医学講座
コラーゲン
私が北大形成外科でチーフレジデントをしていた時、大浦武彦教授からコラーゲン臨床試験の担当を命じられました。北大形成外科では、それより前から国産のコラーゲンの臨床試験をしていました。私が担当を命じられたのは、米国のベンチャー企業が開発したウシコラーゲンです。
今でこそコラーゲンといえばシワをとる注射だと知られていますが、今から20年も前のことです。コラーゲンでシワをとるといっても、大学病院に‘患者様’はいませんでした。
臨床試験は、米国からコラーゲン注入剤を輸入販売するのに先立ち、日本人に使用して有害事象が起こらないこと(日本人に使用しても安全なこと)を当時の厚生省に認めてもらうために必要でした。この臨床試験の総括責任者が大浦武彦教授で、試験に参加した施設が東大・京大・北大の全国の3大学でした。
北大の担当者が私。東大の担当者は征矢野進一(ソヤノシンイチ)先生で、京大の担当者が平本道昭先生でした。征矢野先生は後に神田美容形成外科を開業され、名実ともにコラーゲンの第一人者になられました。平凡な形成外科医だった私が美容外科と最初に出会ったのがコラーゲンでした。
大浦武彦教授は日本美容外科学会の会長も歴任され、20年以上前から美容外科の必要性を説かれていました。当時の北大形成外科は、手術を予約してから実際に手術を受けられるまで半年以上かかるほど混んでいました。しかし、シワをとってくださいと来院される方はマレで、私は‘患者様’を探すのに苦労しました。
当時から家内は目尻にシワがあり、とって欲しいと言っていました。さっそくコラーゲンの皮内テストをしましたが、アレルギー反応が出てできませんでした。東大の征矢野先生の奥様もアレルギー反応が出たと伺いました。約3%の方にアレルギー反応が出るのが欠点でした。今はバイオ技術で合成したヒトコラーゲンを使用しているのでアレルギーの心配も極めて少なくなりました。
コラーゲンの研究会が東京であり8月に上京しました。研究会の日が1985年8月13日で、その前日に日航ジャンボ機の墜落事故がありました。今でもコラーゲンを使用するたびに思い出します。
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北大博物館とエンレイソウ
今日から3月です。昼のNHKテレビで北大から全国中継をしていました。北大の牛舎や牛乳が紹介されていました。休診日だったので、久しぶりに北大へ行ってみました。
いつも前を通るだけで入ったことがなかった、北海道大学博物館に行って来ました。私が北大病院で研修医をしていた頃は理学部本館だった建物です。平成10年11月24日から博物館として学術資料展示の公開をはじめました。
私は予備校で生物の矢野雋輔先生の講義をお聴きした時から北大に憧れていました。しかし、学力が及ばず北大医学部への入学は断念し、札幌医大へ入学しました。札幌医大を卒業後、形成外科を選び北大病院の研修医になりました。北大構内を歩くと緑に溢れ、秋には病院の横のイチョウ並木がきれいで、憧れの北大で研修医生活をはじめて満足していました。指導教官である大浦武彦教授にもよくしていただき、優秀な先輩からたくさんの技術と知識を授けていただきました。北海道大学から博士(医学)の学位をいただいた時は実に嬉しかったのを思い出します。
北大博物館は、北大の歴史というより北海道開拓の歴史からはじまり、有珠山の噴火から昆虫標本まで実にさまざまな展示があります。平成16年8月の台風で倒れたポプラから作ったチェンバロも展示されており、一日2回の演奏もあります。入場は無料です。北大構内は自家用車では入構できませんが、JR札幌駅北口から歩いて約15分程度の距離です。
この博物館から少し北へ歩くと、エンレイソウという建物があります。平成7年に建設された教育・研究者が利用するゲストハウスです。工学部大野池そばにあり2階には大会議室等があり、1階にはレストランがあります。このレストランは札幌グランドホテルが委託されています。営業時間は11:30~17:00まで。3月は貸切になることがあるため14:00までのランチタイムだけの営業になることもあります。
11:30~14:00までのランチタイムは、\1,050でAランチまたはBランチの2種類のランチから選んで食べることができます。コーヒー付です。昼食時間帯は、外国人のお客様も多く、英語の他に中国語などが聞えてくることもあります。
3月8日には北大の前期日程の合格発表があります。発表が行われる、18条からは少し距離がありますが、足を伸ばしてレストランエルムにも行ってみてください。011-726-7601(直通電話)へ電話して営業時間を確認なさってから行ってください。私のおすすめスポットです。受験生の皆さんの合格を祈念しています。
