医学講座
脂腺母斑の手術時期2021
今日は2021年12月9日(木)です。
札幌はあたたかい師走が続いています。
積雪はゼロです。
今日は休診日でした。
先日届いた専門誌形成外科をご紹介します。
日本で一番長い歴史がある、
克誠堂出版の形成外科専門誌です。
私は年間購読をしています。
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私の院長日記で、
もっともコメントの数が多いのが、
脂腺母斑の手術時期です。
2013年7月12日に書いたのに、
2021年になってもたまにコメントがきます。
コメントというより質問が多いです。
この院長日記には続編の、
脂腺母斑の手術時期2016もあります。
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私はひとりの形成外科医として、
赤ちゃんの脂腺母斑は、
小さいうちに切除するのがいいと考えています。
残念ですが、
札幌美容形成外科では小児の手術は行っておりません。
大きな病院で、
全身麻酔で手術をすることをおすすめします。
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今日ご紹介する論文は、
小児の頭皮手術における閉創時の工夫という論文です。
大阪の西村恵里子先生が投稿されました。
2015年4月~2019年3月までの4年間に大阪母子医療センターで頭皮の手術を行った189例を対象とした(男性105例,女性84例)。
1歳未満が9例,1歳以上7歳未満が147例,7歳以上15歳未満が29例,15歳以上20歳未満が2例,20歳以上が2例で,平均4歳3ヵ月であった。
189例中、脂腺母斑が150例で最多でした。
切除時に工夫をすることで、
切除後のキズが目立たなくなるという論文です。
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私が強調したいのは、
189例中156例が7歳までに手術を受けていることです。
形成外科医にとって、
小児期に脂腺母斑の手術をするのは常識です。
小さいうちに、
上手な先生に手術をしてもらってください。
この論文に出ている、
大阪母子医療センター、大阪警察病院形成外科、大阪大学医学部形成外科では、
上手に手術をしてくださいます。

医学講座
朝のタンパク質_筋肉量増加に効果的
今日は2021年12月8日(水)です。
札幌は暖かな師走が続いています。
少しでも長く続いてほしいです。
2021年12月8日、北海道新聞朝刊、
札幌医大教授、當瀬規嗣先生の「生きる」しくみです。
今日もためになることが書いてありました。
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<「生きる」しくみ>朝のタンパク質 筋肉量増加に効果的
朝食でよく食べる食材はなんでしょうか。思いつくのは、卵、納豆、豆腐、みそ汁、焼き魚、牛乳、ハム、チーズそして、ご飯やパンでしょうか。
主食であるご飯やパンを別にすると、ここに挙げた食材には共通点があります。それはタンパク質を豊富に含んでいる食材であるということです。洋の東西を問わず、朝食にタンパク質をたくさん取ることが行われています。
先般、このことに根拠を与える研究が発表されました。朝食にタンパク質を多く取ると、夕食で取った場合と比較して、筋肉量が増加するというのです。その効果は、とりわけ高齢女性を対象にした調査で顕著だというのです。
老化に伴う筋萎縮をサルコペニアと呼びます。サルコペニアにより運動能力が低下し、足腰が弱くなって、寝たきりなど要介護の状態になることが懸念されています。朝食に意識的に多くのタンパク質を取ると、サルコペニアの進行を遅らせ、要介護状態を避けることができるかもしれません。
どうして朝なのかというと、人の体のリズムを決めている体内時計のはたらきによって、タンパク質を筋肉に変えるようにしているからです。体内時計が朝のスタートにあたって、筋肉を作り、あるいは修繕して1日に備えるように仕組んでいるのです。
だから筋肉の材料であるタンパク質をたくさん食べると効果的なのです。難しいことではありません。朝にタンパク質、お勧めです。(當瀬規嗣=とうせ・のりつぐ、札医大医学部教授)

