医学講座

第113回日本美容外科学会①

 平成24年1月21日(土)、
 東京で第113回日本美容外科学会がありました。
 組織会長は、
 神田美容外科形成外科医院の、
 征矢野進一(そやの_しんいち)先生です。
      ■         ■
 征矢野(そやの)先生は、
 東京大学医学部のご卒業。
 東京大学で医学博士の学位を取得された、
 とても優秀な先生です。
 私と同年代で、
 26年前のコラーゲン以来のお付き合いです。
      ■         ■
 初対面の征矢野先生は…
 とてもダンディでかっこいい
 今でいういけめんでした。
 東大には…
 こんなかっこいい先生がいるんだ…
 …というのが第一印象でした。
      ■         ■
 とても気さくな先生で、
 26年前はコラーゲンや、
 形成外科の話しをよくしていました。
 その後、征矢野先生は、
 神田美容外科形成外科医院を開業されました。
 いまや…
 コラーゲンやヒアルロン酸など…
 注入剤による美容医療の世界的権威です。
      ■         ■
 昨日の学会では、
 征矢野先生から、
 注入剤の使い方についてという発表がありました。
 征矢野先生の結論は、
 使い方の基本は、
 その製剤が使用する患者に対して安全であるかと、
 患部にどのような反応を示すかを知って用いることである。
      ■         ■
 つまり、
 一口に『しわ』と言っても…
 患者さんによって症状はまちまちです。
 単にヒアルロン酸を注射しますではなく…
 どの深さにどの程度入れるか…? 
 どんな針を使うか?…も問題です。
 価格だけで選ぶととんでもない結果になることもあります。
      ■         ■
 私は何度も征矢野先生の講演をお聞きしていますが、
 いつも感心するのは、
 新しい注入剤を試す時は、
 必ず征矢野先生の腕でテストされていることです。
 講演に使われるイラストも、
 先生のお嬢様が描かれた、
 かわいらしいピンクの皮膚の絵です。
 しわの治療神田美容外科形成外科医院をおすすめします。

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医療問題

美容医療・契約トラブル110番

 国民生活センター
 美容医療・契約トラブル110番への相談事例から引用します。
 無料カウンセリングのつもりで受診。120万円の脂肪溶解注射の契約をし、その日に施術された
 脂肪溶解注射の無料モニター募集という広告をフリーペーパーで見つけ、クリニックに問い合わせた。「あなたの場合、完全無料モニターは難しいが、施術の一部を無料にすることはできる。無料カウンセリングだけでも受けないか」とスタッフに言われ、クリニックに出向いた。「モニターとしては腹部のみ無料。他の部分の施術は有料で100万円程度かかる」とカウンセラーに言われた。
 予想以上に高額なので動揺していたところ、「早いほうが良い。個人差はあるが1~3カ月程度で効果が出る。今日なら医者がいるのですぐ施術できる」と立て続けに言われ、断れなかった。クレジットを勧められ、病院にいる間にクレジット会社からの確認の電話を受けた。ホームページには、カウンセリング後すぐ施術しないとあったのに、その日に脂肪溶解注射を何十本も打たれた。3カ月経ったが全く痩せないし、副作用の内容や効果の程度についての説明は受けていない。高額なので支払えない。
 (20歳代・女性・学生)
      ■         ■
 私は何度も警告しています。
 ただほど怖いものはありません
 2009年8月17日の
 無料カウンセリングの罠(わな)
 2008年12月12日の
 無料カウンセリング
 無料の裏には、
 高額の手術代が隠れています。
      ■         ■
 相談事例についてみると…
 今日なら医者がいるのですぐ施術できるがそもそも変です。
 クリニックに医者がいるのが当たり前です。
 医者がいないのに…
 看護師だけで治療はできません。
 患者さん(お客さん)のお腹を見て(診て)
 あなたのお腹には…
 これだけ脂肪がついているので…
 脂肪溶解注射何十本が必要です
 …は立派な医療行為です。
      ■         ■
 医師免許の無い人が、
 他人を裸にして診察は…
 医師法違反です。
 カウンセリングなんていうと…
 何となく聞こえがいいですが…
 恋のお悩み相談などと…
 不眠症の相談は違います。
      ■         ■
 この『しわ』には…
 ヒアルロン酸注射がいいですも、
 厳密に言うと、
 『しわ』の診断と、
 ヒアルロン酸注射という治療方針の決定なので、
 医師以外の人がすると医師法違反になります。
      ■         ■
 札幌美容形成外科では行っていませんが、
 多くの美容外科チェーン店では、
 腕の良いカウンセラーさんが、
 あの手この手で、
 美容医療という商品を販売します。
 売上が給与に反映されます。
      ■         ■
 先生まで、
 高額商品の販売に熱心なところもあります。
 ヒアルロン酸注射の使いまわし
 安価な材料を少量だけ注射する
 …安売りの裏には…
 …とんでもない落とし穴もあります。
      ■         ■
 私は美容外科が好きです。
 一部のとんでもない医療機関のために、
 美容外科全体が悪く見られるのは、
 とても悲しいことです。
 どんな業界にも悪い人はいます。
 どうか…
 無料カウンセリングの罠(わな)
 …に引っかからないでください。

