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投機マネーの制御
平成20年7月5日、朝日新聞朝刊の記事です。
私の視点
投機マネーの制御に踏み出せ
寺島実郎(てらしまじつろう)
日本総合研究所会長
世界経済は、構造転換を余儀なくされている。
そのことが
北海道洞爺湖サミットで
見えてくるような予感がある。
■ ■
日本は戦後、
食糧とエネルギーを外部に依存して
産業を発展させてきた。
世界最大の食糧純輸入国として
バーゲニングパワーを発揮してきたが、
空気は一変した。
マネーゲームによって食糧、原油価格が高騰し、
経済は大きく揺さぶられている。
■ ■
先日、ロンドンでヘッジファンドの
運用責任者の話を聞いた。
運用資金の4分の1は日本から来ているそうだ。
超低金利が長く続き、
日本の金融資産が海外に流出。
食糧、原油の高騰を加速させ、
自ら首を絞めている。
プラックジョークだ。
日本は被害者という構図ではない。
■ ■
世界では、
サププライムローン問題を引き金に
金融不安が高まった。
欧米の金融当局は、
信用不安を恐れて金融を緩和。
すると投機マネーが世界を駆けめぐり、
物価を上昇させた。
■ ■
インフレ懸念が台頭するが、
景気後退が気になり、
金利を上げられない。
世界経済は身動きがとれず、
金縛りにあっている。
■ ■
金融不安は、グローバル化の影ともいえる。
グローバル化による資本の移動の自由が、
実需以上に金融を肥大化させ、
サププライムではじけた。
■ ■
サミツトの最重要議題は、
こうした金融市場の混迷と、
地球社会が長期で立ち向かう
地球温暖化の問題だろう。
金融と環境を両にらみで、
どう制御するかが問われている。
■ ■
私が考える解決策は二つだ。
一つは、450兆㌦ともいわれる
国境を越えた為替取引に、
国際機関が広く薄く
「国際連帯税」を課税して、
マネーゲームを縛る。
税収は、途上国への環境関連技術の移転や、
南極や北極の環境対策の財源にする。
■ ■
もう一つは、
日本としては食糧自給率の向上により
原油高騰と温暖化に立ち向かう。
自給率が高まれば、
輸入時の輸送に伴う燃料消費と
二酸化炭素の排出を抑制できる。
価格高騰への耐性も強まる。
日本が蓄積してきたバイオやナノテクの産業技術を
農業に生かす視点も大事だ。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
今日から北海道洞爺湖サミットがはじまりました。
札幌駅周辺にも、たくさんの警察官が、
全国から応援に来ています。
北海道は景気低迷。
日本の株式市場も低迷してます。
■ ■
ガソリンをはじめとして、
パンからお弁当まで値上がりしています。
農業に必要な肥料代金も
大幅に値上がりすると報道されていました。
環境問題よりも、
もっと身近な生活がかかっている問題を
サミットで取り上げて欲しいと思います。
■ ■
投機マネーが
物価上昇の原因とはわかっていましたが、
アラブのお金だけではなく、
日本からの投機マネーが、
海外で悪さをしているとは知りませんんでした。
本当にブラックジョークです。
■ ■
私は、投機マネーに対する課税に賛成です。
額に汗をかいて、
手に豆をつくって、
一生懸命働いた人が、
幸福になれるのが、
住みやすい国です。
■ ■
人々が、
安心して生活できる国。
正直者がバカをみない国。
努力が報われる国。
健康で文化的な生活が営める国。
そんな国にしてください。
サミットに参加している首脳に、
この声を聞いて欲しいものです。
院長の休日
ファーム富田EAST
2007年11月18日の日記でご紹介した、
ファーム富田の新しいラベンダー畑です。
先日の休診日に行って来ました。
数年前のファーム富田のカレンダーに、
見慣れない場所が写っていたような気がしました。
中富良野へ行く度に…
どこだろう???
