昔の記憶

手術場の看護婦さん

 私が医師になったのが、
 昭和55年(1980年)です。
 当時は、中央手術室のことを、
 手術場(しゅじゅつば)と呼んでいました。
 術場(じゅつば)とも呼びました。
 おそらく、今でもそう呼んでいると思います。
 ‘術場の忘年会’なんて呼び方をします。
      ■         ■
 麻酔科の先生や
 手術場の看護婦さんは、
 毎日、たくさんの手術を見ます。
 病院職員の中で、
 病院長よりも手術のことを知っているのが、
 麻酔科医と中央手術部の看護師です。
 誰が上手で、誰が下手か?
 この手術なら、○○先生が上手!
 なんてことを…
 一番よく知っています。
      ■         ■
 一般病棟の看護師さんと違い、
 仕事の相手は看護師⇔外科医です。
 私が医師になりたての頃は、
 医師免許を取得したのに、
 消毒一つ満足にできず、
 毎日、まいにち先輩から叱られていました。
      ■         ■
 当時の手術室ナースは、
 グリーンのキャップに、
 グリーンのマスクでした。
 目しか見えませんでしたが、
 とても精悍に見えました。
 あんなに器械の種類があるのに、
 どうやって覚えるのだろう?
 と感心するほど、てきぱきしていました。
      ■         ■
 外科医は育てるのに時間がかかります。
 私は、あまり要領の良い方ではなかったので、
 手術が上達するまで時間がかかりました。
 よく,
 時間がかかるとか、
 遅いとか叱られました。
 研修医時代には、
 何人もの術場の看護婦さんに、
 いろいろ教えていただきました。
      ■         ■
 そんな私でも中堅となって、
 医長とか部長とかの職位になりました。
 嬉しかったのは、
 術場の看護婦さんから、
 本人の手術を頼まれた時でした。
 ちょっとした縫合でも、
 形成外科の先生に縫ってもらうと違うから…
 と頼まれた時でした。
      ■         ■
 自分の仕事が評価されていると感じると、
 人間は働く意欲が出ます。
 毎日たくさんの手術を見ている、
 手術室のスタッフから評価されるのは、
 病院長に褒められるより嬉しいことがあります。
 (私は院長から褒められたことはありませんが…)
      ■         ■
 今でも、たまに…
 昔、お世話になった手術室のスタッフが
 札幌美容形成外科へいらしてくださいます。
 すると…
 とても嬉しくなります。
 真面目に、
 キレイに、
 手術していたのを、
 評価していただいた気分です。