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医療問題

美容整形だけではありません③

 平成24年1月17日から取り上げている
 内閣府の
 エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議
 …には、重要な問題がいくつも書かれています。
 美容外科が…
 フリーペーパーや女性週刊誌、
 TVなどの番組で宣伝をする時には、
 たくさんの規制があります
      ■         ■
 医療機関の衛生設備などは、
 保健所の検査が必要です。
 不適切であれば、
 改善のための指導を受けます。
 当然、国の基準もあります。
      ■         ■
 ところが…
 医療機関ではないエステ等の施設において行われている施術に関しては、公的な衛生基準が定められていない場合が多い
 …と国の報告でも認めています。
 そもそも…
 エステに対する法律が不十分なので…
 エステにおける危害事例(腫れ等)が保健所に寄せられることはあっても、直接これを規制する法律や公的な衛生基準がない以上、保健所としては対処しづらい旨の意見が聞かれた。
 保健所も手を出せないのが現状です。
      ■         ■
 国家資格が必要なレーザー脱毛やアートメイク等について、無資格者による施術が散見される旨の意見が聞かれた。
 当委員会においても、エステの雑誌広告やホームページにおける表示を確認したが、エステにおける施術メニューとして「永久脱毛」、「アートメイク」をうたったもの等、医師法等の法令に違反するおそれのある施術が行われていることがうかがえる例が散見された。
 (注)各種通知により、レーザー脱毛やアートメイクについては医師の資格が、まつ毛エクステンションについては美容師の資格が必要とされている。
      ■         ■
 もっと言うと…
 レーザー脱毛に使われている機器で、
 厚生労働省が承認した機種は、
 私が知っている限り…
 札幌美容形成外科で使っている…
 Candela社Gentle LASEなど限られた機器だけです。
 大部分は未承認の機種です。
      ■         ■
 厚生労働省は、
 エステでどんな機器が永久脱毛に使われているか…?
 調査もしていなければ、
 まったく把握もしていません。
 野放し状態です。
 これが日本の現状です。
      ■         ■
 私は消費者を守るためにも、
 しっかりと法律を整備し、
 国家資格も作るべきだと思います。
 医師が増えすぎて…
 アートメイクを専門にする先生が増えれば別ですが、
 私はアートメイクに医師免許は不要だと考えます。
 しかし…
 しっかりと教育をして国家資格を持った人が施術するべきです。

