医学講座

頭髪の悩み

 平成20年2月11日、朝日新聞の天声人語です。
 17世紀のフランス国王、ルイ13世は心労ゆえに薄毛となり、22歳でカツラをつけた。
 廷臣たちがそれに倣い、カツラはやがて上流階級の正装として各国に広まったという。
 時は移れど、世に「自分を変えたい」願望は尽きない。
      ■         ■
 光頭の書き手による『ハゲの哲学』(金子勝昭、朝日文庫)はこうクギを刺す。
 「ハゲを隠しているという意識につきまとわれているかぎり、
 変貌(へんぼう)できない」。
 ましてや、隠せぬままに変わり損ねた落胆は大きかろう。
       ■         ■
 育毛ケアで効果が薄かった大阪の男性(58)が大手業者を訴え、
 430万円を返してもらう和解が成立したそうだ。
 業者は「必ず生えるとは言っていない」と反論したが、
 原告の強い不満に折れた。
      ■         ■
 「前後」の写真を見る限り、憤りは当然だ。
 毎週の頭皮ケアや補助食品に、男性は約680万円と4年の時を費やした。
 生える保証のない育毛にこれほどお金がかかり、
 その出費と手間をいとわぬ客層があることに驚く。
      ■         ■
 あるべき物が無いのを恥じる心に、業者は手を差し伸べる。
 毛が戻って前向きに変われるのならいいが、
 見てくれや世間体に追われる人生はもったいない。
      ■         ■
 頭髪の気になり具合は
 「自分の人生をどの程度自分のものにできたかを測るものさし」
 (金子氏)でもある。
      ■         ■
 脱毛への備えを説いた
 『ハゲてたまるか』(下川裕治、朝日新聞社)で、
 精神科医が語る。
 「人は交通事故を笑えないが、バナナの皮で転べば笑う。
 大したことではないからだ。
 精神的にハゲを克服するポイントです」。
 そう、大したことはない。
 (以上、朝日新聞から引用)
      ■         ■
 私は、声を大にして言いたい。
 頭髪の悩みを、
 『大したことはない!』
 と片付けるのは、
 悩んでいる人を知らないだけです。
      ■         ■
 おそらく、天声人語の筆者も、頭髪はフサフサなのでしょう。
 私は今のところ、頭髪に関する悩みはありません。
 ただ、同業者の医師や歯科医師でも
 頭髪で悩んでいる人をたくさん知っています。
      ■         ■
 新聞社は、正しい頭髪の知識を、
 医学記事として掲載する程度の配慮があってもいいと思います。
 医師や歯科医師ですら、
 頭皮に有害な人工毛移植を受けている‘先生’がいます。
      ■         ■
 この人工毛植毛も、有名タレントが宣伝しています。
 最近は、その全国展開しているクリニックでも、
 自分の毛を移植する自毛植毛の‘手術’をしているようです。
 有名大学形成外科の‘先生’が顧問になっています。
      ■         ■
 頭髪ビジネスは、
 カツラメーカー、
 毛生え薬メーカー、
 サプリメントメーカー、
 問題となったリーブ21のようなメーカーなど、
 さまざまな業種が絡んでいます。
 美容外科分野でも、頭髪ビジネスが盛んになってきています。
      ■         ■
 私が推薦した、横浜の今川賢一郎先生は、
 数少ない、信頼できる‘植毛医’です。
 何回も、今川先生に手術を受けている人がたくさんいるクリニックです。
 頭髪の悩みは、
 『大きな、悩みです!』
 女性も含めて、頭髪で悩んでいる人はたくさんいます。
      ■         ■
 適切な治療を受けると、頭髪の悩みはかなり改善できます。
 憎むべきは、頭髪の悩みにつけ込んで、
 効果もないのに、高額の料金を請求するところです。
 異物である、人工毛を頭皮にたくさん打ち込んで、
 頭皮をボコボコにしている‘クリニック’です。
 悩んでいる方は、今川先生にご相談することをおすすめします。 

 

“頭髪の悩み”へのコメントを見る

院長の休日

朝食

 私は、ごはん党です。
 毎朝、朝食をしっかり食べます。
 研修医時代から、昼食時間は不定で、昼抜きになることもありました。
 朝食をしっかり食べて仕事に出ないと、低血糖で具合が悪くなります。
      ■         ■
 朝食は、ごはんに、納豆または長いもが多いです。
 ごはんと味噌汁が定番です。
 たまに、サラダがつくこともあります。
 漬物も好きです。
 野菜の浅漬けなんかが好きです。
      ■         ■
 味は薄味が好きです。
 味付けについては、関西出身の家内と‘喧嘩’したことはありません。
 関西人と結婚してよかったと思っています。
 たまに、実家に帰ると、味が濃いと思います。
      ■         ■
 日曜日と休日は、パン食にしています。
 特に理由はありません。
 家内は、もともと、朝食はパンだったようですが、
 私と結婚してから、ごはんに合わせてくれたようです。
      ■         ■
 新婚の頃に、家内の友人が遊びに来てくれました。
 『あら、和ちゃん(家内のことです)!』
 『朝ごはんは、いつもパンやったのに…』
 と驚いていました。
 その時に、はじめて、あぁ、朝はパンだったんだ???と知りました。
      ■         ■
 朝から手術の時は、やはりごはんでないと調子が悪いので、
 本間家では、朝は‘ごはん’にしてもらっていました。
 メニューは、ほぼ30年近く変わりません。
 それでも、飽きないのは不思議なものです。
      ■         ■
 日曜日と休日は、コーヒーとパンにサラダです。
 以前は、西区琴似に住んでいたので、
 ダイエー琴似店1Fにできた‘どんぐり’というパン屋さんの、
 パンを楽しみにしていました。
 私は、だいたい食パン(北海道では角食(カクショク)と呼びます)ですが、
 各種の調理パンや菓子パンも美味しいです。
      ■         ■
 今は、職場の近くに引っ越してしまったので、
 たまにしか、‘どんぐり’のパンが食べられないのが残念です。
 サラダは、ダイエー琴似店の、ポテトサラダが好きです。
 私は、ポテトサラダが好きなので、
 いろいろなポテトサラダを買っています。
      ■         ■
 クリニックの近くには、大きなデパートがあります。
 デパ地下の有名惣菜店やホテルブランドのポテトサラダより、
 ダイエー琴似店のポテトサラダが好きです。
 他のダイエーで買ったことがないのでわかりませんが、
 私の口には合っています。
 日曜日と休日は、
 パンとコーヒーにポテトサラダが私の朝食です。
 これで、とても幸せです。
 ホテルの3,000円以上もする朝食より、美味しいと思っています。
 

