医学講座

第35回日本美容外科学会(東京)④

 毎年、美容外科学会に出席しています。
 美容外科にも流行があります。
 今年、私が感じた流行は、
 よりダウンタイムが少ない手術が…
 売れているように感じました。
 上手に術式を工夫している先生がいます。
      ■         ■
 若返り手術の最上級はフェイスリフト手術です。
 美容外科手術の中でも…
 侵襲が大きな手術です。
 下手な先生がすると合併症も起こります。
 顔面神経麻痺を起こすこともあります
 今年、いいなぁ~と思った発表がありました。
      ■         ■
 顔面下1/3の輪郭改善に目的を絞ったフェイスリフト手術の検討
 ドクタースパ・クリニック
 鈴木芳郎先生のご発表です。
 第34回日本美容外科学会(福岡)④でもご紹介しています。
 鈴木先生は、
 私とほぼ同年代の形成外科医です。
 元東京医大形成外科講師。
 フェイスリフトが上手な先生です。
      ■         ■
 フェイスリフトをしたくても…
 休みがなかな取れない女性が大部分です。
 一週間のお休みを取るのも大変です。
 鈴木先生のご発表では…
 狙いを顔の下1/3にしぼって…
 切開も耳の周囲だけで行うことにより…
 腫れが少なく効果が出ていました。
      ■         ■
 発表の中には若い女性もいました。
 他院で骨切り手術を受けて、
 たるんでしまったというお気の毒な方でした。
 ある女性の手術翌日のビデオが出ていました。
 とても満足そうな笑顔が印象的でした。
 あれはやらせではありません。
 鈴木芳郎先生は信頼できる美容外科医です。
 お悩みの方におすすめします。

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医学講座

第35回日本美容外科学会(東京)③

 札幌はすっかり寒くなりました。
 コートを着ている女性も見かけます。
 あと一ヵ月もすると…
 北海道の高い山は雪で白くなります。
 寒くなった割に…
 紅葉が目立ちません。
 これから一気に色づくのでしょうか?
      ■         ■
 第35回日本美容外科学会の報告です。
 今年、目だったのは…
 脂肪移植です。
 移植というより…
 脂肪注入です。
 上手に脂肪を取って…
 上手に注入すると…
 効果が高い治療法です。
      ■         ■
 教育講演1
 「美容外科匠の技」
 脂肪注入術の変遷
 いちだクリニック
 市田正成先生のご発表が勉強になりました。
 市田先生は…
 脂肪注入の匠(たくみ)です。
      ■         ■
 市田先生のご講演で、
 形成外科の手術で、
 脂肪注入の効果が実感できたので…
 美容外科で使うようになったことが紹介されました。
 腫瘍切除後の陥凹変形(かんおうへんけい)や
 幼少時の注射で凹んだ部位の治療に、
 脂肪注入をなさいました。
      ■         ■
 私もJA帯広厚生病院に勤務していた時代から、
 脂肪注入をしていました。
 市田先生は、
 何年経っても脂肪を注入した部位が、
 凹んで再発したりせず、
 良好な結果が得られたので…
 脂肪注入を積極的に施術されるようになりました。
      ■         ■
 市田先生の『匠の技』は、
 一つは注入する手技です。
 注射器の持ち方が違います。
 有名な外国の教科書に出ている写真を出され…
 市田法との違いを強調されました。
 まさに『匠の技』です。
      ■         ■
 『匠の技』その②は…
 注入量の問題です。
 ごく微量ずつ…
 丁寧にていねいに注入します。
 注入する深さも問題です。
 市田法で脂肪を注入すると…
 40代以降の女性が気にする…
 いわゆるゴルゴ線が目立たなくなります。
      ■         ■
 顔の脂肪注入でしたら…
 岐阜の市田クリニックをおすすめします。
 信頼できる先生です。
 美容外科や形成外科の先生には、
 市田先生が書かれた本もあります。
 脂肪注入のコツとポイントは、
 脂肪を優しく取って丁寧に注入です。
      ■         ■
 脂肪注入について、
 もう一つ興味深い発表がありました。
 ランチョンセミナー1
 脂肪移植における移植組織の最適化について
 東京大学医学部形成外科
 吉村浩太郎先生です。
      ■         ■
 吉村先生は、
 東京大学で最先端の研究をされています。
 吉村先生のご発表では、
 従来、脂肪注入に不向きとされた、
 放射線照射部位など…
 とても条件が悪いところが…
 とてもきれいに治っていました。
      ■         ■
 脂肪を壊さないように採取して…
 良い条件で注入することが…
 きれいに治るポイントです。
 以前の脂肪注入は、
 脂肪注入をしても…
 溶けたり化膿したりして、
 とてもトラブルが多い手術という印象でした。
      ■         ■
 今でも…
 なんちゃって美容外科医がした、
 なんちゃって脂肪幹細胞移植もあります。
 脂肪注入は簡単なようで難しい手術です。
 脂肪注入を受ける時には…
 信じてもいい先生を選んでください。
 いいかげんな先生がすると危険です。

