医学講座
私の手術方針です
昨日の日記、
ラインが消えかかてきたら…
ラズベリーさんから
コメントをいただきました。
今のラインの癒着は弱く、中の組織は温存されていそうなので、手術で取れると仮定して、いくつか手術方法について考えたいと思います。
①現在のラインで切開したとします。ラインの食い込みが出来て、開きは良くなりますが、下垂がある為、中糸の役割が終了した頃、徐々に元に近付いていくと推察致します。
②今のラインの癒着を外して、皮膚を切り取って(脱脂、眼輪筋切除を含める)下に切開しラインを作ったとします。多少、開きは良くなると推察致しますが…。(軽度の眼瞼下垂症の方なら狭い二重で、下垂が解消されるかもしれません)
③この方の場合、眼瞼下垂の中でも中度?重度の間ではないかと推察致しました。②では解消出来ないかもしれないので、今あるラインより少し上から今の癒着を剥がし(糸を取り)、挙筋の調整、皮膚や脱脂などがベストな選択なのかなぁっと思いました。
そうは言っても、人によっておかれている状況も違う為、悩まれると思います。今すぐは、休みが取れず、対処的に埋没法でっとなる気持ち、わかりますね。
■ ■
私のコメントです。
①現在のラインで切開だけしても、
もともと挙筋機能(きょきんきのう)という…
まぶたを開く筋肉が弱いので…
‘開き’はよくなりません。
つまり大きな瞳にはなりません。
‘中糸’はすでに機能していません。
二重の線もしっかりつきません。
■ ■
②この方は…
埋没法による二重のラインが薄くなりました。
今のラインの癒着はほぼゼロです。
切開すると…
埋没の糸に沿って…
線状の瘢痕組織があるだけです。
肉眼では見逃すこともあります。
手術用顕微鏡でよく見ないとわかりません。
■ ■
眉の下が少し膨らんでいるので、
脂肪が多ければ、
多少の脂肪切除はすることがあります。
眼輪筋(がんりんきん)切除は、
私は行いません。
筋肉の中には、
無数の微小血管があるため、
眼輪筋切除をすると…
ほぼ全例出血するからです。
■ ■
出血を防ぐために…
皮膚切除は行いません。
皮膚切除をすると…
どんなに丁寧に止血をしても…
必ず皮下出血を起こします。
これだけで…
一週間はダウンタイムが延びます。
札幌美容形成外科の腫れない手術の秘密です。
■ ■
今より下に切開ラインは作らないと思います。
今のラインの幅にもよりますが…
眼瞼下垂症手術をすると…
眉が下がり必ず幅が狭くなります。
今のラインより下で切開をすると…
狭くなりすぎる可能性があります。
手術直後はそこそこの幅があっても…
3ヶ月後には狭くなります。
■ ■
私が手術をするとすれば…
手術用顕微鏡を使って、
約1㎝の切開をします。
そこから…
埋没の糸を捜して抜去します。
癒着(ゆちゃく)は軽度なので…
容易に剥離(はくり)できます。
挙筋腱膜(きょきんけんまく)を出して、
目の開き具合を見ながら…
挙筋前転量を調節します。
■ ■
この程度の眼瞼下垂症でしたら、
手術用顕微鏡を使って丁寧に手術をして、
片目が約1時間程度です。
埋没の糸が何本も入っていると…
除去に時間がかかりますが、
埋没法を一回受けた程度でしたら…
そんなに時間はかかりません。
一週間後に抜糸をして…
その2週間後に検診があります。
以上、私ならこう治療しますという…方針です。
少し専門的になりました。
治療方針は先生によって異なります。

眼瞼下垂症の手術をすると
瞳が大きくなります

抜去した埋没の糸です


というわけで心を決めたひとみさん、駅前通りににある札幌美容形成外科へGO!なんだかドキドキ。すっぴんがどうしてもイヤな人は、化粧やアイプチをしたまま来てもいいですよ。と、本間先生。
中に入ると、ラベンダーの香りが心地よく緊張していたひとみさんも少しだけリラックス。
完全個室の待合室へ案内される。椅子は飛行機のファーストクラスと同じものを使っているんだって、びっくり!ここで問診表を書く。
ここで本間先生が登場。「優しそうな先生でよかったぁ」と、ひとみさんは内心ホッとする。そして、二重のラインを作る器具で、理想の二重を想定する。今回は埋没法で施術するが、まぶたの厚い人、下垂している人、筋肉が強い人などは元に戻ってしまうことが多いため、切開法という施術をする。
カウンセリングを終えたらまずはメイクを落とす。
手術室に入る前に、血圧を測り体調を調べる。これは手術を行う上で義務付けられている。
準備ができたらいよいよ手術室へ。施術前の状態がわかるよう写真撮影から始める。
まずベッドに横になり、二重にする幅を測って印をつけていく。歳をとるごとに下がる瞼の状態を予想するのも大切なこと、あまりにも派手になるのが心配ならナチュラルに幅を狭めに。患者さんと話し合いながら最終的な幅を決めていく。
麻酔注射をしても痛くないように処置をした後、患部に消毒をする。
極細の針で麻酔を打つ。痛みはほとんどなし。
いよいよ施術。マーキングした印に沿って瞼の裏から縫っていく。瞼の皮膚が引っ張られているのはわかるが、感覚がない状態。出血などもない。しかし、どんなに覚悟していてもやっぱり施術中は不安になるものだが、先生が「大丈夫ですか?」確認しながら行なうので安心。少しの間ガマン、ガマン。片方約5分程度しかかからず、あっという間に終わる。
左目を縫い終えたところで、鏡で仕上がりを確認。ここでもし、やっぱり幅を変えたいなと思った場合でも大丈夫!もう一度やり直せるので納得のいく仕上がりに。
もう片方の右目も同じように縫う。看護婦さんがずっと手を握っていてくれるのが、とっても心強い。
すべて終わったところで再び仕上がりをチェック。
最後は軟膏を縫って、施術後の写真撮影をして終わり。その後薬を処方してくれる。人によって若干の腫れがあるが、すぐ帰れる程度で心配なし。「これが私!?」生まれ変わった自分にビックリ!
麻酔の注射も縫っているときも痛みがほとんどなかったことに驚きでした。施術中は、先生が声をかけてくれたり助手の方が手をにぎってくれているのでとても安心です。整形=怖いという印象が変わりました。これからメイクをするのが楽しみです!



