医学講座
粉瘤(ふんりゅう)の手術2017③
粉瘤の手術で必ず聞かれることです。
きずは残りますか?
残念ですがキズは残ります。
形成外科では、
なるべくきずが目立たないように手術をします。
うちの手術はキズが残りません。
特殊な器械を使ってします。
きずが残らない粉瘤の手術は
自由診療で15万円です
…というのは信じてはいけない形成外科です。
■ ■
日本形成外科HPの記載です。
感染のない場合は手術的に摘出します。腫瘍の直径の1~2倍の長さで開口部を含めて紡錘形に皮膚切開をして内容物を袋ごと摘出し、皮膚縫合した後の傷をシワに沿わしたり、くさび形に切除したりして出来る瘢痕を目立たなくします。時には顔面の場合など傷をより綺麗にするために、開口部の皮膚と内壁をくり抜いて内容物を排出した後に嚢腫壁を摘出すると、腫瘍の大きさに比べて傷が小さく目立たなくできます。
感染のある場合、それが軽い場合は、抗生剤や抗炎症剤の投与で鎮静化させてから摘出します。感染が高度の場合は、一度、切開・排膿して開放治療(軟膏治療)を行い、傷が落ち着いた後、期間を置いて摘出します。しかし、感染のない場合に比べて治療期間が長くなり、キズ跡も劣ります。
■ ■
形成外科学会HPに書いてある方法がふつうの手術法です。
ネットで調べると、
粉瘤のへそと呼ばれる、
開口部周囲を小さく切開して、
キズを目立たせなく摘出する方法を書いたクリニックがあります。
確かに有用な方法です。
私が、
粉瘤の手術ふんりゅうの手術に書いた、
手術用顕微鏡を使ってする手術もその一つの方法です。
昔、慶応大学医学部形成外科の先生が発表された論文にあります。
■ ■
気を付けなければいけないのが、
小さな切開で摘出できるのは、
硬くてころころした粉瘤だけです。
大部分の人が、
こりゃ~
手術しないとダメだなぁ~
…と覚悟するのは、
粉瘤が赤く腫れて痛くなった時です。
■ ■
この時には、
粉瘤の嚢腫のうしゅの壁が一部とけてしまっています。
完全に摘出できない可能性があります。
袋が破れた粉瘤を、
小さな切開で完全に摘出するのは、
きわめて困難なことがあります。
病理検査に出しても、
粉瘤という病理診断が難しいことがあります。
■ ■
粉瘤が、
できやすい人がいます。
一度、粉瘤ができた人は、
顔を洗う時などに、
ころころとしたしこりがないか?
よく注意して触ってください。
ころころがあったら、
早目に手術でころころを取ってもらってください。
小さくて、
硬い粉瘤は
傷あとを目立たせずに摘出することができます。
粉瘤も早期発見早期治療です。
“粉瘤(ふんりゅう)の手術2017③”へのコメント
コメントをどうぞ
粉瘤の手術をしていただきましたが、背骨は真ん中を切りますが、粉瘤は背中の右下にあったのでしっかり傷は残っています。軽く考えていた私は皮膚科の先生に巻き爪と背部の粉瘤を一度に取ってくださいとお願いしたのですが、全身麻酔にして欲しかったです。痛くて汗びっしょりでした。暑いのになんであんな厚いシートみたいな物をかぶせられるんでしょうか?汗でびっしょりでした。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。手術時には滅菌した被布おいふと呼ぶシートをかけます。昔は布製でしたが今は使い捨ての不織布を使う病院もあります。不織布には水を通さない防水シートのようになっているものがあり通気性もなく暑いです。札幌美容形成外科では昔ながらの布製です。それでも暑いです。粉瘤と巻き爪を全身麻酔で手術は(おそらく)保険で査定されるので無理だと思います。
思えば父が通所してる
デイサービスの利用者さんに
顔に粉瘤と思われるものが出来たのでは?
と思われる方がいらっしゃいます。
ケアマネさんはイボだと言ってましたが
以前より大きくなってましたので
どうなのか、わかりません。
私なら取ってもらいますが
高齢な方なので気にしてないのかもしれません。
早期発見に努めます。
今日もありがたい知識でした。
ありがとうございました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。高齢者でも感染すると大変なのでよほど全身状態が悪くなければ手術するのがいいです。血液さらさらの薬を内服していると大変なことがあります。
どのような病気でも早期に発見、治療が
大切なんですね。そのうちに治るだろうの
考えが後に大変な事になったら怖いと
改めて思います。
高校生の息子の顔にニキビが多く、
もしかしたら粉瘤の可能性もあるのかと
気になっています。
今度、皮膚科を受診させようかと思います。
今日も院長日記ありがとうございました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。高校生のご子息の顔にあるのはおそらく粉瘤ではないと思います。膿疱性座瘡のうほうせいざそうだと思います。皮膚科を受診なさって診察を受けてください。
専門的な事がいろいろあって勉強になります。いままで知らなかったのが幸いなのか?知識がなかったのが不幸なのか。まわりにできもので、悩む人はいませんでした。
ただ早期発見だけは肝に銘じてこれから観察していこうと思います。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。粉瘤は誰にでもどこにでもできる可能性があります。赤く化膿してからだと遅すぎるのです。硬くて小さなうちに手術で取るのが一番です。
粉瘤については、ほとんどの人はまず名前すら知らないと思います。
誰でも、どこにでも出来る可能性があるのですか。
早期発見、治療が大切だとは思いますが目に見える変化がないと、気づかないこともありますよね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。粉瘤をふんりゅうと読めない人もいると思います。高校までの保健体育では教えませんし知らなくて恥ではありません。赤くなってから取ろうと思っても壁がとけてしまっていることがあります。一度できた人はまたできると思っていただきたいです。早期発見で傷が目立たないように摘出することができます。
突然の質問で申し訳ありません
首の後(1センチ)と太もも(数ミリかと・・・・)に柔らかい粉瘤で着ました
傷が目立つのが嫌なので、へそぬき方を希望していますが
その術式は実施されてますでしょうか??
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
当院ではへそ抜きは実施していません。へそ抜きが目立たないとは限りません。
いきなりの質問で失礼致します。
私は現在、左脇の下に大きめ(2cm程)の粉瘤らしきものが2個あるのですが、こちらを摘出して頂くことは可能でしょうか?? また、料金などは個数や大きさで変わるんですかね?
もし手術可能であれば、保険が適応されるのかも教えていただきたいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
申し訳ありません。粉瘤は感染していて切開だけになる場合も多いので、まず近くの皮膚科を受診してください。
皮膚科を受診したところ、粉瘤と診断されました。
形成外科で切除してもらうよう指示され、特に紹介状などはなく、
そのまま形成外科の予約を入れるよう言われました。
念のための確認ですが、形成外科では粉瘤の切除は保険適用に
なりますか?
準備が必要なので、目安の治療費を知りたいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
保険医療機関であれば粉瘤の手術は保険適応です。大きさや部位によって治療費が違います。受診される医療機関に問い合わせてください。