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院長日記一周年
2006年10月22日から日記を書き始めて、丸一年が過ぎました。われながら、よく一年も毎日書き続けたものだと感心しています。
実は、今日の日記を書き始めるまでは、10月25日から始めたと思い込んでいました。初期のアルツハイマーです。
息子にも家内にも『大丈夫?』と言われる始末です。
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この一年で実にいろいろなできごとがありました。人生で一番辛かった一年でした。
クリニックを開業した時も、大学をクビになった時も、いろいろ大変でしたが、何とか自分で乗り切ってきました。
昨年末に、信頼の絆を切られて、落ち込みました。
絆を切ったのは私の娘です。私なりに教育も授けて、話しもして、しっかり育てたつもりでしたが、見事に裏切られました。
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父親としての自信、教育者として自信、医師としての自信のすべてを失いました。
大切に育てていたラベンダーも手放し、自宅も転居しました。
正直に申し上げると、事業の継続を断念しようと考えたこともありました。
今、日記を読み返してみると、いたるところに私の苦悩が出ています。
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私が、事業の継続を断念しようと考えるほど落ち込んでいた時に、救ってくれたのは、札幌美容形成外科の職員とお客様でした。
日記を読んだ、たくさんのお客様から声援をいただきました。
わざわざ私を励ましに、遠方から駆けつけてくださった保健師さんもいらっしゃいました。
友人や先輩の諸先生にも助けていただきました。本当にありがとうございました。
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他人から見ると、順風満帆に見えるかも知れませんが、私の人生は波乱万丈です。
よく職員に、『こんな可愛そうなオヤジはいないよなぁ!』と話しています。
娘のことで、家内と何度も大喧嘩をしました。本当に、昨年の暮れから人生が変わりました。
日記を書いていて、一番困ったのが、元気がない時に元気なフリをして書かなければならなかったことです。
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私は家内に、一年365日、一日も休まずに日記を書き続ける美容外科医はいない。と豪語して書いていました。
ところが、塩谷先生にはあっさり負けました。塩谷先生は、私のはるか上を行かれています。
日記を書いたおかげで、自分が一年前、一ヵ月前、半年前にどんなことを考え、どんなことをして、何を書いていたかがはっきりわかります。
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これから、どのように日記を続けられるか、わかりませんが、できる限り、本間賢一という一人の人間が生きた証(アカシ)を残したいと考えています。
これからも、何卒よろしくお願い申し上げます。
自宅で日記を書いているところです
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院長の休日
北大の紅葉
今日は朝から快晴で天気が良かったので、北大構内を散策してきました。
北大は知る人ぞ知る、紅葉の名所です。189万の人口がある都市の中心部に、これだけの緑が残っているのは札幌市民の財産です。
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今日は北大正門(北9条)から入りました。北大構内に一歩入ると、緑の香りが漂ってきます。
紅葉が始まっているのはモミジでした。北大病院の近くには、イチョウ並木がありますが、イチョウの紅葉はまだでした。例年、10月末には見事な黄色のトンネルができます。
銀杏(ギンナン)を拾いに来る市民やたくさんの写真家もいらっしゃいます。
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北大病院の研修医をしていた頃に、夜、イチョウ並木の下を歩いて、銀杏を踏みつけて、靴に臭いがついて困った記憶がありました。
夜のイチョウ並木は、あまり明るくないので、気をつけないと銀杏を踏みつけてしまいます。
たまに、銀杏の実でかぶれる方もいらっしゃいますので注意してください。
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今日、写真を撮ったのは、クラーク会館の前です。
クラーク会館(通称クラカン)には、パイプオルガンのある講堂や北大生協の食堂があります。
昔は書籍部という本屋さんもありましたが、現在は近くの生協会館2Fにあります。
現在、クラーク会館は耐震補強工事の最中で食堂は休業していました。
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正門から入って、右手に北海道大学本部の建物があります。北大総長や副学長など、偉い方がいらっしゃる重厚な建物です。
その本部を過ぎてから、右手奥に、百年記念会館があります。北大創基百周年記念事業の一環として昭和52年に建設されました。