と探していました。
■ ■
かなり近くまで行っていたのですが、
昨年の夏までは見つけられませんでした。
平成20年6月20日にオープンしました。
場所はファーム富田から3.8㌔。
ファーム富田から見える、
富良野盆地の反対側に近いところです。
■ ■
今年は駐車場や売店が整備されました。
残念なことに、
自動車がなければ…
ファーム富田から、
歩いて行ける距離ではありません。
住所は
上富良野町東6線北16号です。
■ ■
ファーム富田は中富良野町(なかふらの)です。
EAST(イースト:東の意味)は、
おとなり町の上富良野町(かみふらの)です。
EASTは、起伏がない畑なので、
多少、歩行が困難な方でも
ラベンダーを楽しめると思います。
国道237号から
ファーム富田と反対方向へ入ります。
EASTへ向かう道は、
農道という感じの道です。
■ ■
入口の看板は見落としやすそうです。
地図を頼りに、
注意して行って下さい。
私が訪ねた7月2日は、
まだ観光客も少なく、
駐車場もガラガラでした。
早咲きの濃紫早咲という品種が
咲く直前というところでした。
■ ■
ドライフラワーにするのでしたら、
咲く前の蕾(つぼみ)のうちに刈り取ります。
これが花が落ちない秘訣です。
これからラベンダーが美しい季節です。
さわやかな北海道のラベンダーを見にいらしてください。
とても良い香りがします。
札幌美容形成外科の玄関にあるラベンダーは、
ご自由にお持ち帰りください。
ダックスさん、お待ちしています!

ファーム富田EAST
2008年7月2日
医学講座
お肌の大敵増加中
平成20年7月5日、
北海道新聞朝刊(札幌版)の記事です。
お肌の大敵増加中
紫外線量
上空の浄化が原因?
紫外線(UV)を避けるため、
日傘を差す女性が目立つ時季。
札幌で観測されるUV量が、
昨年までの十年間で約一割増えたことが、
札幌管区気象台の調査で分かった。
人体に影響を与える程ではないが、
同気象台は原因を
「札幌上空の空気がきれいになったからでは」
とみている。
■ ■
同気象台によると、
UVが人体に与える影響度合いを示す
紅斑紫外線量は年々増加し、
昨年の平年値は十年前に比べ、
一平方㍍当たり0.16㌔ジュール多い
1.57㌔ジュールだった。
■ ■
UVはオゾン層で多くを吸収されるが、
札幌上空のオゾン層は、
地表に集めた厚さに換算すると、
2007年までの十年間で0.15㍉厚くなった。
このため、
同気象台観測課は
「UVの増加とオオゾン層の因果関係は
考えづらい」とする。
■ ■
一方、UVの増減は、
成層圏の濁り具合にも影響される。
近年では
1991年にフィリピンのピナトゥボ山が大噴火し、
広い範囲で成層圏が濁った。
だが、
大規模噴火はそれ以降なく、
同気象台は
「成層圏の空気が少しずつきれいになり、
札幌のUVが強まったのだろうう」
と話している。
■ ■
同気象台はホームページで毎日、
UV情報を発表しており
「肌守る参考にしてほしい」
と呼びかけている。(上田貴子)
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
気象台のHPをはじめて見ました。
UV情報の他に
お花の情報まであるようです。
ちなみにUV情報は気象庁のHP。
気象台のHPは、
札幌管区気象台です。
これから活用させていただきたいと思います。
■ ■
UVはお肌の大敵です。
私は帯広厚生病院で
形成外科部長を3年間務めました。
十勝地方は日照時間が長く、
北海道の食糧生産では、
大きな役割を果たしている大生産地です。
■ ■
帯広厚生病院形成外科では、
たくさんの皮膚ガンの手術をしました。
十勝地方で
長く農業を営まれた方の顔には、
たくさんの紫外線が当たっています。
その結果、高齢になられてから、
皮膚ガンになられる方が多いと思いました。
■ ■
医学的な統計をとったのでありませんが、
形成外科医としての長年の勘です。
今は札幌でも紫外線が強い時期です。
お化粧をしなくても、
UVカットだけはなさってください。
朝のゴミ出し。
ワンちゃんの排泄や散歩。
UVはちょっと油断すると、
すぐにお肌を焼いてしまいます。
くれぐれもお気をつけください。

札幌で紫外線が強まるなか、
日傘を差して
肌を守る女性たち
札幌市中央区
(北海道新聞より引用)
