医学講座
安全なヒアルロン酸注入法2015
私の院長日記は、
同業の先生にも読んでいただいています。
ヒアルロン酸は、
正しい使い方をすると♡安全♡です。
厚生労働省が承認する時に、
使い方を監修するのは、
役所のお役人ではなく、
実際に臨床試験を担当した医師です。
■ ■
現在日本で承認を受けている美容外科向けヒアルロン酸製剤は、
2014年3月に承認を受けた
アラガン・ジャパン株式会社の
ジュビダームビスタと
2015年6月に承認を受けた、
ガルデルマ株式会社の
レスチレン リド
2社の製品です。
■ ■
ヒアルロン酸の性状によって、
ジュビダームシリーズが4種類
ジュビダームビスタ ウルトラ
ジュビダームビスタ ウルトラ XC
ジュビダームビスタ ウルトラ プラス
ジュビダームビスタ ウルトラ プラス XC
レスチレンシリーズが2種類
レスチレン パーレン リド
レスチレン リド
合計6種類が販売されています。
■ ■
どの製品も、
使用目的又は効果として、
本品は、真皮中間層から深層に注入し、
中等度から重度の顔面の皺(ほうれい線等)の
矯正及び整容を目的とする。
なお、口唇、眼瞼への使用及び隆鼻術等の
形状の変更を目的とした使用は本品の適応に含まれない。
つまり、
ほうれい線等で、
真皮中間層から深層に注入が安全と書いてあります。
■ ■
ヒアルロン酸によって起こる皮膚の壊死は、
誤って血管内に注入してしまったり、
血管の周囲に注入してしまって、
血液が流れなくなるからです。
ほうれい線の近くにも、
鼻翼(小鼻)に行く血管があります。
この血管の中に間違って入れると、
鼻翼(小鼻)が壊死になります。
一度壊死になると元に戻りません。
■ ■
厚生労働省が認可した、
ほうれい線治療を目的とした、
真皮中間層から深層に注入でも、
ちょっと間違うと危険です。
私たち形成外科医は、
顔の血管解剖を熟知しています。
どこに注射すると危険なのかよく知っています。
なんちゃって美容外科医は知りません。
■ ■
医師免許を取得するには、
解剖学を勉強して、
人体解剖も経験します。
ところが、
大部分の医学生は、
細かい顔面の血管解剖は知りません。
骨の穴の名前とか、
どの神経が通るとかは試験のヤマなので覚えます。
でも顔の血管は解剖学の先生でも、
太い血管しかよくわからないのが現実です。
■ ■
下の写真は韓国の鼻の名医、
Jung先生の症例です。
私なら、
どうしてこんなことになったのか、
原因はだいたい想像がつきます。
ふつうの人が知らないだけで、
日本でも似たような事故が起きています。
ちょっと美容整形でほうれい線をなおしてもらおうと思って、
こんな鼻になったら大変です。
クリニックや病院を選ばないと、
取り返しがつかないことになります。
厚生労働省が認可した部位でも危険なことがあります。
Jung先生のHPより引用