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ボーズ クワイアットコンフォート
手術中に気になるのが音です。どんなに丁寧に、痛くないように麻酔をしても、神経は手術に集中しています。はじめての手術。特に目の手術は自分が何をされているのかわからないので、全身が耳になって周囲の音に集中しています。はじめて美容外科手術を受ける方や、緊張なさっている方には必要に応じて、職員が手を握って‘がんばってください’と応援しています。
札幌美容形成外科のキャッチコピーは‘イメージは自然’。BGMも小鳥のさえずりを流しています。どんなに手を握り、小鳥のさえずりをお聞かせしても、やはり緊張します。
以前、全日空の機内誌でBOSEのヘッドホン(クワイアットコンフォート)を紹介していました。以下はBOSEのHPにあった説明です。
普段身の回りにある騒音を低減させ、どんな時、どんな場所でもあなたに「静けさ」と「安らぎ」を提供する軽量・コンパクトなオンイヤー型のノイズキャンセリング・ヘッドホンです。20年以上に及ぶ米軍や民間航空機のパイロット用ヘッドセットの開発で培ったボーズ社独自の消音技術にさらに磨きをかけ、これまで困難とされていた、軽量・コンパクトなオンイヤー型のヘッドホンでの高い消音効果を実現。NASAでも採用されているボーズ社の小型スピーカー技術による高音質を、圧倒的な静けさの中で存分にお楽しみいただけます。
ボーズのノイズキャンセリング・ヘッドホンは、イヤーカップ内部に取り付けられた超小型の集音マイクで外部からの騒音をキャッチ、それらを瞬時に周波数データに変換し、同時に収集したノイズデータとは逆位相の信号を高速で発生させることで、イヤーカップ内のノイズを打ち消します。その消音技術は、米国の厳しい軍事スペックをもクリアし、プロのパイロットからも高く評価されています。
このヘッドホンを手術中に着けていただいたら、不快な音が消えて安心して手術を受けていただけるのでは?と以前から気になっていました。ヨドバシカメラなどで探してみましたが、残念なことに売ってないのです。通販か直販店でないと売っておらず、試聴もできません。
今日、丸井今井の一条館がリニューアルオープンし、ここにBOSEショップがあることを知りました。丸井今井は、以前勤務していたクリニックのお隣で、3年前は帰りにお団子や大福を買って帰っていました。
Boseショップの店員さんはとても親切な方で試聴をさせていただきました。確かに周囲の音は消され、デパートで試聴しているのに静かな部屋で聴いているような感覚でした。ところが、人の声などは‘安全のため’聞えるのだそうです。残念ながら私の考えていたヘッドホンではありませんでした。飛行機の中の音など低音域の雑音は消えるそうですが、中音域、高音域は残ることがわかりました。
手術中の音は器械の音、空調の音、術者や助手の声などたくさんの音があります。イヤな音もありますが、聞いていただいて安心できる音もあります。手術中は今まで通り、必要に応じて職員が手を握り、できるだけ声をかけて、安心して手術を受けていただけるようにしたいと思います。
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美容外科の繁忙期
2月も明日で終わりです。美容外科は例年12月末~3月末までが、一年で一番忙しい時期です。高校を卒業して進学する前に‘お直し’をなさる方。社会人になる前に‘わきが手術’をなさる方。転職前に手術を受ける方などさまざまです。
高校生の間、毎日毎朝、ご飯も食べずにアイプチをしていた女の子が、二重手術で華麗に変身するのに一番良いのが卒業式が終わった直後です。
北海道の公立高校は3月1日(木)が卒業式で3月8日(木)が国立大学前期日程の合格発表です。卒業式の後や合格発表の後が混みます。
二重埋没法手術でしたら最低でも一週間は友人・知人と会わなければ大丈夫です。幅の広い二重を希望なさる方は二週間はみた方が無難です。変化率が大きいと気づかれる確率も高くなります。ふだんからアイプチで目を作っている人は気づかれにくいと思います。
眼瞼下垂症手術や二重部分切開法手術のように、メスを使う手術は最低でも10日~二週間はみてください。当院の手術は腫れが少ないのですが、埋没の糸を取り除く手術を追加すると内出血が起こることもあります。
わきが手術は、手術後2~4週間は絆創膏で固定する必要があります。通常は2週間後からは夜間のみの固定になりますがテープの痕が気になります。4月からの新生活に間に合わせるには、3月中旬までには手術を受けてください。