“朝食”へのコメントを見る

医療問題

毛が生えなかった

 平成20年2月5日、朝日新聞夕刊の記事です。
 「必ず毛が生える」
 勧誘信じたのに
 発毛効果薄く和解
 大阪地裁
 リーブ21、430万円支払い
      ■         ■
 「必ず毛が生える」との勧誘を信じ、
 育毛ケアを4年間受けたのに効果がなかったとして、
 大阪府内の男性会社員(58)が
 業界最大手「毛髪クリニック リーブ21」(大阪市)に対し、
 施術代や慰謝料など860万円の損害賠償を求めた訴訟が
 大阪地裁(平林慶一裁判官)で和解した。
 同社が施術代の約9割にあたる
 430万円の解決金を支払うことで合意した。
      ■         ■
 訴状によると、男性は2001年4月、
 同社に「頭頂部が薄くなって久しい」と相談。
 担当者から
 「大丈夫。必ず生えてきます」
 「発毛には3年かかる」
 などと言われて契約した。
      ■         ■
 高周波治療器などによる頭皮への「発毛促進サービス」を2005年5月まで
 週1回2時間のペースで受け、施術代約490万円を支払った。
 サプリメントなどの補助食品も190万円分買った。
      ■         ■
 しかし、実際には細い毛が少し生えただけで、
 男性は「頭頂部は光ったまま。効果はほとんどなかった」と主張。
 「必ず生える」と勧誘したことは、
 消費者契約法が契約を取り消せる理由に定める
 「断定的判断の提供」にあたると訴えた。
      ■         ■
 同社は訴訟で
 「必ず生えるとは言っていない。
 発毛に個人差があることは事前に伝えていた」
 と反論したが、
 地裁の和解勧告に従って昨年9月に和解を受け入れた。
      ■         ■
 同社の広報担当者は
 「発毛効果はあったと考えているが、
 サービスが長期に及んだことや、
 ご本人の強い不満を考慮した」
 と話している。
      ■         ■
 

上:発毛サービスが始まった直後
2001年6月
下:発毛サービス開始から4年
2005年5月
原告側提供
(以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■

 TVで有名タレントが宣伝していると、効果があると信じてしまいます。
 ところが、発毛は現在の最先端医学でも難しいのです。
 私はリーブ21のことは、詳しく知りません。
 ただ、リーブ21へ行っても生えなかったので、植毛を受けた方は知っています。
      ■         ■
 その方は、横浜のヨコ美クリニックで植毛手術を受け、当院で抜糸を行いました。
 数年前の日本形成外科学会で、今川賢一郎先生の発表をお聴きしました。
 今までに見た、どの植毛手術よりキレイでした。
 知人の手術をお願いしたのがご縁で、当院で抜糸をしております。
 2回、3回と手術を受けている方もたくさんいるクリニックです。
 こちらの掲示板には、参考になる書き込みが多数あります。
      ■         ■
 植毛手術まで…とお考えの方には、
 平成20年1月3日の日記でご紹介した、ロゲインフォームがおすすめです。
 この薬の薬理作用は、皮膚血流の増加と言われています。
 どのタイプの薄毛にも効くとは限りませんが、リアップより高濃度で、個人輸入しても安価です。
 安い市販薬(cheapotc.com)というサイトが安心です。
 私はここがいいと思いますが、すべて英語です。
 個人輸入代行のサイトもあります。
 ご自分の責任で、個人輸入するのは問題ないと思います。
 ただ、循環器系の持病がある方はお止めになるか、主治医にご相談の上、お使いください。
      ■         ■
 タバコは皮膚血流を阻害(ソガイ)します。
 一番気になる、額(ヒタイ)から頭頂部の皮膚は、
 耳の前から出る、
 浅側頭動脈(センソクトウドウミャク)という血管で栄養されます。
      ■         ■
 耳の前を触ると、ドクドクという血管が触れます。
 これが、浅側頭動脈、通称STA(エス・ティー・エー)です。
 この血管の触れが悪い方は、頭皮の血流障害が懸念されます。
 ロゲインやリアップの成分である、ミノキシジルは、
 頭皮の血行をよくする作用があります。
      ■         ■
 せっかく、薬を塗っても、タバコを吸うと効果が出なくなります。
 米国のロゲインのサイトでは、
 『使う?それとも、禿げる?』というコピーを使っています。
 タバコは
 『吸う?それとも、禿げる?』です。
 髪の毛フサフサになりたい人は、禁煙しましょう!

