医療問題

外ぼうの醜状とは?

 顔のキズについてのシリーズです。
 5月28日顔の傷、男女差は「違憲」
 5月29日顔のキズの手術
 5月30日時代遅れの認定基準
 厚生労働省労働基準局が監修した、
 労災補償
 障害認定必携
 には、
 醜状(しゅうじょう)について…
 次のように規定しています。
      ■         ■
 外ぽうにおける単なる「醜状」とは,
 原則として,
 次のいずれかに該当する場合で,
 人目につく程度以上のものをいう。
 (イ)頭部にあっては,鶏卵大面以上の瘢痕(はんこん)又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損
 (ロ)顔面部にあっては,10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕(せんじょうこん)
 (ハ)頚部にあっては,鶏卵大面以上の瘢痕
      ■         ■
 人目につくとか…
 鶏卵大面以上とか
 どう考えても…
 抽象的な表現です。
 交通事故などの後遺障害診断も、
 この厚生労働省の規定が基本になっています。
 実際の運用では、
 どうなっているかわかりません。
 顔にどんなに傷が残っても…
 お役人が『人目につかない』と判断したら、
 保障はもらえないのでしょうか?
      ■         ■
 この規定に従うと…
 首にキズ(線状痕:せんじょうこん)が…
 たくさん残っても…
 保障の対象にはならないことになります。
 私たち形成外科医は、
 少しでもキズを目立たないように治療します。
 どんなに治療しても…
 キズは残ります。
 目立つか目立たないかは?
 年齢や体質にもよります。
 キズが残った人への保障を…
 もう少し考えていただきたいです。
      ■         ■

左側頚部に切創を負ったが,頚動脈に異常なく,直ちに縫合し治ゆしたが,左下頚骨下縁から約1センチメートル離れて,これと平行する長さ6センチメートルのケロイド様の瘢痕が残ったもの(外ぽうの単なる「醜状」)
障害認定必携より引用

 

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