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医学講座

第35回日本美容外科学会(東京)②

 2日間の日本美容外科学会が終了し、
 昨夜、札幌へ帰って来ました。
 札幌は寒いです。
 今年の日本美容外科学会で、
 一番、会場がHotだったのは…
 次世代への提言
 日本美容外科学会をひとつに~よりよい美容医療を求めて~
 という特別企画でした。
      ■         ■
 座長は鬼塚卓彌先生(昭和大学名誉教授)と
 塩谷信幸先生(特定非営利活動法人アンチエイジングネットワーク)のお二人です。
 鬼塚先生の司会ではじまりました。
 5人の先生が意見を述べられました。
 残念なことに…
 拍手喝采で2つの学会が一つにはなりませんでした。
      ■         ■
 大慈弥裕之先生(福岡大学形成外科)が、
 昨年の第34回日本美容外科学会で討論された内容と、
 2つの学会が並存した場合の問題点を解説されました。
 同名の学会が2つあると、
 将来、日本美容外科学会専門医というのが…
 国から認められなくなります。
      ■         ■
 大慈弥先生のご発表では、
 たとえば、こちらの日本美容外科学会(JSAPS)の名称を、
 日本美容形成外科学会と変えて、
 日本美容形成外科学会専門医という名前にするのも、
 一つの方策であるということでした。
 英語名(JSAPS)をそのまま翻訳すると…
 日本美容形成外科学会となります。
      ■         ■
 大浦武彦先生が出席できなかったため、
 会長の佐藤兼重先生が大浦先生の原稿を発表されました。
 大浦先生は、
 第108回日本美容外科学会(札幌)で、
 貴重な発言をなさっていらっしゃいます。
 大浦先生は今までの歴史を解説され、
 統合への大浦案を提示されました。
 10年かけて2つの日本美容外科学会を一つにするという案です。
      ■         ■
 大浦先生は10年を、
 最初の5年と後の5年に分けられました。
 国が日本専門医機構というところで、
 ○○専門医を確立するという話しです。
 2017年というタイムリミットがあることが、
 10年を区切った一つの理由です。
      ■         ■
 蘇春堂形成外科の新冨芳尚先生が、
 今までJSASの梅澤先生や高須先生と協議されたことを、
 詳しく説明してくださいました。
 新冨先生は、
 十仁の梅澤先生、
 赤松先生、
 高須先生との経過をお話しされました。
      ■         ■
 波利井清紀先生は、
 美容外科の必要性を早くから認識されていました。
 昔、日本形成外科学会上層部で、
 美容外科に対する、
 意見の違いがあったことをお話しくださいました。
 私は波利井先生のお話しが…
 とても印象に残りました。
      ■         ■
 波利井先生は、
 東大病院に美容外科を開設された先生です。
 国立大学医学部に開設された、
 日本ではじめての美容外科が東大です。
 波利井先生のお言葉の一部です。
 (形成外科医)みんながマイクロで、
 みんなが癌の再建で、
 生きていけない
 波利井先生は形成外科医が生活の糧を得る手段として、
 美容外科の必要性を認識されています。
      ■         ■
 昔、波利井先生が美容外科について話された時、
 ある形成外科の先生が、
 形成外科専門医だったら…
 (美容外科なんて簡単に)できるわ…
 …と言われたことを例に出されていました。
 形成外科専門医だから…
 簡単にできるほど…
 美容外科は甘くないということを波利井先生はご存知です。
      ■         ■
 最後のご発表は、
 高須克弥先生でした。
 高須先生は、
 十仁系日本美容外科学会のリーダーです。
 第98回日本美容外科学会(JSAS)では、
 統合について、
 高須先生に一任というところまで進んでいました。
      ■         ■
 高須先生のお話しでは、
 昨年開催予定だった、
 第100回日本美容外科学会(JSAS)が東日本大震災で延期になり、
 統合への風向きが変わったとのことでした。
 高須先生はとても残念そうにお話しになりました。
 高須先生のお言葉の一部です。
 見よう見まねで覚えた美容外科医をなくし
 優秀な美容外科医を育てる必要があります
 美容外科大好きの高須先生は、
 優秀な美容外科医の育成には、
 しっかりとした学会と教育が必要だと講演されました。
      ■         ■
 今年も、
 やすみクリニックの木村知史先生が意見を述べられました。
 先生のブログで紹介されています。
 木村先生は、
 この問題について熱心に考えられている先生のお一人です。
 先生のブログにもたくさん書かれています。
      ■         ■
 最後に座長の塩谷先生が発言されました。
 いろいろと議論が出ました。
 次世代のために、
 若い先生を中心として、
 学会のためではなく、
 患者さんのためになるような、
 解決策を見つけましょう。
 …というごお話しでした。
      ■         ■
 今日の院長日記は、
 私の記憶とメモを基に書きました。
 議事録ではありません。
 もし間違いがあれば、
 コメントでもFBでも結構ですのでご指摘ください。
 来年の第36回日本美容外科学会で、
 よい方向で解決できればと願っています。