地階に「きゃら亭」というレストランがあります。日替わり定食が2種類あり、\700と\740でした。サラダバーとドリンクバーがついています。月曜日~金曜日 (祝日及び年末年始を除く)11時~19時までの営業です。
今日は、学術交流会館で学会があったのと、お昼に行ったので混んでいました。
70歳台と思われる、年配の市民グループの方がたくさんいらしていました。
1階ロビーには百年史を解説する写真や資料があり、無料で閲覧できます。
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これから、一日ごとに寒くなり、一日ごとにイチョウ並木が黄色く色づきます。
札幌美容形成外科の近くにある、北3条通りにも道庁までイチョウ並木があります。
あと一ヵ月もすると、夏タイヤからスタッドレスタイヤへの履き替え時期になります。
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つかの間の秋ですが、機会があれば是非、北大構内も散策してください。
私のお薦めコースです。
北大構内で
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未分類
司法試験合格年3000人
平成19年10月20日、朝日新聞朝刊の記事です。
司法試験合格年3000人計画 弁護士会から反対続々
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司法試験の合格者を年間3千人に増やす政府の基本計画について、中部弁護士会連合会(1568人)は19日の定期大会で、「弁護士制度の変質を招く」として反対する決議を可決した。
全国8ブロックにある弁護士会連合会による反発の動きは、先週の中国地方弁護士連合会(733人)に続き2例目。司法をより身近にし、弁護士偏在の解消への期待もかかる法曹人□増に対し、競争激化や人材の質の低下を懸念する弁護士の声が相次いで表面化した形だ。
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決議は「弁護士数の急激かつ大幅な増加は、弁護士界に深刻な事態を引き起こしている」とし、日本弁護士連合会に増員計画の見直しを政府や国民に訴えるよう求めている。拘束力はない。
定期大会には計212人が出席。「すでに新人弁護士の就職難の状況が出ている。過当競争で倫理が低下し、公共的な活動をなおざりにするなどの弊害が出れば、我々のみならず国民にとっても不幸だ」と提案理由が説明された。
討論では決議について「『業界利益を守るうとしている』と見られる」「競争すれば質は向上するはず」との反対意見も出た。賛成162人、反対29人(留保・棄権21人)で可決した。
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中国弁連は12日に「司法試験の合格者数を適正水準まで削減するよう求める議題」を採択。賛成134人、反対64人だった。
埼玉弁護士会は12月の定期人会に同趣旨の議案を提出する予定だ。千葉県弁護士会も17日の常議員会で「弁護士増員問題対策本部」を設置する決議を採択した。
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司法試験合格者は65~90年は年間500人前後、99年は1千人。政府の司法制度改革審議会は2001年の最終意見書で「2010年ころに年間合格者3千人」の目標を打ち出した。
日弁遮の藤井伊久雄副会長は「決議は重く受け止めている。3千人の基本方針に沿ったうえで、指摘されている問題について検証を行いたい」と話している。(花野雄太)。
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同日の社会面には関連した記事が掲載されていました。
法曹人口増就職難など懸念噴出「業界のエゴ」批判の声も
法律家の数を増やす政府の計画に反対する動きが相次いで表面化し始めた。司法制度改革に携わった弁護士らからは批判も出ている。
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日本弁護士連合会は2000年の臨時総会で「3千人」を認める決議案を賛成多数で採択したが、当時から会内には不満や不安がくすぶっていた。いま反対の決議が相次ぐのは、需要増が見込まれていた自治体や企業による雇用が進まないうえ、司法研修所の卒業試験で史上最多の不合格者が出て「質の低下」が話題に上るようになるなど、当初の懸念が顕在化し始めたことが背景にある。
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見直し論は政府与党内にも浮上している。鳩山法相は[毎年3千人は多すぎる」と主張。自民党司法制度調査会も16日、小委員会で見直しの検討をすることを決めた。臼井日出男・調査会長は「増やす、増やすで来たが、量と質の問題として考え直す時期だ」と話す。
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こうした流れに対して、司法制度改革に携わった弁護士を中心に「業界のエゴだ」と批判する声も強まっている。ある弁護士は「はしごを外されるような議論だ。社会の隅々まで市民の法的二ーズを満たすという目標を捨てて『就職難だから減らせ』ということが国民の理解を得られるとは思えない」と話す。(市川美亜子)