“毛が生えなかった”へのコメントを見る

医療問題

サミット救急医療2008

 平成20年2月7日、朝日新聞朝刊の記事です。
 首脳の急病テロに備え
 救急医療、隠密大作戦
 厚労省・道が対策
 医師・看護師ら200人待機
 協力病院公表せず
      ■         ■
 首脳が病気で倒れだり、テロがあったりした時にどう対応するか。
 7月の北海道洞爺湖サミットに向け、厚生労働省や道が救急医療態勢づくりを進めている。
 警備上の都合から内容は一切公表されていないが、
 2000年の九州・沖縄サミットを参考に、
 全国から医師や看護師らを200人規模で洞爺湖周辺に集める方針だ。
      ■         ■
 ただ、会場の地理的条件やテロ対策など、
 8年前との変化に対応する必要もある。
 「史上最大の作戦」(関係者)が、
 より進化することになりそうだ。(若松聡)
      ■         ■
 1月下旬の夕方、札幌市内である会合が開かれた。
 内容はおろか、開催の事実も「話せない」(道職員)という集まり。
 厚労省と道が主催し、サミットでの救急医療態勢について協議する研究会だった。
 昨年10月に第1回が開かれ、この時が5~6回目だった。
      ■         ■
 サミットの場で首脳らに万一のことがあっては世界的一大事になる。
 それだけに不特定多数の人に情報を漏らすわけにはいかない-。
 それが秘密保持の理由だ。
      ■         ■
 だが、関係者によると、
 サミット本番では基本的には沖縄での態勢を踏まえるという。
 沖縄では、首脳会合の会場から数㌔離れた県立病院を「拠点基幹病院」とし、
 医師や看護師ら5人1組による計18の専門医療チームが24時間態勢で待機した。
      ■         ■
 会場から1㌔未満の施設には「救急医療合同対策本部」を設け、
 ICU(集中治療室)ベッドを持つバスを2台配備。
 9人の医師による
 「首脳対応チ-ム」は
 それぞれ、小型酸素ボンベやポータブル心電計などを持った。
 これらに携わった約200人は全国から集められた。
      ■         ■
 今回も200人規模で全国の医師や看護師らを集め、
 洞爺湖周辺や、高度な医療を施せる
 札幌市の病院にも待機してもらう方向という。
      ■         ■
 だだ、沖縄の時点とは事情が異なる面も多い。
 沖縄の会場は平地だっだが、
 洞爺湖の会場「ザ・ウィンザーホテル洞爺」は湖畔の山頂にある。
 周辺も山々に囲まれている。
 2001年の米国での9・11テロを経て、
 生物・化学兵器テロヘの対策も講じなければならない。
      ■         ■
 また、サミット開催時に各国首脳は
 主に「ウィンザー」で過ごすが、
 最終日には後志支庁留寿都村の国際メディアセンターで記者会見すると言われる。
 そのため、同村にも医師らを待機させる必要が出てくる。
      ■         ■
 こうした理由から厚労省は、
 複数の拠点基幹病院を決めるとともに、
 関係自治体や周辺の医療機関を救急協力病院に指定する。
      ■         ■
 前者の一つには札幌医大病院が選ばれ、
 後者もすでに内定しているというが、具体名は公表しない方針だ。
 沖縄で組織された救急態勢は、関係者から「史上最大の作戦」と呼ばれた。
 洞爺湖では、それが進化することになる。
      ■         ■
 沖縄サミットの医療チームの一員を務め、
 今回の研究会にも属する札幌医大の浅井康文・救急・集中治療部長は
 「どんな不測の事態にも対応できる態勢をつくらないといけない」
 と話している。


(以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■

 国と北海道は万全の医療体制を準備しているようです。
 ICU設備を整えた、バスを準備して、最先端の医療が行えるのでしょうか?
 所詮(ショセン)バスはバスです。
 病院の機能すべてをバス2台で代行できるものではありません。
      ■         ■
 国が公表しなくても、洞爺湖周辺の医療機関は限られています。
 一番近いのが、総合病院伊達赤十字病院(ダテ日赤)です。
 昭和15年8月28日、創立。
 許可病床数:374床。(一般314床、精神60床、透析38床)
 脳神経外科はありませんが、麻酔科も循環器内科もあります。
 CT、MRI、血管造影撮影装置もあります。
      ■         ■
 一番、頼りになりそうだったのが、
 日鋼記念病院でした。
 ここには、優秀な救命救急センターがありました。
 札幌医大の浅井教授の医局から医師が派遣されていました。
 残念ですが、現在の日鋼記念病院では、
 ‘サミットの救急指定病院’にはなれないと思います。
      ■         ■
 札幌市内で唯一、高度救命救急センターの指定を受けているのが、
 浅井教授がいらっしゃる、札幌医科大学附属病院です。
 ここには、ヘリポートもあります。
 人的にも設備的にも、問題がない施設です。
      ■         ■
 札幌市内で、他にヘリポートを備えた施設は、
 市立札幌病院と手稲渓仁会(テイネケイジンカイ)病院です。
 手稲渓仁会病院は、親会社がサミット会場の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」と同じSECOMです。
 あの警備保障のSECOMが親会社です。
 こう書くと、文句を言われそうですが、間違いないと思います。
      ■         ■
 私の考えでは、
 伊達日赤、
 札幌医大、
 市立札幌病院、
 手稲渓仁会病院
 がサミット救急協力病院の候補です。
      ■         ■
 浅井教授から聞いたのではありません。
 私の推測です。
 ただ、これで万全ではありません。
 霧が出て、ヘリが飛べなければ、終わりです。
 医療は、バス2台があれば、万全であるほど甘くはありません。
      ■         ■
 最先端の治療を行うには、高度な診断機器。
 手術室などの治療設備。
 有能なスタッフ。
 多数のパラメディカル。
 これらがすべて揃って、はじめて最先端の医療が行えます。
      ■         ■
 サミットで外国の首脳が急病になって…
 日本の医療体制を見直す機運が高まってくれれば…
 と、とても不謹慎なことを考えてしまいます。
 北海道の医療、日本の医療は崩壊寸前です。
 誰か、偉い人が病気になって…
 政治家が本気で考えないと、
 取り返しがつかないことになります。
 実際に北海道に住んでいる住民が困っているのです。
 外国の首脳だけ特別扱いは困ります。