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電子申告

 先日、電子申告のことを書きました。
 税務署から、よく‘電子申告をしましょう!’
 という書類が送られてきます。
 ‘簡単便利’
 ‘これからは電子申告’
 ということばかり強調されたパンフレットです。
 美容整形は簡単!
 すぐにキレイになれます!
 という‘誇大広告’に似ています。
      ■         ■
 美容整形も電子申告も、
 決して簡単ではありません。
 まず、電子認証という、
 聞いたこともないような言葉が登場します。
 医者の言葉、
 『予後6ヵ月』よりよほど難解です。
      ■         ■
 一般的になったネットバンキングでは、
 銀行から送られてきた、
 ID、パスワード、乱数表などで、
 比較的簡単にログインができます。
 郵貯銀行の振込みも便利だと思います。
 必要な書類は、すべて銀行が準備してくれます。
      ■         ■
 電子納税は、
 税務署から立派なケースに入ったCDが届きますが、
 電子認証に必要なカードは、
 自分で準備する必要があります。
 つまり、銀行でしたら、
 キャッシュカードは銀行が準備してくれますが、
 電子申告に必要な、
 個人認証カードは自分で準備します。
      ■         ■
 まず、これが厄介です。
 一番安く入手できるのが、
 住民基本台帳カードです。
 税務署から送られてきた書類には、
 どこでこのカードを作るか書いていません。
 自分で調べなさいというスタンスです。
 市町村や都道府県によって、
 料金や手続きが異なっているようです。
      ■         ■
 愚かな私は、まず区役所に行きました。
 住民登録は区役所で行います。
 婚姻届も死亡届も区役所です。
 住民に関するカードだから、
 ‘当然’区役所だろうと思いました。
 そこが、そもそも間違いでした。
      ■         ■
 札幌市の場合は、
 札幌市役所本庁の2階でしか発行してくれません。
 区役所に行っても、
 取次ぎもしてくれません。
 そんなこと、電子申告の書類に、
 一枚、紙に書いて入れてくださいよぉ!
 と言いたいところです。
 税務署から来た書類には、
 札幌市役所本庁行ってください
 という紙は入っていません。
      ■         ■
 市役所に行くと、親切に教えてくれました。
 カードに貼る写真も必要です。
 発行手数料は1,000円です。
 500円とHPに書いてありますが、
 電子申告をするためには、
 追加で500円が必要だと言われます。
 私の父(82歳)は、これを間違って、
 2回も市役所に行く羽目になりました。
      ■         ■
 電子申告をするための、
 電子認証は、
 2年毎に、
 住民基本台帳カードを、
 書き換えることも必要です。
 ですから、2年に一度は
 札幌市役所本庁2階へ行って、
 500円の手数料を払い、
 カードを更新する必要があります。
      ■         ■
 いまどき、どこのクレジット会社でも、
 2年ごとのカード更新なんてありません。
 いかにもお役所仕事という感じです。
 それでも、
 税務署から来る書類には、
 ‘簡単便利’な電子申告という…
 感じの広告が入ってきます。
      ■         ■
 公正取引委員会の人に、
 電子申告をしていただき、
 ‘簡単’かどうか確認していただきたいです。
 電子申告の広告宣伝に
 たくさんの税金が使われています。
 その分を、ガソリン税から引いて、
 道路を使わない、
 漁業者に、
 一刻も早く、
 ガソリンを安く提供して欲しいです。
 納税者は怒っています!

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医学講座

札幌の女性喫煙率

 平成20年7月17日、北海道新聞朝刊の記事です。
 喫煙率
 札幌の女性全国の倍
 前回調査より減少も
 高水準変わらず
 札幌市は7月16日までに、
 同市内の成人女性の2006年の喫煙率が
 全国平均の約二倍に当たる
 19.5%にのぽったとする調査結果をまとめた。
 男性は全国と同水準の39.9%。
      ■         ■
 男女ともに2000年の前回調査からは減少しており、
 市保健所は「職場の分煙や、
 経済的な問題で禁煙は進んでいる」
 と分析している。
 厚生労働省の2006年の喫煙率調査によると
 全国平均は男性39.9%、
 女性10.0%。
      ■         ■
 札幌市は、「市健康づくり基本計画」 
 (2003-2012年)の進ちょく状況を確認するため、
 2006年11月、
 市内の2,244人を対象に
 アンケート方式で喫煙率を調べた。
 同様の調査は2000年、
 同計画策定に向けて実施したのに次いで二度目。
      ■         ■
 女性の喫煙率は前回比5.9ポイント減だが、
 依然、高水準。
 妊婦の喫煙率も13%(前回比5.7ポイント減)と高い。
 全国の妊婦喫煙率は調査方法が異なるが7-8%程度。
 同市は
 「早産や低体重児など
 赤ちゃんに悪影響を与えることを訴えていきたい」
 としている。
 男性は前回比13.3ポイント減少した。
      ■         ■
 アンケートでは、
 喫煙者でも
 「たばこをすぐにでもやめたい」
 「そのうちやめたい」
 と回答した人が計47.6% (同10.8増)に上った。
      ■         ■
 また、たばこを吸い始めた年齢は
 十歳代が42.1%と高く、
 うち15歳以下が7.1%を占めた。
 市は小学六年と中学一年を対象に、
 たばこの害を伝えるパンフレットを配布するなど
 未成年者の喫煙防止に力を入れている。
 (以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 何度も申し上げています。
 タバコは美と健康の大敵です。
 タバコを吸うとお肌はボロボロ、
 口の中、のど、肺まで、
 発癌物質を撒き散らします。
 環境も汚染します。
      ■         ■
 小学校、中学校から、
 女子でもタバコを吸う人がいます。
 私が札幌西高校の生徒だった、
 30年前にも、
 タバコを吸っている女生徒がいました。
 キレイにお化粧している女性が、
 タバコをスパスパ吸っているのは、
 医学的に見てとても残念なことです。
      ■         ■
 タバコが1,000円になってから、
 止めるよりも、
 今から禁煙しましょう。
 これから妊娠・出産を予定なさっている方は
 赤ちゃんのためにも禁煙してください。