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医学講座

第35回日本美容外科学会(東京)①

 第35回日本美容外科学会が、
 平成24年10月11日(木)12日(金)の2日間、
 東京の高輪プリンスホテルで開催されました。
 今回の学会長は、
 千葉大学形成外科・美容外科の、
 佐藤兼重(さとうかねしげ)教授です。
      ■         ■
 佐藤兼重先生は、
 1976年千葉大学医学部卒業後に昭和大学形成外科入局。
 1983年 昭和大学形成外科講師
 1985~86年 フランス政府給費留学にてパリ大学留学
 1995年 昭和大学形成外科助教授
 2002年 昭和大学形成外科教授
 2009年 千葉大学形成外科・美容外科教授
 …と昇進されたエリートの先生です。
      ■         ■
 昭和大学形成外科の時代に、
 学術講習会などでお世話になりました。
 恩師の鬼塚先生のお言葉です。
 優しくて…
 よく気がつく
 優秀な先生です。
 顎顔面や皮弁の研究で有名な先生です。
      ■         ■
 昭和大学は、
 高須克弥先生の母校です。
 形成外科や美容外科を、
 大学として早くから開設された大学です。
 卒業生にはたくさんの美容外科医がいます。
 私に美容外科を教えてくださった、
 武藤靖夫先生も昭和大学のご卒業です。
      ■         ■
 今回の学会のテーマは、
 美形への探究―顔面骨格改善手術から抗加齢医療まで
 骨格の手術から、
 化粧品までを広く網羅したプログラムです。
 会場が3つあり、
 全部を聞くことはできませんが、
 学会の内容も追ってご報告いたします。
 一日目の懇親会では、
 高須先生と写真を撮らせていただきました。
 高須先生がさくらんぼさんによろしくお伝えくださいとのことでした。