 
 
 

“サミット救急医療2008”へのコメントを見る

未分類

新聞記事の引用

 毎日、日記を更新するのは、しんどい作業です。
 早く書き終わる日でも、最低一時間はかかります。
 日記を書くようになってから、新聞をよく読むようになりました。
      ■         ■
 昨日引用した、北海道新聞の山崎先生の記事は、読んでいて涙が出てきました。
 記事を書いてくれた、佐藤千歳さんという記者さんに感謝します。
 以前、佐藤さんから取材を受けたことがありました。
 お若いのに、情熱的な記者さんでした。
 失礼な話しですが、先輩の男性記者より、意欲を感じました。
      ■         ■
 私が、新聞記事を引用して、日記に掲載するのは、
 一人でも多くの方に、
 私が記事から得た‘感動’や‘憤り(イキドオリ)’をお伝えしたいからです。
 平成19年10月5日にも書きましたが、今の若い人は新聞を読みません。
 息子も、クリニックの職員も同じです。
      ■         ■
 以前の日記では、新聞社のHPにリンクを張り、記事そのものは引用しませんでした。
 ところが、新聞社のHPでは、一定期間が過ぎると、記事が読めなくなることに気づきました。
 ネットで検索できる記事もありますが、紙面にしか載らない記事もあります。
 魅力的な記事は、紙面にしか載らない記事に多いような気がします。
      ■         ■
 私は、もっと若い人に新聞を読んで欲しいと思います。
 日本だけの現象ではないそうですが、
 米国でも、新聞社は危機感を持っているそうです。
 最近のNHKビジネス英語会話で話題に取り上げられていましたが、
 米国では郵便ポストが街角から消えています。
 インターネットの普及で、電子メールが郵便を‘駆逐’してしまいました。
      ■         ■
 ネットや携帯で記事を読むのと、新聞は違います。
 新聞社はすべての記事をネットに載せてしまうと、読者がいなくなります。
 新聞社がネットで記事を公開しているのは、
 自社の新聞を購読してほしいからです。
      ■         ■
 以前、記者の方と数ヵ月にわたりお付き合いしたことがあります。
 新聞記者は
 (他社を)抜け。
 書け。
 寝るな。
 と教育されるそうです。
      ■         ■
 特ダネを探し、自社だけ、一面のトップ記事にする。
 これが、新聞記者の‘使命’だそうです。
 私は、新聞を読むのが好きです。
 今日の北海道新聞にも、佐藤千歳さんの署名入り記事が出ていました。
 中国へ単身赴任した、銀行員のお父さんについてです。
      ■         ■
 毎日、新聞を制作してくれる新聞社の方。
 早朝から、配達してくれる新聞販売店の方に感謝しています。
 一人でも多くの方に
 新聞を読む習慣が残って欲しいと願っています。