(以上、朝日新聞より引用)
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医者も弁護士も、社会的な地位が高く、人の役に立つ安定した職業と見られてきました。
現在、医師不足が叫ばれていますが、私が医師を志した30年前には、将来は医師過剰時代になると言われていました。
今の医師不足は、厚生行政が招いた‘人災’であり、医師が偏在しているだけだと私は考えます。
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私は、司法試験は難しくするべきで、安易に弁護士の数を増やすべきではないと考えます。
米国を見ると、すぐに何でも裁判です。お金になりそうな裁判にだけ飛びつく弁護士もいるそうです。
弁護士の安売りはいただけません。やはり、弁護士は人物・知識・経験がすべて揃っている方になっていただきたいと思います。
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医師不足だからといって、医師を促成栽培で大量生産しても医療はよくなりません。
弁護士を一挙に何倍も大量生産すると、訴訟だけが増えて、世の中が険悪になりそうです。
試験を容易にして、誰にでも運転免許を与えると交通事故が増えます。いたずらに弁護士を増やすと冤罪や不要の裁判が増えそうです。
医療問題
喫煙者率
平成19年10月18日、北海道新聞朝刊の記事です。
全国の喫煙者率 道内男性急落、3位に 女性ではダントツ
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日本たばこ産業(JT)は10月17日、今年の全国の喫煙者率調査を発表した。全国9地域のうち北海道は、男性の喫煙者率が前年比8.5ポイント減の42.4%で昨年の首位から3位になった。女性は同3.1ポイント減の19.4%で首位だった。
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北海道の男性が3位になるのは1983年以来24年ぶりで、喫煙者率は10年で21.5ポイント低下。女性は30年以上、北海道の首位が続いている。道内女性の喫煙者率の高さについて、JTは「他地域よりも多いといわれる社会進出と関係あるのでは」という。
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全国の喫煙者率は、男性が同1.1ポイント減の40.2%、女性が同0.3ポイント増の12.7%。男女平均は26.0%で12年連続して低下した。
調査は5月に実施し、約19,200人から回答を得た。
(以上、北海道新聞より引用)
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海外では、タバコとキズの治りに関する研究が多数報告されています。下の論文は1996年の米国形成外科学会雑誌に掲載された論文です。
ネズミにタバコを吸わせて、皮弁の生着(キズの治り)を調べた研究です。
The Effect of Cigarette Smoking on the Survival of Free Vascularized and Pedicled Epigastric Flaps in the Rat.
Plastic and Reconstructive Surgery: Volume 97(1) January 1996 pp86-96
結論は、タバコを吸うと皮弁の生着が悪くなる。つまりキズの治りが悪いということです。
In conclusion, this study proves that smoking of cigarettes is detrimental to the survival of free vascularized flaps.
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北海道の女性喫煙者率が日本一なのは、他地域と比較して社会進出が多く、自立した女性が多いことと関係があるようです。
美容の立場から言うと、残念なことにタバコは百害あって一利なしです。
タバコは血管収縮作用があるので、皮膚血流が悪くなります。どんなにお手入れをしても皮膚の血流が悪くなると新陳代謝も落ちます。
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タバコは発癌物質の集まりですから、煙が通る、口腔(コウクウ)、咽頭(イントウ)にガンができます。
咽頭癌(イントウガン)と聞いても、ピンとこないと思います。
簡単に言うとノドの奥にガンができます。声帯という声を出す部位にガンができると声が出なくなります。
キレイな可愛い声が、魔女のようなシワガレ声になります。最悪の時は手術で声帯をとってしまいます。
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ノドの奥にガンができると食事もできなくなります。
食べるという、人間にとって最大の楽しみである食事ができなくなるのは、とても辛いことです。
ガンになってはじめてその辛さがわかります。タバコでノドがイガイガする人は、そこにガンができたらどうなるか考えてみてください。
