医療問題
「薄利多売」の歯科無料診療
平成21年1月9日(金)の
北海道新聞朝刊の記事の見出しです。
歯科無料診療
「薄利多売」の運営
背景に医院乱立
2008年12月11日の日記でご紹介した、
自己負担ゼロの歯科医院のことです。
厚生労働省北海道厚生局が、
健康保険法違反で指導をしました。
■ ■
北海道新聞の記事によると、
この歯科医院の一ヵ月の診療報酬は、
約450万円。
札幌市内の一般的な歯科医院に比べて
2倍以上。
患者一人当たりの単価は低いが、
患者数で稼いでいたとみられる。
昨年7月の開院以降、
患者数は延べ約3,000人。
■ ■
医療法人は歯科医師に
年600万円前後の給料を支払い、
収益は出ていないという。
札幌市内の歯科医院は
2006年度末で1,220ヵ所。
人口10万人当たりの歯科医師数は
103.8人で、
国の適正数(50人)と
全国平均(76.1人)を
いずれも上回る「乱立」状態。
■ ■
医療関係者は
「年収300万円以下の歯科医師も少なくないなど、
人件費は安く、無料診療がしやすい環境にあった」
とも指摘している。
(以上、北海道新聞の記事より抜粋)
正直に申し上げて、
年収300万円以下の歯科医師には驚きました。
年収300万円は、看護師の給与水準です。
夜勤をして、
もっと稼いでいる看護師さんも
たくさんいらっしゃいます。
■ ■
確かに歯科医師会などは、
この医療法人のことをかなり問題にしています。
私も100%賛成するものではありません。
ただ、今まで歯科にかかりたくてもかかれなかった、
社会的弱者の方が、
歯科診療を受けられるのはよいことだと思います。
以前から何回も書いたことがありますが、
新聞社も広告料収入が命です。
自社の一面の広告に、
インチキなワキガ手術の広告を掲載しておいて、
歯科医院だけを追及する姿勢に疑問を感じます。
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この問題の根幹は、
歯科医師をつくりすぎた国の責任と、
現在の保険診療制度の問題です。
憲法で保障された基本的人権には、
安心して歯科治療を受ける権利
安心して医療を受ける権利
安心して老後をおくる権利
も含まれるはずです。
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小学校で習った
健康で文化的な生活
とは何かを考えるべきです。
国の政策で、
お金をばら撒けばよい
というものではないはずです。
どうしたら国民が安心して、
医療や歯科診療をうけられるか?
もっと真剣に考えて欲しいものです。