“新聞記事の引用”へのコメントを見る

医学講座

山崎浩一先生を偲ぶ

 平成20年2月6日、北海道新聞朝刊の記事です。
 がんと闘った専門医・山崎さんがのこした言葉
 1%の希望 信じよう
 患者、最後まで支え続ける
      ■         ■
 北大大学院医学研究科で中皮腫や肺がんを専門としてきた医師(46)が1月12日、自ら専門とする中皮腫で他界した。
 治療者と患者、二つの立場を経験した医師がのこした言葉は「1%の希望」。
 死に直面して発せられた希望という言葉は、のこされた人に何を伝えようとしたのか。(佐藤千歳)
      ■         ■
 呼吸器内科学分野(第一内科)准教授、山崎浩一さん。
 2006年6月、職場の健康診断で肺に影が見つかる。
 すぐ精密検査。悪性胸膜中皮腫と診断された。
 当時44歳。肺の悪性腫瘍の専門家として活躍していた。
 検査結果を知ったのも、米国の学会から札幌に戻った日のこと。
 「こんなに元気なのに。信じられない」。
 息切れしないか、階段を一段おきに駆け上がってみた。
 「いつもと変わりないんだよ」-。妻の望美さん(44)に語りかけた。
      ■         ■
 6月末、左肺胸膜全摘出の手術を受ける。
 経過は順調だったが、9月、骨転移を含む全身性の転移が見つかった。
 衝撃はより大きかった。
 「転移して、抗がん剤が効く確率は30%。効かなければ余命三ヵ月だ」。
 望美さんに説明した。
◆命燃やし診察
 「責任感が強く、他人に厳しく、自分に最も厳しい人」。
 十年の間、一緒に仕事をしてきた第一内科の大泉聡史助教(41)は言う。
 仕事を離れれば、スポーツ好きの親しみやすい先輩だった。
      ■         ■
 北大の学生時代、山崎さんはテニス同好会にいた。
 ダブルスを組む友人が、強豪との対戦前、「勝つのは無理だ」と山崎さんに言ったことがある。
 「勝つ可能性が1%なら、練習で5%にできる。
 そこでうまく作戦を立てれば、10%にできる。
 10%なら、10回試合をやれば一回は勝てるってことなんだぜ。
 その一回が本番の試合かもしれないじゃないか」
      ■         ■
 真剣に怒る山崎さんの表情を、友人は忘れられない。
 二人は勝った。
 友人の思い出は、山崎さんの闘病の姿勢と重なる。
 「30%も可能性がある。良い面を見ていこう」。
 そう言って始めた再発後の抗がん剤治療は、効果を現した。
      ■         ■
 このころ、病棟と外来の仕事はやめていた。
 だが、症状が落ち着くと、他の病院にかかる患者が専門家の意見を求めるセカンドオピニオン外来で、肺がんや中皮腫を担当し始めた。
 「患者さんより山崎君の方がつらそうに見えました。
 それでも『患者さんに説明したい』と。
 やり続けたい仕事だったのでしょう」。
 第一内科の西村正治教授は言う。
      ■         ■
 第一内科の山谷敦子副看護師長(42)は、
 「患者さんの性格や職業、家族まで考えて治療方針を決める先生だった」。
 自らもがん患者となり、患者の立場を思いやる言葉は確実に増えた。
◆確率との戦い
 昨年9月26日。
 医局講演会で、山崎さんが講師を務めた。
 後輩の医師に、息切れを押さえながら、語りかけた。
 「がん患者に向き合う医師は、病気の進行について悲観的な見通しを言うのは絶対にやめてほしい。
 患者さんに希望を与えよう。
 そのためには、がん患者を治した経験をたくさん持ってほしい」
 患者として得た経験を医療現場に伝えようと、懸命だった。
      ■         ■
 現代のがん治療は、確率との戦いでもある。
 抗がん剤が効く確率、放射線治療が効く確率、五年生存率、余命-。
 それぞれの選択肢の持つ確率が、治療方針を決める鍵となる。
 悪性中皮腫は進行が早い。
 「骨転移があれば、過去の症例から、多くの医者は『もうだめだ』と思ってしまう。
 転移しても五年、十年と生きる人がいるが、可能性はかなり低い」 (西村教授)
      ■         ■
 治療の効果が出る確率が低ければ、積極治療を中止し、
 苦痛を取り除くことに重点を置くターミナルケアに移行する選択肢がある。
 「もういいですよ」。
 そう言って穏やかな末期を望む患者もいる。
 緩和ケア病棟やホスピスが増えた現在、尊重されるべき選択肢だ。
 ただ―。わずかな可能性にかける患者がいる。
 山崎さんはその一人だった。
      ■         ■ 
 主治医の大泉さんや、北大放射線科の白土博樹教授と相談しながら、
 抗がん剤や放射線の治療を続けた。
 病室にパソコンを持ち込み、仕事もやめなかった。
 「サッカーの試合なら、残り一分、0対4の状況でも、がんばる患者さんがいる。
 その気持ちを、最後のホイッスルが鳴るまで支えるのが医師の役目だと。
 私たちが普段忘れがちなことを、山崎先生に教わった」。
 白土教授は言う。
      ■         ■
 そして、昨年12月。山崎さんはホイッスルが間近いことを覚悟する。
 「エンドステージだ」。
 望美さんに言った。
 専門医として、自らの病状を冷静に見極めていた。
 まるで、学会の手配をするように、自分の葬儀の用意を始めた。
◆最後の元旦に
 2008年、元旦。
 外泊した自宅のソファで、
 山崎さんはノートパソコンをひざに抱き、
 葬儀で朗読してもらう「病状報告」を少しずつ打ち始める。
      ■         ■
 「本日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございました…」
 翌日は、テレビ中継の箱根駅伝を、じっと見ていた。
 山崎さんは、スポーツが好きなわけを、望美さんに話している。
 「スポーツは、何があるか分からないよね。
 終わりの方に大逆転のドラマがあるかもしれない。それが楽しいんだ」
 12日早朝、山崎さんは北大病院で永眠した。
◆「心構え」託す
 18日、がん治療の医師や看護師を集めた研究会で、
 白土教授が「病状報告」にあった山崎さんの言葉を紹介した。
 今日は治らなくても、明日はよい治療法が見つかるかもしれない。
 1%の希望があれば、闘病意欲のある患者さんには、
 その1%にかけてがんばろうと言うべきだ-。