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ちょっとしたイタズラ心ではじめたタバコは、依存性があるため、やめるのが大変です。
これからの世の中は、タバコを吸う人はますます肩身が狭くなります。
今日からでも遅くはありません。キレイになりたい人はタバコを吸わないでください。
医療問題
医師臨床研修
平成19年10月19日、北海道新聞朝刊の記事です。
道内の医局離れに歯止め 医師臨床研修、来春34人増 人材不足なお深刻
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来春、医師となる医学生と病院側の希望を考慮し、臨床研修を行う病院を決める「マッチング」の結果が10月18日公表され、8,030人の研修先が決まった。
大学病院の占める割合は前年比0.3ポイント増の49.1%と微増だが、3年連続で半数割れとなった。道内は大学病院の割合が同7.7ポイント増の43.4%と伸び、研修医の大学離れに一定の歯止めがかかった形だ。
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研修先が道内の病院に決まったのは325人。うち大学病院は
・北大69人 (前年比12人増)
・札幌医大52人 (前年比13人増)
・旭医大20人 (前年比9人増)
の計141人(前年比34人増)だった。
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募集定員に対し、実際に受け入れる医学生の割合(充足率)は
・北大が86.3% (前年比31.5ポイント増)
・札医大が75.4% (前年比33.9ポイント増)
・旭医大が51.3% (前年比25.1ポイント増)
と前年を大きく上回った。大学を通じて地域医療に携わる医師の養成が期待される。
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全国の大学病院の充足率の平均は71.6%で、100%となったのは東大、神戸大、慶応大など18病院だった。
希望登録した全国の医学生は8,291人で、うち96.9%の研修先が決定。以前は70%前後を占めていた大学病院は、新制度導入後、58.8%、52.7%、48.3%と三年連続のダウンとなったが、今回は49.1%と少し上向いた。
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病院の募集定員は11,563人。充足率は民間や公立など市中病院67.5%、大学病院71.6%。都道府県別の充足率は最高が東京の86.7%。道内は64.5%と、全国平均の69.4%を下回っており、医師不足は依然深刻だ。
充足率を大きく伸ばした札幌医大病院は、2006年度から専門とする診療科を研修途中で変更できる制度を導入した。
同病院臨床研修センターは「研修生の意向を尊重する姿勢を道内外でPRしてきたことが奏功した。ただ研修医の大学離れは全体では続いており、今後も楽観視できない」としている。
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2004年度に導入されたマッチングは、医学生の研修希望と医療機関の受け入れ希望の順位を登録しコンピューターで合致させて決定する仕組み。
(以上、北海道新聞より引用)
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一般の大学生は、3年生の秋頃から就職活動が始まります。医学生は、6年目に、自分が臨床研修をする先を決めます。その病院の試験や面接を受けます。病院によって給与や待遇・研修システムが違います。
学生と病院の双方から、希望順位を医師臨床研修マッチング協議会へ登録します。
優秀な学生を選ぶのは病院の権利。良い病院を選ぶのは学生の権利です。
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一人の優秀な学生が、たくさんの病院から‘内定’をもらい、次々に内定を蹴ってしまっては、臨床研修制度は成り立ちません。
学生と病院の希望をコンピューターが判断し決めます。これが今の臨床研修病院を決めるシステムです。
私の時代には大学病院を選ぶ学生が大部分でした。現在の医師不足の原因の一端は、この臨床研修制度にあると言われています。
平成19年2月2日の日記‘医師引き上げ’にも記載してあります。
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一般の大学生が将来性があり、夢があり、有名な企業に就職を希望するのと一緒で、現代っ子の医学生は3Kを嫌います。
学生や研修医は勉学の傍ら、先輩医師の仕事ぶりや生活をよく‘観察’しています。
・子供や家族と別れて一人で単身赴任
・毎日朝から深夜まで働いても
・住民からちょっとしたことで苦情が来る
・最後にバーンアウトしてしまう
僻地の医者が嫌われるのは、こうした‘観察’の結果です。へとへとに疲れて、疲弊している先輩を見て、誰もそのようになりたいと思いません。
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大学も一般病院も、学生や研修医に、‘夢とロマン’を持てるような将来像を示せないと、決して‘人’は集まってきません。
内紛でゴタゴタしている会社に就職する人がいますか?今にも倒産しそうな会社に就職する人がいますか?
