小さなことでも、
 患者さんからの教えは大切にしています。

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