医学講座
痛みの原因
一昨日書いた、家内の顎関節症は、
歯医者さんを受診して私の診断通りでした。
スプリントという樹脂製の薄い装置をつけて、
痛みは軽減しているようです。
アゴの病気なのに…
本人が訴えたのは…
『耳が痛い』
もう少しで、耳鼻科へ行くところだったと
少しは感謝してくれたようです。
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日常診療で困るのが、
痛みの原因です。
すぐにわかるものから、
今回のようにわかりにくいものまで、
痛みの原因は実にさまざまです。
経験を積んでも、
わからないことも…
間違うことも…
あります。
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赤く腫れているとか、
打撲のアトがあるとか、
骨折しているなどの、
他覚的所見(たかくてきしょけん)
要するに他人が見て、
はっきりわかる症状がある時は簡単です。
本人の自覚症状だけが、
唯一の所見である時が難しいのです。
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私は形成外科医ですので、
首から上の痛みは、
まだ少しは理解できます。
お腹が痛いなどは不得意です。
家内のアゴの病気は、
顎関節(がくかんせつ)に痛みを生じました。
その関節は耳のすぐ前にあるので、
耳が痛いと思ったのです。
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アゴの骨には、
筋肉がついています。
その筋肉が、
側頭骨という、
頭の骨につながっています。
だから、
左アゴの関節の病気で、
左の頭が痛くなるのです。
アゴの骨から、
頭までつながっているの???
と家内は驚いていました。
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眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)という、
瞼(まぶた)が下がる病気で、
肩がこったり、
偏頭痛がするのも、
瞼を上げるために、
前頭筋という筋肉を使うためです。
全員ではありませんが、
かなりの確率で、
眼瞼下垂症手術で
肩こりや頭痛が…
治ったという方がいらっしゃいます。
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痛みの原因や程度は、
病気や
人によって
さまざまな形で出ます。
はっきりとした、
診断をつけられないこともあります。
痛みのことを、
一番研究しているのは、
おそらく麻酔科だと思います。
ペインクリニックという、
痛みの外来もあります。
どうしてもとれない慢性の痛みは、
ペインクリニックもよいと思います。