厚生労働省のお役人に、医師が希望を持って働けるような制度を確立していただきたいと願っています。
医療問題
内科医全員退職
平成19年10月19日、北海道新聞朝刊の記事です。
日鋼病院 内科医も全員退職へ
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【室蘭】医師の退職が相次ぐ日鋼記念病院(医療法人社団カレスアライアンス経営)で、新たに内科医3人全員が11月末で退職することが18日分かった。同病院では、3人を含め11月末までに13人の医師が退職予定。医師確保が進まなければ4月から休診中の産婦人科に加え、脳神経外科、循環器科、内科の3科も休診する可能性がある。
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同病院では、今年9月のカレスアライアンスの西村昭男前理事長解任を機に、西村氏に近い医師らを中心とした退職の動きが加速。9月末で5人が退職し、今月末に脳神経外科医1人が、11月末には循環器科の医師4人が退職することが明らかになっている。一方、産婦人科は大学病院の医師引き揚げにより今年4月から休診している。
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同病院は、19日に室蘭市内で開かれる西胆振医療圏関係者会議で、内科医を含めた医師退職の現状について報告する。
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平成19年10月16日、北海道新聞朝刊には次の記事も掲載されています。
日鋼病院問題で医師の慰留を要請 室蘭など3市長
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【室蘭】医師不足から、救命救急センターが事実上休止するなど、日鋼記念病院(室蘭市新富町)の体制縮小が進んでいることに関し、室蘭市の新宮正志市長、登別市の上野晃市長、伊達市の菊谷秀吉市長は10月15日、同病院を経営する医療法人社団カレスアライアンスの勝木良雄理事長に「退職の意思を示している医師が踏みとどまるよう伝えてほしい」と要請した。
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日鋼記念病院は、室蘭市など三市の救急医療を支える重要な病院であることから、三市合同で要請に踏み切った。
勝木理事長は要請に対し、「道内外の大学病院にお願いし医師確保に努めている」と述べるにとどまった。
同病院では、カレスアライアンスが西村昭男理事長を解任したことに端を発し、すでに退職した医師を含めて、10人の医師が11月末までの退職を申し出ている。
(以上、北海道新聞より引用)
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医療法人の内紛から、地域医療に混乱をきたしているのは、医療人としてとても残念です。
一番困るのは、地域住民です。内科の先生がいなくなった病院は異常です。
先生がいなくなってしまった病院からは、優秀なスタッフもいなくなってしまいます。
新しい先生が来ても、スタッフや住民と馴染んで診療が正常に戻るまでの時間がかかります。一日も早く混乱が収拾されることを祈念しています。
医学講座
多汗症
平成19年10月15日、朝日新聞夕刊-体とこころの通信簿-の記事です。高山敦子さんというライターさんの署名記事で、多汗症について詳しく解説してあります。
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多汗症「病気」認識薄く、人知れず苦悩
多汗症。特に暑くもないのに、いつも汗をかいている。たいていは、手のひらや足の裏、わきといった、体の一部のことが多く、「局所多汗症」と呼ばれる。
「一般に病気という認識がないため、人知れず悩んでいる人が多い」
こう話すのは、塩谷ペインクリニック(東京都品川区)の塩谷正弘医師だ。
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電車のつり革をつかむと汗が垂れてくる。文字を書こうとしても紙が汗で破れてしまう。手や足が汗でぬれて靴下がはけない。汗で針がすぐにさびてしまい、縫い物ができないー。
日常生活に差し障りがあるほどの深刻な症状に悩む患者もおり、塩谷さんのクリニックを受診する。
「手のひらがしっとり湿る程度の軽症も含めると、局所多汗症の人は100人に1人ほどいるのではないでしょうか」と塩谷さん。それほど、潜在患者は多いとみられる。
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気温が高い時、人は自然に汗をかいて体温を調節しようとする(温熱性発汗)。人前で話をしたり、試験を受けたりするなど緊張した時にも汗をかく(精神性発汗)。
多汗症の原因ははっきりしないが、緊張時によく汗をかく人の方に重い傾向があるという。自分の症状に不安を感じている人が多く、その不安が症状をさらに悪くするという悪循環に陥る場合もある。
「人と会う」と考えるだけで、手のひらがじっとりぬれてくることもあるほどだ。
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では、多汗症の人は、特異な体質なのだろうか。東京医科歯科大病院の横関博雄教授(皮膚科)は、汗を分泌するエクリン汗腺の数も大きさも、多汗症の人とそうでない人とでは「変わらない」と話している。
どうやら、汗をコントロールする神経系に何らかの異常があるのではないか、と考えられる。ただ、原因ははっきりしていない。
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そのため、治療は主に対症療法になる。汗をかくのを抑える働きがあるアルミニウムを利用する方法がある。
コットンに10~20%の塩化アルミニウム水溶液を含ませ、汗をたくさんかく場所にはって寝る。横関さんは「軽症や中等度の人の約8割、重症の人でも約7割はこの治療で汗の量をかなり減らすことができます」と話す。ただし、かぶれるなどの副作用もあり、長く続けられないことがある。
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わきの下に小さな穴をあけて汗をコントロールする交感神経を遮断する手術もある。しかし、手足の汗を減らした分、腹部など、ほかの場所でよく汗をかくようになる代償発汗も否定できない。
ボツリヌス毒素の注射を導人する美容外科もあるが、長期的な効果は科学的に証明されていない。「現実的ではないでしょう」と横関さん。
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「人に気づかれたら……」など、引け目を感じて内向的になる人もいて、心身両面からのケアも欠かせない。
(ライター・高山敦子)
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「局所多汗症」あなたは大丈夫?
