医学講座
ヒアルロン酸自己注射
さくらんぼさんから、
ヒアルロン酸を個人輸入し、
自分で注射した方のことで
ご質問をいただきました。
ネットで検索すると、
海外から日本へ発送しれくれる、
香港の業者などが出てきます。
私も詳しくありませんが、
少量の製品を個人輸入するのは、
可能なようです。
■ ■
美容外科で使用されている、
レスチレンなどのヒアルロン酸は、
日本では未承認です。
厚生労働省の承認を得るには、
臨床試験というプロセスが必要で、
莫大なお金がかかります。
また、承認までに長い年月を要します。
そのため、
私を含めた美容外科医は、
医師個人の責任で使用しますという、
‘念書’を書いて、
輸入を承認してもらいます。
■ ■
外国から医薬品や
注射器や針、
レーザー機器などを輸入するには、
医薬監証明(いやっかんしょうめい)という、
厚生労働省、
関東厚生局で発行してくれる書類が必要です。
この書類がないと、
成田空港で通関できず、
商品がストップしてしまいます。
■ ■
医師が使用するような医薬品でも、
少量を個人で輸入する時は、
医師免許証は必要ないようです。
これは薬事法という法律で決められています。
個人輸入して、
ヒアルロン酸を注射しようが、
リポスタビルを注射しようが、
自己責任なのです。
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私のところにも、
顔の脂肪を溶解しようとして、
リポスタビルを個人輸入し、
自分で注射して腫れがとれない…!!!
助けてください!
という方がいらしたことがあります。
シリコンプロテーゼなどと違い、
ヒアルロン酸やコラーゲンは、
一度注射してしまうと、
切除して取り除かなければ除去できません。
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ヒアルロン酸は、
ヒアルロニダーゼという酵素で溶かす方法もありますが、
これも注射なので、
自分で‘溶かす’のは危険です。
かなりベテランの先生が注射をしても、
コラーゲンやヒアルロン酸は、
ボコボコになることがあります。
私たちも細心の注意を払って注射します。
いくら安いからといって、
自分で注射するのは危険です。
絶対にしないでいただきたいです。