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医療問題

美容整形だけではありません②

 平成24年1月18日の院長日記でご紹介した、
 内閣府の
 エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議には、
 たくさんの美容医療に関する問題が掲載されています。
 エステでアートメイクをアイラインに入れたところ、
 まぶたが腫れ、目がほとんど開かなくなった。
 広告に
 医療的見地に基づいた安全性を兼ね備えた信頼できる施術」とあったが、
 医師の姿はなかった。
      ■         ■
 そもそも…
 どこの大学医学部でも、
 6年間の授業や実習で、
 一度もアートメイクは教えません。
 医師国家試験にも出ません。
 もちろん…
 看護師国家試験にも出ません。
      ■         ■
 医師免許を持った先生が、
 アートメイクを入れているのは、
 きわめて少数だと思います。
 私が知っているのは、
 一人か二人だけです。
 全身に入れる刺青にいたっては、
 医師が彫ったというのは聞いたことがありません。
      ■         ■
 アートメイクを入れている方にお聞きすると…
 年齢とともに…
 目が悪くなって…
 細い線を描けなくなったので、
 眉やアイラインを入れていただいた。
 …という方が多いです。
      ■         ■
 とても上品に…
 お化粧と間違うくらいきれいに入れている方もいれば…
 私が見て…
 あ~ぁ
 こんなに入れちゃって…
 …という真っ黒で太い方もいらっしゃいます。
      ■         ■
 アートメイクは、
 きちんとした資格を作るべきです
 感染症などについての教育をすべきです。
 理容師・美容師のように、
 国家試験も作るべきです。
 施術所には保健所の検査も義務づけるべきです。
 刺青の彫り師まではわかりませんが、
 少なくとも一定の需要がある、
 アートメイクはしっかりとすべきです。

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医療問題

美容整形だけではありません①

 昨日の院長日記でご紹介した、
 内閣府の
 エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議
 …には、エステに関する問題も掲載されています。
 その一部をご紹介すると…
 エステで光脱毛を2回受けた後、
 皮膚が赤くなった。
 その後赤みは引いたが、
 5センチ四方以上のあざが残り、
 2か月たっても消えない。
      ■         ■
 このエステの光脱毛は違法です。
 99%以上の日本人は、
 エステで脱毛するのは当たり前で、
 何の違法性もないと考えています。
 ところが…
 厚生労働省では、
 医師免許を持たない人が、
 光やレーザーなどで脱毛することを禁止しています。
      ■         ■
 エステでの脱毛という、
 2007年3月13日の院長日記に書いてあります。
 厚労省は2001年、各都道府県に「強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」が医療行為にあたると通知している。
 国民生活センター(東京)によると、光脱毛機をめぐり、「わきの脱毛をして痛みを感じた。医者に行ったらやけどと診断された」「足の脱毛で水ぶくれができた」などの相談が寄せられているという。
      ■         ■
 日本の脱毛は…
 タクシー乗り場に違法な白タクが並んでいて…
 正規タクシー運賃の半額以下で、
 過当競争を繰り広げているのを…
 監督官庁が見逃しているようなものです。
 保健所には警察権がないので、
 傷害事件にでもして…
 警察が関与しない限り…
 エステの脱毛は無くなりません。
      ■         ■
 そもそもレーザーや光による脱毛は…
 毛をやけどさせる治療です。
 程度の差こそあれ、
 照射後には必ず赤くなります。
 これを治療できるのは、
 医師免許を持った人だけです。
      ■         ■
 エステで光脱毛
 5センチ四方以上のあざは、
 素人が治療したなら、
 業務上過失傷害罪か、
 医師法違反です。
 このような事例はよくあります。
      ■         ■
 警察署の婦警さんでも…
 違法だと知らずに…
 安いエステに通って脱毛をしている人が…
 ひょっとするといるかも知れません。
 もし全国一斉にエステが摘発されると、
 高いお金を払った
 全身脱毛フリープランは…
 …すべて水の泡になります。
      ■         ■
 もう少し国は国民に情報を提供すべきです。
 国民生活センターは優れた機関です。
 ここに警察権や捜査権を持たせて、
 もっと消費者、つまり国民を守るべきです。
 現状の保健所は、
 行政改革という名の人減らしで、
 とてもエステまで監督する時間がないと思います。