①全身性疾患(結核などの感染症、パーキンソン病のような神経疾患、糖尿病、肥満症、甲状腺機能障害、更年期障害など)がないのに手のひらや足裏、わきの下など特定部位に汗をかき、全身にはかかない
②緊張時に手のひらや足裏、わきに多量の汗をかく
③汗で日常生活や仕事などに差し障る
④親や兄弟姉妹に同じ症状の人がいる
⑤寝ている間は汗をかかない
⑥両手足、両わきなど左右対称に汗が出る
⑦多汗の症状が幼少期~25歳くらいに出た
のある人は全身に汗をかく全身多汗症を発症する傾向があり、特定部位に汗をかく局所多汗症とは異なります。
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日本発汗学会のホームページ(http://dept.md.shinshu-u.ac.jp/I-1seiri/ase.office.html)に汗に詳しい医師や研究者の情報が紹介されている。
皮膚科のほか、専門外来を設ける病院もある。脊髄に障害があったり、甲状腺の働きに異常があったりするほか、低血糖の場合にも多汗症がみられることもあり、注意が必要だ。
(以上、平成19年10月15日(月)朝日新聞夕刊より引用)
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立派な署名記事です。内容も一部を除き正しいと思います。残念なのは、ペインクリニックと東京医科歯科大学皮膚科の教授にだけ取材をし、美容外科の専門医に取材をしていないことです。
厚生労働省が正式に認可していないため、大学病院の皮膚科教授といえどもボトックスの使用経験は少ないのが現実です。私はある有名な大学の教授にボトックスの打ち方を教えたことがあります。
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ボトックスは腋窩多汗症には抜群の効果があります。精神性発汗が多いため、汗が出なくなるというだけでリラックスし、全身的な症状が改善する方もいらっしゃいます。
日本では認可されていませんが、ワキの多汗にボトックスを注射するのは海外では当たり前です。効果も6ヵ月は持続します。署名記事なのですから、検証する取材をして欲しかったです。発汗学会のアドレスも間違っていました。
医療問題
医師の激務
平成19年10月17日、朝日新聞朝刊-声-の欄へ読者からの投稿です。
医師の激務は分業で解消を 医師 44歳女性
私は今月初めの3連休の日曜日、病院で小児科の救急診療を担当しました。診療は切れ目なく、昼食の時間もとれないほどでした。
連休明け、匿名の母親から私あてに苦情メールが届きました。「2日続けて救急外来に通院したのに、ともに薬は1日分だけだった」「熱は下がったが、せきはひどくなった」。
あげくに「風邪の患者を殺すつもりか」と非難されました。
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救急外来は、生死にかかわる症状の患者さんのためにあり、救急での投薬も1日分しかできません。救急車で運ばれる患者さんは優先して診療しますが、「3日前から熱があって……」とかの方々が大半です。
器具を使って赤ちやんののどを調べて泣かせた、との苦情もありました。こんなことは医師を消極的にさせます。そして、産婦人科や小児科、救急医療から医師を遠のかせます。(以上、朝日新聞より引用)
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私が総合病院の救急当直をした時のことです。ピアスが化膿したという方がいらっしゃいました。
数日前から調子が悪かったそうですが、昼間は混んでいるので、夜間の救急外来にいらっしゃいました。しかも午前0時を回ってからです。
たまたま形成外科の私が当直でしたが、外科や整形外科の先生が担当だったら、申し訳ありませんが、明日、形成外科へかかってくださいで終わりです。
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夜間や休日にできる治療や処置は限られます。
救急病院を受診しても、専門医がいるとは限りません。
子供さんの急病は仕方がないとは思いますが、小児科の先生もギリギリの人数で精一杯働いています。
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一日分しか薬が出ないのは、その病院のシステムのためかも知れません。
そのお母さんは、せめて3日分くらいお薬を出して欲しかった、ということを訴えたかったのか?とも解釈できます。
いずれにしても、このような状況を続けていると、小児科を志す先生はいなくなってしまいます。
