医学講座
第41回日本熱傷学会(名古屋)②
日本熱傷学会が発足してから40年以上です。
まだまだ難しいのが、
やけどをする前の皮膚に戻すことです。
熱で破壊された皮膚を、
元通りに治すのは、
現在の医療でも難しいことがあります。
■ ■
やけどは一番身近な外傷です。
誰でも一度くらいはやけどをしたことがあります。
昨年、日本熱傷学会HPが新しくなりました。
その中に、
簡単な知識という項目があります。
一般の方へ、
わかりやすく解説がしてあります。
■ ■
一般社団法人日本熱傷学会、
熱傷に関する簡単な知識、
熱傷を受傷した!スピードが大事です!
まず行うべきことは?熱源を断つこと!
•熱湯による場合
多くの場合、熱源はすでにありませんから、次に速やかに冷やすこと!
•火炎による場合
速やかに冷やすことは同じです。しかし、まだ衣服が燃えている場合、そしてすぐに水をかけて冷やすことができない場合、すぐに地面上で転がり、火炎を消火させます。立ったままでは火炎が消えず、その高熱が作用し続けます。地面を転がれば熱が分散し、消火もしやすくなります。その間に、近くにいる人は消火用の水を用意しましょう。
■ ■
次に冷やすこと!
•小範囲の創部(傷)であれば、水道水で。
•広範囲であれば浴室のシャワーで。
冷やす時間はいろいろな意見がありますが、一般的には最低5分から30分くらいを、できれば流水で冷やします。ただし小児の場合、長く広範囲を冷却すると低体温をきたし、意識障害や不整脈を起こすことがあります。そうした症状に注意しながら、過度の冷却とならないようにしてください。
■ ■
やけどをしたら、
お風呂場のシャワーで、
服の上から水をかけて冷やします。
花火をする時には、
バケツに水を準備します。
もし浴衣ゆかたに火がついたら、
バケツの水で火を消します。
バケツの水がなかったら、
地面に転がって火を消します。
あたりまえのことですが、
あわてているとできません。
やけどは予防が一番です。
“第41回日本熱傷学会(名古屋)②”へのコメント
コメントをどうぞ
マンションの水は緩く長い間出してても冷たくなりません。
今時は特に。
そんな時はどうしたらいいんでしょうか?
私は軽い火傷は馬の油を塗ってますが。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。マンションの水でも気温よりは低いので水道水で冷却してください。軽いやけどなら馬の油でも治るのかもしれませんが、熱傷専門医としては医薬品のワセリンなどをおすすめします。夏に日焼けで真っ赤になって痛い時は、弱いステロイド軟膏が効きます。
やけどはほんとに身近にかに起きるかもしれないので間違った知識ではなく先生のブログをよく覚えておきましょう。 妹の義父も着衣着火で太ももをやけどして敗血症で亡くなりました。