目の手術をすると、どんなに腫れない手術でも顔貌は変化します。絶対にバレない手術をご希望でしたら、残念ですが手術はお受けにならないで下さい。
バレたっていいじゃん。キレイになったもん勝ちサ。と思うくらいでないと整形は受けない方がよいと思います。老婆心ながら、クヨクヨ考える人は整形向きではありません。
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医者と患者の相性
私は手術を依頼されれば、その方にとってベストと考えられる方法をご説明し、メリット・デメリットもできる限りお話ししているつもりです。残念ですが、せっかく相談にいらしていただいても、良い結果が得られそうにない時は手術をお薦めいたしません。
私は自他共に認める‘バカがつくほどクソ真面目’な人間です。キズをキレイに治すことに命をかけています。趣味といえばラベンダーや花を育てること位で、他に大した楽しみもありません。
お客様の中には、せっかく札幌美容形成外科へ行ったのに期待外れだったと思われる方もいらっしゃると思います。私が一生懸命手術をしても、外用剤が合わなくて腫れが長く残る方もいらっしゃいます。
医者と患者の相性は必ずあると思います。救急で他に選択肢がない場合と異なり、美容外科や形成外科は十分に相性の合う医師を選ぶべきです。私がどんなに、これはキレイでしょう。と申し上げても、患者様が気に入らなければダメです。家を建てる場合や自動車を購入する時は、モデルハウスを見たり、試乗者に乗ったりして確かめられます。美容外科は高い買い物なのに、試乗することもできません。ホームページなどでその先生の‘代表作’をよく吟味して、実際にクリニックに足を運んで確かめてください。
どんな名医がした手術でも結果に不満足な人はいると思います。後悔しないためにも、ご自分で吟味して、確認して、同意書にサインをして、手術を受けてください。
私自身は美容外科の手術は受けたことはありませんが、もし受けるとすれば、この先生と決めた方がいます。その先生の学会発表や症例写真を見て決めました。私は一度決めたら、あまりゴタゴタ言わず、じっとしています。歯科治療の時も、床屋さんでもじっとしています。私はB型なのでこうなのでしょうか?
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CoCo壱番屋
今朝のTBSがっちりマンデーでカレーハウスCoCo壱番屋を放送していました。TBSのHPによると、名古屋に本拠地を構える「壱番屋」は総店舗数1062店舗。年商は600億円。この一大カレー王国を築いたのは、創業者で特別顧問の宗次徳二さんと現在の会長である奥様の直美さんご夫妻。今から30数年前、お二人は勤務先の不動産会社で知り合い、昭和47年に結婚。その2年後、二人は会社を辞めて、名古屋で喫茶店を開きます。その店で出し始めたのが、奥様お手製のカレーライス。市販のルーで作ったごく平凡なカレーライス。しかし、家庭の味がウケたのか、カレーライスを目当てに来るお客さんが急増。1978年名古屋郊外で第1号店をスタートさせました。おいしさは「ここが一番や~」ということで、店名はCoCo壱番屋に決定。しかし、カレー専門店のノウハウなど何もない素人夫婦。1日の売り上げが数千円という日々が…。お二人で苦労なさって、いろいろと試行錯誤を繰り返し独自のシステムを構築して成功されました。
お二人のインタビューで印象に残ったのは、喧嘩は日常茶飯事。キッチンの下で蹴飛ばしあったこともあったとか…。どこでも創業者は苦労しているなぁ~と思いました。私も家内と毎日喧嘩しながら札幌美容形成外科を始めました。
CoCo壱番屋がこれだけ店舗数を増やしたのは、ブルームシステムという独自のシステムです。オーナーになりたい人はまず社員になります。通常のフランチャイズの場合、お金を払えばオーナーになれますが、ココイチは違います。将来独立を希望する人は、正社員として入社。直営店で勤務、給料をもらいながら壱番屋のノウハウを身につけるというもの。まず社員として頑張って店長になる。店長になると独立に向けて経理や人事、どうやったら利益が上がるかといったココイチの経営ノウハウを学ぶことができます。店長として一定の成果を上げられると、審査を経て店のオーナーになれます。独立までにかかる期間は平均5年。社員への「のれんわけ」みたいなものです。
