院長の休日
そら君のお墓参り2023
今日は2023年5月4日(木)みどりの日です。
2021年4月14日に亡くなった
そら君のお墓参りに行きました。
お墓には2016年3月29日に亡くなった本間寛と両親も入ってます。
本間家は無宗教なので線香もろうそくもありません。
お墓の草取りが供養です。
■ ■
そら君は2021年10月10日に、
本間家のお墓の花壇に埋葬しました。
そら君を埋葬したところに、
チューリップの球根を植えました。
今年もチューリップがきれいに咲いています。
犬がチューリップ好きだったとは思いませんが、
私の父親はチューリップが好きでした。
札幌市西区琴似に住んでいた時に、
父親と花壇をつくってチューリップを植えていました。
■ ■
今年もチューリップが咲いていました。
本間家の墓の隣の隣で、
新しいお墓の工事をしていらっしゃいました。
以前は白い洋式のお墓で、
秋になると紅葉がきれいな樹木が植えてありました。
新しいお墓に樹木はなく、
全面が石になるそうです。
確かにお墓の花壇は手入れが大変です。
私は手入れが大変でも花が咲くお墓がいいです。
私が死んだら草ぼうぼうになりそうです。


医学講座
道庁のチューリップ2023
今日は2023年5月3日(水)憲法記念日です。
札幌の朝は曇りでした。
最高気温は22℃、
あたたかくなってきました。
GW後半です。
今年はコロナ禍が終わって人出が増えています。
高速道路が渋滞していると朝のTVで言っていました。
■ ■
昨日ご紹介した道庁赤れんが見学施設の続きです。
朝、通勤途中で写真を撮ってきました。
道庁前庭のチューリップがきれいに咲いています。
毎朝たくさんの道職員が、
このチューリップの横を通っています。
今日は祝日なので誰もいませんでした。
■ ■
今年はチューリップの開花も早いです。
下の写真は今朝道庁前庭で撮ったチューリップです。
このチューリップの後ろにあるのが、
道庁赤れんが見学施設です。
一番下の写真は道庁北側から撮った写真です。
一見すると赤れんがの建物があるように見えます。
白い覆いに描かれた絵です。
よくできていると思います。

道庁前庭のチューリップ


赤れんがの建物は絵です
医学講座
道庁赤れんが見学施設6日から一般公開
今日は2023年5月2日(火)です。
札幌はいいお天気です。
最高気温は14℃、
大通公園のチューリップも咲きはじめました。
道庁のチューリップは咲いています。
2022年10月3日に火事になった見学施設の前に、
チューリップの花壇があります。
■ ■
2023年5月2日、北海道新聞朝刊の記事です。
道庁赤れんが見学施設、6日から一般公開 シンボル「八角塔」間近に
道は、改修中の道庁赤れんが庁舎に隣接する仮設見学施設を6日から一般公開する。内部には昨年夏に庁舎から切り離した庁舎のシンボル「八角塔」が修復のために置かれ、間近で見学することができる。昨年秋の火災で公開を延期したが、修復が終わり、1日、報道陣に公開された。
施設は鉄骨造り3階建て。八角塔は今年秋ごろから屋根のふき替え作業が始まる予定で、その経過を見ることができる。庁舎では現在、れんがを積み上げた壁面に縦方向に穴を開け、細長い鋼材を地下まで通す耐震工事を行っており、その様子も3階から見られる。
見学施設は昨年10月に公開予定だったが、同月初旬に火災が発生し、修復工事を行ってきた。内部には庁舎の歴史に触れられる展示もあり、道建築整備課は「文化財を間近に感じてほしい」と話す。
一般向けは6日午後1~3時に試験公開し、7日から本格公開する。入場無料で午前8時45分~午後6時。来年5月上旬まで年末年始を除き毎日公開する。(岩崎あんり)

道庁赤れんが庁舎のシンボル「八角塔」を間近で見ることができる見学施設=1日(中村祐子撮影)
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
道庁は私の自転車通勤の経路です。
昨年の火事から7ヵ月です。
今日の道新で中のことをはじめて知りました。
来年5月までの期間限定公開です。
行ってみたいと思いました。
赤レンガ自体は大きな囲いで囲まれていて、
その囲いに赤レンガの絵が実物大に描かれています。
遠くからみると赤レンガがあるように見えます。
北海道観光におすすめです。
医学講座
美容外科合併症と保険診療2023
今日は2023年5月1日(月)です。
札幌もようやくあたたかくなりました。
サクラは散っていますが、
大通公園のチューリップが咲きはじめています。
花壇にお花が植えられて、
とてもきれいになってきています。
GWにたくさんの方がいらっしゃると思います。
■ ■
美容外科合併症は誰が診ていくのか?の続きです。
