医療問題
山形大学の事件⑤
山形大学の医療事故は、
山形大学医学部が
形成外科のこと、
手術を希望する患者さんのことを、
軽視したために、
起こるべくして起こったと考えます。
山形大学医学部が
いかに形成外科を理解していなかったか?
ということは、
発表された文書を見ても明らかです。
■ ■
2007年1月の調査委員会発足の会見で、
事故のことを附属病院長から
「生命と関係ないいわゆる美容的外科手術」
と発表されました。
2007年12月19日に、
【医療事故に係る手術名訂正について】と
山形大学医学部附属病院長山下英俊先生の名前で
と訂正の公示が出ています。
「美容的外科手術」を
「形成外科的再建術」
と訂正させていただきます。
という内容です。
■ ■
何のことか?
よくわからない方がいらっしゃると思います。
大学当局は、
「美容的外科手術」と
「形成外科的再建術」
の違いすら認識していなかったのです。
本間先生、何?言ってんの?
『美容形成外科』って言うくらいだから、
美容も形成も同じでしょ?
という方がいらっしゃると思います。
■ ■
そこが大きな違いなのです!
「形成外科的再建術」であれば、
保険適応で手術をすることができます。
「美容的外科手術」であれば、
大学病院といえども、
絶対に保険適応にはできません。
保険適応にならない、美容的外科手術を、
保険請求していたとします。
そうすると、不正請求になります。
■ ■
不正請求をした病院は、
保険医療機関の取消しになることもあります。
社会保険事務局の調査が入って、
山形大学医学部附属病院が、
保険医療機関の取消し処分を受けると、
さくらんぼさんも診療が受けられなくなります。
これは、
【重大な誤り】です。
ちょっと、文言を誤りましたで、
済むことではありません。
■ ■
もし、山形大学医学部が
形成外科専門医に相談をして、
報道発表をしていれば、
絶対に「美容的外科手術」とは書きません。
山形大学医学部HPの記載です。
【医療事故に係る手術名訂正について】
山形大学医学部附属病院は、
平成17年5月に本院で手術された患者様が
術後経過不良となった件について、
平成19年1月に調査委員会発足の会見をした際、
現病及び診療科名等から患者様が特定されないよう
「生命と関係ないいわゆる美容的外科手術」
の表現を用いました。
■ ■
平成19年3月の調査結果報告の会見をした際は、
調査結果を踏まえ、
手術名は
「形成外科的再建術」
と訂正し、
診療科名と共に公表いたしました。
この案件に関しては、
「美容的外科手術」を
「形成外科的再建術」と訂正させていただきます。
平成19年12月19日
山形大学医学部附属病院長 山下英俊
■ ■
もっともらしく発表していますが、
読む人が読めば不正請求の疑いがあります。
山形大学は荻野先生を処分して、
安全対策を万全にしたと公表しています。
ところが、実際には
事故の後も、
発表の後も、
何も変わっていません。
残念なことに、山形大学医学部には、
形成外科的再建術を必要とする患者さんを
これからどうしようという姿勢がありません。
同じような形成外科患者さんの手術で、
また事故が起こる可能性も考えられます。