医療問題
美容外科の大不況
昨年秋からの100年に一度の大不況。
実は…
美容外科の不況は、
今回の不況より早くはじまっていました。
美容外科は一見、
華やかなようですが、
医療の中では、
一番、
景気に影響を受けやすい診療科目です。
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美容外科大不況の原因は、
価格競争です。
今から10年前は…
10万円以上がふつうだった…
二重まぶた埋没法が、
あっという間に1万円を切りました。
これは明らかに異常です。
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健康保険で行う、
眼瞼内反症手術というのがあります。
さかさまつげの手術です。
これですら、
手術点数(料金)だけで1,660点
16,600円(片目)です。
この‘さかさまつげの手術’が、
そもそも二重手術の原点です。
一点留め(保証なし)に相当する手術です。
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健康保険の場合は、
この手術点数に、
初診料、
再診料、
薬剤料、
検査料、
判断料、
などが加算されます。
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ですから、
健康保険の手術でも、
片目で最低2万円以上の‘売上’になります。
二重術スーパークイック法(完全埋没法)
※1点留め 保証制度なし 9,800円
の手術だけをしていては、
美容外科は赤字です。
チェーン店同士の価格競争で、
この9,800円という価格が出てきました。
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美容外科業界では、
この価格競争を仕掛けた、
2つのクリニック名を合わせて、
S-S戦争と呼ばれています。
もう一つのS美容外科では、
ナチュラルベーシック法
両目(1点)9,800円保障なし
と呼んでいます。
チェーン店の店長(院長)は、
9,800円のつもりで来院した方に、
いかに高い手術を受けてもらうかで、
給料の歩合が決まります。
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この価格競争に疲弊したクリニックは、
美容外科は儲からないので…
眼科の近視矯正手術に転向してきています。
二重手術を9,800円で、
100人手術しても、
一日の売上は100万円になりません。
医師・看護師・受付はクタクタです。
看護師の数や、
テナントの賃貸料、
高額の広告宣伝費を払うと、
儲けはわずかにしかならないというのが、
美容外科→眼科への商売替えの理由と考えます。
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美容外科チェーン店だったはずが…
いつの間にか…
高給優遇で眼科専門医を募集しています。
私は、
医療は儲け優先の商売とは違うと考えます。
手術の必要がない人には、
手術はすすめない。
安全で確実な手術や治療、
自分の家族にもできる治療だけを、
適正な料金で施術する。
これが札幌美容形成外科の方針です。
過度な価格競争には参加しません。