2012年10月11日

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院長の休日

看護師になってね お母さん

 平成24年10月6日、朝日新聞、声の欄への投稿と、
 それについての、10月11日の投稿です。
 6日の投稿は北海道では10日に掲載されました。
 看護師になってね お母さん
 中学生 原口風花(福岡県久留米市 12)
 私が最近一番うれしかったことは、お母さんが看護専門学校に入学したことです。お母さんは私が小学6年の時に、以前から続けてきた会社のパートをやめざるをえなくなり、お父さんの収入だけで生活することになりました。
 お母さんは「あなたたちの進学のこともあるからね」と言うと、看護師を目指すことを決意しました。そして、入学試験に向けて勉強をスタートさせました。私は「すごいな。受かるといいな」と心の中で応援していました。
 家事と勉強の両立が難しいと思ったので、私は少しでも勉強時間が増えるように家事を手伝いました。昨年10月の試験日、お母さんはとても不安そうでした。私は受かってほしいという気持ちでいっぱいでした。試験が終わって、お母さんは「絶対落ちた」と落胆していました。
 翌日、一緒に結果を見に行きました。そこにお母さんの番号がありました。「よかった」。私も勉強がんばります。お母さんのように。
 平成24年10月11日の声の欄への投稿です。
 現役看護師の私からもエール
 看護師 横市美和(福岡県宇美町 39)
 「看護師になってね お母さん」(6日)を拝読いたしました。
 私は免許を取得してから、そろそろ20年に届こうかという現役看護師です。小学生の娘を持つ母親でもあります。投稿者のお母様と多分、同世代です。
 お母様は一大決心をされ、血のにじむような努力をされていることと想像します。そして、学業と家庭との両立には、家族皆の支えが重要です。中学生も忙しいでしょうが、お母様をこれからも信じて助けてあげて下さい。
 看護学校合格、今は看護学生。そして近い将来、臨床での現実が待ち受けています。慣れない新しい環境。日進月歩の医学に置き去りにされないよう、勉強はさらに続きます。看護師になる強い気持ち、初心を忘れることなく共に頑張りましょう。たくさんのやりがいと、人々の笑顔がもれなく待っているのですから。
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 風花ちゃんのお母さんは、
 おそらく…
 社会人入試で合格されたと思います。
 昨年10月の入試ですから…
 もう看護学生1年生でしょうか?
 基礎看護実習などで、
 看護師としての基礎を学んでいることと思います。
      ■         ■
 お嬢さんが12歳の中学生ですから…
 どう考えてもお母さんは30代です。
 子どもさんがいらして…
 入試勉強は大変です。
 合格できたのはすごいです。
 医学部にもお母さんやお父さんの学生さんが…
 私の時代からいました。
      ■         ■
 子どもがいるのに…
 医学の勉強をするのは大変です。
 在学中に出産して育児をしながら勉強し、
 医師国家試験にも一発で合格した女性も知っています。
 母は強いです。
 おじさん先生も応援しています。
 優しい看護師さんになれると思います。
 がんばってください。

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昔の記憶

研修医はみんな『じゃまなかくん』

 ノーベル賞を受賞した山中教授が、
 整形外科研修医時代に手術が下手だったと掲載されています。
 『ジャマナカ』とか、
 アシスタントではなく、
 『レジスタント』だったと書かれています。
 山中教授本人の謙遜が大きいと思います。
 研修医はみんなできません。
 私も【遅い】とよく言われました。
      ■         ■
 何もできないのに…
 適当にしてしまう研修医は危険です。
 たとえおそいといわれても…
 確認しながら丁寧にする方が安全です。
 手術が下手で整形外科を辞めたのではなく、
 整形外科より基礎研究が向いていらしたのです。
 最初から手術が上手な先生はいません。
      ■         ■
 私も形成外科研修医時代には、
 上の先生がやれば1時間で済む手術を…
 2時間もかかってやるタイプでした。
 外科医はせっかちですから…
 もたもたしていると怒られます。
 私もよく怒られました。
      ■         ■
 形成外科は自分に向いていないのでは…?
 …と思ったこともあります。
 今でも手術は早いより丁寧を心がけています。
 チェーン店の美容外科医には向きません。
 私はノーベル賞を取ることはできません。
 わきがで悩んでいる人、
 眼瞼下垂で視界が狭い人、
 陥没乳首で困っている人、
 …などのお役に立てればと思っています。
      ■         ■
 山中教授のノーベル賞は、
 ほんとうにすごいことです。
 教授をささえられた…
 皮膚科医の奥様もすごいです。
 奥様の力があるので…
 先生も思う存分研究に没頭できるのだと思います。
 自宅で洗濯機を直していた時に…
 電話があったというのも好感が持てます。
 山中先生のますますのご活躍を祈念しています。

