医学講座
第60回日本形成外科学会(大阪)④
還暦を迎えた第60回日本形成外科学会から、
昨夜帰ってきました。
4月13日に大雪が降ったと聞いたので、
札幌はどんなに寒いか?
…とおそるおそる帰ってきたら、
意外とあたたかでした。
郵便や書類をクリニックでチェックして帰宅しました。
休診中でもたくさん郵便物が来ます。
■ ■
最終日の最後に行われたのが、
シンポジウム14形成外科医に対する美容外科教育
4月14日(金)15:50~17:20
司会
高柳 進(メガクリニック)
野平久仁彦(蘇春堂形成外科)
演者
美容外科教育 現実的な選択とは何か?
野平久仁彦(蘇春堂形成外科)
形成外科医に対する美容外科教育
保阪善昭(総合東京病院形成外科・美容外科)
形成外科医に対する美容外科教育
宇津木龍一(クリニック宇津木流)
形成外科のsubspecialtyとしての美容外科の確立に向けて
朝戸裕貴(獨協医科大学形成外科学)
形成外科医に対する美容外科教育(美容外科医になって考えること)
藤本雅史(ヴェリテクリニック)
形成外科医に対する美容外科教育
井上義一(藤田保健衛生大学形成外科)
■ ■
このシンポジウムを聞くために、
最終日の17:00まで会場にいました。
とても参考になったのが、
ヴェリテクリニックの藤本雅史先生と、
藤田保健衛生大学形成外科の
井上義一先生のご発表でした。
お二人とも、
日本形成外科学会専門医です。
優秀な美容外科医です。
■ ■
お二人のご発表をお聞きして、
形成外科医が美容外科を学ぶ大変さがわかりました。
私の時とほぼ同じです。
ふつうの形成外科医をしていて、
美容外科を学ぶチャンスはありません。
大学によっては、
【美容】に行くと、
【破門】もあるようです。
■ ■
日本の大学医学部にも、
美容外科部門ができています。
残念なことですが、
患者数はとても少ないです。
収支を計算すると、
おそらく【赤字】です。
大学で美容外科を学ぶことは、
ほぼ無理だと(私は)思います。
■ ■
藤本雅史先生は、
ハワイの解剖学セミナーで、
福田慶三先生と知り合い、
美容外科医への道を歩みはじめました。
福田慶三先生は、
美容外科医の心得3段活用
…でご紹介した先生です。
英語もぺらぺらで、
日本形成外科学会でも、
日本美容外科学会でも、
とても有名な先生です。
■ ■
藤田保健衛生大学形成外科の
井上義一先生は、
大学の先輩や、
韓国や、
上海のセミナーで勉強され、
実際に韓国の有名なクリニックで研鑽され、
美容外科技術を身につけたと、
とても詳しく解説してくださいました。
■ ■
私は、
日常の美容外科診療で、
美容外科医全員が、
顔の骨切り手術まですることはないと思います。
しっかりと形成外科を学んで、
麻酔と救命救急の知識があれば、
安全に手術ができると思います。
藤本先生、
井上先生、
ためになるご発表をありがとうございました。
素晴らしい美容外科医だと思いました。
医学講座
第60回日本形成外科学会(大阪)③
有意義な還暦の第60回日本形成外科学会です。
さすが大阪です。
特別講演もユニークです。
文化講演2
4月13日(木)10:40~11:40
落語的学問のすすめ
司会
細川 亙(日本形成外科学会 理事長)
演者
桂 文珍(落語家:株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
■ ■
桂文珍師匠は、
慶応大学で講義をなさったこともあるそうです。
とてもためになるお話しでした。
私は奥さんが関西人です。
関西が好きです。
うどんも関西風が好きですし、
食べ物も好きです。
■ ■
ふだんはストイックとか言われてますが、
ほんとうは、
よしもとが好きです。
お笑いの文化が好きです。
定年退職したら、
大阪によしもとを見に来たいです。
京都や奈良のお寺より、
私は大阪のお笑いが好きです。
文珍師匠ありがとうございました。
学会が終わりました。
18:55のANAで札幌に帰ります。
医学講座
第60回日本形成外科学会(大阪)②
日本形成外科還暦の第60回学術総会、
大阪はいい天気です。