美容外科で注入を受けて失明、
アクアフィリングで感染しICUに入院、
不幸な事故が起きています。
同業者としてとても残念なことです。
■ ■
失明の事故や、
重篤な感染が起きると、
患者さんは救急搬送されることが多いです。
救命救急センターの先生は、
豊胸や注入について詳しくないので、
だいたい形成外科医が救急に呼ばれます。
すぐに緊急の処置が必要なことも多いです。
■ ■
たとえば眼動脈に注入剤が入ってしまった時、
眼の血管をよく知っているのは眼科医です。
眼科の先生を呼んで、
『動脈に入っている注入剤を溶解したいのですが、、、』
…と相談しても、
健康保険が適応にならない自費の患者さんだったら、
眼科医が処置をしてくれないこともあります。
■ ■
理由は私たちが加入している医師賠償責任保険です。
美容目的の手術や治療には、
ふつうの医師賠償責任保険は使えません。
病院で加入している保険も同じです。
もし失明の治療中にさらに悪化しても、
眼科医は責任を取れないですし、
病院も責任を取ってくれません。
■ ■
最悪の場合は、
事故を起こした美容外科が、
治療法が悪かったから失明が悪化したと、
責任を眼科になすりつける可能性もあります。
私たち医師には応召義務おうしょうぎむがあります。
『先生治してください』と言われたら、
保険がなくてもお金がなくても、
診なくていけないという決まりです。
美容外科の事故や合併症はほんとうに大変な問題です。
医学講座
第66回日本形成外科学会【長崎】⑤
今日は2023年4月30日(日)です。
昨日、帰ってきました。
札幌はやはり気温が低いです。
私が長崎に行っている間に、
チューリップが咲きました。
道庁のチューリップは咲いていますが、
大通公園のチューリップはもう少しかかりそうです。
■ ■
今回の学会で聞きたかった、
美容外科合併症は誰が診ていくのか?
今年も最後の10分は聞けませんでしたが、
全員のご発表を聞きました。
美容医療に関する委員会企画15:30~17:10
座長:関堂 充(筑波大学形成外科)
小室裕造(帝京大学形成外科)
形成外科と美容外科 美容外科合併症は誰が診ていくのか?
美容医療合併症治療における2つの「保険」問題
~健康保険と医療損害賠償保険~
青木 律(グリーンウッドスキンクリニック立川)
美容外科合併症への対策について
鎌倉達郎(聖心美容クリニック)
美容医療合併症を形成外科医が診ざるを得ない現在、まずは診療体制の整備が必要である
原岡剛一(神戸大学医学部附属病院美容外科)
■ ■
神戸大学美容外科の原岡剛一先生は、
アンケート調査の結果をお話ししてくださいました。
今年の学会でもはっきりとした結論は出ませんでしが。
一つ私から言えることは、
美容外科で合併症や後遺障害が起きると、
治すのは技術的にも大変なことが多く、
保険外診療なので莫大なお金がかかることです。
■ ■
生命の危険があるような場合は、
健康保険を使うこともあるようですが、
神戸大学美容外科はICUに入った場合でも、
【全額自費】になります。
莫大な金額を請求されることもあります。
海外で手術を受けた患者さんも困ります。
重篤な症状になっても、
手術をした先生は海外です。
日本で治療を受けるのは容易ではありません。
美容外科手術を受ける人は、
くれぐれも慎重に先生とクリニックを選んでください。
これが私からお伝えできることです。
医学講座
第66回日本形成外科学会【長崎】④
第66回日本形成外科学会【長崎】から帰ってきました。
羽田6:25発ANA987便→新千歳7:55着でした。
朝4:30に起きました。
毎日早朝からお仕事をなさっていらっしゃる、
さくらんぼさんのことを思っていました。
私は飛行機の中では寝てしまうのに、
さくらんぼさんは朝からお仕事です。
ほんとうに大変なことだと思いました。
■ ■
今年の学会で私が一番勉強になったのが、
2023年4月27日(木)7:45-8:45
皮膚腫瘍外科分野指導医教育セミナー
末期がんに伴う癌性皮膚潰瘍に対するpalliative surgery(緩和的手術)
[演者]藤岡正樹
国立病院機構長崎医療センター形成外科
この藤岡正樹先生のご発表が勉強になりました。
乳がんなどの末期に悪性腫瘍のために皮膚に大きなキズができてしまい、
そこから強い悪臭がすることがあります。
■ ■
強烈なにおいのため、
自宅でも病院でもケアーすることができません。
私自身も何人かの患者さんを知っています。
この状態から少しでも改善するために、
形成外科が悪性腫瘍を切除して植皮をします。
そうすると悪臭がうそのように無くなります。
たとえ半年でも患者さんは自宅で療養できるようになります。
■ ■
国立病院機構長崎医療センター形成外科の解説ページです。
