医学講座
CTやMRIでわかる整形
昨日の院長日記に次のコメントをいただきました。
はじめまして。
記事と関係なく恐縮です。
もう25年も前になりますが札幌の今はない日美整形で埋没法で二重にしました。
2〜3年で両方一重に戻ってしまい、それはもういいのですが、今になり頭のCTやMRI、MRAを受ける事になりました。
検査結果の説明を受けましたが残っているであろう糸について主治医には特に何も言われなかったのですが、糸は画像に写り込んでくるものでしょうか?
二重にした事は誰一人知らぬ事なのでばれたくない気持ちが強く悩んでおります。
主治医にさえ知られたくない気持ちがあります。
今後も頭部検査の機会はありますので今のうちにカミングアウトした方がよいかと途方にくれております。
■ ■
同じようなお悩みの方もいらっしゃると思います。
CTやMRIなど、
画像診断が進歩しました。
細い血管までよく見えるようになりました。
昔は不可能だった、
心臓の冠動脈まで、
わかるようになりました。
■ ■
CTやMRIを検査して、
誰が読影どくえいするかにもよりますが、
埋没法の糸を見つけることは、
将来でも、
まずないと(私は)思います。
心配無用です。
頭部の画像診断で、
埋没法の糸が見つかったというのは、
2015年8月の時点では聞いたことがありません。
■ ■
市立札幌病院のように大きな病院ですと、
画像診断科という専門の部署があります。
CTやMRIなど、
画像診断を専門とする先生たちです。
腎臓の検査をしていて、
肝臓に異常を見つけてくださることもあります。
画像診断のスペシャリストです。
■ ■
脳神経外科などの病院ですと、
CTやMRIは、
脳神経外科の先生が一人で見ることもあります。
脳や神経・血管に関連したところを、
詳しく精密に見ます。
動脈瘤などが何個も見つかることもあります。
■ ■
自分が専門としている部位は、
局所解剖もよくわかっているので、
詳しく丁寧に見ます。
形成外科医ですと、
眼窩底骨折などを詳しく見ます。
手術でよく見ている部位なので、
ここに骨折があるとあそこも折れていることが多い
…というようなこともよくわかります。
■ ■
そもそも埋没法の糸は25年も経つと、
手術で見つけようとしても見つからないこともあります。
主訴である、
頭痛と関係がありそうなところは見ますが、
埋没法の糸までは見ません。
頭部CTでまぶたまでは、
ふつうは詳しく見ません。
■ ■
逆にCTやMRIでわかる整形もあります。
豊胸に使ったシリコンバッグ。
脂肪注入をしてしこりになった腫瘤など、
乳線腫瘍の検査では詳しく見ます。
シリコンバッグでしたら、
健康診断の単純X線写真でもわかります。
白い丸い影になって写ります。
ちょうど下着に入れるパットのようです。
■ ■
鼻や顎のシリコンプロテーゼもわかります。
整形ではありませんが、
歯科のインプラントや差し歯もわかります。
インプラントを入れている人は、
MRI検査の前に相談なさるといいです。
微妙なのが、
ヒアルロン酸などです。
軟部腫瘍の検査でCTやMRIを撮った場合に、
たくさん入っているとわかる可能性もあります。
■ ■
私は整形は悪いことではない、
整形をして何が悪い、
私は整形でごはんを食べています、
…という医師です。
たとえ医学的な知識があっても、
言うべきか言わないべきか、
迷うことがあると思います。
そんな時は信頼ができる先生に相談してください。