◎成人の喫煙率◎
 (以上、北海道新聞より引用)

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税の電子申告親切な手引を

 平成20年7月13日、朝日新聞朝刊、
 声の欄への投稿記事です。 
 税の電子申告
 親切な手引を
 無職 藤村義雄(埼玉県杉戸町70)
 「税務署、電子申告水増し」(7月10日朝刊)を読み、
 今年はじめて電子申告をした時の
 苦い経験を思い出しました。
 パソコンを使っての申告操作の後、
 税務署から
 「送信されたデータを受け付けました」
 とのメールを受け取り、
 この文言で申告書の提出が済んだと理解して、
 銀行の現全自動出入機から
 納税額を振り込みました。
      ■         ■
 ところが、5月に入って税務署から
 「確定申告書が提出されていない」
 旨の知らせがありました。
 「最後の確認の操作がされなかったために
 未受理の扱いで、
 納付されたお金は
 所得税であるとは確認できない」
 というのです。
      ■         ■
 結果として
 電子申告による最高5千円の
 控除を受けられなかっただけでなく、
 未申告として
 追徴金2万円余りを納めました。
 このシステムは煩雑で
 理解に苦しむ操作が必要なうえ、
 受理されなかったことが
 分かるような案内もありません。
      ■         ■
 申告操作ミスの場合、
 少なくとも初回は
 追徴対象としないという配慮が
 必要ではないでしょうか。
 不服の場合には
 申し出よとのことですが、
 不満ながらも追徴に従い、
 来年からは、
 また手書きに戻ろうと思っています。
 (以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■
 本当にお気の毒なお話しです。
 国税局は多額の広告宣伝費を使って、
 電子申告を普及させようとしてます。
 私は、今年、電子申告をしました。
 PCの操作には慣れているつもりですが、
 私でも申告に1時間以上かかりました。
      ■         ■
 私の家は、光回線が入っています。
 通信速度も早い方だと思います。
 PCはメール送信や、
 こうして日記を書くのに使っています。
 何不自由なく毎日PCを使っていますが、
 電子申告は正直なところ疲れました。
      ■         ■
 税のシステムを理解していないと、
 そもそも電子申告は難しいと思います。
 また、ファイルの送信にも時間がかかります。
 申告用ソフトの更新があるため、
 その度にダウンロードの時間がかかります。
 まだまだ、発展途上というのが、
 正直な感想です。
      ■         ■
 それなのに、国税局が作ったポスターには、
 ‘税務署らしくない’、
 可愛らしい緑のロゴまで作って、
 いかにも‘簡単便利な’電子申告、
 というイメージを‘売り’にしています。
      ■         ■
 私は、税務署に文句を言いました。
 e-Taxの広告は誤解を招く、
 誇大広告だと!
 税務署の担当者ですら、
 自分でe-Taxで申告をしていませんでした。
 担当者に‘あなたの親にできるか?’
 と尋ねたねたところ、
 正直なところ無理だろうと返答されました。
      ■         ■
 公正取引委員会に文句を言って、
 誇大広告を改善してもらいたいくらいです。
 電子申告は、
 銀行のネットバンキングと
 同じ感覚で、やろうとすると、
 必ず失敗します。
 もし電子申告をするのなら、
 最初は税務署へ行って、
 税務署の担当者についてもらって、
 申告をすることをおすすめします。
 決して簡単ではありません!