末期がん患者に生じた皮膚潰瘍に対する緩和手術の挑戦
末期がん患者の苦痛、例えば疼痛や、吐き気に関しては緩和医療の介入・支援が一般的になり、患者は短い余生を家族とともに安楽に暮らせるようになってきました。
形成外科では、あらゆる皮膚の創・潰瘍を閉鎖し治癒させることができます。
ただし進行がんに伴う潰瘍に対しては、患者の余命が半年足らずしかないことを理由に積極的な治療が行われてこなかった歴史的経緯があります。
ところが進行した乳癌や内臓がんの皮膚転移による皮膚潰瘍が生じた場合、キズがら出る大量の浸出液、出血、悪臭のため家庭での創管理ができません。
そのため余命短いにもかかわらず、患者は家族から切り離されて入院生活を余儀なくされる場合がしばしばあります。
Palliative Surgery(緩和手術)とは患者の苦痛を伴う症状を軽減もしくは消失させることを目的とした手術です。
長崎医療センター形成外科では、緩和手術としてこれら皮膚潰瘍に苦しむ末期患者に対する創閉鎖を行っています。
2010年からの4年間で12例の緩和手術を行ってきました。いずれの患者も末期がんで浸出液、出血、悪臭、創痛に苦しんでいました。
全例手術によってこれらの苦痛を取り去ることができ、家庭で余生を送ることができるようになりました。術後の平均無症状期間は9.5カ月、術後平均寿命は14.4カ月でした。
しかも症状が患者に及ぼす影響を検討したところ有意差を持って改善が認められました(The Japanese version of the Support Team Assessment Scheduleによる検討)。
Palliative Surgery(緩和手術)は、2週間程度の入院手術と引き換えに、1年以上の家庭での家族と一緒にいる生活と、苦痛からの解放を提供することができます。
(以上、国立病院機構長崎医療センターHPより引用)
■ ■
藤岡正樹先生のご講演をお聞きして、
形成外科でもっとこの緩和ケア手術が広がるといいと思いました。
他の科にはできない手術です。
末期がんの患者さんで困っている人がいらしたら、
ぜひ教えてあげていただきたいです。
乳がんは治療法が進歩したので、
がんが残っていても生存できる人が増えているそうです。
医学講座
第66回日本形成外科学会【長崎】③
第66回日本形成外科学会【長崎】3日目のご報告です。
到着した日は強い雨が降っていましたが、
3日間の学会期間中は晴れました。
無事に学会が終了し、
今日は長崎から羽田まで帰ります。
2014年の第57回日本形成外科学会【長崎】の時も、
東京に一泊して早朝の便で札幌に帰ってきました。
■ ■
札幌⇔長崎は遠いですが、
羽田空港で乗継いで帰ると、
午前中から仕事ができます。
飛行機はありがたいです。
遠くても学会に参加して、
他の先生の顔を見て発表を聞くと勉強になります。
■ ■
時代遅れにならないように、
毎年新しい知識を仕入れることは、
私たち医師にとっては大切なことだと思います。
今年の学会でもたくさんの知識を得ることができました。
9年前に長崎で行われた形成外科学会では、
京都の冨士森良輔先生と帰りの空港バスでご一緒になり、
とても有意義なお話しを聞かせていただきました。
■ ■
今年の学会では、
冨士森良輔先生のご子息の、
冨士森英之先生のご発表をお聞きしました。
ケロイド核出手術
~低侵襲で簡便且つ有効な手術治療を目指して~
私が今まで見た中で、
一番いいケロイドの手術法でした。
冨士森英之先生のケロイド手術は、
Fujimori methodとして後世に残ると思います。
ケロイドで悩んでいる人に、
京都の冨士森形成外科をおすすめします。
■ ■
学会が終わり長崎空港に着きました。
19:20発の羽田行きANAです。
連休前のためか飛行機も空港も、
空港バスも満席です。
今日は羽田空港に一泊して、
明日6:25発の飛行機で札幌に戻ります。
長崎まで来てよかったです。
医学講座
第66回日本形成外科学会【長崎】②
第66回日本形成外科学会【長崎】の報告です。
今年は会員懇親会も再開されました。
海外からの先生たちもいらっしゃいました。
昨日朝に米国形成外科学会からメールがきました。
Dear Dr. Homma,
The American Society of Plastic Surgeons will be represented at the 66th Annual Meeting of the Japan Society of Plastic and Reconstructive Surgery from April 26-28 at the Dejima Messe Nagasaki in Nagasaki, Japan.
