医学講座

縫い方の練習

 私が医学生だった30年前も、
 現在の医学教育でも、
 採血
 縫合法(ほうごうほう)も、
 教室で勉強するだけで、
 人間
 実験台にしての
 練習はできません。
      ■         ■
 採血でしたら…
 学生同士で練習ができますが…
 さすがに…
 学生同士を
 切って
 縫う
 のはできません。
 人間にメス入れて
 切るのは…
 医師免許証を持った人にしか許されていません。
      ■         ■
 私が札幌医大形成外科の講師をしていた
 10年前に、
 形成外科を選択した6年生の学生さんに、
 縫合法という『縫い方』を教えました。
 人の皮膚を縫うことはできないので、
 皮膚に見立てた
 医療用材料(スポンジ)を、
 ナイロン糸という実際に使う糸で縫合します。
      ■         ■
 ナイロン糸は高く、
 一本、最低数百円はします。
 学生実習でも、
 手術に使う糸しか売っていません。
 一人で何本も使います。
 慣れない学生はすぐに糸を切ってしまったり、
 針を曲げてしまったりします。
 少ない予算で、
 この糸を買うのも大変でした。
      ■         ■
 糸も高価ですが…
 持針器(じしんき)という、
 針と糸をつかむ器械や、
 先の細い摂子(せっし:ピンセットのこと)も、
 高価です。
 これらの器械を揃えるのにも、
 お金がかかりました。
 予算がなかったのです。
      ■         ■
 不思議に思われるかもしれません。
 医師免許証がないと…
 切ったり縫ったりできないのに…
 実際の医学教育では、
 この切って縫う練習は、
 必須科目ではありませんでした。
 自動車の運転免許証を与えるのに、
 学科だけで、
 コースも路上もなしで、
 ペーパーテストだけで免許をもらえるようなものです。
      ■         ■
 美容師さん理容師さんの試験には、
 実技があるようですが、
 医師国家試験にも、
 看護師国家試験にも、
 実技試験はありません。
 医師免許証をいただいても、
 新米医師は何もできません。
      ■         ■
 実際に医師免許証を取得してから、
 はじめて手術を担当させていただきます。
 医学部では実際にメスを持って、
 切ることは教えてもらっていないのです。
 医師免許取得前は、
 仮免許なんてのはありません。
 大学の実習で人間を
 切ったり縫ったりはできないのです。

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昔の記憶

採血の練習

 私が医師免許証を取得したのが、
 昭和55年(1980年)です。
 今では信じられないことですが、
 免許取立ての頃は、
 採血も満足にできませんでした。
 医師免許を取得するまでに、
 私が採血をしたのは…
 医学部の生化学実習で一度だけでした。
      ■         ■
 私が採血をしたのは、
 同期の三浦純一先生でした。
 なんとか採血できましたが、
 採血の痕が残りました。
 私から採血したのも、
 三浦純一先生でした。
 学生同士で採血をしました。
 三浦純一先生も
 私の太くて見やすい血管からでも、
 採血するのが大変でした。
      ■         ■
 三浦純一先生は
 旭川赤十字病院で、
 長い間、小児科部長をした後で、
 みうら小児科クリニックを開業されています。
 今ではどんなに小さな子どもさんからでも、
 採血ができると思います。
 小児科の先生は採血のエキスパートです。
 その生化学実習は、
 採血の練習が目的ではなく、
 血液中の脂質?か何かを測定するために、
 血液を取る必要があったために、
 学生同士で採血をしただけでした。
      ■         ■
 看護師さんも、
 看護師免許を取得するまでは、
 患者さんからの採血はできません。
 免許取得後に、
 はじめて他人に針を刺せます。
 最初は誰でも下手です。
 何回も失敗して、
 針を刺した回数が増えれば増えるほど、
 上達するものです。
      ■         ■
 中学校を卒業後に、
 高校の衛生看護科に進学すると、
 18歳で准看護師の免許証を取得できます。
 大卒で保健師・看護師の免許証を持った人より、
 高卒後に准看護師を取得。
 実務経験を積みながら、
 看護師となった方の方が、
 採血も注射も上手です。
      ■         ■
 私が北大形成外科の研修医となった頃は、
 静脈注射は医師の仕事でした。
 実際には、
 看護師さんの方が、
 はるかに上手でしたが、
 研修医の仕事として、
 私たちが注射針を刺していました。
 忍耐強い患者さんが、
 『先生、今日は3回まで』
 3回まで失敗しても許してあげるね
 注射をさせてくださいました。
      ■         ■
 私に包帯の巻き方を教えてくださったのは、
 北大形成外科外来の看護師、
 畑端雅子(はたばたまさこ)さんでした。
 何かわからないことがあると、
 はたばたさ~ん
 はたばたさ~ん
 と頼って、
 教えていただいていました。
      ■         ■
 処方箋の書き方や、
 軟膏の塗り方を教えていただいたのも、
 ガーゼのたたみ方を教えてくださったのも、
 外来の畑端さんでした。
 こうして、私は少しずつ成長しました。
 今日があるのは、
 みなさまのおかげです。
 30年経っても…
 私を教育してくださった方に感謝しています。