番組の中で気づいたことは、店長になって自分の親と同じ位の年齢のパートさんともうまくコミュニケーションができるようになって初めてオーナーになれるということでした。クリニックも同じです。私のようにずっと勤務医を続けていた医者が院長になって、一番難しいのが職員の採用・教育・人事・給与などです。勤務医時代は外来や手術室に受付さんや看護師さんがいて当たり前だったのが、自分で面接をして採用してお給料を支払わなくてはやって行けません。
私のような気難しい院長と長く付き合ってくれて、札幌美容形成外科の職員には感謝しています。最長の職員は2年4ヵ月になります。お客様と同様に私の宝物です。私と同じようにお客様がキレイになっていただけるのを喜びにしています。私ともども、これからもよろしくお願い申し上げます。
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微小循環
私は1994年3月に北海道大学から博士(医学)の学位をいただきました。私は大学院に進学しなかったので、市立札幌病院に勤務しながら北大医学部に通って研究をしました。大浦武彦教授からいただいた研究テーマはティッシューエクスパンダーというシリコン製のバルーン(風船)を使った皮弁の血行に関する研究でした。
この研究で一番の難関は、新しくできた血管の微小循環をいかに客観的に評価するするか?という点でした。私は微小血管造影という手法で血管の写真を撮り評価しました。
最初は失敗の連続で、①実験に使ったラットが高価なエクスパンダーを食いちぎってしまった。②感染でエクスパンダーが飛び出してしまった。③ラットを手術している最中に麻酔でラットが死んでしまった。などなど数え切れないほどの失敗がありました。
この研究を通じて、私は皮膚の血管解剖と微小循環にとても興味を持ちました。皮膚が赤くピンク色をしているのは、真皮の下の血管網から毛細血管に赤い赤血球が循環しているからです。はじめて顕微鏡の下でラットの血管網と赤血球を見たときには、なんて美しいのだろうと感動しました。
何度も失敗しましたが、くじけずに実験を続けました。その結果、大浦武彦教授から『今までこんなキレイな微小血管造影は見たことがない』とお褒めの言葉をいただくほど立派な結果が出ました。
国際学会で発表したところ、米国の有名な教授から『この研究はとても重要なので、ぜひ米国形成外科学会誌に投稿しなさい。私がお手伝いしましょう』と言っていただきました。その結果、PRSという形成外科では世界一の雑誌に私の学位論文が掲載されました。私が生涯で最も誇りに思っていることの一つです。
ホッペがピンク色になるのも、キズがキレイに治るもの皮膚に赤血球が循環しているからです。これが途絶えてしまうとキレイに治らなかったり、皮膚に潰瘍というキズができて痕が残ります。私がタバコを吸わないで下さい。キズの安静を保ってください。とお願いするのは、科学的根拠があるからです。微小循環を阻害(そがい)するとキズはキレイに治りません。
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勤務医の5割「職場辞めたい」
2007年2月20日の朝日新聞朝刊に勤務医の5割が「職場辞めたい」と考えている。日本医療労働組合連合会(医労連)が2007年2月19日に発表した約1000人の勤務医を対象にした調査で、過酷な勤務と人手不足で疲弊する勤務医の実態が改めて浮き彫りになったと掲載されていました。
記事によると、昨年11月から今年1月、医労連加盟の医療機関や自治体病院など全国150施設の勤務医1036人から、前月の労働状況などを聞いた。
1人あたりの労働時間は1日平均10.5時間で4割以上が12時間以上。宿直勤務は平均2.9回だったが、4回以上がほぼ4分の1に上り、大半は宿直前後も通常勤務に就く32時間労働だった。休んだ日数の平均は3.3日で、1日も休めない医師は4分の1を超えた。連続で勤務した日数は最長で平均19.5日間だった。
健康状態に「不安」「病気がち」と感じているのは半数近く。翌日や休日後も疲れが抜けない「慢性疲労」を訴えたのはほぼ6割だった。過酷な勤務状況から、「職場を辞めたい」と考えた勤務医は、「まれに」(20.8%)を除いても52.9%に達し、働き盛りの30~40代では約6割に上った。「医師不足」を感じている勤務医は全体の90.0%だった。
対策として、「賃金・労働条件の改善」が最も多く、「診療科の体制充実」「看護師などの充実で医療体制のレベルアップ」「医療事故防止対策の充実」などが続いた。
