医学講座
眼瞼下垂症講座②【赤ちゃん】
今日は先天性眼瞼下垂症についてです。
赤ちゃんが生まれたら…
目をつぶって眠っています。
ちょっと目を開けると…
あっ…
目を開けた…
?かわいい?…
と周囲は大喜びです。
■ ■
赤ちゃんの時から…
大きな瞳の子は…
かわいいと言われます。
ベビー用品の宣伝に出る赤ちゃんは、
目が大きな子です。
ペットでも…
目が黒くて大きな仔犬は人気です。
■ ■
生まれつき…
目の開きが悪い子どもさんがいます。
重症の子は、
ほとんど目が開いていません。
小児科の先生が診て、
すぐに眼科へ紹介されます。
片目だけ、
開きが悪い子もいますし、
両目とも開かない子もいます。
■ ■
眼科医は…
主に視機能を診ます。
どの時期に手術をするかは、
眼科医が慎重に判断します。
形成外科医が、
乳児期の眼瞼下垂症を診ることは、
多くはありません。
視機能のチェックが主目的だからです。
■ ■
ご両親は…
一日でも早く手術をして…
早く大きな瞳にしたいと願います。
お気持ちはとてもよく理解できますが、
小さな赤ちゃんに、
大きな瞳で、
パッチリ二重の目をつくるのは…
どんなに腕の良い形成外科医でも、
とても難しいことです。
■ ■
それは…
大きな瞳にすればするほど、
目を閉じることができないからです。
目を閉じることができなければ、
角膜という目の表面にキズがつきます。
角膜は、
角膜移植でご存知のように…
傷ついて濁ってしまうと…
視力が出なくなります。
■ ■
ですから、
赤ちゃんの眼瞼下垂症は、
眼科医が主治医となります。
先天性眼瞼下垂症の方は、
生まれつき、
眼瞼挙筋という…
瞼(まぶた)を上げるモーターが、
働いていないか…
機能が悪い方が大部分です。
■ ■
重度の下垂ほど、
手術は慎重に行います。
私が勤務医だった時には、
眼科の先生と何度も連絡を取って、
手術方法や時期を決めていました。
症例数は多くはありませんでしたが、
手術をしていました。
■ ■
子どもさんを…
大きな瞳で、
ぱっちり二重にすると、
目が閉じなくなることがあります。
下を向いた時に、
白目が出てしまう欠点もあります。
赤ちゃんの眼瞼下垂症は、
眼科と形成外科がある総合病院で、
ベテランの先生に診ていただくのがベストです。
“眼瞼下垂症講座②【赤ちゃん】”へのコメント
コメントをどうぞ
赤ちゃんの場合は眼科の先生が主治医になるのですね。
知人のお子さんで片目だけぱっちりしない方がおりましたが、だいぶ大きくなってから手術されたのか よくなってました。でも 完璧な感じではなく 前よりいいくらいです。私は 眼瞼下垂症という言葉も知らなかったので、どこで治したんだろうか?と思いましたが、聞けませんでした。赤ちゃんが眼を閉じてたりしたら しっかりした眼科と形成外科医がいる病院で診ていただく事が一番なのですね。
わかりやすい講座第2回目 ありがとうございました。