医学講座

褥瘡(じょくそう)学会北海道地方会

 平成21年3月28日(土)に、
 日本褥瘡(じょくそう)学会北海道地方会が、
 札幌コンベンションセンターでありました。
 300人以上の看護師、医師、介護職員、研究者など
 多数の参加で会場は満席でした。
 日本褥瘡学会は、
 私の恩師である、
 大浦武彦先生が平成10年に設立されました。
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 褥瘡(じょくそう)とは床ずれのこと。
 ベッド上で寝ている時にできるきずです。
 高齢化社会を迎え、
 褥瘡で悩む多くの人を診察して、
 大浦武彦先生が専門的な予防と治療の必要性を考え、
 この学会を設立されました。
 最初の学会は東京の品川でありました。
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 第一回の学会なのに…
 会場は人であふれていました。
 その数の多さに私は驚きました。
 この10年間に褥瘡治療は大きく進歩しました。
 医学部や看護学部、看護学校でも、
 褥瘡の講義は少なく、
 医療従事者であっても、
 正しい知識を持っていませんでした。
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 大浦武彦先生は、
 日本全国、世界中を飛び回って、
 褥瘡の講演をなさり、
 その間に在宅診療もなさり、
 スーパーマンのように…
 褥瘡治療の教育と啓蒙をなさいました。
 その結果、
 一度に数百人の看護師さんなどが集まるほど、
 褥瘡学会を大きくなさいました。
 実にすごいことです。
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 3月28日の学会では、
 教育セミナーも開催されました。
 この10年間で進歩したものに、
 褥瘡予防マットレスがあります。
 ランチョンセミナーでは、
 ㈱モルテン
 梶原隆司様の講演がありました。
 私も実際にマットレスに寝てみました。
 もし万一寝たきりになったら、
 このマットレスだったら褥瘡ができないと思いました。
 介護・福祉系の方には
 是非参加していただきたい学会です。

“褥瘡(じょくそう)学会北海道地方会”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    学会お疲れ様でした。私も介護の講習で 体位交換や タオルなどをあてたり 予防法を学びましたが、今はいいマットレスがあるのですね。
    どのような 構造なのか 見てみたいです。 そのようなマットレスが普及すれば介護や看護する側も 助かると思います。

  2. まみ子 より:

     大浦先生の講演は帯広で1度聞いた事があります。
    看護学校の皮膚科講義の時に大浦先生の教科書を使わせてもらっています。
    父が亡くなる前は8ヵ月間寝たきりでした。でも、看護師さん達の2時間ごとの
    体位交換のおかげで褥瘡は出来ませんでした。本当にありがたく思います。
    自宅往診、老人保健施設往診に行ってもそんなに酷い褥瘡は最近診ていません。
     予防マットも安価で借りる事が出来る様になると良いと思います。

  3. らずべりー より:

    先生大変お疲れ様でした。褥瘡って多いですよね。高齢者で、寝たきりになり、栄養状態が悪くなると、一時間同じ体位になっていても発赤が出来てしまいます。褥瘡の予防は、体位変換をし体圧を防ぎ血流を阻害しない事、栄養状態の保持にあります。私が衝撃を受けたお尻(仙骨部周囲)にポケット状に褥瘡が出来てしまい組織が一部黒くなっ方が施設から搬送されてきました。施設なのに体位変換はして無かったのだろうか?と疑問を持ちましたが…
    38度の熱があり、創部からの感染が疑われ、医師から培養と採血のオーダーがありました。とにかく、微温湯(生理食塩水)で洗浄し、先生が壊死した部分をデブリードマンをされ、軟膏を塗布、厚めのガーゼで保護しました。MRSA3++、低栄養状態なので、医師によりIVHを入れ、高カロリー輸液、バンコマイシンの抗生剤のオーダーを出ました。一日三回、微温湯で洗浄して軟膏+ガーゼ交換、体位変換を細めにお願いね、と指示がありました。感染創の消毒(イソジンかヒビテン)については、しない方がいいのではないかと言われてます。最低限、回診の時はするという先生や看護師もいます。{昨今では、レーシックで目の感染が報告されており、手術室で滅菌操作は基本中の基本で考えられないです}感染創に対して消毒はしない方がいいというのには、根拠がありました→創表面より、創内部に細菌増殖が起こり、免疫反応では抑えきれないという事、消毒を何度もする事で機械的刺激を受けて、組織が傷ついたり、何時間もイソジンがつき過ぎて、治りが悪くなった例があるからだそうです。また、お高いフィブラストスプレーから、最近ではとても良いドレッシング剤が出ているので、栄養状態がよくなれば、治りは早くなったように思います。実際、先生の適切な処置と看護師やワーカーさんのバイタルサインなど点滴、体位変換、処置を継続した事で肉芽が上がってきました。しかし、穴が出来ており、太股から皮弁をし、傷口は綺麗になり、MRSAも消えました。基本は作らない事が一番なのですが、出来てしまった時の対応。特に寝がえりが出来ない患者様のサインに気付き、体位変換をまめに行う事が大事だと思いました。褥瘡について、まだ×2知らない事が沢山あり、勉強しなければなっと思うこの頃であります。頑張ります。

  4. の・だめ より:

    先生と褥瘡回診に回った事を思い出します。たしか水曜日のリーダーの仕事でありました。
    川上先生が病棟に来てからなくなったのが残念でした。
    川上先生は看護師を信用していない先生だったので、処置は自分で全てやっていました。ひとりでチマチマ褥瘡にラップを貼っていましたよ。
    マットレスが普及されると現場もラクになりますね。

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