医学講座
眼科と形成外科のコラボ
私は長い間、形成外科医として、
救命救急センターがあるような大きな病院で働きました。
勤務は大変でしたが、
医師として得るものがたくさんありました。
他の科の先生と仲良く仕事をすることです。
たくさんの信頼できる先生と仕事をしました。
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大きな病院には眼科があります。
眼球を損傷するような外傷の時は、
眼科の先生とよく手術をしました。
眼科の先生は眼球、
形成外科は眼瞼(まぶた)を担当しました。
順番としては、
眼球が先です。
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手術中にいろいろと話しをしながら、
眼科の先生の手術を見たり、
手伝ったりして学びました。
一人の患者さんを通じて、
眼科と信頼関係ができて、
勉強になりました。
いいことだと思います。
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形成外科外来には、
視力表や、
視野測定の機器はありません。
眼圧を測定する機器もありません。
患者さんは、
眼科と形成外科を行き来して大変ですが、
二人の医師に診てもらうことになります。
より診断が確実になります。
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眼窩床骨折を手術する眼科医でも、
腸骨を採取して、
薄く削って、
眼窩床に移植する先生はまれです。
私たち形成外科医は、
腸骨採取も上手です。
うすく削るのも得意です。
眼科と形成外科が仲良く手術をするといい結果が出ます。
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昨日の小児ブローアウト骨折のような例はまれです。
救急外来に搬送されて、
嘔吐している時などは、
小児科医が診て小児科に入院することもあります。
小児科医が気づくといいのですが、
眼科や形成外科を受診するのが遅れることもあります。
誰か一人でも、
下直筋がはさまっていると気づくといいのですが、
遅れることもあります。
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小児はなかなかじっとしてくれないので、
CTを撮ること自体が難しいこともあります。
下直筋がはさまっても、
失明することはありませんが、
下を向いた時にものが2つに見えます。
子供さんが目を強打したら、
私の院長日記を思い出してほしいです。
眼科と形成外科のコラボは大切です。