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医学部を志す人は、少しでも社会の役に立ちたいと願って志願するはずです。
小児科や産婦人科は、少子高齢化を防ぐのにはなくてはならない診療科目です。
一人でも多くの医学生や臨床研修医が、希望を持って働けるようなシステムを作って欲しいと思います。
楽で儲かる仕事なんかはありませんが、苦労が報われないと誰でも働く気力を失います。
医療問題
救急延命の指針
平成19年10月16日、朝日新聞朝刊の記事です。
救急延命、中止に指針 本人意思不明なら医療チーム判断 救急医学会
日本救急医学会は15日、救急医療の現場で延命治療を中止する手順を示した初のガイドライン(指針)を決めた。治療しても数日以内に死亡が予測される時、本人の意思が明らかでなく、家族が判断できない場合、主治医を含む「医療チーム」で延命治療を中止できるとしている。
終末期医療をめぐるあり方には、日本医師会が「尊厳死」を容認する報告をしているほか、今春、厚生労働省の検討会が指針をまとめた。しかし、終末期の定義や人工呼吸器を外す手続きを具体的に定めた指針は学会レベルとして初めてとなる。
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延命治療中止の手順。
学会は、2月に公表した指針案について、会員や国民から意見を募り、寄せられた207件の意見や提言をもとに一部を修正し、この日、大阪市であった評議員会で賛成多数で承認された。
救急の現場では、本人や家族の意思確認ができずに延命治療が続けられるケースがある。しかし、医師の判断で人工呼吸器を外した結果、刑事責任を問われることがあり、「ルールづくりが必要」という声が上がっていた。国も指針づくりに乗り出し、延命治療の中止をチームで判断することを求めた。ただ、患者の意思を基本とし、終末期の定義や中止容認の条件などは先送りした。
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学会の指針では、終末期を「突然発症した重篤な疾病や不慮の事故などに対して適切な医療の継続にもかかわらず死が間近に迫っている状態」とし、具体的には、脳死と診断されたり、人工呼吸器などに生命の維持を依存し、移植などの代替手段がなかったりするなど四つの状態を挙げた。
一方、末期がんなど慢性疾患で入院している患者は対象に含まない。
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終末期と判断した後は、家族らが
①治療を希望
②延命措置中止を受け入れる
③意思が不明確、あるいは判断できない
④本人の意思が不明で、身元不詳などの理由で家族らと接触できない
に分け、①以外は、人工呼吸器の取り外しや薬剤をやめる際の手続きを定めた。④の場合も、最善を尽くしつつ、医療チームで治療中止を判断。チームで結論が出なければ院内の倫理委員会で検討するとした。
指針作成にあたり、刑法学者らからも意見を聞いた。学会特別委員会委員長の有賀徹・昭和大教授は「延命治療を中止した際、司法の介入を招く事態も起きている。だが、ガイドラインに沿って判断すれば、法的にとがめられるはずがないと考えている」と話した。(野瀬輝彦、行方史郎)
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《解説》 現場には慎重論も
日本救急医学会の終末期医療の指針は、患者本人の意思が不明でも、手続きや要件を満たせば延命治療が中止できるという踏み込んだ内容になった。
東京大学の前田正一・准教授(生命・医療倫理)は「医療チームや倫理委員会で判断するという位置づけが明確にされた。指針に沿えば刑事責任を問われることはないと思う」と評価する一方、「患者と家族が必ずしも円満とは限らず、倫理委員会がどこまで機能するか分からないなど課題もある」と話す。
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現場の医師には「指針を、そのまま採用する病院は少ない」といった慎重論がある。本人の意思が不明で、家族と連絡がとれなければ、判断は医療チームや倫理委員会にゆだねられる。この点について秋田赤十字病院(秋田市)の皆河崇志・脳神経外科部長は、現時点で人工呼吸器の取り外しに社会的合意が得られる条件の一つに「本人が延命治療を希望しないという明確な意思があること」を挙げる。「はっきりしない時はもっと慎重であるべきだ」とする。
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学会に来た意見の中には「死期を早めることが日常化すれば、弱者切り捨てにつながりかねない」と懸念する声があった。「手続きさえ踏めばいいのか」といった批判を受けないためにも厳密な運用が求められる。