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昔の記憶

第二志望

 私は高校生の時から
 北大に憧れ(あこがれ)を持っていました。
 予備校で習った生物の矢野雋輔先生や、
 高校一年で数学担当だった原田先生が、
 北大のおおらかさ
 素晴らしさを何度も語ってくださったからです。
 一浪しても、
 北大(医)の合格レベルは高く、
 理科で物理が必須だったこともあり、
 私は最初から北大(医)を諦めていました。
      ■         ■
 札幌医大を卒業して、
 北大形成外科の研修医になることにしました。
 2008年1月16日の経歴詐称
 という日記に書いてあります。
 札幌医大6年生の時に、
 北大形成外科の大浦武彦教授の、
 特別講義をお聴きして、
 北大へ行くことに決めました。
 北大の研修医になるのに、
 試験はありませんでした。
      ■         ■
 大浦武彦教授は、
 北大の卒業生も、
 札幌医大の卒業生も、
 まったく差別することなく教育してくださいました。
 私にとって、
 医師免許証を取得してから、
 晴れて第一志望
 北大(医)の研修医となれました。
      ■         ■
 私の人生にとって、
 大浦武彦先生の弟子にしていただいたことが、
 貴重な財産となりました。
 ご恩は一生忘れません
 今、こうして札幌美容形成外科で診療ができるのも、
 大浦先生はじめ、
 北大形成外科の諸先輩に教えていただいたからです。
 免許取り立てのころは…
 ほんとうに何もできませんでした。
      ■         ■
 大学医学部で学ぶのは6年間です。
 主として基礎医学や臨床医学の
 知識を身につけて、
 医師国家試験を受けます。
 医師としての技術や能力は卒業してからです。
 どんなに偏差値の高い大学を卒業しても、
 卒業後に受けた教育が悪いと…
 医療事故常習者になってしまいます。
      ■         ■
 私はとてもラッキーでした。
 大浦武彦先生
 吉田哲憲先生という、
 素晴らしい先輩に、
 医師としての基本を教えていただきました。
 今春の入学試験で、
 第一志望の大学を諦めて、
 第二志望の大学に入学した方へのメッセージです。
      ■         ■
 医師免許証はどこで取得しても同じです。
 卒業後に第一志望の大学や病院で、
 研修を受けることによって、
 人生は変わります。
 重要なのは、
 よい指導者につくことです
 私の友人や先輩・後輩医師には、
 有名国立大学卒以外で
 素晴らしい先生が何人もいます。
 入学した大学で人生が決まるのではありません。

