院長の休日

やなせたかしさんの本

 今年の夏休みは富良野へ行きましたが
 あいにく天気は小雨でした。
 今まで気になりながら…
 行ったことがなかった、
 アンパンマンショップふらの店に行きました
 全国のアンパンマンショップの中で、
 東京と富良野だけが、
 やなせたかしさん直営のお店です。
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 恥ずかしながら…
 私はやなせたかしさんのことをよく知りませんでした。
 アンパンマンの作者であることや、
 手のひらを太陽にの作詞をしたことなどを、
 ぼんやりと知っていた程度です。
 富良野の山奥に、
 素敵なアンパンマンショップがありました。
 どうして富良野に、
 しかも北の国からの舞台となった
 麓郷ろくごうなのかわかりませんでした。
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 雨だったこともあり、
 アンパンマンショップ2階にある、
 ギャラリーでやなせさんの絵をゆっくり見ました。
 私にはフランスの印象派より、
 アンパンマンの世界が合っていました。
 やなせたかしさんの本もたくさんありました。
 いいことがたくさん書いてありました。
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 私が気に入ったのは、
 93歳・現役漫画家。病気だらけをいっそ楽しむ50の長寿法という本です。
 字が大きくて読みやすいですし、
 人生はおもしろがらなければ損など、
 楽しい生き方がたくさん書いてあります。
 もうすぐ61歳になるから、
 元気が出ないなぁ

 …と思っていた私には衝撃的でぴったりの本でした。
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 本のはじめにです。
 1919年(大正8年)2月6日、高知県生まれ、AB型。
 僕は、今年93歳になりました。
 65歳まで仕事をしたら引退し、カミさんに見守られながら、ささやかな人生の最期を迎える。
 そんなふうに考えていたのですが、人生というのは想定通りにはいかないものです。
 漫画家としてなかなかヒット作が出なかったのが、「まもなく60歳」というころになって、なんとアンパンマンが大ヒット。65歳のころは仕事に追われ、引退どころではありませんでした。
 そして、74歳のとき、ひとつ年上だったカミさんが、ガンで亡くなり、先に逝ってしまったのです。
 93歳、現役漫画家。
 こんなふうになるとは思っていませんでした。想定外です。
 みなさんは「いつまでもお若いですね」とおっしやってくださいますが、実際は病気だらけ。本人としては4分の3は死んでいる感じです。
 77歳の喜寿のころまでは元気で、「やなせさんは万年青年だね」と人からおだてられては、いい気分になり、自分がいくつかなんてすっかり忘れていました。
 ところが、その後はまるで坂道を転げ落ちるように病気、また、病気。まさに“病気の総合商社”“十病人”です。
 まあ、アンパンマンのなかにバイキンマンを登場させているくらいなので、ばい菌と闘うのはしかたがない。それでも生きながらえてこられたのは、運もよかったのですよ。
 僕が白内障を患い、左目がかすんで見えなくなったのは、日本でちょうど人工水晶体を入れる手術ができるようになった時期でした。当時はまだ3つの病院でしか、その手術ができなかった。
 また、心臓の冠動脈が細くなって詰まってしまったときには、そけい部の静脈からカテーテルを入れて血管を拡張し、ステント(金属製の管)を挿入するという手術をしたのですが、この技術が導入されたのも、僕の手術の前年から。ギリギリセーフでその手術の恩恵を受け、局所麻酔で手術は2時間。5日後には退院しました。
こんなふうに、なんとなくいいタイミングで病気になっている。だから、僕が生きているうちに、万能細胞を使った医療が一般化しないかと楽しみにしているのですが。
 さて、それはどうでしょう。
 93歳、病気だらけの“十病人”。
 でも、からだけ病気になっても、心は病人気分になっていません。
 病気になったらなったで、そこに楽しみを見つけ、おもしろがっているからかもしれません。
 最近、「やなせさんの長寿法を教えてください」とよく聞かれるようになりました。
 「秘訣といわれても、長寿になろうと思ってなったわけではないから、そんなものはない。もう4分の3は死んでいるんだ」と言うのですが、
 生活のあれこれを話すと、「それはおもしろい」「これは参考になる」とみなさんおっしやるので、本にまとめることになりました。
 僕が目指しているのは、ダンディならぬ“ダン爺”。
僕の“ダン爺生活”が、少しでもみなさんの参考になれば、長生きの甲斐もあるというものです。
やなせたかし

定価本体1,400円+税
発売日2012/9/27
ISBN9784093882675

 AMAZONでも買えます
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“やなせたかしさんの本”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    息子に聞いたのですが、やなせたかしさんの弟さんは戦争中、人間魚雷の特攻隊でなくなり、その弟を思いアンパンマンマーチを作ったと聞きました。アンパンマンは戦争中食べ物がなかったことと、正義から産まれたものだと思います。 その歌詞は 弟を思っていると思います。
    一昨年94才で亡くなったやなせたかしさんなのご冥福をお祈りいたします。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。そうなんですね。教えていただきありがとうございます。もう一冊、ぼくは戦争は大きらいという本も買ってきたのですが、まだ読んでません。じっくり読んでみたいと思っています。戦争は私も嫌です。やなせたかしさんが生きていらしたら、今の法案に反対してくださると思いました。ご冥福をお祈りいたします。

  2. なっちゅん より:

    やなせたかしさんは高校の頃、
    確か、詩とメルヘンという雑誌で知りました。
    詩の世界に憧れてました。

    高知県出身とか
    手のひらを太陽の作詞を手がけたとは知りませんでした。

    私も印象派より断然やなせたかしさんの方がいいと思うんじゃないかなと思います。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。なっちゅんさんは印象派がお似合いだと思っていました。高知県に行ってみたいです。

  3. はてな より:

    はじめまして。
    記事と関係なく恐縮です。
    もう25年も前になりますが札幌の今はない日美整形で埋没法で二重にしました。
    2〜3年で両方一重に戻ってしまい、それはもういいのですが、今になり頭のCTやMRIをMRA受ける事になりました。
    検査結果の説明を受けましたが残っているであろう糸について主治医には特に何も言われなかったのですが、糸は画像に写り込んでくるものでしょうか?
    二重にした事は誰一人知らぬ事なのでばれたくない気持ちが強く悩んでおります。
    主治医にさえ知られたくない気持ちがあります。
    今後も頭部検査の機会はありますので今のうちにカミングアウトした方がよいかと途方にくれております。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    心配無用です。話す必要はありません。頭部のCTやMRIの読影でまぶたの糸を見つけることはありません。どんなに診断機器が進歩しても25年前の糸は鮮明に写りません。手術で見つけようとしても見つからないこともあります。それより偏頭痛などが原因でCTやMRIを撮っているのでしたら、『2〜3年で両方一重に戻ってしまった』ということから眼瞼下垂症の疑いがあります。

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