院長の休日
3回目の旭岳登山
平成20年7月3日(木)に
また旭岳に登山してきました。
今回で3回目です。
前回と同じように、
姿見の池までは
旭岳ロープウェイで上りました。
■ ■
11:45分発のロープウェイに乗車。
約10分ほどで着きます。
ロープウェイの中では、
ビデオで旭岳の自然について解説してくれます。
日本で最初の国立公園だそうです。
■ ■
登山で一番気になるのが天候です。
下から山頂が見えていても、
突然、雲に隠れてしまうこともあります。
今回は、快晴ではありませんでしたが、
最初から最後まで視界は良好でした。
■ ■
ロープウェイが到着すると、
自然保護監視員の方から説明があります。
遊歩道のマナーや
歩き方の注意事項などを説明してくださいます。
自然が大好きなお兄さんたちが
優しく丁寧に説明してくださいます。
■ ■
11:55に入山記録に署名して出発しました。
姿見の池まで、
整備された遊歩道を歩きます。
姿見の池まででしたら、
スニーカーでも大丈夫です。
(ヒールの靴は無理です)
■ ■
今年は雨が少ないせいか、
山頂までの道は歩きにくかったです。
昨年購入した靴が活躍しました。
すれ違う方たちと、
『こんにちは』
と挨拶を交わしながら上ります。
■ ■
街ですれ違っても、
挨拶はしないのに、
山道では挨拶をします。
知らない人同士でも、
友だちになったような感覚で、
挨拶をするのは気持ちの良いものです。
■ ■
今年は足元が悪かったために、
1時間50分で山頂に着きました。
3回目にしてはじめて、
山頂から360度の大パノラマが見えました。
登山は辛いですが、
山頂に着いた時の達成感が、
また山に登ろうという気にさせるのだと思います。
■ ■
帰りに姿見の池付近の
お花畑を見てきました。
お花だけを楽しむのでしたら、
山頂まで上る必要はありません。
小さくてかわいいお花がたくさん咲いていました。

旭岳山頂
後方に見えるのが
姿見の池です

チングルマ

ツガザクラ
医学講座
ヤケドとシミの関係
日本熱傷学会の話題ではありません。
ヤケドとシミのお話しです。
役に立つ、ヤケド講座です。
昨年も書いたことがあります。
おさらいです。
■ ■
天ぷら油がはねて、
ヤケドをすることがあります。
そこから、
シミになったという方が
たくさんいらっしゃいます。
■ ■
これは、
‘炎症後色素沈着’というシミです。
天ぷら油のヤケドは、
Ⅰ度か浅いⅡ度熱傷です。
上手に治療すると、皮膚は治ります。
ところが治った皮膚は赤くなっています。
皮膚が赤い間に、紫外線に当てると、
そこに色素沈着(シミ)ができます。
手術後のキズも同じです。
■ ■
このシミを防ぐためには、
紫外線が当たらないようにします。
一番確実なのは、
ガーゼの間に
銀紙(アルミホイルやチョコの包装紙)
を挟んで、
これをテープで固定することです。
遮光(しゃこう)と呼びます。
■ ■
レーザーで
高いお金を払ってシミを治したのに…
かえって悪くなったと
怒っている方がいらっしゃいます。
大部分は、
しっかり遮光をしなかったために、
紫外線が当たってできた
‘炎症後色素沈着’です。
■ ■
キレイに治すには…
赤みがある間は
光に当てないようにします。
札幌美容形成外科では
カバーマークという化粧品をお薦めしています。
もともと子供のアザを隠すために
開発された商品です。
私が医師になった25年前からありました。
■ ■
デパートで売っているカバーマークとは違います。
特定の美容室やクリニックでしか売っていません。
市販の日焼け止めより抜群に効果があります。
SPFという紫外線防御指数の値は50です。
■ ■
このカバーマークがよいのは、
塗った色がついている間は
効果があることです。
他の日焼け止めクリームは、
汗をかいて落ちてしまったり、
ハンカチで汗を拭いて落ちてしまっても、
落ちたこと自体がわかりません。
カバーマークは、
ゴルフなどの時でもばっちりです。
医学講座
第34回日本熱傷学会②
日本熱傷学会の続きです。
われわれ形成外科医や救急医にとって、
ヤケドをキレイに治すのは至難のワザです。
昨年の熱傷学会の報告でも書きましたが、
ヤケドのことについて
もう一度、おさらいをします。
■ ■
ステーキを注文すると焼き加減を聞かれます。
・レア、
・ミディアムレア、