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昔の記憶

医学部合格への道②

 私が卒業したのは、
 国公立大学医学部の中では、
 ランクが下の、
 札幌医科大学です。
 それも約30年前です。
 偉そうなことは言えませんが、
 これから医師を目指す方へのアドバイスです。
      ■         ■
 東大理Ⅲや慶応(医)など、
 超難関の医学部ではありません。
 志(こころざし)を持って、
 サラリーマンの子弟でも行ける、
 ふつうの国公立大学医学部への、
 合格への道です。
 最難関の東大理Ⅲでも、
 医師国家試験合格率は100%ではありません。
 入学後に留年する人もいます。
 国家試験に合格していただける、
 医師免許証は国立でも私立でも同じです。
      ■         ■
 札幌市内で進学校といわれる、
 札幌南や札幌北でも、
 現役合格が難しいのが、
 国公立大学の医学部です。
 先日ご紹介した、
 深澤信博先生の文章
 にありましたが、
 医師となった喜びを感じられるのは、
 幸せは他人に尽くせること,
 そしてその人の喜びと感謝の気持ちに
 共感できることです。
      ■         ■
 医師になって30年が経ちます。
 私は深澤先生のように立派な医師ではありません。
 苦労して勉強して
 医師になってよかった
 と思うのは、
 先生、ありがとうございました
 と言っていただけた時です。
 時には予想外の結果で、
 苦言をいただくこともあります。
 そういう時にも、できる限りのことをいたします。
      ■         ■
 勉強は孤独です。
 自宅に引きこもっていると
 自分を見失う恐れがあります。
 朝、早くから夜遅くまで、
 全員が勉強をしている環境にいると、
 自然と勉強するようになります。
 成績を向上させるコツとポイントは、
 よい先生や参考書を見つけることです。
      ■         ■
 私は回転寿司に行くと、
 隣の人が注文した美味しそうなネタを、
 注意深く見ています。
 そうすると、
 美味しいネタがわかります。
 受験勉強も同じです。
 予備校の自習室などを利用すると、
 成績がよい人がどんな勉強をしているかわかります。
 友だちになって、
 話しをするのもよい方法です。
      ■         ■
 高校生向けの予備校の授業は、
 先生がよければ成績UPにつながります。
 進学校と呼ばれる学校でも、
 科目によって先生を選ぶことはできません。
 予備校の授業は、
 先生を選択して受けることができます。
 私は化学の授業で自分の医進クラスではなく、
 他クラスの授業を聴きに行きました。
 その橋本先生は北大理学部の大学院生でしたが、
 とても明快な授業でした。
      ■         ■
 お金持ちになりたいなら、
 医学部を受験することはおすすめしません。
 投資家や上場企業の社長さん、
 IT関連の社長さんをおすすめします。
 他人の役に立ちたい
 自分も困ったので
 医学を勉強したい
 という人に医学部へ進学して欲しいと思います。
 人生は何が幸いするかわからない、
 努力+αがあるかもしれない
 という深澤先生のお言葉に同感です。
 医学部を目指して頑張ってください。

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昔の記憶

四浪(よんろう)