While at the conference, on April 26, at 10:40 am ASPS President, Dr. Greco, PSF President, Dr. Levinson and myself will present as part of the International sessions. Please visit our lectures.
本間先生へ、
4月26日から28日まで長崎の出島メッセ長崎で開催される第66回日本形成外科学会総会にアメリカ形成外科学会が参加することになりました。
学会では、4月26日午前10時40分からASPS会長のグレコ先生、PSF会長のレビンソン先生と私がインターナショナルセッションの一部として講演します。是非、講演をご覧ください。
■ ■
久しぶりに生の英語を聞きました。
米国形成外科学会会長のGreco先生の講演をお聞きしました。
米国では若返り手術のフェイスリフトが盛んです。
Greco先生の講演は、
フェイスリフト手術の前に、
レーザー治療でお肌のコンディションをよくしておいて、
それから手術をするのだそうです。
■ ■
座長の吉村浩太郎先生からは、
日本ではフェイスリフト手術は『切る手術』よりも、
糸を使った手術が多くなっているとお話しがありました。
米国では形成外科医も美容の手術をたくさんしているようです。
しばらく生の英語を聴いていなかったので、
ちょっと聞き取れない部分もありました。
やはり英語は続けないとダメなようです。
一日目にはケロイドの治療法や、
リストカットのキズの治し方などを勉強しました。
■ ■
今日は2019年5月に札幌で開催された、
第62回日本形成外科学会(札幌)以来、
4年ぶりに会員懇親会が開催されます。
ようやくコロナが収束したかなぁ~?
…という思いです。
親しい先生と4年分のお話しをしてきます。
長崎はいいお天気です。
長崎まで来てよかったです。
医学講座
第66回日本形成外科学会【長崎】①
今日から第66回日本形成外科学会です。
昨日、大阪(伊丹空港)経由で長崎に来ました。
長崎空港に到着するとかなり強い雨が降っていました。
ありがたいことに今日は晴れました。
前回長崎に来たのが9年前の2014年でした。
第57回日本形成外科学会です。
2014年4月9日~11日まででした。
■ ■
今年は長崎大学形成外科、4代目教授の、
田中克己先生が会長です。
学会HPの会長挨拶です。
この度、第66回日本形成外科学会総会・学術集会を 2023年4月26日(水)・27日(木)・28日(金) に、出島メッセ長崎で開催させていただきます。長崎大学形成外科が本学術集会を開催させていただくのは、第23回、第45回、第57回に次いで 4回目となり、大変名誉であり、光栄に存じます。同門、教室の力を結集して皆様をお迎えする準備を進めております。

■ ■
歴代の教授が4代にわたって日本形成外科学会総会を開催されるのは、
私の記憶が正しければ長崎大学がはじめてです。
素晴らしいことだと思います。
長崎大学は日本でもっとも伝統がある国立大学形成外科の一つです。
学会会場は1~10まで10カ所もあります。
とても全部は聞けません。
明日以降にご報告させていただきます。

医学講座
上田和毅先生のご逝去を悼む
今日は2023年4月25日(火)です。
明日から長崎で日本形成外科学会です。
今日は札幌から長崎までの移動日です。
直行便がないので、
大阪(伊丹)経由で来ました。
長崎に着きました。雨でした。
昨日届いた日本形成外科学会誌を読んで驚きました。
私が尊敬する上田和毅先生のご逝去を知りました。
■ ■
もう学会でお会いすることができなくなりました。
ほんとうに残念です。
日本形成外科学会誌の追悼文です。
上田和毅先生への追悼の言葉
本学会名誉会員で福島県立医科大学名誉教授,上田和毅先生が,病気療養中のところ,令和4年(2022年)11月6日ご逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。