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Gatewayのサポート

 私はPCをよく使います。
 今、この日記を書いているのが、
 GatewayのPCです。
 昨日、クリニックのGatewayの電源コードが
 ちょっとした拍子に抜けました。
 電気の火花がバシバシといい、
 嫌な予感がすると…
 再起動しません。
 困りました…
      ■         ■
 GatewayのHPを見ました。
 なんと、チャットによるサポートがありました。
 必要事項を入力すると、
 しばらくして、お助けマン(ウーマン?)が
 さっそうと、チャットに出てくださいました。
 仕事をしながら、
 クラッシュしたのとは別のPCで…
 お助けマンに呼びかけました。
      ■         ■
 一度にどの程度のサポートを
 フォローしていらっしゃるのか?
 私にはわかりませんが、
 ものの見事に、
 解決策を見つけてくださいました。
 本当に助かりました。
 クラッシュしたPCは無事に復活。
 わずかに時間が狂っていただけでした。
      ■         ■
 以前はSONYのVAIOを好んで使っていました。
 ところが、SONYのサポートは電話回線だけ。
 夜間は当然お休み。
 そのサポート電話も、
 なかなかつながりませんでした。
 ようやくつながって…
 サポートのお兄さんと‘運良く’お話しできても、
 なかなか解決できませんでした。
      ■         ■
 一度はサポートのお兄さんと、
 喧嘩になったこともありました。
 説明書にもハードディスク増設が書かれていて、
 購入した店(今はない大塚商会)で、
 購入時に増設したハードディスクがついていました。
 SONYでは、
 そのハードディスクがついていると…
 サポートできないので、
 ハードディスクを外して送るように指示しました。
      ■         ■
 内蔵増設ハードディスクを外すなんて、
 私には簡単にできません。
 そのハードディスクが故障の原因となっている
 可能性もあります。
 結局、そのVAIOは
 DEPOツクモ札幌店で修理していただきました。
 それから、VAIOややめて
 GatewayやeMachinesを購入しています。
 札幌美容形成外科でも、
 できる限り、お客様サポートをしています。
 時にはお叱りを受けることもありますが、
 年中無休でメール相談も受け付けています。 