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医学講座

学会でともだちになる方法

 まみ子師長さんから
 次のコメントをいただきました。
 看護師は医師とは違い学会に出席をしても「ともだち」はできません。
 それは、私だけかもしれませんが・・・。
 熱傷学会も褥瘡学会も○○大学病院の看護師さんがほとんどで、
 ○○診療所など無床の診療所からの出席はたぶん私だけかもしれません。
 でも、これからも頑張って出席したいと思います。
 私も皮膚科が大好きです。
      ■         ■
 たしかに…
 ○○大学病院の看護師さんが多いです。
 でも…
 大きな病院の看護師さんで…
 5年以上…
 日本熱傷学会や、
 日本褥瘡学会に毎年出席される人は…
 とても少数です。
      ■         ■
 まして10年以上毎年出席する看護師さんは、
 大学の教授クラスです。
 もう少し補足すると…
 看護師さんで毎年熱傷学会に出席して…
 他の医師からも引用されるような論文を書いたのは…
 私が知っている限り…
 まみ子師長さんだけです。
 すごいことです。
      ■         ■
 大きな病院の看護師さんには…
 勤務交代という移動があります。
 医師は形成外科を選んだら…
 自分で進路を変えない限り…
 一生、形成外科をできます。
 看護師さんは…
 まみ子師長さんのように…
 診療所勤務でなければ担当科目が変わります。
      ■         ■
 学会でともだちになる方法です。
 学会で発表や講演を聞きます。
 会場で質問するのが一つのきっかけです。
 挙手をして質問する勇気がなかったら…
 発表後に演者のところへ行って話しかけます。
 どんなに偉い先生でも…
 自分の発表が理解してもらえたか?
 反応が気になるものです。
      ■         ■
 ○○診療所の○○と申します。
 先生のご発表の○○がとても勉強になりました。
 先生のところでは…
 ○○は具体的にどうなさっていらっしゃいますか?
 …とこんな具合でOKです。
 とにかくこちらから話しかけることです。
      ■         ■
 学会の懇親会はもっと効果的です。
 特別講演の先生などは帰ってしまうことがありますが…
 外国からいらした偉い先生にも…
 英語で話しかけることです。
 自分の英語力もUPします。
 私は韓国の先生と懇親会で親しくなりました。
 上海の国際美容外科学会へ行った時に…
 うちの奥さんの隣の席でした。
      ■         ■
 韓国の鄭東學(ジョン・ドンハク)先生
 (英語表記は、Dong-Hak Jung先生)
 5050CLINICのKim先生
 …とはこの学会で知り合いました。
 お二人の先生が、
 私を韓国へ招待してくださり…
 私は韓国で講演をしました。
 学会でともだちが増えるのは楽しいことです。
 自分の視点が広がります。
 まみ子師長さんにもおともだちができると思います。

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医学講座

第21回日本形成外科学会基礎学術集会(福島)⑤

 福島の基礎学術集会に参加して…
 元気になりました。
 学会に参加する目的は…
 もちろん最新の医学的知識の勉強です。
 その他に…
 同業の先生たちとの情報交換があります
      ■         ■
 形成外科を30年以上もやっていると…
 学会に来る先生とともだちになれます。
 出身大学が違っていても…
 同年代の形成外科医がやっていることは…
 全国、そんなに大きな差はありません。
 今は偉そうな先生だって…
 最初から上手に縫合できたのではありません。
      ■         ■
 私が福島で元気になれたのは…
 同年代の形成外科大好きおじさんが…
 形成外科について語ったからです。
 永田先生のように…
 天才肌の形成外科医もいます。
 永田先生は学生時代から目立っていらして…
 演劇部や映画部を創られたと…
 座長の光嶋先生から紹介がありました。
      ■         ■
 永田先生が天才だったら…
 私は凡人です。
 世界一の耳作り名人にはなれませんが…
 眼瞼下垂(がんけんかすい)の手術をしたり…
 わきがの手術をしたり…
 陥没乳首の手術はできます。
 多くの形成外科医は…
 皮膚腫瘍や粉瘤の手術を最初に覚えます。
      ■         ■
 私は形成外科の基礎は手術だと思います。
 手術が上手になるには…
 まず解剖をよく知ることです。
 血の止め方が上手になることです。
 糸と針でしっかり縫えるようになることです。
 もちろん創傷治癒という…
 きずの治りを知ることも必要です。
      ■         ■
 正確に耳の絵もかけない医者は
 小耳症手術をする資格がない
 …と永田先生は言われました
 確かに永田先生のおっしゃる通りです。
 でも…
 凡人でも努力すれば手術が上手になれます。
 上手になるコツは、
 こつこつと努力することです。
      ■         ■
 手術前後の写真を整理して…
 結果が悪い時は原因を考えることです。
 形成外科は外見を治す科です。
 生命にかかわる手術はしません。
 でも私は形成外科が大好きです。
 会長の上田和毅先生、
 事務局長の梶川明義先生に感謝しています。
 福島へ行ってよかったです
 ありがとうございました。