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医療問題

手術前後の写真だめ

 平成24年1月16日、北海道新聞夕刊の記事です。
 施術前後の写真だめ
 厚労省美容整形のHP規制ヘ
 厚生労働省は、美容整形や脱毛、脂肪吸引などを行う医療機関を対象に、ホームページ (HP)での宣伝を規制する指針を、2012年度中に策定することを決めた。限られた成功例を強調する施術前後の写真や患者の体験談は、掲載を禁じる方針だ。
 医療機関の広告は医療法で厳しく制限され、雑誌広告などは現状でもこうした表現が禁止されているが、HPは対象外。美容クリニックなどのHPを見て訪れた患者が高額な費用を請求されたり、施術結果が不本意だったりといったトラブルが増え、厚労省はルールが必要と判断した。
 優れた医療機関と誤認させる「ナンバーワン」「芸能プロと提携」などの文言や、「キャンペーン中で今だけ90%オフ」のような費用の安さを過度に強調する表現も禁止する方向だ。国民生活センターによると、美容クリニックの宣伝内容などをめぐる相談は、2005年度は432件だったが、2010年度には759件に増えた。
 厚労省は医療法上の広告にHPを含めるとも検討したが、一律に法規制するのは難しく、患者が必要な情報を得られなくなるデメリットも大きいと判断。当面は法的な強制力や罰則のない指針で、医療機関の自主的取り組みを促すことにした。
 (以上、北海道新聞より引用)
      ■         ■
 函館の看護師さんからも、
 昨日コメントをいただきました
 私はこの規制方針に賛成です。
 卑しくも医療機関であるクリニックのHPが、
 開いたとたんに…
 全面ピンク色
 今だけ90%OFFはいただけません。
      ■         ■
 先生やスタッフのブログも…
 いかにも集客のために…
 今日もがっつり脂肪吸引しました
 あんなに勉強して…
 苦労して取得した医師免許証を…
 お金のためだけに使って…
 この先生は幸せなのか…?
 …と思うようなHPやブログがたくさんあります。
      ■         ■
 医療ですから…
 リスクもあります。
 トラブルもあります。
 初期研修を終了してすぐ…
 卒後3年目程度で…
 チェーン店の店長さんです。
      ■         ■
 私は何度も取り上げています。
 2009年12月16日の
 チェーン店の問題
 2010年9月5日の 
 医療事故を防ぐには③
 是非、厚生労働省のお役人に読んでいただきたいです。
      ■         ■
 一番良いのは、
 厚生労働省のお役人に、
 患者のふりをして…
 芸能プロと提携クリニックへ行っていただくことです。
 そうすると…
 言葉巧みに…
 手術費用100万円を吹っかけられます。
      ■         ■
 今朝の朝日新聞には、
 美容整形、
 エステ、
 アートメイクなどのトラブルについて、
 国民生活センターが相談窓口を開設したと載っていました。
 内閣府のHPにも載っています。
 是非、ご覧になってください。

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昔の記憶

現代学生百人一首2012

 平成24年1月16日、朝日新聞、天声人語です。
 いさぎよい紅一点。
 機械科で男子の中に女子一人それを覚悟で目指す夢あり
 と山口県の高校1年水津梨亜奈(すいづ・りあな)さんは詠んだ。
 愛知の高3曽山真帆さんは
 駆け寄られ「せんせい、あのね」と言われたらさらに高まる保育士の夢〉とうたう
 ▼いつもこの季節に東洋大学から届く「現代学生百人一首」が今年で25回になった。繊細に、粗削りに、過ぎゆく青春を三十一文字(みそひともじ)にとどめた応募は累計で100万首を超える
 ▼今回はやはり震災を詠む歌が目立つ。
 被災地となった故郷を前にして震える母の肩を支える〉高2辻本有紀。被災地にゆかりのない人も惨状に胸を痛めた。
 顔知らぬ名前も知らぬ人達に生きててほしいと願った三月〉高2門脇優衣(ゆい)
 ▼そんな厳しい時代だが、若い感性はしなやかだ。
 夏空に白くたなびくバスタオル遥(はる)かに見える雲と重なる〉高3高橋昂太郎。
 飲みかけのラムネのビンを傾けるガラスのなかで揺れた夏空〉高1山内(さんない)志織
 ▼とはいえ頬杖をつくことも。
 いつの間に大人と呼ばれる歳になりあたしはわたしに置いてかれてる〉大学2年結城舞子。
 さびしいときには
 「おかん、おれ」意味なく電話してしまいテレカが尽きる寮のおきまり〉高2小見山智
 ▼もちろん人を恋う歌も多い。〈会えるかな淡い期待をそっと抱きあの道今日も遠回りする〉高3十川栞(そがわ・しおり)。
 小学生の部に
 雨を行く新幹線の窓ガラス走れ走れ雨つぶねずみ〉5年小林真夕(まゆ)。情景が目に浮かぶ。横に走るねずみ君たちを応援したくなる。
      ■         ■
 私も毎年、現代学生百人一首を楽しみにしています。
 若い人はいいです。
 どれもいいです。
 「おかん、おれ」意味なく電話してしまいテレカが尽きる寮のおきまり
 …は全寮制の高校の寮で、
 おそらく携帯も禁止されているのでしょうか?
      ■         ■
 会えるかな淡い期待をそっと抱きあの道今日も遠回りする
 …高校3年生で…
 遠回りしても…
 ♡会えるかな…♡は、
 胸がきゅんとするような…
 いいなぁ~と思います。
      ■         ■
 センター試験も昨日で終わりました。
 あと1ヵ月で前期試験です。
 医療系の国家試験も、
 2月中旬にあります。
 医師国家試験、
 看護師国家試験、
 体調に気をつけて…
 最後まで油断しないでください。