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医療問題

難解な医者の言葉

 平成20年7月8日、朝日新聞朝刊の記事です。
 わかりますか?
 「予後6ヵ月」
 医師の言葉にメス
      ■         ■
 「予後(よご)は6ヵ月です」
 「腫瘍(しゅよう)マーカーが下がったので、
 化学療法(かがくりょうほう)が効いている」。
 医師に説明された言葉を、
 あなたは、
 どこまで理解できますか。
 国立国語研究所(東京都立川市)が、
 患者が分かりづらい
 医師の言葉100語を選んだ。
 来春までに、
 言い換えや
 分かりやすく伝えるための指針をまとめる。
      ■         ■
 理解しづらい医学の専門用語に選ばれたのは、
 予後のほか、
 QOL(生活の質)、
 寛解(かんかい)、
 合併症(がっぺいしょう)、
 浸潤(しんじゅん)など。
      ■         ■
 国語研が行った市民アンケートで、
 医療・福祉分野の言い換えの要望が高かった。
 これを受け、
 昨秋、
 杉戸清樹所長を委員長に、
 医師やコミュニケーション学の研究者ら24人で
 「病院の言葉」委員会を設置。
 「よく使われるのに、
 患者が分かりづらい」
 100語を選んだ。
      ■         ■
 これらの言葉について、
 診療上の重要度や患者らの理解の難しさ、
 実際の使われ方を、
 医師3千人、
 看護師・薬剤師1280人に尋ねた。
      ■         ■
 それぞれ650人、
 995人からの回答を分析すると、
 「必要度が高いのに、とても難しい」
 とされた言葉に
 「HbA1c」
 「予後」
 「ステロイド」
 などが浮かんだ。
 ただ、
 言い換えや説明なしで使っている医師は、
 この3語で
 6%、
 10%、
 23%いた。
      ■         ■
 委員会は、
 患者・家族に説明する際、
 「どんな用語が
 理解してもらうのに難しいと感じたのか」も、
 内科、外科、産婦人科、小児科の
 医師300人に尋ねた。
 その結果、
 様々な混乱が起きていることが分かった。
      ■         ■
 たとえば、
 白血病などで症状が
 一時的または継続的に
 消えた状態を示す寛解を、
 治ったととらえられた
 ▽治療することで起こりうる合併症を
 ミスと思われた――。
      ■         ■
 こうした状況に、
 委員の稲葉一人・中京大法科大学院教授は
 「専門用語の言い換えの問題ではなく、
 インフォームド・コンセント
 (十分な説明と同意)
 自体が問われている」と指摘。
 委員会は、
 分かりやすく伝えるための
 具体的な工夫を提案する。
 100語はホームページ
 (http://www.kokken.go.jp/)に掲載しており、
 今後の検討内容なども公開していく。
 田中牧郎・国語研言語問題グループ長は
 「患者が、なじみのない医学用語を理解するのは難しい。
 専門家が分かりやすく伝える工夫をする必要がある。
 その手引きにしたい」と話す。(小西宏)
      ■         ■
■分かりづらいとされた言葉の例
●予後(よご)
 病気やけがが、どうなるかの見通し、
 ただし、内容は、余命のことなのか、
 機能の回復なのかなど、病気や傷害によって異なる。
●腫瘍(しゅよう)マーカー
 がんの変化を把握する目印の一つ。
 がんの中には、
 そのがんが特徴的に作り出し、
 血液中に出てくる物資がある。
 それを目印にすれぱ、
 抗がん剤の効き目の目安にしたり、
 再発を疑ったりできるなど経過観察に役立つ。
●化学療法(かがくりょうほう)
 もともと感染症を化学物質で治療することを意味していたが、
 今は主に抗がん剤治療のことをいう。
●寛解(かんかい)
 症状が消えていたり、
 好転していたりする状態。
 血液がんなどの治療でよく使われるが、
 再発もあるため、
 「完治|とは意味が異なる。
●浸潤(しんじゅん)
 がんなどの細胞がまわりの組織に入り込んだり、
 壊したりしている様子。
 病気の広がりを示していることが多い。
●HbA1c(ヘモグロピンエーワンシー)
 平均的な血糖値を反映する指標。
 糖分が多いと増え、
 糖尿病の診断や管理の目安になる。
 (以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■
 確かに、わかりずらい言葉がたくさんあります。
 でも、下に出した100の言葉のうち、
 高校までの生物で習う言葉もたくさんあります。
 たとえば、インフルエンザって知らない人がいます…?
 インフルエンザをどう言い換えるのでしょうか?
 日本語に直して、
 流行性感冒ですか?
      ■         ■
 ウイルスもそうです。
 病毒というのが、
 日本細菌学会が
 Virusを最初に翻訳した日本語です。
 ウイルスも細菌も中学校までに習います。
 このままの方が混乱しない言葉が、
 たくさんあるように思います。
      ■         ■
 ‘わかりやすい言葉’で説明することは大切です。
 私は、先輩から、
 患者さん(相手)のレベルに合わせて
 話すように教えられました。
 子どもには、子どもがわかりやすいように。
 医療関係者には、
 少し難解な言葉でもより専門的に。
 相手の立場に立って話すようにしています。
      ■         ■
 わかりにくい言葉はたくさんあります。
 そもそも、
 インフォームドコンセントなんて言葉がわかりません。
 しっかり、十分に説明をして、同意を得ると
 わかりやすい言葉にすべきです。
 世の中には、わかりにくい言葉がたくさんあります。
 ワンセグって何?
 82歳になる私の父は知らないと思います。
      ■         ■
 医者の言葉を、理解することも大切だと思います。
 私は、
 HbA1c(ヘモグロピンエーワンシー)は、
 言い換えない方がいいと思います。
 外国へ行っても
 HbA1c=5.0
 と書けば、外国の先生は理解してくれます。
 医者の言葉がわかるようになると、
 医学論文を読んでも理解できるようになります。
 下の100の言葉のうち、
 私はいくつも???と思う言葉がありました。
 国立国語研究所の先生に、
 もう少し考えていただきたいと思いました。
      ■         ■
■患者が分かりづらい言葉100語
 悪性腫瘍、悪性リンパ腫、イレウス、インスリン、院内感染、インフォームドコンセント、インフルエンザ、ウイルス、鬱血(うっけつ)、鬱病(うつびょう)、壊死(えし)、エビデンス、炎症、黄疸(おうだん)、介護老人保健施設、ガイドライン、潰瘍(かいよう)、化学療法、かかりつけ医、合併症、カテーテル、川崎病、癌、寛解、肝硬変、間質性肺炎、緩和(かんわ)ケア、既往歴(きおうれき)、狭窄(きょうさく)、狭心症(きょうしんしょう)、虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)、クオリティーオプライフ、クリニカルパス、グループホーム、ケアプラン、血栓、血糖、抗癌剤、膠原病、抗生剤、抗体、誤嚥(ごえん)、コンプライアンス、集学的治療、重篤(じゅうとく)、腫瘍(しゅよう)、腫瘍マーカー、ショック、自律神経失調症、心筋梗塞、浸潤、振戦、腎不全、髄膜炎、ステロイド、生検、セカンドオピニオン、喘息、譫妄(せんもう)、塞栓(そくせん)、尊厳死(そんげんし)、ターミナルケア、対症療法、耐性、治験、統合失調症、糖尿病、動脈硬化、頓服(とんぷく)、肉腫(にくしゅ)、熱中症、ネフローゼ症候群、脳死、ノロウイルス、敗血症、肺水腫、白血病、日和見感染(ひよりみかんせん)、貧血、副作用、プライマリーケア、ホスピス、ポリープ、慢性腎不全、メタボリックシンドローム、免疫(めんえき)、予後、リスク、臨床試験、レシピエント、ADL(日常生活動作)、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、CT(コンピューター断層撮影)、DIC(播種性血管内凝固症候群)、EBM(根拠に基づいた医療)、HbA1c(血糖レペルの判定値)、MRI(磁気共鳴断層撮影)、MRSA(メチシリン耐性黄色プドウ球菌)、PET(陽電子放射断層撮影)、QOL(生活の質)
(以上、朝日新聞より引用)