 平成21年4月1日、北海道新聞『いずみ』への投稿です。
 四浪
 この春、四浪の末、
 息子が大学生になる。
 息子はひたすら勉強し、
 親は祈り続けた。
      ■         ■
 去年の合格発表の日。
 「最後の1年で結果を出せなかった。もういいだろう」
 と主人に言われ、
 「母さんごめんね」
 と声を上げて泣いた息子。
 その姿を見て、
 なんとかしてやらなきゃ、と思い、
 主人に
 「もう1年やらせて」と頼み込んだ。
      ■         ■
 そうやって与えたこの1年が、
 息子にとって、
 かえってつらいものになっていないだろうか、
 あの時
 あきらめさせるべきだったんではないか、
 と何度も後悔しかけた。
      ■         ■
 合格ラインに届かなかったセンター試験。
 それでも志望を変えずに
 逆転を狙って出願した2次試験を経て、
 息子は執念で合格を勝ち取った。
 いろんな人に
 いろんなことを言われた4年間だった。
      ■         ■
 高校卒業後、
 社会人になった娘は、
 精神的に大きな支えとなってくれた。
 この結果ですべてが報われた。
 「親として間違いじゃなかった」
 と思わせてくれた息子に、
 私は心から感謝した。
      ■         ■
 合格発表後の息子の声は、
 明るくて大きい。
 生き生きとした息子の声を、
 久しぶりに聞いた気がする。
 一番つらかったのは本人だっただろう。
      ■         ■
 この4年間を思えば、
 今後の6年間、
 医学生として
 息子は頑張り続けられるはずだ。
 浮かれることなく、
 責任重大な職業を
 選ぼうとしていることを忘れないで。
 本当に見たかった桜が、
 ようやくわが家に咲きそうだ。
 平松奈緒美(45歳・パート)
 =十勝管内音更町
 (以上、北海道新聞より引用)
      ■         ■
 平松様に心からおめでとうございます
 祝福のメッセージをお送りします。
 私は4年間、
 札幌医科大学形成外科の講師として働きました。
 その間、400人の医学生に、
 形成外科の講義をしました。
 四浪(よんろう)なんてふつうです。
 社会人経験者も、
 妻帯者もいました。
      ■         ■
 補欠合格で入学しようと、
 四浪で合格しようと、
 医師としての資質には、
 まったく関係ありません
 むしろ、
 ご子息は素晴らしいお医者さんになれます。
 私の同級生を見ても、
 四浪以上で入学して、
 素晴らしい院長になっている先生が何人もいます。
      ■         ■
 卒後30年もして同期会をすると、
 現役合格で一番若い先生が、
 一番老けて見えたりすることもあります。
 4年間は決して無駄ではなかったのです。
 むしろ現役合格で入学後に、
 大学に失望してやる気を無くする人もいます。
 多浪して入学した学生さんは、
 大学に対する情熱が違います。
 しっかり勉強して落第率も低いです。
 (100人入学すると6年間で10人以上落第します)
      ■         ■
 札幌医科大学の入学式は
 4月3日(金)ですね。
 医学部は入学後も勉強が厳しいです。
 実習もあり、レポートもあります。
 6年後には難関の医師国家試験もあります。
 医学部と保健医療学部だけの
 札幌医科大学は、
 総合大学に比べて欠点もあります。
 ただ、よいところもたくさんあります。
 医師国家試験合格率は北大(医)より上です。
      ■         ■
 平松さんのお母さん、
 ご苦労様でした。
 よかったですね
 私の後輩となった平松君へ、
 入学おめでとう
 大いに青春を楽しんでください。
 よい先輩や素敵な彼女を見つけてください。
 心から4年間の努力に敬意を表します。
 6年間勉強して、
 素晴らしいお医者さんになってください。