(以上、北海道新聞より引用)
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私は毎朝おかめ納豆を食べています。
さくらんぼさんのりんごと納豆が、
私の健康を支えてくれています。
當瀬のコラムに書いてあった、
サルコペニアという言葉を聞きます。
老化による筋肉の萎縮だそうです。
朝、タンパク質をとるといいそうです。
気をつけて食べるようにしましょう。
医学講座
第一生命新ビル着工
今日は2021年12月7日(火)です。
札幌は雪がなくあたたかな師走です。
2021年12月7日、北海道新聞朝刊の記事です。
第一生命新ビル着工 2023年5月完成予定 チカホ接続部は吹き抜け
JR札幌駅南口の旧札幌第一生命ビルディング(札幌市中央区北3西4)跡地で6日、第一生命保険(東京)の新しいビル「D―LIFEPLACE札幌」の建設工事が始まった。2023年5月の完成を予定している。
新ビルは地上13階地下1階建て、延べ床面積は1万5760平方メートル。総事業費は非公表。地下1階を札幌駅前通地下歩行空間(チカホ)とつなげた上で、1階まで吹き抜けのオープンスペースとする。自然光が入り、屋外からもガラス越しに見下ろせる構造だ。
ライブイベントなどでの活用を想定するほか、災害時には約100人の避難者を受け入れられるよう空調や照明を72時間まかなえる非常用電源設備を設ける。
1階と地下1階には、商業施設向けに計3区画を用意。飲食店や物販などのテナントを誘致する。第一生命保険は「地元企業の誘致も積極的に検討したい」としている。2~13階はオフィスとなる。(権藤泉)

チカホと接続し吹き抜けとなるオープンスペース。札幌駅前通りから見たイメージ図(第一生命保険提供)
(以上、北海道新聞より引用)
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札幌美容形成外科が移転前に、
私が毎日横を通っていたビルです。
お隣に日生ビルができても、
第一生命ビルは古いままでした。
一階にはあおぞら銀行が入ってました。
2023年5月完成予定だそうです。
これから札幌駅前が大きく変わります。
医学講座
マイクロサージャリーは若いうちに
今日は2021年12月6日(月)です。
札幌は雪がない師走です。
マイクロサージャリー学会2021(つくば)は、
関堂教授のFBによると、
コロナ禍のなか、現地参加の先生が640名で、
コロナ前と同数の参加者で盛況でした。
関堂教授と筑波大学形成外科のみなさんに感謝いたします。
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今年、日本マイクロサージャリー学会に参加して感じたことは、
若い先生が積極的に参加されていることです。
筑波大学形成外科の皆さんも、
若い人が多いです。
細かい手作業を習得するには、
若いうちがいいです。
自転車と同じです。
一度覚えてしまえばできます。
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私は1990年に開催された、
日本マイクロサージャリー学会講習会で習得しました。
36歳でした。
今から考えるとギリギリでした。
67歳になっても、
手術用顕微鏡で手術ができます。
手先が器用でなくても、
若い先生でしたら習得できます。
素晴らしい学会を開催していただいた、
関堂充先生に感謝いたします。
ありがとうございました。

医学講座
マイクロサージャリーを支える日本の町工場
マイクロサージャリー学会2021で印象に残った発表です。
Family-run Factories Supporting Microsurgery
マイクロサージャリーを支える日本の町工場
…と訳してみました。
杏林大学病院 形成外科教授
多久嶋亮彦たくしまあきひこ先生が、
第44回日本マイクロサージャリー学会会長の時に作られたビデオです。
■ ■
私ははじめてこのビデオを見ました。
感動しました。
NHKのプロフェッショナルのような構成でした。
世界で最初に指の再接着をなさった、
奈良県立医大名誉教授の玉井進先生へのインタビューがありました。
玉井先生が恩師の恩地裕先生から、
切断指再接着の勉強をすすめられたこと、
縫合糸や針、
血管用クリップで苦労されたことを知りました。
■ ■
続いて、東京大学名誉教授の波利井清紀先生のインタビューがありました。
波利井先生がマイクロサージャリーをはじめられた頃には、
秋葉原で時計屋さんが使うピンセットを買ってきたそうです。
今のようにいいステンレス製がなかったので、
一晩おくとピンセットはさびだらけになっていて、
そのさびを落として使われたそうです。
たくさんのご苦労があってマイクロサージャリーが進歩したことを知りました。
町工場の職人さんが、
持針器を作ってくださっている現場もわかりました。
■ ■
私たちが手術で使っているナイロン糸が、
どうやって針につけられているかも、
40年形成外科医をやっていて、
はじめて見て知ることができました。
ベテランの女性が、
みごとな指使いで、
いっぽん一本糸を針につけていました。
まさに職人技でした。
私たちの手術を支えてくださっている、
日本の医科器械製作の会社を見ることができました。
形成外科の若い先生や、
看護師さんにもぜひ見ていただきたいと思いました。
いいビデオを作ってくださった多久嶋亮彦教授に感謝いたします。
医学講座
光超音波3Dイメージング装置
マイクロサージャリー学会2021(つくば)
…で一番印象に残った発表です。
ランチョンセミナー5
光超音波3Dイメージング装置
数年前から、
学会や論文で見て、
興味を持っていました。
LUXONUSルクソナス
…という会社が作りました。
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学会で聞いて、
もっと驚きました。
この装置を開発されたのが、
慶応義塾大学医学部解剖学教室で、
会社の代表取締役が、
相磯貞和先生
慶應義塾大学名誉教授・芝浦工業大学特任教です。
素晴らしい装置です。
■ ■
私たち形成外科医が手術をする時に、
血管の走行がとても大切です。
いい手術結果を出すためには、
血流がいい皮弁が必要です。
血管の状態は人によってばらつきがあります。
手術前に血管を正確に知ると、
血管を傷つけずに手術ができます。
この装置は素晴らしいです。
つくばまで行ってよかったです。