先生は横浜市にお生まれになり,横浜聖光学院,東京医科歯科大学をご卒業後,一般外科研修を経て,1980年東京大学医学部形成外科学教室に入局されました。入局後は静岡県立こども病院,都立大塚病院などで修練を重ねられ,東京大学形成外科学教室助手となり,1990年講師に昇任されました。その後,自治医科大学形成外科助教授を経て,1998年福島県立医科大学形成外科学教室の初代教授に就任,2017年に定年退官されるまで20年にわたり教室の発展,後進の育成にご尽力なさいました。
形成外科学全般を広く修められましたが,なかでもマイクロサージャリー,顔面神経麻痺が専門で,学位取得論文は『顔面神経麻庫に対する神経血管柄付遊離筋肉移植の筋電図学的検討』というものでした。その業績から,日本マイクロサージャリー学会理事長・学会長,日本顔面神経学会理事長・学会長・Facial Nerve Research Japan編集委員長を歴任されています。そのほか,日本形成外科学会をはじめとする各種学会の役員を多数務められるとともに日本形成外科学会基礎学術集会などを主催,本邦における形成外科の発展に大きく寄与されました。
先生は一言でいえば,背伸びをしない,嘘のない人でした。われわれは自分が経験したことのない疾患や病態に遭遇した時,しばしば治療法・手術術式の選択に迷います。そのような折,いつも的確なアドバイスを与えてくれるのが上田先生でした。先生は日本形成外科学会会誌編集委員長の経歴が示すように歴史的に重要な文献はもちろんのこと,最新の文献にも常に目を通されていました。そこから得られた知識,そして自分自身が経験した症例の結果を,良くなかったものも含め,何か問題でどこがポイントなのか,包み隠さず話してくれました。「この手術はうまくゆけば確かに良いよ。ただ,うまくゆく確率は30%もないんじゃないかな」とか,「この手術をやって本当に満足してくれる患者は半分もいないんじゃないかな。こちらがうまくいったと思っていても,患者さんは“これで終わりですか? もっと良くなりませんか?”と聞いてくるんだよ」などと話してくれました。あの性格ゆえ,患者さんやご家族も話しやすく,本音を吐露されていたのでしょう。“生存率”などのような数値による評価が難しい形成外科の治療成績を考えるうえで,先生のこのような言葉は大いに参考となりました。
横浜育ちで高校・大学時代はヨットが好きだったという先生でしたが,少林寺拳法,謡曲も嗜むという粋な面をお持ちでした。大変な読書家で,医科歯科大学の学生時代,近かった神田神保町の古本屋に足繁く通ったそうです。お父様もそうだったそうで,二人の本の重さで自宅の床が歪んでいると聞いたことがあります。また,福島に行かれてからは,週末,医局の先生方と近くの温泉に行ったり山登りをしたりして楽しんでいらっしゃいました。私も手術の手伝いに行った折,近くの飯坂温泉に連れて行っていただいた覚えがあります。
そのように健康にも気を配られていた先生ですが,退官後しばらくして体調の不良を訴えられるようになり,その後の経過が捗々しくなく,今回のあまりにも早い訃報となってしまいました。“上ちゃん”とすれば,忙しくて読めなかった本を読む,登れなかった山に登る,そしてなにより一緒にいられる時間の少なかったご家族とゆっくり過ごすなど,まだまだやりたかったことがたくさんあったと思います。退官して時間ができ,さあこれからという時だっただけに本当に残念です。相談事をした時の的確な回答,依頼した原稿に対する期待どおりの内容,学会の後の飲み屋で皆を和ませる,あの,ちょっとはにかんだような笑顔など,すべてが忘れられません。
先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
帝京大学医学部形成・口腔顎顔面外科学講座
名誉教授 平林慎一
(以上、日本形成外科学会誌より引用)
■ ■
ほんとうに残念です。
平林先生が書かれているように、
先生は一言でいえば,
背伸びをしない,
嘘のない人でした。
その通りです。
適切な助言をくださる先生でした。
あの,ちょっとはにかんだような笑顔など,すべてが忘れられません。
上田先生の声もよく覚えています。
心からご冥福をお祈りいたします。