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医学講座

ラップ療法の問題点

 昨日(平成20年7月12日)、
 日本形成外科学会、
 北海道東北支部学術集会が開かれました。
 日本形成外科学会には、
 毎年春に行われる、学術集会、
 秋に行われる、基礎学術集会、
 その他、各地方単位で行われる、
 通称‘地方会’があります。
      ■         ■
 北海道と東北は、同じ一つの支部です。
 地理的に近いので、同じ支部になっています。
 ところが、札幌⇔仙台でしたら、
 飛行機の便数もある程度ありますが、
 岩手(花巻)
 弘前(青森)
 福島(福島)
 は、札幌⇔東京よりも不便です。
      ■         ■
 ですから、
 北海道は北海道だけで
 東北は東北だけで地方会をしています。
 年に一度だけ、
 北海道と東北が合同で地方会を開催します。
 一年ごとに、北海道と東北で交代でしています。
 今年は札幌なので、
 来年は東北で開催されます。
      ■         ■
 昨日の学会で、
 ラップ療法の問題点が議論になりました。
 外傷(ケガ)や熱傷(ヤケド)の患者さんに、
 サランラップを巻いて治す方法を、
 推奨している先生がいらっしゃいます。
 われわれの間では、
 ラップ療法と呼ばれています。
 昨日、学会で発表されたのは、
 形成外科以外の先生が、
 熱傷(ヤケド)の患者さんに、
 サランラップを巻いて治療し、
 悪化してしまった症例でした。
      ■         ■
 熱傷(ヤケド)は一番身近な外傷です。
 日本熱傷学会には熱傷専門医制度があります。
 熱傷専門医でなくても、
 誰でもヤケドの治療はできます。
 ところが…
 キレイに早く治せるかどうかが
 専門医の腕の見せどころになります。
 ヤケドには、先日もお話ししたように、
 深さによる違いがあります。
      ■         ■
 ある程度、深いヤケドはアトが残ります。
 手術が必要になることもあります。
 できるだけ、手術をしないで、
 キレイに痛くなく治すには、
 コツもポイントもあります。
 初期治療という、
 最初の治療がうまくできないと、
 後遺障害を残します。
      ■         ■
 ラップ療法のすべてが悪いのではありません。
 どんなに素晴らしい器械や薬にも、
 副作用があります。
 使い方を誤ると、
 とんでもないことになります。
 私が申し上げたいのは、
 ヤケドにサランラップを巻いたら、
 それだけで治りますというのは…
 大きな誤りです。
      ■         ■
 昨日の学会で出された症例(4例)は
 いずれも、サランラップを巻いていた部位に、
 感染を生じて、
 キズが深くなってしまっていました。
 最初から別の治療を受けていれば、
 もっと早く治ったのに…
 と残念に思いました。
 札幌市内でヤケドの治療が上手なところは、
 時計台記念病院
 形成外科・創傷治療センターです。
 私も昔、形成外科メモリアル病院の時代に勤務しました。
 困っていらっしゃる方は、こちらでご相談ください。

