昔の記憶

防災の日

 今日は防災の日です。
 私自身は災害の被害を
 受けたことはありません。
 ただ忘れられないのが、
 札幌医大の学生だった時に経験した
 有珠山の噴火でした。
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 札幌医大第二内科では、
 洞爺湖近くの壮瞥町(そうべつちょう)の
 集団検診を実施していました。
 壮瞥町(そうべつちょう)は、
 横綱北の湖の出身地です。
 小畑敏満(おばたとしみつ)さんが本名です。
 私たち学生は、
 第二内科が募集した
 集団検診の学生アルバイトとして
 検診のお手伝いをしていました。
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 壮瞥町役場近くの旅館に宿泊して、
 早朝から壮瞥町内の検診場所へ行き、
 採血や心電図の準備などをしていました。
 なかなか楽しいアルバイトで、
 そのバイトをきっかけにして
 第二内科に入局し、
 循環器内科医となった友人も
 たくさんいました。
 北の湖のご両親も
 検診にいらしたのを記憶しています。
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 噴火があった時、
 私は旅館の風呂に入っていました。
 同級生が、
 『本間、山が噴火したぞ!』
 『窓から見えるから見てみろ!』
 というので、
 風呂の窓を開けて見たのを覚えています。
 最初は青空に…
 きのこ雲ができて…
 ‘すっげぇ~!’
 てな、感じで眺めていました。
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 すごい!と感動したのは、
 最初のうちだけでした。
 きのこ雲はみるみるうちに…
 空全体に広がり…
 あっという間に青空がなくなり、
 夜のように真っ暗になりました。
 真っ暗になったのが先か?
 その後かは覚えていません。
 稲妻が走り、
 雷がゴロゴロごろごろと
 大きな音を出したかと思うと、
 あっという間に…
 泥の大雨が降ってきました。
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 『窓を閉めろ~!』
 誰かが叫んだように思います。
 旅館の屋根が抜けるか?
 と思うほどの泥の大雨でした。
 道路も通行止め。
 避難しようにも、外へ出られません。
 本当に怖い思いをしました。
 幸いなことに、
 ケガはありませんでした。
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 それからしばらくは、
 集団検診は中止となり、
 私たち学生も、
 道路にたまった火山灰の除去作業を
 お手伝いしました。
 一度しか経験したことがない、
 火山の噴火ですが、
 もう二度と体験したくはありません。
 自然の驚異は恐ろしいものです。 


札幌医大の学生だった時
後方に見えるのが有珠山
噴火はこの後で起こりました

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