・ミディアム、
・ウエルダン。
ヤケドも
・Ⅰ度、
・浅達性Ⅱ度、
・深達性Ⅱ度、
・Ⅲ度、
と分類されます。
日焼けしてピリピリ痛いのがⅠ度、
水胞ができるのがⅡ度、
皮膚が全部焼けてしまったのがⅢ度です。
■ ■
問題なのはⅡ度のヤケドです。
キズ痕が残るか残らないかは、
いかにヤケドの処置を、
上手にするかどうかで決まります。
Ⅱ度のヤケドには水疱ができます。
この水ぶくれは、破らずに処置をします。
そうすると、
中から新しい皮膚ができてきます。
■ ■
昨年の日本熱傷学会で
フィブラストスプレーという薬が、
ヤケドをキレイに治すという発表がありました。
遺伝子組み換えのバイオ技術で作った製品です。
この薬を、子供のヤケドに使ったところ、
普通なら絶対に痕が残るヤケドなのに
キレイに早く治ったのです。
すごいことです。
■ ■
今年もたくさんの施設から、
このbFGF(ベーシック・エフジーエフ)という薬が
子供のヤケドに効くという報告がありました。
広島県の皮膚科の先生は、
詳しくまとめて報告されていました。
大学の先生からも評価されていました。
■ ■
問題なのは、
熱傷学会で早くキレイに治ることがわかっても、
保険診療でこの薬をヤケドに使うことができません。
厚生労働省が認可していないからです。
もっと悪いことに、
薬の説明書にはヤケドにも子供にも使わないようにと
記載されています。
とても残念なことです。
■ ■
一本一万円以上もする薬ですが、
それだけの価値があります。
厚生労働省に働きかけて、
早く正式に認可していただきたいと思います。
製薬メーカーにも頑張っていただきたいです。
医学講座
第34回日本熱傷学会①
平成20年6月28日(土)と29日(日)に
名古屋で第34回日本熱傷学会が開催されました。
私が医師になった、
昭和55年(1980年)に、
札幌で第6回日本熱傷学会が開催されました。
28年間の進歩というのは、
素晴らしいものです。
■ ■
今回の学会では、
聖マリアンナ医科大学形成外科の
熊谷憲夫教授の招待講演がありました。
‘皮膚再生医療による創傷治療’
というタイトルでした。
熊谷先生は、
日本における培養表皮移植のスペシャリストです。
今回の講演でも、
培養表皮移植の素晴らしさを見せていただきました。
■ ■
熊谷先生の講演をお聞きして、
正直なところ、
培養表皮移植を見直しました。
オブラートのように薄い培養表皮で、
よく治せるものだ…
というのが、
私の感想です。
■ ■
何度も書いていますが、
ふつうの人は、
培養表皮移植をすると、
どんなにひどいヤケドでも、
元のツルツルのお肌に戻せる…
と‘誤解’されます。
実際に、焼けただれてしまった皮膚を、
元に戻せるのではありません。
■ ■
今回の熊谷教授の講演をお聞きして、
先人の培養表皮に対する思い。
培養表皮移植の歴史。
現在の培養表皮移植の状況が、
とてもよくわかりました。
まだまだ私たち開業医が、
手軽に利用できる状況ではありませんが、
熊谷教授の聖マリアンナ医大形成外科でしたら、
世界一の治療が受けられます。
■ ■
私たち形成外科医が、
一番頭を悩ますのが、
ヤケドのキズ痕です。
若い女性に、
広範囲にヤケドの痕が残っている。
なんとかキレイにしてあげたいと思っても、
なかなか、
元のツルツルのお肌にはできません。
■ ■
もちろん培養表皮を使っても、
完全に元通りにはできません。
熊谷教授がスライドで見せてくださった症例は、
今まで私たちが考えていたより、
ずっとキレイになっていました。
費用も時間もかかりますが、
聖マリアンナ医大形成外科へ行けば、
かなり改善できると思います。
■ ■
神様がおつくりになった皮膚には、
表皮だけではなく、
真皮も、
毛も
汗腺も
神経も
皮脂腺などの付属器もあります。
培養できるのは、
今のところはこの一番上の
表皮だけです。
■ ■
将来、
表皮以外の皮膚成分も培養できるようなれば、
ヤケドやキズの治療は変わると思います。
火災や事故で
大ヤケドをした人の命を救うのが皮膚です。
救命のためには、
培養表皮だけではなく、
スキンバンクに保存された、
屍体皮膚も必要なのが現状です。
医療問題
山形大学の事件⑥
美容形成外科、
美容外科、
美容整形、
このうち厚生労働省が認めた、
正式な標榜科目名はどれでしょうか?
