医学講座
第41回日本熱傷学会(名古屋)③
今年の第41回日本熱傷学会で印象に残ったことです。
日本全国で重症熱傷の患者さんが減っています。
大やけどをする人が減っているのはいいことです。
問題もあります。
重症熱傷を治療したことがない先生が増えると、
いざという時に困ります。
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今年起きた大きな事故は、
2015年5月17日午前2時10分頃、
川崎市の簡易宿泊所「吉田屋」の火災です。
一度に多くの人が火災で熱傷を受傷しました。
今年の学会で取り上げられていました。
大病院の救命救急センターでも、
一度に収容できる熱傷患者さんの数には限界があります。
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正直に申し上げると、
一人、重症熱傷患者さんがいるだけで、
担当医も、
看護スタッフも、
とても忙しくなります。
何日も家に帰ることができない先生もいます。
それだけ重症熱傷の救命は大変です。
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日本熱傷学会としては、
熱傷治療をよりわかりやすく、
最適な治療法を学会として検討しています。
熱傷治療の経験が少ない先生でも、
迷うことなく、
重症熱傷の患者さんを、
救命できるようしようという試みです。
私はとてもいいことだと思います。
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熱傷治療は一人ではできません。
医師
ICUの看護師
手術室の看護師
病棟の看護師
理学療法士
作業療法士
たくさんの人がチームで治療をします。
熱傷学会には、
医師以外の方も参加します。
救急で働く方も参加します。
まみ子師長さんもいらしてます。
日本の熱傷治療がますます進歩することを祈念します。