      ■         ■
 命の終わりを見つめながら、
 前を向いて生きること、
 その闘いを支える医療関係者の心構え。
 山崎さんのメッセージは、静かに波紋を広げている。
      ■         ■
 中皮腫
 胸膜や腹膜などの表面を覆う中皮細胞から発生する悪性腫瘍(しゅよう)のこと。
 アスベストが関与していることが多く、
 吸い込んでから30-50年後に発症するが、
 吸引歴のない人が発症することもある。
 胸腹中皮腫の場合、
 胸水による呼吸困難や痛みを伴い、病気の進行は早い。
 手術、放射線治療、抗がん剤治療が現在の標準的治療法。
      ■         ■ 
 山崎さん自らが書いた「症状報告」
 私は胸膜中皮腫という、アスベストの吸入歴のない比較的若い男性には非常にまれな病気になり、46歳という働き盛りの年齢で人生を終えることになりました。
 私の専門は肺がん、胸膜中皮腫などの呼吸器腫瘍(しゅよう)の診断、治療であり、たくさんの胸膜中皮腫の患者さんを診てきました。
 そのような私が自分の病状の経過がどうであったか、
 自分が専門であった致死的疾患に罹患(りかん)したとき、病気にどう対応したかを、
 本日お集まりのみなさまに正確にお伝えするのも一つの義務ではないかと考え、簡単な文章にまとめました。(中略)
 私は、1年半以上の闘病の生活のほとんどを、まだ治る可能性があると信じて、自らの治療を勉強し、選択してきました。
 この考え方は患者さんにとって非常に重要ではないかと思っています。
 肺がんや胸膜中皮腫の患者さんの多くは、
 最初の時点で医師から「もうあなたの病気は治りません」と宣告されていると思います。
 しかし、1%でも0.5%でも治る可能性があると思えるかどうかは、治療を前向きに受けられるかどうかにつながる非常に重要な点であると私は思います。
 最近では、現実的に5年も10年も長生きしている進行肺がんや胸膜中皮腫の患者さんが増えてきており、
 そのような例をとって患者さんたちを励ましてあげることが重要ではないかと、治療する側と治療を受けた側の両方を経験した一人として強くそう思います。
 (葬儀で大泉医師が朗読)
      ■         ■
 山崎先生のご冥福をお祈り申し上げます。合掌。
 北大第一内科HPにも、山崎先生のページがあります。

生前の山崎浩一さん。「熱い人だった」と周囲は口をそろえる
 仏壇には、愛用の聴診器と腕時計の横に、
 出身の札南高の甲子園出場を記念するボールが供えられた。
 (北海道新聞より引用)

“山崎浩一先生を偲ぶ”へのコメントを見る

医学講座

歯の再植(サイショク)

 平成20年2月3日、朝日新聞朝刊、『ひととき』への投稿です。
 必死で捜した歯
 中1の息子と三女を送り出して、さてと思ったら、鏡の前に息子がいる。「どうしたの、遅刻しちゃうよ」と言いかけて言葉をのみ込んだ。
 振り向いた息子は血まみれの□から血を滴らせ、「もう元に戻らん」と泣き出しだ。
      ■         ■
 「歯はどこにあるの」と叫びそうになった。登校途中、自転車で転んだという息子の□には、上の前歯がなかった。
 息子をせっついて、血の跡の残る凍ったアスファルトにほおをすりつけるようにして捜したが、見つからない。
      ■         ■
 歯、息子の歯。毎晩仕上げ磨きし、毎年の検診で歯垢を除去し、虫歯のない、きれいに並んだ、これだけは本当に自慢の歯。
 早くみつけなくっちゃ、車にひかれてこなごなになっちゃう。
 必死の私に「母さん、あれ」と息子が指さした。側溝の水の中で、白い4㌢もある三日月形が輝いている。
 じゃぶじゃぶ入って拾いにいった。
      ■         ■
 切るのか縫うのかと思った修復手術は、抜け落ちた歯と穴をきれいにして差しこみ、隣の歯と接着剤でとめるものだった。
 歯がつくかどうかは本人の回復力次第という。
 がんばれ、息子。
 毎日好きなだけ食べて、眠って、野球をしているのは、こんな時のだめでしょう。
      ■         ■
 夜、4人の子どもに言った。
 「歯でも落としたら必ず拾いなさい。泣いて見失うようなまねをするんじゃない」
 山口市 平田美子 無職 42歳
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 口腔外科(コウクウゲカ)の先生に伺いました。
 歯の根っこ、歯根の表面には歯根膜という組織があります。
 その歯根膜が60%以上生きている場合は、速やかに戻せば元どおりにくっつくそうです。
 これを歯の、再植(サイショク)といいます。
      ■         ■
 もし、歯が取れてしまったら、歯を捜して、拾います。
 できれば、生理食塩液につけて、できるだけ早く歯医者さんへ行きます。
 生理食塩液は、医療機関であれば、だいたいどこにでもあります。
 少し大きな、ドラッグストアでは売っています。
 できれば、生理食塩液で歯を洗って、その液につけて歯医者さんへ行きます。
 何もなければ、拾った歯を口の中に入れて、
 飴(アメ)をしゃぶるようにして、口の中で‘保存’して、歯医者さんへ向かいます。
      ■         ■
 歯医者さんでは、歯が抜けた『穴』に歯を入れて
 ‘ひととき’の方のように、強力な糊(ボンドのようなもの)で固定します。
 歯根膜が、しっかりしていて、条件がよければつきます。
 早ければ早いほどよいそうです。
 間違っても、消毒用アルコールなんかには漬けないで下さい。
 歯が死んでしまいます。
      ■         ■
 歯の再植の専門は、口腔外科です。
 街の歯医者さんでも、できるそうです。
 良い歯医者さんを見つけられて、運がよければつきます。
 皮膚が削げてしまった時にも、付けることができます。
 これは形成外科が専門です。
 機会があれば、ご紹介したいと思います。