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医学講座

第21回日本形成外科学会基礎学術集会(福島)④

 東北の福島で開催された、
 第21回日本形成外科学会基礎学術集会はとても有意義でした。
 私の満足度が高い理由は、
 臨床医に役立つ基礎学術集会
 …だったからです。
 最近の若い先生の研究は…
 発表を聞いても専門的すぎて理解できません。
      ■         ■
 あの塩谷先生ですら…
 ブログ
 最近は基礎研究はほとんど全てが分子生物学で、
 なかなかついていけない。
 これは年のせいだけではなさそうだ。
 …と書かれていました。
 (アンチエイジングブログ2012年10月4日より引用させていただきました。)
      ■         ■
 分子生物学は時代の最先端です。
 科学研究費もたくさんいただけそうですし、
 投稿論文のインパクトファクターは高そうです。
 …でも…
 発表を聞いて理解できるのは…
 その研究をしている限られた形成外科医だけです。
 私たちおじさん世代にはちんぷんかんぷんです。
      ■         ■
 上田和毅会長が企画された、
 第21回基礎学術集会は…
 臨床に役に立つ基礎が満載でした。
 他の先生たちも…
 福島へ来てよかった!
 …と話されていました。
      ■         ■
 今日の院長日記では、
 ランチョンセミナー4
 顔面神経麻痺のリハビリとボツリヌス治療
 帝京大学 リハビリテーション科
 栢森良二( かやもり りょうじ)先生のお話しをご紹介します。
 かやもり先生は…
 上田先生と仲良しの先生です。
 上田先生が手術をなさった…
 顔面神経麻痺の患者さんのリハビリを担当されています。
      ■         ■
 【講演の要点です
①顔面神経麻痺になったらできるだけ早く専門医のリハビリを受ける。
②適切なリハビリを受けると回復が良好。
③マッサージは有効。
④百面相のように表情筋を使うことはしない。
⑤専門医にボトックス治療を受ける(保険適応)。
 顔面神経麻痺が起きたらすぐに読む本
 ISBN:978-4-9904552-1-7
 …に詳しく書かれています。
 一般の方には横山歯科医院ブログ情報サイト
 …わかりやすく書いてあります。
     ■         ■
 以下は医師向けの講演抄録です。
 顔面神経麻痺のリハビリとボツリヌス治療
 帝京大学医学部 リハビリテーション科教授
 栢森 良二 先生
 上下肢損傷の効果的な理学療法は,随意的なあるいは低周波による筋収縮を行うことである。しかし顔面神経損傷ではこの方法を用いると,逆に病的共同運動や顔面拘縮などいわゆる後遺症である機能異常を呈することが多い。
1.顔面神経の特殊性と表情筋の役割
顔面神経には上下肢のような神経束構造は欠落しており, 1本の神経幹構造の中に4,000本あまりの神経線維が密接している。23個の表情筋には筋紡錘が欠落しており,腱反射はない。表情筋の役割は,基本的に眼,鼻,口,耳など開口部を反射的に閉鎖する生体防衛「びっくり」反射を担っている。次いで,感情を表出することである。顔面神経麻痺からの回復では,できるだけ早く開口部を閉鎖することである。この観点では,病的共同運動や顔面拘縮は合目的性な回復である。しかし審美性の観点からは,この回復を止め,表情の対称性を維持することが大切であり,この点の成否をもって後遺症の有無といっている。
2.神経変性の分類
上下肢損傷では脱髄か軸索変性の二大別で機能予後は決めることができる。これに対して顔面神経では軸索変性をさらに軸索断裂か神経断裂と細分化して,脱髄と合わせた3つの神経変性に分類する必要があり,これはSeddon分類になる。軸索断裂と神経断裂の相違は,神経内膜の断裂の有無である。軸索断裂線維は内膜断裂がないために迷入再生は起こらない。病態は血行不全にともなう遡行変性で遠位部からの近位部に向かう変性(dying back)である。顔面神経麻痺発症から2~3ヵ月で完治する症例タイプである。神経断裂線維は損傷部から遠位部に向かうワーラー変性が起こり,内膜断裂があるために迷入再生が生じる。このタイプでは3ヵ月では完治せず,これ以降に表情筋に到達する神経線維は神経断裂や迷入再生線維であり,病的共同運動が進行性に出現することになる。
3.機能予後診断
経験的に顔面神経線維の量的損傷が質的損傷を反映している。すべての神経幹が断裂して端端吻合を行うと約60%の線維はもとの支配表情筋を支配し,迷入再生線維は40%の重症度である。顔面神経麻痺で健側の複合筋活動電位(CMAP)と患側CMAPの振幅の大きさを比べて(electroneurogram:ENoG値)40%以上あると神経断裂線維はないと診断し,40%以下の症例では(40-ENoG)%神経断裂線維があると機能診断する。
4.病的共同運動の治療
発症からの予防に勝る治療法はない。しかし神経断裂線維が多い症例では,発症から4ヵ月以降に,迷入再生に伴う病的共同運動が増悪し,8~10ヵ月でピークに達することが多い。一旦形成された迷入再生は半永久的であり,治癒不能である。これに対して,臨床症状である病的共同運動は,随意運動を司る運動皮質による運動学習によって変調可能である。
ボツリヌス治療は機能異常がある程度固定する発症1年以降に実施する。1ヵ所の施注単位はボトックスRで0.5~1.0単位ほどにして,施注箇所数を増減することで効果を調節する。ボトックスR施注後の軽い機能不全に対して神経筋再訓練(neuromuscular retraining)による適切な表情運動パターンを再学習する。粗大運動の禁止,頻回の表情筋伸張,眼瞼挙筋による開瞼運動,健側口角引っ張りによる患側偏位予防を行い,ボトックス効果を延長させる。必要に応じて4~6ヵ月後にボトックスを再施注し運動コントロールを再学習する。
5.運動皮質の再構築
神経筋再学習が最も重要な局面は,顔面神経―舌下神経吻合術,咬筋支配枝―頬骨枝吻合術,交叉顔面神経移植術などのリハビリである。これらは末梢レベルの手術であるが,舌下運動皮質,三叉神経運動皮質,顔面運動皮質の再構築が必要で,その原則は“use dependent plasticity(使用依存可塑性)”あるいは“use it or lose it”原則である。

