医学講座
プチ整形で後遺症、800万円支払いで和解
平成29年7月4日、毎日新聞WEB版の記事です。
大阪地裁
プチ整形で後遺症、800万円支払いで和解
東京の医療法人が大阪市の20代女性に
簡易な美容整形として人気の「プチ整形」で目と鼻に後遺症を負ったとして、大阪市の20代女性が美容クリニック大手「品川美容外科」を経営する東京都内の医療法人側に約1200万円の損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁であり、女性に800万円の解決金を支払うことで和解したことが分かった。
和解は2017年6月21日付。訴訟記録などによると、女性は2014年11月、品川美容外科梅田院(大阪市北区)で鼻を高くするため、ヒアルロン酸注射を受けた。しかし、医師が誤って目の血管に注射し、女性は緊急入院。左目の視野が正常より2割狭くなったり、鼻の皮膚がひきつったりする後遺症を負った。
女性が支払ったのは1万6690円。ヒアルロン酸注射は、メスを使わず短時間で終わる「プチ整形」の一つで、若い女性を中心に人気という。
医療法人は全国27カ所で品川美容外科などを経営。梅田院では2006年にも大阪府内の男性が鼻の整形でやけどを負ったとして訴え、法人側が150万円を支払うことで和解している。
国民生活センターによると、昨年度、プチ整形などの美容医療サービスを巡って健康被害などを訴える相談は1936件寄せられている。【遠藤浩二】
(以上、毎日新聞より引用)
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残念な事故です。
札幌美容形成外科でレディエッセを中止したのは、
2015年9月です。
今回の事故があった、
2014年11月には、
まだヒアルロン酸注入で、
鼻を高くする施術を行っていました。
他院でもヒアルロン酸製剤による鼻の施術はしていました。
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鼻プチ整形の副作用
2007年5月21日の院長日記です。
鼻の壊死(えし)症例
2011年7月1日の院長日記です。
レディエッセを中止しました2015
2015年9月3日の院長日記です。
「プチ整形」まさか失明
2016年6月12日に朝日新聞が取り上げてくれました。
「プチ整形」のつもりが失明・鼻欠損、包茎手術でも性器壊死…フィラー注射の事故多発
レディエッセによる失明(その後)2016
2016年7月9日には産経新聞が掲載してくれました。
今回は毎日新聞が取り上げてくれました。
他紙にはまだ掲載されていません。
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残念なことです。
厚生労働省からの通達は何もありません。
札幌美容形成外科ではレディエッセを中止しましたが、
他の美容外科では続けているところあります。
失明や、
鼻の壊死について説明している美容外科は少ないです。
残念なことだと思っています。
フィラーは100%安全ではありません。
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レディエッセを中止しました2015に、
さくらさんからご質問をいただきました。
レディエッセを打ち続けて4年になります。
最近鼻先に少し流れてきているみたいで
鼻先の皮膚全体が固くなっているのですが、
流れてきているのでしょうか?
鼻先に入って壊死だったり、
失明だったりとの情報があるので少し怖くて連絡してみました。
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私からの回答です。
レディエッセによる失明は、
注射直後に起こります。
注入剤の中に入っている、
ハイドロキシアパタイトという微小粒子が、
血管の中に入ってしまい、
血管がつまることが原因です。
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鼻の壊死も同じです。
注入方法が不適切だと、
レディエッセやフィラーを注入する際に、
鼻に行く血管に粒子を入れてしまったり、
フィラーで鼻に行く血管を圧迫してしまうのです。
鼻の皮膚が循環障害になり、
鼻が壊死になります。
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相談者のさくらさんのように、
注入からある程度の時間経過した場合は、
レディエッセの粒子が血管に入ることは、
まず考えられません。
鼻先の皮膚がかたくなってきている原因は、
実際に診察をしてみなければわかりません。
ふつうは全体が硬くなることはまれです。
注入を受けたクリニックか、
ご心配でしたら日本医大形成外科のように、
注入物による健康被害をたくさん診ている、
形成外科にご相談ください。
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私が札幌から、
細々と情報を発信しているのは、
♡きれいになりたい♡
♡しあわせになりたい♡
…と思って美容外科を受診した方が、
不幸な事故に遭遇するのを防ぐためです。
他院で起きた事故は、
かならず自分でも起こす可能性があります。
同業の先生に言います。
俺だけは大丈夫
…なんて
絶対に思わないことです。