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医学講座

埋没法が取れた②

 埋没法が何度も取れるのは…
 原因があります。
 技術的に未熟な先生が
 手術をした不幸な例もありました。
 最近多いのは…
 眼瞼下垂症の方に、
 埋没法の手術をした例です。
 下垂の程度にもよりますが、
 埋没法で眼瞼下垂症が一時的に治ることがあります。
 でも取れてしまうのです。
      ■         ■
 患者さん本人が、
 眼瞼下垂症に気付いていないことも、
 多数あります。
 小学校から学級写真を撮ります。
 小学校・中学校の写真を見ると…
 いつもあごを上げています
 高校生くらいになると、
 目を大きく見せようとして、
 懸命に眉を上げて…
 目を大きくして写真を撮っています。
 眉が上がっているのを隠すために…
 前髪を下げて眉を隠しています。
      ■         ■
 こんな方は、
 教室の一番前で…
 見上げるようにして黒板を見るのが苦手です。
 子どもなのに肩が凝っていて、
 おでこにしわができています。
 本人も両親も
 気付いていないことが大部分です。
 アイプチをするようになっても、
 なかなか決まりません!
      ■         ■
 勇気を出して美容外科へ行き
 念願の二重を手に入れたのに…
 わずか数ヵ月でラインが薄くなってきました。
 保証つきだったので、
 もう一度、お直しの手術を受けました。
 それなのに…
 また数ヵ月でラインが薄くなってきました。
 他の美容外科へ行き、
 高い埋没法を受けました。
 それなのに…
 二重のラインは消えてしまいました。
      ■         ■
 私のところへいらした時には、
 片目に8本ずつ、
 合計16本の糸が入っていた方も…
 いらっしゃいました。
 手術前の写真は、
 証拠隠滅のために、
 ありませんでした。
 どこの美容外科で何回手術をしたかも?
 正確に覚えていらっしゃいませんでした。
      ■         ■
 眼瞼下垂症の手術をしました。
 埋没法の糸を取るだけで大変です。
 何本入っていたか?
 わからないという方は、
 糸を探すだけでも大変なのです。
 (糸を外す料金は保険の規定でいただきません)
 ためしてガッテンのおかげで、
 有名になった眼瞼下垂症ですが、
 まだまだ…
 一般の方には知られていない病気が、
 眼瞼下垂症です。

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医学講座

褥瘡(じょくそう)学会北海道地方会

 平成21年3月28日(土)に、
 日本褥瘡(じょくそう)学会北海道地方会が、
 札幌コンベンションセンターでありました。
 300人以上の看護師、医師、介護職員、研究者など
 多数の参加で会場は満席でした。
 日本褥瘡学会は、
 私の恩師である、
 大浦武彦先生が平成10年に設立されました。
      ■         ■
 褥瘡(じょくそう)とは床ずれのこと。
 ベッド上で寝ている時にできるきずです。
 高齢化社会を迎え、
 褥瘡で悩む多くの人を診察して、
 大浦武彦先生が専門的な予防と治療の必要性を考え、
 この学会を設立されました。
 最初の学会は東京の品川でありました。
      ■         ■
 第一回の学会なのに…
 会場は人であふれていました。
 その数の多さに私は驚きました。
 この10年間に褥瘡治療は大きく進歩しました。
 医学部や看護学部、看護学校でも、
 褥瘡の講義は少なく、
 医療従事者であっても、
 正しい知識を持っていませんでした。
      ■         ■
 大浦武彦先生は、
 日本全国、世界中を飛び回って、
 褥瘡の講演をなさり、
 その間に在宅診療もなさり、
 スーパーマンのように…
 褥瘡治療の教育と啓蒙をなさいました。
 その結果、
 一度に数百人の看護師さんなどが集まるほど、
 褥瘡学会を大きくなさいました。
 実にすごいことです。
      ■         ■
 3月28日の学会では、
 教育セミナーも開催されました。
 この10年間で進歩したものに、
 褥瘡予防マットレスがあります。
 ランチョンセミナーでは、
 ㈱モルテン
 梶原隆司様の講演がありました。
 私も実際にマットレスに寝てみました。
 もし万一寝たきりになったら、
 このマットレスだったら褥瘡ができないと思いました。
 介護・福祉系の方には
 是非参加していただきたい学会です。