以上、平成19年10月16日朝日新聞朝刊より引用。
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救命救急センターでは毎日救急蘇生が行われています。
平成19年7月26日に書いた、市立札幌病院救命救急センターの鹿野先生が、学会抄録に次のように書かれていました。
『救急集中治療領域における終末期医療のなかで、どんなに懸命に治療しても救命不能な患者は必ず存在する。それは救急医療の限界であり、救急医にとって敗北の瞬間でもある。』
とても残念なことですが、どんなに頑張って治療しても、救命不可能な方はいらっしゃいます。
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私は、2006年11月7日に書いたようにドナーカードを持っています。延命治療は要りません。レスピレーター(人工呼吸器)も要りません。
使える組織はすべて提供します。
少しだけ希望を言わせていただければ、組織の一部だけでも、(キレイな)女性の一部として生きていたいと、ひそかに願っています。
家内には、そんなこと無理ょ…と言われていますが…。
朝日新聞より引用
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講義の準備
今日から3週間にわたり3回の講義をしています。5年前に大学をクビになるまでは、4年間講義を担当しました。
予備校や普通の大学の先生は授業をするのが仕事で、毎日講義をなさっていらしゃいます。
医科大学や医学部の教員は、毎日の講義がない代わりに、診療をしながら講義や臨床実習を行います。
人にものを教えるのは、かなり大変な作業で、資料を一つ作るのにも時間がかかります。
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どんなに優秀な学生さんを相手にしても、講義内容が退屈だと居眠りをされてしまいます。
米国の学会に参加すると、セミナーでは、
・講義の内容はよく理解できたか?
・話し方のスピードは適切だったか?
・資料は準備されていたか?
・資料の内容は適切だったか?
・講師に熱意は感じられたか?。
などのアンケート用紙が配られ最後に採点されます。
日本でも学生側から評価する制度を取り入れている大学があるようです。
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‘撃墜王’とか‘鬼’とか呼ばれる教官がいます。厳しく学生を採点し、一学年の10%も再試験になると聞いたことがあります。
教員にとって、再試験をすることは、それだけ手間も時間もかかります。再試験を何回したところで、その教員の評価にはつながりません。
教員の評価は、英文論文を何篇書いたかが客観的な評価対象となります。
厳しい先生は、それだけ教育にかける熱意があると考えてください。
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私の講義は、形成外科という認知度が低い診療科目を、少しでも知ってもらいたいという思いで行っています。
私が札幌医大6年生の時に、大浦武彦教授と濱本淳二助教授のお二人の先生が北大形成外科から特別講義にいらしてくださいました。
私はその講義をお聞きして、形成外科を志すようになりました。
大浦武彦先生は、現在も褥瘡(ジョクソウ)治療のパイオニアとして、日本中を駆け巡りながら講演をなさっていらっしゃいます。
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講義のすごいところは、一度に数十人の学生さんに私の思いを伝えられることです。
私が予備校時代に生物を教わった矢野雋輔先生の声は、35年も経った今でも私の脳裏に焼きついています。
昨年の日記に矢野先生のことを書いたところ、ご親切に数年前にお亡くなりになったと、知らせてくださった方がいらっしゃいました。
とても残念なことですが、先生が亡くなられても私の記憶の中には鮮明に残っています。
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私は、私が死んだ後に一人でも私のことを覚えていてくれて、『形成外科ってすげー』という感動を伝えたいと願っています。
3時間以上もかけて作り直したプリントとパワーポイントのファイルを持参して講義に行きました。
2名ほど講義の最中に居眠りしている人がいました。
残りの学生さんは熱心に聴いてくれました。あと2回頑張って講義に行きます。