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医学講座

第21回日本形成外科学会基礎学術集会(福島)③

 昨夜、福島から帰って来ました。
 はじめての福島は…
 とても『よいところ』でした。
 福島が気に入りました。
 道路標識を見ていると…
 『米沢』という地名が見えました。
 この道を行くと…
 さくらんぼさんの家に行けるのか…
 いつか行ってみたいと思いました。
      ■         ■
 今回の基礎学術集会、一番印象に残ったのは、
 教育講演2
 形成外科分野発展へ芸術論の臨床応用・耳介再建の立場から
 永田小耳症形成外科クリニック
 永田悟(ながたさとる)先生です。
 永田先生の講演をお聞きしただけでも…
 福島まで行った甲斐がありました。
      ■         ■
 永田先生は知る人ぞ知る、
 世界一の耳作り名人です。
 Nagata-methodナガタメソッド(永田法)は…
 世界中の形成外科医が知っています。
 日本が誇る世界の技術です。
 永田先生は昔、東大形成外科で、
 会長の上田和毅先生とご一緒でした。
      ■         ■
 私たちと同じ、
 昭和20年代後半生まれ…
 1950年代生まれです。
 同年代なので…
 昔からよく存じています。
 講演をお聞きした印象は、
 昔とちっとも変わっていななぁ~
 元気だなぁ~です。
      ■         ■
 小耳症と永田悟先生
 …という2007年5月9日の院長日記でご紹介しています。
 ひさびさに先生のHPをのぞいてみました。
 なんと…
 永田先生の院長日記までありました。
 学会の様子がUPされていました。
      ■         ■
 永田先生のお言葉が…
 会場に響きました。
 正確に耳の絵もかけない医者は
 小耳症手術をする資格がない
 永田先生は…
 形成外科医であり、
 芸術家だと私は思いました。
 永田先生、上田先生ありがとうございました。

永田悟先生、先生のHPから引用

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