桜が満開できれいです。
学会で選ばれるテーマには、
学会長のカラーが出ます。
今回の第60回学術総会では、
腋臭症のシンポジウムが組まれました。
細川会長に感謝いたします。
■ ■
シンポジウム 11
4月13日(木)9:00~10:30 第7会場(12F 特別会議場)
腋臭症治療 up-to-date
司会
武田 啓(北里大学医学部形成外科・美容外科学)
漆舘聡志(弘前大学大学院医学研究科形成外科学講座)
演者
腋臭症に対するクワドラカット法
野村紘史(医療法人新美会新垣形成外科)
腋臭症に対する剪除法と超音波破砕粉砕吸引法の比較検討
宮本純平(宮本形成外科)
ローラークランプ法について
佐藤和夫(日本医科大学形成外科学教室)
ミラドライ治療の有用性について
河田真作(河田外科形成外科)
多汗症【ボツリヌストキシン治療】
土井秀明(こまちクリニック)
腋臭症の遺伝
坂井靖夫(坂井クリニック形成外科・皮フ科)
■ ■
大阪大学形成外科教授の細川亙(ほそかわこう)先生は
2015年2月20日の院長日記でご紹介した、
腋臭症・多汗症[治療実践マニュアル]
…という本を出していらっしゃいます。
2012年3月に初版が発行されています。
本体価格が5400円と、
医学書としては安価です。
腋臭症治療の本として優れた内容の本です。
AMAZONで購入することもできます。
この本には、
さまざまな手術法が載っています。
写真もたくさん掲載されています。
■ ■
今回のシンポジウムでは、
腋臭症の遺伝
坂井靖夫先生(坂井クリニック形成外科・皮フ科)のご発表を、
とても興味深く聞かせていただきました。
耳垢が湿っている人と、
耳垢が乾いている人の遺伝学です。
耳あかの遺伝学
2008年2月20日の院長日記でご紹介しました。
■ ■
実際にわきがの人を治療していると、
本人が気にしているのに、
わきがのにおいがしない人がいます。
子供さんがわきがだと、
気にしすぎるお母さんがいます。
今日のシンポジウムでは、
自己臭恐怖症の患者さんのことや、
腋臭症手術をする年齢などについても、
さまざまな意見が出されました。
腋臭症の治療は難しいです。
医学講座
第60回日本形成外科学会(大阪)①
第60回日本形成外科学会(大阪)
創立1958年と形成外科学会のマークに書いてあります。
今年は第60回、
形成外科の還暦を祭るがテーマです。
還暦から2年が過ぎ、
今年63歳になる私には、
感慨深いものがあります。
■ ■
今日は朝9:00から、
英語の発表を聞きました。
ISAPS-JSPRS Joint Symposium1
Prevention and Treatment of Lower Lid Mal Position
Dirk F. Richter (Department of Plastic and Reconstructive Surgery at Dreifaltigkeits-Hospital in Wesseling / The University Bonn, Germany)
Periorbital Rejuvenation Up to Date
Dirk F. Richter (Department of Plastic and Reconstructive Surgery at Dreifaltigkeits-Hospital in Wesseling / The University Bonn, Germany)
Frowning – An underestimated Complication of Upper Blepharoplasty – Etiology, Treatment , and Prevention
Chang-Chien Yang (Artwood Plastic Surgery Clinic, Taiwan)
The Warning Signs of Difficult Formation of Double Fold
Chang-Chien Yang (Artwood Plastic Surgery Clinic, Taiwan)
■ ■