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医療問題

安心LASIK

 今朝の朝日新聞に、
 視力回復手術
 被害防ぐには
 説明と検査_万全な眼科へ
 という記事が掲載されていました。
 東京都中央区保健所によると、
 銀座眼科でレーシック手術を受け、
 感染性角膜炎などになった方が、
 2009年3月27日現在、同眼科からの報告で75人。
 少なくとも4人は角膜移植の検討が必要。
 2人は今も入院している、
 と書かれていました。
      ■         ■
 2009年3月6日、東京地裁に提訴。
 医療問題弁護団によると、
 溝口院長との関連を
 確認できた被害報告は101件(3月26日現在)。
 調査中の報告もあり、
 「今後も増加することが予測される」という。
 健康被害を受けられた方に
 お見舞い申し上げます。
 一日も早い回復をお祈りいたします。
      ■         ■
 昨日、ニューヨークからお電話をいただいたように、
 日本でも米国でも、
 どんな先生を選んだらよいのか?
 実に難しい問題だと思います。
 ネットで【レーシック】と検索しても…
 たくさんのサイトが出てきます。
 大部分が特定のクリニックへ誘導する、
 広告目的のサイトです。
 同じことが【わきが】を検索しても言えます。
      ■         ■
 私はニューヨークからの相談者のために、
 英語で【わきが】を検索してみました。
 厳密には、英語に【わきが】に相当する単語がなく、
 わきの手術をしっかりしているクリニックを、
 英語で検索してみました。
 残念なことに、
 米国でも広告のサイトはたくさんありましたが、
 しっかりと手術を説明しているクリニックは、
 見つけられませんでした。
 相談者には別の方法をお教えしました。
      ■         ■
 レーシック手術は、
 確かに魅力的な手術です。
 朝日新聞には、
 慶応大学眼科の坪田一男教授のコメントが載っていました。
・日本眼科学会認定の専門医であること。
・術前の説明、術後のチェック体制がしっかりしていること。
・初めて受診した日に手術するのは望ましくない。
・手術までに2回程度は受診してもらう必要がある。
 この坪田先生の基準は一つの目安になります。
      ■         ■
 最後に、
 安心LASIKネットワークについて書かれていました。
 ここに掲載されている眼科でしたら、
 安心してレーシック手術を受けられる
 一つの目安になると思います。
 ただ、
 大学病院だから…
 大きな眼科の病院だから…
 絶対に安全というわけではありません。
 大学病院でも
 たくさんの医療事故や医療訴訟があります。
      ■         ■
 最後に先生を選ぶのは、
 あなた自身のです。
 いろいろな情報を集めて、
 実際にそのクリニックや病院へ行って、
 ほんとうに自分の大切な目を
 その先生にお願いしていいかどうか?
 ご自分で確かめるのです。
 彼氏彼女を選ぶのと
 同じです。
 最後は自分の責任で選ぶのです。

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医学講座

ニューヨークからの相談電話

 今朝、午前5:20に電話が鳴りました。
 『お父さん電話。英語!』
 家内が寝ぼけ眼で電話を取りました。
 私は寝ていたのですが…
 “Hello! Good morning.”
 『もしもし、おはようござます。』
 と電話に出ました。
      ■         ■
 ちょっと暗い声の女性が英語で話してきます。
 こんにちは、ニューヨークからお電話しています。
 私はわきのことで悩んでいます。
 そちらのウエッブサイト(ホームページ)を見て
 お電話を差し上げました。
 半分眠っていた私は、
 ニューヨークからわきの相談で、
 電話が来たことがわかりました。
      ■         ■
 ニューヨークからの電話もよく聞こえます。
 相談者の方は、
 28歳の女性。
 職業は看護師さんです。
 ニューヨークでワキガ手術について調べ、
 何と!
 札幌美容形成外科の英文HPを見つけられて、
 相談のお電話をくださいました。
      ■         ■
 いろいろ調べてみると、
 わきの手術は日本の方が進んでいることがわかり、
 ホームページに書いてあった番号に、
 国際電話をかけてくださったそうです。
 過去に何度かメールでのご相談はありましたが、
 国際電話は今回を含めて3回です。
 勤務時間中に職員が電話を取ると、
 『先生、電話です。英語です!』
 と困った顔で、
 私のところへ子機を持って来ました。
      ■         ■
 ニューヨークの相談者の方は、
 看護師という職業で、
 わきの汗と臭いでほんとうに困っている様子でした。
 いつも臭いがするんじゃないかと心配です。
 シャワーは毎日、
 食事にも気をつけています。
 ベジタリアンにもなりましたが、
 残念なことに何も変わりません。
 周囲の人が私の臭いに気付いているか?と心配です。
      ■         ■
 わきの事で悩むのは、
 日本もニューヨークも同じですね。
 私は眠いのも忘れて、
 わきの手術は簡単ではないし、
 看護師さんだったら、
 一ヵ月近い休みが必要なこともあります。
 手術後の安静を保たなければ、
 血腫という術後合併症を起こすこともあります。
 などを…
 英語で説明しました。
      ■         ■
 さすがに日本に来て手術は無理なので、
 ニューヨークでアジア系の形成外科医を探すか、
 わきの手術をたくさんしている先生を見つけるように
 アドバイスをしました。
 家内は、
 日本はまだ5:20です。
 とどうして言わなかったの?
 と早朝の電話にちょっと怒っていました。
 私は怒るよりも…
 Thank you for listening to me and taking the time out to speak with me today. I really appreaciate it.
 お話しを聴いていただきありがとうございました。
 というメールが来て、
 時差のことも忘れて嬉しく思っていました。