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10年目のお礼

 平成20年7月12日、
 朝日新聞朝刊-声-の欄への投稿です。
 10年前の手術
 お礼され感激
 心臓外科医
 泉本浩史(秋田市51)
      ■         ■
 「先生、私を覚えていますか。
 先生に手術していただき、
 こんなに元気です」。
 先月末、
 通院する盛岡市内の医院で、
 初老の女性に話しかけられ、
 びっくりした。
 これまで5、6千人の手術に携わったが、
 意外にそれぞれを覚えている。
      ■         ■
 約10年前、
 手術後の脳出血から手足がまひ、
 失語症になった方だ。
 私は、
 予後を心配していた。
 横浜で療養後、
 レストランの裏方として働くほどに快復。
      ■         ■
 今は古里に帰り、
 夫と年金生活という。
 彼女は毎日、
 私に治療してもらったが、
 しゃべれなくて礼も言えなかった。
 それが心残りで、
 私の顔を脳裏に焼き付けていたから
 「一目で、すぐ分かりました」。
 そして
 「ありがとうございました。
 今日、先生に会えて良かった」
 と話した。
      ■         ■
 なんと幸せなことか。
 患者さんとの再会から、
 言葉や動作が不自由な患者さんとの
 接遇の大切さを再認識した。
 明日からまた、
 自分の目標とする
 手術を極めていきたい。
 10年目の「ありがとう」に、
 ありがとう!
 (以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■
 今朝、朝日新聞を読んでいた家内が、
 「お父さん、いい話が載っている」
 と教えてくれた記事です。
 私は、投稿者の先生とは面識がなく、
 心臓外科医でもありません。
 医者冥利につきるのは、
 やはり患者さんから感謝された時です。
      ■         ■
 昨日、
 たまたま2年前に手術した方が
 札幌美容形成外科へいらしてくださいました。
 手術の痕がまったくわからないくらい
 キレイでした。
 「先生に手術していただいたおかげです。」
 これほど嬉しい言葉はありません。
      ■         ■
 私が手術をした、すべての方に
 100%満足していただいているのではありません。
 時には苦言を呈されたり、
 キズが目立っている方もいらっしゃいます。
 私は、出来る限りのことをしています。
 時間がかかっても少しずつよくしてゆきます。
      ■         ■
 医師になってよかったなぁと思うのは、
 人の役にたっていると感じた時です。
 塩谷先生がブログで、
 85歳まで現役内科医をなさった、
 お父様のことを書かれていました。
 診療科目を問わず、
 少しでも人の役に立って、
 他人に喜んでいただけるのが、
 医師という職業の一番の魅力だと思います。

