医学講座
眼瞼下垂症講座①【加齢】
医学講座のつづきです。
今日は…
やさしい眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)①です。
昨日の日記で、
まぶたは、
舞台にある、
幕(まく)のような構造です。
幕を上に上げるモーターが、
眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉。
幕の一番下についている、
縁(ふち)のしっかりした構造が、
瞼板という板状の組織です。
と書きました。
■ ■
生まれつきモーターの機能が悪くて、
瞼が上がりにくい人が…
先天性眼瞼下垂症
(せんてんせいがんけんかすいしょう)です。
年齢とともに…
幕の布が伸びてしまって…
モーターでいくら引っぱっても…
幕が上まで上がらなくなったのが…
加齢による眼瞼下垂症です。
■ ■
年齢とともに…
誰でも瞼が垂れ下がってきます。
その余分な皮膚を切除して、
眼瞼挙筋という…
モーターについている、
幕を引っぱる綱(つな)を
調節する手術が、
眼瞼挙筋前転法
(がんけんきょきんぜんてんほう)
…という健康保険の手術です。
■ ■
下垂の程度は、
先天性の場合も、
加齢による場合も、
人によってちがいます。
どの程度から手術適応にするか…?
診断は医師によって異なります。
眼科医と、
形成外科医でも、
手術に対する考え方は違います。
■ ■
加齢による眼瞼下垂症手術は、
余分な皮膚を切除する必要があります。
どんなに丁寧に手術をしても、
必ず腫れが出ます。
大まかな腫れが取れるまで
最低1ヶ月。
キズが落ち着くまでは、
3ヶ月近くかかることもあります。
■ ■
お孫さんの結婚式、
法事、
同窓会など、
大切な予定がある場合は、
最低でも…
3ヶ月以上は…
余裕をみてください。
血圧が高い方は、
手術中に出血しやすくなります。
お薬でコントロールしてから
手術を受けてください。
加齢による眼瞼下垂症
手術前です
手術一ヵ月後です
手術3年後です