医学講座
マイクロサージャリー学会2021(つくば)②
マイクロサージャリー学会2021(つくば)の続きです。
今日は参加者が増えました。
北大形成外科の先生にもお会いしました。
私がつくば市に来たのは2回目です。
前に来たのも学会でした。
形成外科の学会ではなく、
微小循環学会でした。
今年、つくばまで来たのは理由があります。
■ ■
今年の学会は、
筑波大学形成外科の関堂充教授が会長です。
関堂充先生は、
私が1995年1月1日付けで、
JA帯広厚生病院形成外科に赴任した際に、
吉田哲也先生(現:苫小牧日翔病院副院長)とともに
私をあたたかく迎えてくれた先生でした。
帯広厚生病院では、
3ヵ月しかご一緒に仕事をできませんでしたが、
とても優秀で温厚な先生です。
■ ■
実に感慨深いものがあります。
関堂先生は教授に就任されても、
とても腰が低い先生です。
おれが俺がというのが、
まったくない先生です。
優しい先生です。
教室員にも慕われています。
国際学会もいっしょに開催されて、
素晴らしいことです。
内容もとても素晴らしい学会です。
明日以降に勉強したことをお伝えします。

関堂充せきどうみつる教授です
医学講座
マイクロサージャリー学会2021(つくば)①
マイクロサージャリー学会に参加するためにつくば市に来ました。
今日は朝8:00~夜7:50まで学会を聞いていました。
今回の学会は、
第48回日本マイクロサージャリー学会と
第5回アジア太平洋マイクロサージャリー学会の合同学術集会です。
今日は国際学会の方だったので、
一日中英語でした。
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参加者はほぼ全員が日本人ですが、
学会会場の公用語は英語です。
知り合いの先生と話す時は日本語でも、
学会で質問する時は英語です。
海外の先生は、
韓国、
台湾、
インド、
タイ、
トルコ、
中国、
オーストラリア、
…の先生が参加されました。
■ ■
オミクロン株のためか?
海外の先生は全員オンラインでした。
ネットのおかげで、
韓国とも、
台湾とも、
タイとも、
とてもよく見えてよく聞こえました。
すごい世の中になったものです。
医療技術も進歩しています。
また勉強になりました。
■ ■
残念なのは参加者が少ないことです。
朝8:00~のビデオセッションは、
発表者と座長以外は数人でした。
とてもいい内容だったのに、
コロナのために参加者が少なくなったのか?
残念な思いで聞いていました。
午後からは少し参加者が増えてきました。
つくば国際会議場という、
とても立派な学会会場です。
明日は少し参加者が増えるといいなぁ~と思っています。


医学講座
自転車通勤最後の日2021
今日は2021年11月30日(火)です。
雪がないので自転車できました。
自転車通勤最後の日です。
明日から来年3月末まで駐輪場が閉鎖されます。
4月からは有料駐輪場になります。
11月30日まで自転車で通勤できるのは、
やはり温暖化の影響だと思います。
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明日から12月になります。
困ったことに、
オミクロン株という変異株が出ています。
日本でも確認されました。
変異株のために、
株価が変動しています。
投資家も医学を勉強して、
感染予測までしなくてはならない時代です。
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67歳の私は、
働けることに感謝の日々です。
札付きの軟弱児だった私が、
67歳でも元気で働けるのは、
さくらんぼさんの、
りんごのおかげです。
今年は春の霜害で大変でした。
来年は豊作になることを祈っています。