“歯の再植(サイショク)”へのコメントを見る

昔の記憶

夫婦喧嘩

 平成20年2月3日、朝日新聞『天声人語』からの引用です。
 フランスのサルコジ大統領は「本音の人」である。
 昨秋に離婚し、14歳下の人気歌手カーラ・ブルーニさん(39)と結婚したらしい。
 在職中に配偶者を代えた仏元首は、本当かどうかナポレオン以来とも聞く。
 要職だからと、私生活を犠牲にする気はないようだ。
      ■         ■
 パリで4年前、公演後の楽屋にカーラさんを訪ねたことがある。
 缶ビールを片手に、来日への思いを気さくに語ってくれた。
 その応対ぶりから、仕事にも恋にも正直な人とお見受けした。
 大統領とは生き方も一致したのだろう。
      ■         ■
 自分に正直に、本音で生きてゆくのは楽じゃない。
 周囲との摩擦、好奇の目。
 「結婚は忍耐」と言う通り、夫婦がそれぞれ我を通せば破局に至ることもある。
      ■         ■
 されど人生は一度きり。
 二人をうらやましく思うかどうかは別にして、つまらぬ遠慮や辛抱で消耗したくはない。
 そうはいかないのが普通だろうが、辛抱しすぎると命が縮むというからご用心だ。
      ■         ■
 夫婦げんかを我慢すると早死にしやすいという説を、通信社が報じた。
 米ミシガン大学の研究者が、192組を17年追跡した結果だという。
 相手の言動を不当と感じた時、感情を押し殺して我慢し合う夫婦は、言い争って解決しようとする夫婦の倍の死亡率だった。
       ■         ■
 江戸川柳に〈喧嘩(けんか)には勝ったが亭主飯を炊き〉とある。
 言うだけ言われたおかみさんが「職場放棄」で反撃に出る。
 これならそろって長生きだろう。
 夫婦げんかや離別を長寿の秘訣(ひけつ)としてお勧めするのではない。
 愚痴も我慢もほどほどに、仲むつまじいのが一番です。
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 どこの家も似たようなものだなぁ~というのが感想です。
 お江戸の昔から、夫婦喧嘩をすると、奥さんはご飯をつくってくれなかったのですね。
 わが家も同じです。
 喧嘩した日は、お弁当がないので、すぐに職員にバレます。
      ■         ■
 朝、出勤して来た職員がPCの上に気づきます。
 『アら?』
 言われる前に、私が言います。
 『今日はお弁当なしさ…』
 お弁当がない日は、弁菜亭というお弁当屋さんの弁当を買ってきます。
 だいたい、500円程度のお弁当です。
 札幌駅前の札幌国際ビル地下2階に売店があります。
      ■         ■
 私も、結婚して子供が生まれるまで、約2年間は、
 あまり夫婦喧嘩をした覚えがありません。
 子供が生まれてから、
 嫁さんは母親になり…
 強くなりました…
      ■         ■
 本間家では、夫婦喧嘩をガマンしすぎて、早死にする心配はなさそうです。
 よく喧嘩をします。
 私は長男で、
 家内は長女です。
 両方とも、強情です。
 なかなか、激しい喧嘩もあります。
      ■         ■
 今では、子供もいなくなり、家内と二人だけの生活になりつつあります。
 30年前は、喧嘩もしなかったのに…
 ガマンしすぎて、早死にするよりマシかもしれません…
 長く生きていると、いろいろなことがあります。
 美容外科医だからといって、決して幸せな毎日ばかりではありません。
 人生で一番幸せだったのは、
 公団住宅に住んで、ドアの開かないサニーに乗っていた頃だったような気がします。