最初の2つはドイツの、
Dirk F. Richter先生、
次の2つは台湾の、
Chang-Chien Yang先生でした。
ドイツでも、
台湾でも、
ひどい手術をする医者がいました。
驚きました。
■ ■
ドイツのRichter先生が出された患者さんは、
一般外科医が、
女性の下眼瞼(下まぶた)の手術をしました。
信じられないような、
世界仰天ニュースに出るような、
悲惨な結果になっていました。
それを何回も手術をして治していました。
ドイツにも悪徳医師がいるようです。
■ ■
台湾のChang-Chien Yang先生は、
昨年の福岡の日本形成外科学会でも発表をお聞きしました。
台湾人の目は、
日本人と同じです。
とても勉強になります。
【怒】二重がうすくなった【怒】
【怒】二重の幅が狭くなった【怒】
【怒】左右差がある【怒】
■ ■
世界中どこに行っても、
形成外科医は大変だなぁ~
台湾で手術をしても、
上手な先生と、
下手な先生がいるんだなぁ~
毎回学会に出て感じることです。
どうやって、
少しでも患者さんに怒られないように、
きれいな目を作るのか勉強しています。
医学講座
学会参加証【ネームカード】
明日から第60回日本形成外科学会が大阪で開催されます。
今日は札幌→大阪への移動日です。
大阪は桜が満開でしたが小雨です。
学会長は、
日本形成外科学会理事長の、
大阪大学形成外科の細川瓦ほそかわこう教授です。
私と同年代で、
昭和29年9月生まれの先生です。
■ ■
便利な時代になりました。
学会プログラムは、
スマホやタブレットで読めます。
重いプログラムを持ち歩かなくても、
iPhoneがあれば、
どこでも読めます。
とても便利です。
■ ■
はじめて学会発表をしたころは、
とても緊張しました。
準備にとても時間がかかりました。
私は忘れたことはありませんが、
発表原稿を忘れたり、
スライドを忘れた先生がいました。
今はパワーポイントのデーターさえあれば、
原稿を忘れても何とかなります。
■ ■
今の時代になっても、
忘れてはいけないのが、
学会参加証です。
胸につける名札みたいなのです。
前登録といって、
あらかじめ登録して送ってもらいます。
これを忘れると大変です。
■ ■
学会運営は学会屋さんと呼ばれる、
専門の業者さんです。
参加章を忘れると、
当日またお金を払わなくてはなりません。
参加証は、
専門医更新のためにも必要です。
出発前に確認し、
忘れずに持って来ました。
院長の休日
奥さんの運転免許更新2017
日本形成外科学会のため、
4月11日(火)~4月14日(金)まで休診です。
今年はうちの奥さんの運転免許更新です。
休診日の間に免許更新に行くそうです。
本間家は2人ともゴールド免許です。
私62歳、
奥さん60歳です。
免許証返納まであと何年かなぁ~?
もう少し乗れると思います。
■ ■
運転免許証で一番気になるのが、
【写真】です。
昨年の院長日記を見ると、
免許証写真に美しく写る方法が載っていました。
おそらく忘れているだろうから、
今日教えてやります。
いい方法だと思います。
■ ■
免許証写真に美しく写る方法
2016年4月の林先生の初耳学です。
TBS系列の番組です。
放送の要点をお教えします。
私がなるほどと思ったのは、
写真を撮る瞬間に、
3、2、1で
パッと目を開ける。
そうすると、
瞳孔が開いて目が大きく見える。
■ ■
目を閉じた写真だとNGなので、
目をつぶったら撮り直しになると思います。
3、2、1で目を閉じた状態から、
瞬間的に目を開くと、
黒目が大きく出ます。
そうすると運転免許証でも写真写りがよくなります。
納得です。
■ ■
着ていく服の色にも影響されます。
きれいに写る服の色は白です。
レフ板効果で顔に光が当たり、
肌色がきれいに見えます。
着てはいけない服の色は黄色。
青のバックと補色で浮いてしまうためです。
顔が黄色く見えます。
黒の服も顔が暗く見えるのでダメだそうです。
■ ■
芸能人でも、
運転免許証の写真は指名手配の犯人みたいでした。
ちょっとしたコツです。
次回の運転免許証更新の時には、
