院長の休日

最高の人生とは?

 最高の人生とは何か?
 ちょっと考えてみました。
 私が子どもの頃、
 近所のお医者さんの家は、
 裕福で、
 テレビも
 ピアノも
 自動車も
 自分の家にないものが、
 お医者さんの家には何でもありました。
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 私の母親は、
 私の父親が薬剤師で、
 お医者さんの方が、
 薬剤師の倍もお給料がもらえるから、
 家にないものが、
 お医者さんの家には、
 『何でもある』と
 子どもの私に教育しました。
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 裕福になりたいから…
 お金持ちになりたいから…
 子どもの頃から勉強して、
 お医者さんになったのかも知れません?
 確かに、
 医師免許証があれば、
 生活に困ることはありません。
 雇用保険も、
 一度もいただいたことはありません。
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 研修医の頃は、
 貧乏だったこともありますが、
 結婚して子どもが生まれてからは、
 生活に困ったことはありません。
 分不相応な家を建てて、
 住宅ローン地獄になった時以外は、
 同世代の友人たちより
 ‘よい暮らし’
 をしていたと思います。
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 私が子どもだったころから、
 50年が経ちました。
 両親は83歳と81歳になります。
 年齢相応に衰えていますが、
 まだ元気です。
 両親は私が札幌医大に合格した時、
 医師免許証を取得した時、
 とても喜んでくれました。
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 世間から見ると、
 順風満帆な人生で、
 最高の人生かも?知れません。
 50年経ってみると、
 父より高給だったお医者さんは、
 父よりずっと短命でした。
 お金をたくさん残された先生もいらっしゃいます。
 でも残された奥様は…
 お一人で寂しく余生を送っていらっしゃいます。
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 薬剤師の父親は、
 つい数年前まで、
 調剤薬局のピンチヒッターとして、
 働くことができました。
 私はどう頑張っても、
 父親の年齢まで生きられる自信がありません。
 父親よりずっと短命だと思います。
 形成外科医としての寿命は、
 もっと短いと思います。
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 最高の人生とは、
 函館の看護師さんが書いてくれた、
 100歳のおばあちゃんが言われた、
 「100年生きてきたら楽しいことより苦しい時代が多かった。
 でも苦しいと感じた時に
 必ず目の前に蜘蛛の糸みたいな紐が下りてきて
 その紐をたどったら
 必ずどん底から這い上がれたと・・・」
 だから目の前に本当に蜘蛛の糸が下りてくるわけじゃないけど
 自分が不幸なんだとか苦しいと感じたら
 目の前に蜘蛛の糸が下りてきていると思って
 必ず這い上がってごらんなさい。
 と100歳になって言えるような人生かなぁ…
 と思っています。
 私には到底無理でしょうけど…

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