医師免許を持っていても間違う人がいます。
■ ■
正解は美容外科です。
いちばん一般的な美容整形は、
認められていません。
でも、
‘整形する’
という日本語を聞くと、
整形外科で骨の手術をするのではなく、
美容外科で
二重の手術や鼻を高くするする手術を連想します。
■ ■
形成外科は、
よく誤解されます。
最近では、
さすがに、
形成外科医です、
といって
整形外科医と間違える人は
少なくなりました。
でも、形成外科と美容外科は混同されます。
■ ■
いちばん多い誤解は、
山形大学医学部が間違った誤解です。
つまり、
事故などでできたキズを
キレイに治す手術は、
‘美容外科的手術’であるという誤解です。
これは、
私の先輩にあたる形成外科医が
長い年月をかけて保険適応にしてきた、
‘形成外科戦いの歴史’です。
■ ■
生まれつき、
耳がない子どもさんがいます。
今は、保険適応になっていますが、
昔は耳をつくる手術が
保険適応になりませんでした。
昭和50年の毎日新聞社会欄に
「ボク、左耳がほしい。健保なぜきかないの?」
という記事が出ました。
耳がない病気の子どもさんが、
当時の田中厚生大臣に手紙を書きました。
■ ■
その翌日に、
「左耳、手術できるよ」と、
田中厚生大臣が健康保険の適応を認め、
それが毎日新聞の記事になっています。
このことを書かれたのは
日本形成外科学会で、
長い間、社会保険委員をなさった、
東京厚生年金病院の故中村純次先生でした。
中村先生が、
1982年に
日本形成外科学会25周年記念誌に書かれました。
■ ■
キレイなるために
鼻を高くする、
おっぱいを大きくする、
これはもちろん美容外科の手術です。
保険はききません。
不慮の事故や
熱傷で
キズができてつっぱっている、
そのキズを少しでもよくしたい。
これは形成外科の手術です。
形成外科では保険診療で手術をしています。
■ ■
日本形成外科学会HPには、
次のように書かれています。
生まれつきの病気や
変形の治療、
外傷や熱傷(ヤケド)の治療、
ガン切除後の再建手術などは
健康保険の対象になります
■ ■
山形大学医学部に入院された患者様は
私の推測では、
健康保険の適応手術だったと思います。
それを
「美容的外科手術」
などと報道発表すること自体が、
形成外科を理解していない証拠なのです。
■ ■
同じような事故を防ぐためには、
山形大学医学部に形成外科をつくり、
形成外科の診療体制を確立することです。
それが患者様への償いになります。
私は、
今でも患者様の脚にはキズが残り、
少しでも、
それを改善したいと
願っていらっしゃると思います。
医療問題
山形大学の事件⑤
山形大学の医療事故は、
山形大学医学部が
形成外科のこと、
手術を希望する患者さんのことを、
軽視したために、
起こるべくして起こったと考えます。
山形大学医学部が
いかに形成外科を理解していなかったか?
ということは、
発表された文書を見ても明らかです。
■ ■
2007年1月の調査委員会発足の会見で、
事故のことを附属病院長から
「生命と関係ないいわゆる美容的外科手術」
と発表されました。
2007年12月19日に、
【医療事故に係る手術名訂正について】と
山形大学医学部附属病院長山下英俊先生の名前で
と訂正の公示が出ています。
「美容的外科手術」を
「形成外科的再建術」
と訂正させていただきます。
という内容です。
■ ■
何のことか?
よくわからない方がいらっしゃると思います。
大学当局は、
「美容的外科手術」と
「形成外科的再建術」
の違いすら認識していなかったのです。
本間先生、何?言ってんの?
『美容形成外科』って言うくらいだから、
美容も形成も同じでしょ?
という方がいらっしゃると思います。
■ ■
そこが大きな違いなのです!