白い服を着て行って、
3、2、1で
えいっと目を開いて撮りましょう。
きっといい写真になります。
番組に感謝です。
2004年
2009年
医学講座
かわいい孫の譲、奪った雪崩事故
平成29年4月9日(日)、朝日新聞朝刊、声の欄への投稿です。
かわいい孫の譲、奪った雪崩事故
農業 橋爪和雄(山梨県 88)
栃木県のスキー場付近で登山講習会に参加していた高校生ら8人が雪崩事故で亡くなった。私は、かわいい孫の浅井譲を失った。雪崩注意報が出ていたのに、主催した県高体連登山専門部がなぜ中止にしなかったのかわからない。
責任者は、3人で話し合って訓練の実施を決め、経験から「絶対安全だと判断した」と話していた。改悛(かいしゅん)の態度には見えなかった。
譲は娘の初産の子。我が家の近くの病院で生まれ、優しく、賢く育った。あの日、「おじいちゃん、苦しいよ」という悲鳴が脳裏を走ったが、身代わりになれなかった。
妹(11)は葬儀で、「大好きなお兄ちゃんが、あの世から帰って来て、また会うことができるまで、千鶴は生き続けるから、必ず帰って来てね」と語りかけた。
父・慎二は冷静かつ穏やかに「譲の死を無駄にしないためにも、二度と再びこのような悲惨な事故の犠牲者を出さないような社会にすることをただ願っている」と述べた。
私は、前途有望な少年たちを死に追いやった事故は、明らかに人災であり、裁かれなければならないという思いをぬぐい去ることはできない。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
朝日新聞を読んで、
涙が出ました。
こころから故浅井譲さんのご冥福をお祈りいたします。
おじいちゃんの宝物。
譲は娘の初産の子。
我が家の近くの病院で生まれ、
優しく、
賢く育った。
あの日、
「おじいちゃん、苦しいよ」という悲鳴が脳裏を走ったが、
身代わりになれなかった。
■ ■
身代わりになれるものなら、
自分が孫の身代わりになりたかった。
とてもよくわかります。
私も同じ気持ちです。
残念な事故です。
二度と起こしてはならない人災です。
投稿者の橋爪さまと同じ気持ちです。
■ ■
私は、
30代後半を、
市立札幌病院で働きました。
それまで見たこともないような、
重度の外傷患者さんを診ました。
亡くなった患者さんもたくさんいらっしゃいました。
人生観が変わりました。
ドナーカードを持つようになりました。
■ ■
救命救急センターに患者さんが搬送されると、
医師も看護師も、
懸命に治療します。
搬送された患者さんが、
前途有望な若者だと、
何としても救命しようと思います。
心肺停止で搬入されても、
最後まで懸命に救命します。
■ ■
お父様のお言葉。
譲の死を無駄にしないためにも、
二度と再び
このような悲惨な事故の犠牲者を出さないような社会にすることを
ただ願っている
二度とこのような事故がない社会になってほしいです。
犠牲者のご冥福をお祈りしています。
医学講座
高須克弥先生のお言葉【梅澤文彦先生ご逝去】
平成29年4月7日に届いた、
日本美容外科医師会ニュースです。
高須克弥先生が書かれた追悼文が掲載されていました。
謹んで引用させていただきます。
日本美容外科医師会ニュース2017年3月31日発行、117号
梅澤文彦医学博士がご逝去
平成29年1月19日に梅澤文彦先生がご逝去されました。83歳でした。
梅澤先生は1960年に慶応大学医学部をご卒業された後、十仁病院の院長として診療を行うと同時に多くの後進の指導にあたられてきました。
十仁病院は1933年「美は医の頂点にあり」をポリシーとし、故・医学博士梅澤文雄先生が開院されました。以来今日まで世界における美容整形のパイオニアとして常に最先端の技術と豊富な症例に基づき美容整形の普及とレベルアップに努められてきましたのは周知の通りです。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
梅澤文彦 医学博士
十仁病院 院長
一般財団法人日本美容医学研究会 会頭
一般社団法人日本美容外科学会 会頭
国際美容外科学会 会長
■ ■
さようなら梅澤文彦先生
