医学講座
患者さんからの教え
医学は万能ではなく、
どんなに優秀な医師でも、
日々勉強と反省をしないと、
成長できません。
一番の勉強は、
自分が担当させていただいた、
患者さんです。
■ ■
内科の先生でしたら、
治療の甲斐なく、
万全の治療をしたのに…
患者さんが亡くなってしまう…
ことがあります。
ご家族にお願いして、
病理解剖をさせていただく…
わからなかった病気が、
病理解剖で解明されることもあります。
■ ■
私は自分が亡くなったら、
主治医から依頼された時は、
病理解剖を承諾するように言っています。
もし、自然死に近い死に方で、
解剖の必要がなければ、
組織すべてを臓器提供するように、
ドナーカードに書いてあります。
医師にとって最大の教科書は、
患者さんなのです。
■ ■
形成外科や美容外科で、
患者さんが亡くなることは、
不幸な事故を除いて…
まずありません。
その代わり…
仕上がりが悪いとか…
思っていた通りではないとか…
苦言をいただくことがあります。
他の病院で手術を受けて、
結果が思わしくないので…
札幌美容形成外科を受診なさる方も、
いらっしゃいます。
■ ■
逆に、私が手術をさせていただいた方で、
他のクリニックへ行かれた方も?
いらっしゃるかもしれません?
結果が思わしくない時に…
いかに対処するかで、
技術の向上や、
よりよい手術法の開発が、
生まれることもあります。
■ ■
些細(ささい)なことでも
改善の余地があります。
昔、植皮手術をした後で、
遮光(しゃこう)をしてください。
そうしないと、色素沈着といって…
植皮した部位が黒くなります。
と看護師さんが、
退院前に遮光指導をしていました。
地方の病院勤務をしていた時です。
■ ■
先生、アルミ箔で遮光してくださいって
看護婦さんが教えてくれたけど…
アルミ箔だと…
これ!すぐにボロボロになって
穴があいて、光が入ってしまう!
トンガリコーンの袋だったら
丈夫だし、穴もあかないから!
と教えていただきました。
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レーザーでシミの治療をした後も、
遮光をしないと、
炎症後色素沈着という、
厄介なシミになることがあります。
治療前のシミより目立つこともあります。
そのため遮光指導をします。
この遮光指導の時に、
私はいつもトンガリコーンの袋を思い出します。
小さなことでも、
患者さんからの教えは大切にしています。