また今日2007年2月23日の北海道新聞朝刊には、小児科医死亡は過労死 時間外、月100時間超 道労働局認定という記事が掲載されていました。道北の公立病院などに勤務していた小児科医の男性=当時(31)=が突然死したのは、月百時間を超す時間外労働による過労死だとして、遺族が旭川労働基準監督署に労災を申請していた問題で、北海道労働局は二十二日までに、労災と認定し、遺族補償年金の支給を決めた。医師の過労死認定は全国的にも極めて珍しい。医師不足の原因の一つとされる勤務医の過酷な労働実態の見直しを求める声が、さらに強まりそうだ。 遺族や関係者は、「『僕が死んだら働きすぎだから』ってよく冗談で言っていました」と振り返る。
私自身も勤務医時代は休む暇などあまりありませんでした。開業してからは当直はなくなったものの、クリニックでの私の勤務時間は一ヵ月250時間以上。誰よりも早く行って一番最後に戸締りをして帰ります。
昼食を摂るのは15:00~16:00の間。遅い時は17:00になります。職員が全員昼食を摂ったのを確認してから私が食べるようにしています。
美容整形の先生は楽でお金が儲かってイイと考えている若い先生には、この現実を知っていただきたいと思います。開業医も決して楽ではありません。今の時刻は午前0:20で夕食はまだです。日記を書いてメールの返事を書いてから食事です。
医学講座
わきが手術と職業
わきが手術は皮膚を削り汗腺と毛根をとる手術です。キレイにとればとるほど皮膚は薄くなり回復に時間がかかります。
11月13日にも書いていますが、傷ついた皮膚が回復するには血管新生というメカニズムで新しい血管が再生する必要があります。
他院でわきが手術をしたけれど、すぐに‘再発した’と訴えて来院なさる患者様は、そもそも汗腺が切除されていません。毛は前と同じように生えているし、キズもすぐに治っています。
血管新生は皮膚の下の浅筋膜(せんきんまく)や脂肪層から起こります。細いほそい血管がひげ根のように伸びてきます。ワキを動かすとこの血管が切れてしまい皮膚が再生しません。ですから手術後一週間はワキを安静にする必要があります。
私は、札幌美容形成外科は保険でわきが手術をして安いので治らないと言われるのが一番イヤなので、しっかり汗腺を取ります。ですから手術後に安静にできない方は手術をお引き受けしていません。
このわきが手術に一番向かない職業は医師です。いままでいろいろな職種の方を手術いたしましたが、現役の医師は手術していません。休みがとれないからです。医学部の学生さんは何人も手術しましたが全員実習がない期間にしています。
医師・歯科医師・看護師・歯科衛生士・看護助手・歯科助手・助産師・ケアワーカーなど白衣や制服を着て仕事をする方はワキの汗や臭いで悩みます。
残念なことに、これらの医療系の職業はワキを動かさないで仕事をするのは無理です。現場を知っているので手術は無理だとお話しています。
もしこの日記を読んでいらっしゃる医療系の方は、国家試験が済んだら4月までに手術を受けることを強くお薦めします。仕事が始まってからでは手術はとても難しいのです。もうすぐ平成19年2月25日(日曜日)に看護師の国試ですね。頑張ってください。
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緊急連絡先
平成16年8月に札幌美容形成外科を開業して以来、24時間365日電話対応をして参りました。日中はクリニックの受付で電話応対をして、夜間・休日は自宅や携帯に転送しておりました。さいわい夜間に緊急処置を必要とすることはありませんでした。
‘診療所’といえど、手術後に何かあった時に連絡がつかないのは不安なものです。‘病院’は入院ベッドがあるので当直医が夜間も対応することが義務付けられていますが‘診療所’には規定がありません。
今までに数回、深夜に酔っ払ってかけてきたイタ電がありましたが、夜間に痛みが強くて電話をいただいたことは一度もありませんでした。
私の仕事はこうして日記を書いている時間も含めると、24時間のうち16時間程度は診療に関係しています。寝るのは午前0時を過ぎていますし、メールの返事を深夜に書くことも毎日のようにあります。
お客様には申し訳ございませんが、本日から夜間はテープによるご案内に変えさせていただきました。今までは011-231-6666へお電話をいただくと『ただいまから電話を転送いたします』という音声案内が流れていましたが、本日からは『本日の診療は終了いたしました』という音声が流れます。
緊急のご用件がある場合は連絡先をご案内しておりますので、お手数ですがそちらにおかけ直しください。保険診療の場合は電話再診料がかかる場合がございます。健康保険の規定ですのでご承知おきください。
診療内容についてのお問い合わせは、診療時間内にお電話をいただくか、相談フォームにご記入の上、メールでお問い合わせください。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。