30年前のニセコアンヌプリです。
この頃は喧嘩はしませんでした

“夫婦喧嘩”へのコメントを見る

医学講座

ワキガといじめ

 平成20年2月2日、朝日新聞夕刊の記事からの引用です。
 東京都内で行われている、日本教職員組合(日教組)の教育研究集会の分科会でのお話しです。
 福岡県内のある市立中学校での事件です。
 3年生の学年主任の教諭(44)が、「学校裏サイトとの闘い」を発表されました。
      ■         ■
 その中学校の学校裏サイトで、
 「○○(生徒の実名)体くさい」
 「あいつ死んだほうがいいよ 女子でいじめよう」
 「キモイ顔面しやがって」
 と書かれていました。
      ■         ■
 以下が朝日新聞からの引用です。
 (先生は)全クラスで道徳の授業を行い、裏サイトについて考えさせた。
 各クラスの担任は裏サイトの内容を黒板いっぱいに書き出した。
 書き込みの多さと内容の醜さ、ひどさに気づかせるためだ。
 書き込みが原因で殺人事件が起きたり、悪口を書かれた人が自殺したり、最悪の場合は死につながることも教えた。
      ■         ■
 主任は、その日の「帰りの会」(学年集会)でも訴えた。
「名前が出ないからと人を傷つければ、書き込むごとに自分の心がカサカサになる」
「嫌な書き込みをしたことがある人は今夜削除してほしい」
      ■         ■
 同時に、掲示板の管理人に誹謗中傷の書き込みの削除を要請した。
 ネット上に掲示板の場所を提供していたプロバイダーには、掲示板の閉鎖を依頼した。
 6月20日。
 授業参観後の父母らとの懇談会で書き込みの抜粋を示し、裏サイトで傷ついている生徒がいる現実を知らせた。
 「ひどい」。顔をしかめる親もいた。
      ■         ■
 プロバイダーが対応したのか、その後、掲示板は閲覧できなくなった。
 その後。3年生のあるクラスに新しい掲示板ができた。
 欠席したり早退したりした生徒のために、次の日の授業で準備が必要なことなどを書き込む場だ。
 生徒たちが自ら大事に運営し、「楽しい掲示板」になっているという。
      ■         ■
 主任は反省を込めて語る。
「教師は裏サイトのことを知らなさすぎる。もっと勉強しなければ。誹謗中傷があれば、削除や掲示板の閉鎖が必ずできる仕組みも必要だ」
 (以上、朝日新聞から記事の一部を引用しました。)
      ■         ■
 ワキガ体質の方は、思春期から症状が出始めます。
 女の子でしたら、12~13歳頃から、男の子は少し遅く、13~14歳頃から、というのが一般的です。
 ちょうど中学校入学の頃です。小学校までは制服がありません。
 中学校になると、制服を着るようになります。
      ■         ■
 私が、中学生だったのは、もう40年も前です。
 その頃は、男子はワイシャツに学ランと言われた学生服。
 女子は、ブラウスにブレザーかベストというのが一般的でした。
 ワイシャツもブラウスも白が基本。
 色柄物は、不可でした。
 白いワイシャツを着るようになって、自分も少し大人になったような気がしたものです。
      ■         ■
 ところが、ところが…
 白いワイシャツや白いブラウスは、ワキガ体質の方には過酷です。
 すぐに脇の部分が黄色く変色してしまいます。
 他人に敏感な年頃の子供たちです。
 『○○臭い(クサイ)』
 福岡の中学校で臭いといわれた子が、ワキガだったかどうかは不明です。
 ただ、誰かが『くさい』と言い出すと全体に広がります。
      ■         ■
 札幌美容形成外科を受診する方の中にも、ワキガが原因でいじめられた女子生徒がいます。
 もちろん、裏サイト対策も重要です。
 ワキガ以外が原因でいじめられることもあります。
 私も言語障害といじめられました。
 ただ、ワキガ体質の方は、社会に出てからも苦労します。
      ■         ■
 医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、介護福祉士など
 医療分野で活躍する人は、白衣が制服です。
 他人と接触することが多い職種です。
 手を使う仕事なので、就職してからの手術はまず無理です。
      ■         ■
 私は、本人が気にしているなら手術を受けるべきだと思います。
 男の子でしたらお父さん
 女の子でしたらお母さん
 と同じ程度に腋毛が濃くなったら手術は可能です。
 高校生から大学生の間に手術を受ける方が多いです。
      ■         ■
 卒業式が終わってから、高校や大学へ進学するまでの間がチャンスです。
 高校3年生で、進路が決まっていて、2月に学校へ行く必要がない人は
 卒業式前もチャンスです。
 ワキガ手術は、一生に一度の手術です。
 健康保険も適用になります。
 いじめは中学校だけではありません。
 社会に出てからも、『くさい』と言われて気分がよい人はいません。
 時間がある時に、是非受けていただきたい手術です。

“ワキガといじめ”へのコメントを見る

医学講座

多汗症、吸引法で効果なし

 最近、ご相談にいらした方です。
 多汗症で、数年前に吸引法による手術を受けました。
 手術による効果はなく、すぐに汗が出るようになりました。
      ■         ■
 手術をしてくれた、クリニックへ相談に行きました。
『手術では、これ以上改善しないので、ボトックス注射をしましょう。』
『今だったら、お試しキャンペーン価格で、○万円です。』
 その日に、注射を受けました。
 若い先生が、片ワキ5箇所くらい注射してくれました。
      ■         ■
 少し汗が減ったような気がしますが、
 まだ汗は出ます。
 ボトックスもあまり効果がありませんでした。
      ■         ■
 私が、ワキを診察すると、確かに汗が出ていました。
 私:『何というボトックスを、何単位注射しましたか?』
 『……?』
 『何も聞いていません…』
 同じボトックス注射でも、注射する範囲と量によって効果が異なります。
      ■         ■
 ワキボトックス:キャンペーン価格、○万円
 二重埋没法:一点留め(保証なし)○○千円
 などなど、
 美容外科の価格はクリニックによってさまざまです。
      ■         ■
 同じようなメニューでも、中味が違います。
 安く見えても、効果がなければ、結局高いものにつきます。
 医療の安全性は、価格だけではわかりません。
 100万円もする、二重埋没法もあります。
 高ければよいというものでもありません。
      ■         ■
 中味が見えないものは、慎重に選ばなくてはなりません。
 私は、施術を迷っていらっしゃる方には、
 他の信頼できるクリニックへも、相談に行くように話します。
 こうして、毎日、日記を書いていると、
 遠方の方からも、ご相談を受けます。
      ■         ■
 美容外科選びは難しいものです。
 先生との相性もあります。
 私は、遠方の方から、ご相談を受けた時には、
 できる限り、信頼できる先生をご紹介するようにしています。
 同じように見えても、中味は違います。
 慎重にクリニックを選んでください。

“多汗症、吸引法で効果なし”へのコメントを見る

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