また会う日まで
日本美容外科医師会会長 高須克弥
御訃報に接し、ただ茫然自失しております。梅澤文彦先生の温容に接することも、そのお声を聞くこともできなくなってしまいました。
先生は小生の十年先輩でありました。全ての人がいずれは極楽浄土に旅立たねばならないと、僧侶である小生は悟っていたつもりでありましたが、やはり先生が去ってしまわれた今、先が暗くなり、どうにもならない空虚を覚え、哀切とも痛惜とも言いようのない気持ちを味わっております。
先生と初めてお会いしたのは42年前でした。小生は30歳、文彦先生は40歳。それ以来小生は先生を学会では親分、私生活では兄貴として付き従っております。
当時、御尊父の梅澤文雄先生を盟主とする、現在の美容外科学会の前身である美容医学研究会は、修羅場を潜り技けた梁山泊の壮士のような美容整形の先生方の集まりでありました。
怯える田舎者の小童を優しく導いてくださった十仁病院の若君への御恩は忘れることが出来ません。私淑し忠誠を誓って今までお仕えしてきました。
アメリカ美容外科学会のリチャード・ウエブスター先生や国際美容外科学会のジョルジオ・フイッシャー先生、国際脂肪吸引学会のピエール・フルニエ先生、大韓美容外科の朴萬龍先生、南米美容外科学会のイヴォピタンギ先生… 梅澤文彦先生と二人三脚で世界中に人脈を拡げ、日本で盛大に国際学会を何回も開催しました。
小生が仲間入りさせていただいた当時は日陰ものだった美容外科が、梅澤先生のアイデアと仁徳で大発展し、韓国や中国でも美容整形ブームが起こりました。指導した日本美容外科学会がアジアの美容外科界の盟主になりました。梅澤会頭はどこに行っても超VIPでしたね。面白かったですね。あの輝かしい日々がつい昨日のことのように思えます。
梅澤文彦先生、高須克弥は先生の忠臣であり、子分であります。これからも後を慕ってお供して行きます。そちらでしばらくお待ちください。
転生して、この次は、二人でもっと面白いことして遊びましょう。
「東方美容外科学会」重慶。ご機嫌な梅澤会頭。
梅澤先生の補佐ができて幸せでした。
(日本美容外科医師会ニュースより引用)
■ ■
梅澤先生と高須先生の二人三脚で、
日本美容外科学会が成長しました。
私が参加しはじめた頃は、
高須先生が活躍されていました。
高須先生の国際学会では、
私も発表させていただきました。
なつかしい思い出です。
■ ■
私は、
日本人の美容外科に対する悪いイメージを、
♡いいイメージ♡にしてくださったのが、
高須克弥先生だと思います。
今のTVCMを見ても、
高須先生のお気持ちが理解できます。
プチ整形という言葉を考えられたのも、
高須克弥先生です。
■ ■
高須先生のお言葉通り、
日陰ものだった美容外科が、
梅澤先生のアイデアと仁徳で大発展し、
韓国や中国でも美容整形ブームが起こりました。
指導した日本美容外科学会が
アジアの美容外科界の盟主になりました。
梅澤先生が亡き後も
高須克弥先生が、
日本美容外科学会を発展させてくださることを願っています。
梅澤先生のご冥福をお祈りしています。
医学講座
フィブラストスプレー【査定】
保険医療機関にとって、
毎月、
月はじめは憂うつな時期です。
レセプト請求という、
保険請求業務があります。
毎月5日から10日までの間に、
前月分を請求します。
【お金】がかかっています。
■ ■
このレセプトを基金というところでチェックして、
翌月の20日過ぎに、
銀行口座に振り込まれます。
これが、
保険医療機関の大きな収入源です。
請求を間違ったり、
不適切な請求があると、
【お金】をもらえません。
■ ■
大きな病院では、
毎年の予算を組む時に、
【査定減】という、
【赤字】を、
最初から予算に組んでおきます。
どんなに適正な医療をしても、
保険者という支払者側が、
一方的に査定することがあります。
■ ■
興味深いのは、
健康保険の大元である、
厚生労働省管轄の病院でも、
査定されることがあります。
私は平等でいいことだと思います。
厚生労働省管轄の病院で働くのは、
私と同じような、
ふつうの感覚を持った医師です。
患者さんのためなら、