「形成外科的再建術」であれば、
保険適応で手術をすることができます。
「美容的外科手術」であれば、
大学病院といえども、
絶対に保険適応にはできません。
保険適応にならない、美容的外科手術を、
保険請求していたとします。
そうすると、不正請求になります。
■ ■
不正請求をした病院は、
保険医療機関の取消しになることもあります。
社会保険事務局の調査が入って、
山形大学医学部附属病院が、
保険医療機関の取消し処分を受けると、
さくらんぼさんも診療が受けられなくなります。
これは、
【重大な誤り】です。
ちょっと、文言を誤りましたで、
済むことではありません。
■ ■
もし、山形大学医学部が
形成外科専門医に相談をして、
報道発表をしていれば、
絶対に「美容的外科手術」とは書きません。
山形大学医学部HPの記載です。
【医療事故に係る手術名訂正について】
山形大学医学部附属病院は、
平成17年5月に本院で手術された患者様が
術後経過不良となった件について、
平成19年1月に調査委員会発足の会見をした際、
現病及び診療科名等から患者様が特定されないよう
「生命と関係ないいわゆる美容的外科手術」
の表現を用いました。
■ ■
平成19年3月の調査結果報告の会見をした際は、
調査結果を踏まえ、
手術名は
「形成外科的再建術」
と訂正し、
診療科名と共に公表いたしました。
この案件に関しては、
「美容的外科手術」を
「形成外科的再建術」と訂正させていただきます。
平成19年12月19日
山形大学医学部附属病院長 山下英俊
■ ■
もっともらしく発表していますが、
読む人が読めば不正請求の疑いがあります。
山形大学は荻野先生を処分して、
安全対策を万全にしたと公表しています。
ところが、実際には
事故の後も、
発表の後も、
何も変わっていません。
残念なことに、山形大学医学部には、
形成外科的再建術を必要とする患者さんを
これからどうしようという姿勢がありません。
同じような形成外科患者さんの手術で、
また事故が起こる可能性も考えられます。
医療問題
山形大学の事件④
北海道には、
北海道大学医学部、
札幌医科大学、
旭川医科大学の
3つの医育機関があります。
旭川医科大学には形成外科はありません。
形成外科専門医もいません。
■ ■
東北には、
青森県→弘前大学医学部、
岩手県→岩手医科大学、
秋田県→秋田大学医学部、
山形県→山形大学医学部、
宮城県→東北大学医学部、
福島県→福島県立医科大学
の医学部があります。
このうち、秋田大学医学部と
山形大学医学部には形成外科がありません。
■ ■
日本の医学部や医科大学には、
形成外科専門医すらいないところがあります。
何回か書いたことがありますが、
もともと形成外科は、
皮膚科や整形外科の一部から独立しました。
北大に形成外科ができたのが、
昭和53年でした。
私の恩師である、
大浦武彦先生が血の出るような努力をされて、
北大に形成外科をつくられました。
■ ■
北大に形成外科ができたのは、
大浦先生の恩師である、
北大皮膚科教授の三浦祐晶先生のおかげだと
私は大浦先生から何度もお聞きしました。
大学や大きな総合病院に新しい診療科をつくることは、
大変なことだというのは、
私自身が肌で感じてきたことです。
北大では、皮膚科から別れて形成外科ができました。
当時の詳しいことはわかりませんが、
一般的には形成外科ができるということは、
皮膚科の教官が減るということです。
■ ■
私の推測では、
三浦先生は皮膚科の教官数が減っても、
形成外科という新しい科をつくって、
手術が必要な患者さんを助けたいと思われたのです。
三浦先生のような、
よき理解者がいないと、
形成外科のような新しい診療科はできません。
もちろん、北海道大学医学部付属病院長や
北海道大学総長の英断もあったと思います。
■ ■
北大と同じ昭和50年代前半から、
形成外科があった国立大学は、
東大、
京大、
長崎大学
だけだったように記憶しています。
私は、30年近く形成外科を専門としてきました。
私自身が、市立札幌病院で、
平成元年から平成6年まで、
皮膚科医師として形成外科の診療を、
6年間も担当しました。
■ ■
交通事故で顔の骨を骨折した患者さんが搬送されました。
救急部へ行って、
『手術が必要です』
『手術は○○のように行います』と
ご家族に説明しました。
何も状況がわからないご家族から、
『失礼ですが…、
皮膚科の先生に顔の骨の手術ができるのですか?』
というようなことを聞かれたことがありました。
■ ■
山形にも、
脚のキズをキレイに治したい。
脚にある、アザをキレイに治したい。
という患者さんが必ずいると思います。
形成外科がないので、
患者さんはどこを受診したらよいかわかりません。
病院の受付で聞いてもわかりません。
皮膚のキズだから皮膚科?
なんて感じで皮膚科をすすめられたことも
実際にありました。
■ ■
もし、山形大学医学部に形成外科があれば、
形成外科専門医が最初から診察し、
入院・手術計画を立て、
患者さんやご家族に説明していたと思います。
そうすれば、形成外科の中で
手術法についてカンファレンスがあり、
術後も形成外科専門医がチェックできたはずです。
患者さんがご不幸だったのは、
しっかりとした形成外科の診療体制がなかったことです。
形成外科専門医として本当に申し訳なく思います。