医学講座

抗原と抗体

 B型肝炎ワクチンの話しや、
 感染症についての話しになると出てくる、
 抗原こうげんとか
 抗体こうたいという言葉が難解です。
 こういう言葉が出ただけで、
 昔の生物のテストを思い出して
 アレルギー反応が出る人がいます。
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 このアレルギー
 抗原と抗体の免疫反応です。
 私も苦手でした。
 抗原こうげん
 抗体こうたいは、
 字で書くと似ているのに、
 まったく別のものです。
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 英語でも、
 抗原こうげんAntigen
 抗体こうたいAntibody
 …と似ています。
 覚えてしまえば簡単ですが、
 免疫反応と聞いただけで、
 拒否反応を示す人もいます。
 この拒絶反応も免疫なのです。
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 私はとても幸運なことに、
 免疫学が得意です。
 理由は札幌医大の学生だった時に、
 菊地浩吉先生という、
 免疫学の大家から、
 直接、講義を受けたからです。
 菊地先生は当時、札幌医大第一病理の教授で、
 のちに札幌医大学長に就任された先生です
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 私が学生だった頃、
 菊地先生が医科免疫学という本を出版されました。
 表紙が赤だったので、
 赤本あかほんと呼ばれました。
 この本が、
 医学書としてはベストセラーになりました。
 菊地先生の講義はおもしろく、
 居眠りをする学生もいませんでした
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 本題に戻ります。
 抗原こうげんAntigenは、
 免疫反応の原因となる物質です。
 肝炎だと肝炎ウイルスが抗原です。
 抗体こうたいAntibodyは、
 原因となる物質に対して、
 からだが反応してできる物質です。
 でできるので、
 抗体こうたいAntibodyと覚えましょう。
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 ワクチンを接種すると、
 体が反応して抗体ができます。
 この抗体が、
 ウイルスから体を守ってくれます。
 北里柴三郎の時代から、
 日本は血清療法など、
 免疫を利用した研究で世界をリードしていました。
 抗原こうげんAntigen
 抗体こうたいAntibody
 …を覚えておいてください。

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