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国内ブログ単行本2700万冊分

 平成20年7月10日、朝日新聞朝刊の記事です。
 国内ブログ
 単行本2700万冊分
 総務省調べ
 インターネット上で公開されている
 国内のブログが2008年1月末現在で
 約1690万件あり、
 記事総数は約13億5千万件と
 単行本約2700万冊分のデータ量に相当することが、
 総務省の情報通信政策研究所の調査でわかった。
 今月中に報告書をまとめ、ホームページで公表する。
      ■         ■
 日本語のブログサービスサイトを使って
 開設されたブログを国内ブログと定義した。
 調査によれば、
 ブログの総数は2004年以降急激に増え、
 2006年1月に1千万件を突破した。
 1ヵ月に1回以上更新されるブログは
 約300万件で全体の2割弱。
 毎月40万~50万件のブログが新設されている。
      ■         ■
 ブログを開いた動機として最も多いのは、
 日々の出来事を伝えたいといった
 「自己表現型」の30.9%。
 子育てなどの情報のやりとりを重視する
 「コミュニティー型」が25.7%、
 趣味に関する情報を整理した
 「アーカイブ型」が25%、
 「収益目的型」が10.1%、
 知識を発信する
 「社会貢献型」が8.4%だった。
      ■         ■
 調査は、
 ネット上の情報を自動収集するシステムと
 アンケートでデータを集めて推計した。
 2007年4月に公表された
 米国のブログ検索企業の調査では、
 世界に7千万件以上のブログがある。
 日本語の発信量が37%で一番多く、
 36%が英語、
 8%が中国語だという。(木村和規)
(以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■
 間違いなく、私の日記もこの中の一つです。
 平成18年10月22日(日)からはじめています。
 私の日記の目的は、
 私の形成外科とか美容外科に対する考えを
 少しでも知っていただきたいという思いではじめました。
 まさか、毎日更新して…
 こんなに長く続けるとは夢にも思っていませんでした。
      ■         ■
 日記を毎日更新するのは、
 正直なところつらいことがあります。
 特に、落ち込んでいる時、
 元気がない時に、
 ‘元気なフリ’をして書かなければならないのが、
 正直なところ、一番つらいです。
      ■         ■
 そんな時は、
 高橋智(さとる)先生のSammy’sダイアリーを読んだり、
 塩谷先生のブログを読んだりして、
 元気をいただいて、
 よっこらしょ!
 とかけ声をかけて書いています。
      ■         ■
 おかげさまで、
 アクセス数は開設当初に比べると、
 飛躍的に伸びています。
 マスコミの方から取材を受けたこともあります。
 毎日コメントをくださる、
 さくらんぼさんにも元気をいただいています。
 今日も最後まで読んでいただき、
 本当にありがとうございます。
 できる限り長く続けたいと考えています。
 拙い(つたない)日記ですが、
 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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院長の休日

クライマーズ・ハイ

 今日は休診日だったので、
 映画を見に行きました。
 クライマーズ・ハイです。
 映画は、めったに見に行きません。
 この映画はたまたま、
 朝のTV、とくダネ!で紹介されていたので
 行ってみました。
      ■         ■
 映画を見に行くまでは、
 日航ジャンボ機事故の映画だと思っていました。
 たしかに、ジャンボ機事故の映画でしたが、
 内容は新聞社の内部事情。
 編集局と販売部の関係など、
 私にとっては興味深いものでした。
      ■         ■
 映画は高いものだと思っていました。
 行っても混んでいて、
 なかなか希望する席に座れないと思っていました。
 ところが、
 夫婦50割引という割引がありました。
 夫婦のどちらかが50才以上で、
 同じ上映回を鑑賞の場合は一人1,000円です。
 年をとって、いいこともあるものです。
      ■         ■
 今日は家内と行ったので、
 二人で2,000円でした。
 しかも、
 前の日に券を買い、
 座席指定までしてくれました。
 並ぶ必要もなく、
 とても快適に映画鑑賞ができました。
 ネットで予約もできるようです。
      ■         ■
 クライマーズ・ハイはいい映画でした。
 日航機の墜落現場も、
 新聞社の雰囲気も、
 実にリアルに再現されていました。
 映画館の音の良さにも驚きました。
 自宅でDVDやビデオを見るのとはエライ違いです。
 椅子も快適でした。
      ■         ■
 クライマーズ・ハイを見て感じたこと。
 これから新聞社に就職を希望している、
 学生さんに見て欲しいと思いました。
 新聞製作の大変さを感じました。
 他紙を‘抜く’ことの大変さ。
 地方紙と全国紙の戦いなど…。
 またあらためて…
 日航機事故で亡くなられた方や
 ご家族の無念さを感じました。
 夫婦二人で2,000円でしたら、
 また別の映画も見に行こうと思いました。
 今日はよい一日でした。 


JR札幌駅
ステラプレイス7階
札幌シネマフロンティア

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