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昔の記憶

医学部合格への道

 医師や弁護士だけが良い職業だとは思いません。
 納棺師も葬祭業も立派な職業です。
 果樹園や酪農業も立派な職業です。
 どんな職業でも、その道の苦労があります。
 苦労しなくては、よい製品はできません。
      ■         ■
 楽で儲かりそうだから…とお考えの人には、
 医師も弁護士もつとまらないと思います。
 私が尊敬する、
 弁護士の高橋智(さとる)先生も、
 毎日、早朝から深夜まで、
 お仕事をなさっていらっしゃいます。
 司法試験に合格するまで、
 北大法学部の給湯室
 朝から夜まで勉強されました。
      ■         ■
 国公立大学の医学部は難関です。
 合格するには、
 他人が遊んでいる間も…
 勉強するという努力が必要です。
 私はたくさんの先生に助けていただき、
 医学部に合格することができました。
 何十年たっても
 感謝の気持ちを忘れたことはありません。
      ■         ■
 私は小学校→中学校と、
 一番になったことはありませんが、
 美唄、夕張という炭鉱街の学校で、
 成績はそこそこよい方に入っていました。
 ところが…
 札幌西高校へ入学して、
 一気に順位は低下しました。
 世の中には
 頭が良い人がいるものだなぁ…
 とつくづく思いました。
      ■         ■
 夕張から札幌へ来て、
 勉強をサボったのではありません。
 毎日、高校で習ったことを復習して、
 次の日の予習をするだけで、
 夜遅くまでかかりました。
 部活をする余裕もありませんでした。
 高校へ入学した頃は、
 自分一人で勉強をしていました。
      ■         ■
 私の成績が少しずつ上昇しだしたのは、
 高校2年生の頃でした。
 仲の良い友人(男子)から、
 勉強法を教えてもらいました。
 国語が苦手だったので、
 国語が優秀な友人に聞きました。
 本間、本を読め。
 本間、新聞を読め。
 本と新聞を読む習慣は、
 この友人に教えてもらいました。
      ■         ■
 私が何とか…
 医学部の合格圏内に近づけたのは、
 予備校の講習で、
 生物の矢野雋輔先生の講義を
 お聞きしてからでした。
 自分が講義をする立場になってからは、
 少しでも矢野先生のように…
 学生さんに夢と希望を語るような、
 印象に残る講義を心がけています。
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 私が知っている人で、
 医師を目指していた人がいました。
 彼はとても性格のよい青年でした。
 ただ、何年受験しても合格できませんでした。
 しまいには、日本の医学部は難しいので、
 外国へ行って医師免許を取ると言っていました。
 彼が医師になったかどうかはわかりません。
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 一部の頭のデキが違う人は、
 塾にも予備校にも行かずに、
 難関の大学に現役合格ができます。
 でも…
 私のように凡人の頭では、
 勉強の仕方
 入試の傾向と対策
 面接の極意
 などを予備校の優秀な先生に教えてもらうのが、
 医学部合格への道です。

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