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二重・眼瞼下垂

眼瞼下垂の再発⑥

 眼瞼下垂症が再発しやすい人は、
目をこするクセのある人
アレルギーで目がかゆくなる人
コンタクトを使い続ける人
加齢によってまた皮膚が伸びることもあります
 今までに何回か書いてきました。
      ■         ■
 ①~④は一般的に言われていることで、
 他の先生も指摘しています。
 次は【本間説】です。
 学会でもまだ発表していません。
 エビデンスもありません。
 批判もあると思います。
      ■         ■
 近視が強く…
 簡単に言うと…
 視力表の一番上が見えない人は…
 コンタクトを長年使っていることが多く、
 眼球の前後の長さが伸びています。
 (眼科で矯正度数が-6D以上の人)
 このような人は…
 目が大きくて出ていることが多いです。
      ■         ■
 目が大きな美人です。
 でも…
 コンタクトを外すと何も見えません。
 手術後はコンタクトは使わないでください
 なるべく眼鏡にしてください
 眼科の先生に定期的に診ていただいてください
 私は道庁前眼科へ、
 手術前も手術後もご紹介しています。
      ■         ■
 でも…
 札幌美容形成外科で手術をしても、
 抜糸後は一度も来院されていないとか…
 手術後もコンタクトを使い続けて…
 具合が悪くなった時だけ受診する人もいます。
 残念なことです。
 再診して再手術になったら…
 今度はしっかり受診してくださいとお話ししています。
      ■         ■
 販売や接客、
 航空機の客室乗務員などの職種では、
 コンタクトは必需品だと私も思います
 だからこそ…
 目が悪い人は…
 慎重にコンタクトを使ってください
 ご自分の目を守るのは自分自身です
      ■         ■
 私はレーシック慎重派です。
 意見を求められたら…
 信頼できる複数の眼科医がすすめたら、
 ご自分の責任で受けてください
 …と言っています。
 眼瞼下垂症手術は簡単ではありません。
 自覚症状がない目の病気もあります。
 おかしいと思ったら…
 必ず受診していただきたいと思います。


