昔の記憶
防災の日
今日は防災の日です。
私自身は災害の被害を
受けたことはありません。
ただ忘れられないのが、
札幌医大の学生だった時に経験した
有珠山の噴火でした。
■ ■
札幌医大第二内科では、
洞爺湖近くの壮瞥町(そうべつちょう)の
集団検診を実施していました。
壮瞥町(そうべつちょう)は、
横綱北の湖の出身地です。
小畑敏満(おばたとしみつ)さんが本名です。
私たち学生は、
第二内科が募集した
集団検診の学生アルバイトとして
検診のお手伝いをしていました。
■ ■
壮瞥町役場近くの旅館に宿泊して、
早朝から壮瞥町内の検診場所へ行き、
採血や心電図の準備などをしていました。
なかなか楽しいアルバイトで、
そのバイトをきっかけにして
第二内科に入局し、
循環器内科医となった友人も
たくさんいました。
北の湖のご両親も
検診にいらしたのを記憶しています。
■ ■
噴火があった時、
私は旅館の風呂に入っていました。
同級生が、
『本間、山が噴火したぞ!』
『窓から見えるから見てみろ!』
というので、
風呂の窓を開けて見たのを覚えています。
最初は青空に…
きのこ雲ができて…
‘すっげぇ~!’
てな、感じで眺めていました。
■ ■
すごい!と感動したのは、
最初のうちだけでした。
きのこ雲はみるみるうちに…
空全体に広がり…
あっという間に青空がなくなり、
夜のように真っ暗になりました。
真っ暗になったのが先か?
その後かは覚えていません。
稲妻が走り、
雷がゴロゴロごろごろと
大きな音を出したかと思うと、
あっという間に…
泥の大雨が降ってきました。
■ ■
『窓を閉めろ~!』
誰かが叫んだように思います。
旅館の屋根が抜けるか?
と思うほどの泥の大雨でした。
道路も通行止め。
避難しようにも、外へ出られません。
本当に怖い思いをしました。
幸いなことに、
ケガはありませんでした。
■ ■
それからしばらくは、
集団検診は中止となり、
私たち学生も、
道路にたまった火山灰の除去作業を
お手伝いしました。
一度しか経験したことがない、
火山の噴火ですが、
もう二度と体験したくはありません。
自然の驚異は恐ろしいものです。
札幌医大の学生だった時
後方に見えるのが有珠山
噴火はこの後で起こりました