【査定減】を覚悟で治療することもあります。
■ ■
札幌美容形成外科のような民間の医療機関は、
【査定減】が増えると、
倒産の危機です。
せっかく治療したのに、
保険者から、
【お金】をもらえないと、
【赤字】になります。
札幌美容形成外科は査定減が少ないのですが、
最近、査定減が目立つようになりました。
■ ■
2017年4月に届いた、
再審査等支払調整額通知票で、
フィブラストスプレーを査定されました。
B:療養担当規則等に照らし、医学的に過剰・重複と認められるもの
…がペナルティの理由です。
査定内容です。
フィブラストスプレー250 250μg(溶解液付)1瓶 860×1
これを、
フィブラストスプレー250 250μg(溶解液付)0.2瓶 187×1
8600円の請求を1870円に減らされました。
6730円損をしました。
■ ■
私の院長日記は同業の先生にも読んでいただいています。
患者さんは他院で腹部の手術後に、
難治性の潰瘍となった方です。
紹介状持参で来院されました。
フィブラストスプレーの適応だったので、
私が患者さんに使い方を説明して、
患部に噴霧して、
処置の仕方もご説明いたしました。
■ ■
問題は、
処置に使ったフィブラストスプレーの量です。
噴霧して使う薬剤なので、
一度に一瓶全部は使い切りません。
保険者は、
使った分だけしか認めませんでした。
それが1870円です。
保険者の言い分もわからなくはないです。
でもこの薬は高いお薬です。
■ ■
使う前に必ず患者さんに説明しています。
今までの治療で治らなかったので、
高いですがいいお薬があります。
お使いになりますか?
患者さん:お願いします。
そこで、
私がパッケージを開封して、
液を調整して、
実際に処置をしました。
■ ■
高いお薬なので、
処置に使った残りを、
患者さんに持って帰っていただきました。
ご自宅で処置に使っていただき、
他院で治らなかったキズは、
ちゃんと治りました。
ところが、
札幌美容形成外科は【査定】を受けました。
■ ■
メーカーの科研製薬に確認したところ、
フィブラストスプレーを処置に使った場合は、
一回分しか算定できないそうです。
ですから、
私のような場合は、
たとえ処置に使っても処置薬剤としては算定せず、
一本処方したことにして、
処方料も算定すると
【査定】は受けないそうです。
■ ■
でも、、、
そうすると、
厳密には不正請求になります。
私は不正は大嫌いなので、
そんな請求方法はしません。
調整方法が難しい、
高価なお薬は、
しっかり説明をして、
しっかり処置の仕方を教えて、
はじめて薬の効果が得られます。
製薬メーカーには、
【査定減】にならない使い方を、
ぜひ厚生労働省に認めてもらってほしいです。
科研製薬HPより引用
医学講座
見えないところを丁寧に手術する
立派なマンションを購入したら、
土台に使ったくいが不十分で、
マンション全体を取り壊すことになった、、、
そんな話しがありました。
マンションを購入する時は、
販売した会社や、
建設会社を、
信用して買います。
有名な会社なのに残念な結果になることもあります。
■ ■
美容外科も同じです。
有名な美容外科で、
有名な先生が手術をしたのに、
キズが目立つ(泣)
…という患者さんを診ました。
私:手術時間はどの位でしたか?
患者:40分くらいでした
私:うちだっら倍以上かかります
■ ■
形成外科の手術は、
皮下縫合とか
真皮縫合しんぴほうごう
…という抜糸しない、
患者さんからは見えない部分を、
いかに丁寧に手術するか?で、
手術後の傷が決まります。
■ ■
私が行うであろう真皮縫合の、
半分以下で済ませる美容外科があります。
理由は、
時間をかけて手術をすると、
売上が減るからです。
マンションのように、
全棟建かえにはなりませんが、
せっかく手術を受けたのに傷が気になります。
■ ■
私は、
たとえ偏屈と言われても、
ストイックと言われても、
形成外科医として不満足な手術はしません。
見えない部分こそ、
手を抜かずに、
丁寧に手術をするのが、
ほんとうの形成外科医だと思っています。