厚いハードコンタクトは まぶたの負担になります

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二重・眼瞼下垂

眼瞼下垂の再発⑤

 私たち形成外科医は、
 まぶたの手術をよくします。
 勤務医だった頃には…
 交通事故などでけがをした人を診ました。
 もともとは正常だった人のまぶたが、
 事故で切れています。
      ■         ■
 正常な人まぶたは、
 眼瞼挙筋と瞼板ががっちりくっついています。
 正確に言うと…
 眼瞼挙筋という筋肉は…
 瞼板に近づくにつれて…
 赤い筋線維(きんせんい)が少なくなり…
 白い挙筋腱膜(きょきんけんまく)になります。
      ■         ■
 事故でケガをした人は、
 瞼板(けんばん)も…
 挙筋腱膜(きょきんけんまく)も…
 ずたずたに切れていることがあります。
 その切れた断端(だんたん:はしっこ)を見つけて…
 できる限り正常に近づけて縫います。
      ■         ■
 中にはジグゾーパズルのように、
 何がなんだかわからない人もいました。
 手術中に丹念に調べて…
 元通りに縫う作業です。
 このような手術を繰り返すことで、
 まぶたの解剖がよくわかるようになります。
      ■         ■
 私は札幌美容形成外科を開業して8年になりました。
 一番多いのが目の手術です。
 勤務医時代と比較して…
 くらべものにならないくらい手術をしています。
 大学病院ですと…
 大きな手術があるので…
 手術日は週に2日程度。
 今は毎日手術日です。
      ■         ■
 数多く手術をすると…
 困難な症例も多くなります。
 眼瞼下垂症と言っても、
 外見も人によって違いますが…
 筋肉の状態や…
 まぶたの中は実にさまざまです。
      ■         ■
 正常だとがっちりくっついいている…
 挙筋腱膜と瞼板が…
 宙に浮いているように…
 離れている人がいます。
 腱膜も筋肉も薄くなって…
 黒目が下にすぐ見える人もいます。
 手術前にある程度予測して…
 予定時間を長めに取る人もいます。
      ■         ■
 私は形成外科医なので…
 まず機能的によく見える目にすること…
 他人から見ても…
 見た目をよくすること…
 欲張りですが…
 この両方を目指しています。 
      ■         ■
 8年間の経験で…
 手術前から再発しやすそうな目の人が
 少しずつわかってきました。
 注意して手術していますが…
 こちらの注意を聞いてくれない人もいます。
 病気なので仕方がないことですが、
 医療者側としても…
 再発で再手術は避けたいのが本音です。

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二重・眼瞼下垂

眼瞼下垂の再発④

 昨日の院長日記に…
 眼瞼挙筋という筋肉は…
 ぎょうざの皮のように薄いと書きました。
 実際はぎょうざの皮より…
 もっと薄いのです。
 その薄い皮は破れやすく…
 目尻側と目頭側で厚さも違います。
      ■         ■
 どこをどんなふうに…
 糸で引っぱって固定するかが…
 とても難しいところです。
 目頭側がうまく上がらず…
 黒目の目頭側だけ隠れる人もいます。
 そんな人を丸い目にするのは…
 ほんとうに難しいと思います。
      ■         ■
 両目をそろえるために… 
 丸い目にするために…
 手術中に確認します。
 一度でうまくいく人もいれば…
 何回も調節が必要な人もいます。
 絶対に手術ロボットではできません。
      ■         ■
 しっかり固定するには…
 丈夫な糸を使って
 糸の本数を増やせばできます。
 しかし…
 まぶたの中に糸を何本も入れると…
 ごろごろ感異物感が出ます。
 ぎょうざの皮の筋肉を…
 糸で固定する部位は…
 瞼板(けんばん)という組織です。
      ■         ■
 手術中に見ると…
 筋肉は
 瞼板(けんばん)は白く見えます。
 この瞼板(けんばん)は、
 黒目に接しています。
 瞼板(けんばん)法という埋没法は、
 この瞼板(けんばん)に直接糸を通すので、
 角膜傷害を起こすことがあります。
      ■         ■
 私たちが悩むのは…
 しっかり固定はしたいが…
 瞼板(けんばん)を変形させたり…
 瞼板(けんばん)に障害を起こすことは…
 いくら眼瞼下垂症手術だからといっても…
 絶対に避けたいからです。
      ■         ■
 再発したと…
 来院された方の再手術をすると…
 ほぼ100%瞼板(けんばん)に固定した糸が外れています。
 つまり…
 ここがしっかり固定される前に…
 何らかの原因で瞼板(けんばん)と筋肉が外れてしまったのです。
 開業してから8年間…
 いろいろ工夫を重ねていますが…
 ここのところが一番難しく苦労しています


目の構造と瞼板(けんばん)

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