昔の記憶
武藤先生の想い出
私が美容外科医を志したのが、
平成9年でした。
大学病院と総合病院の
形成外科に勤務していても、
美容外科的な手術は、
ワキガの手術程度でした。
それも多くて月に数件。
とても美容外科医にはなれません。
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平成10年4月から、
常勤の副院長として、
医療法人社団札幌中央形成外科に
採用していただきました。
当時の札幌中央形成外科は、
すすきのにありました。
東急インの斜向いの角に、
つむぎビルというビルがあり、
そこの5階ワンフロアーが
札幌中央形成外科でした。
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武藤先生は知る人ぞ知る、
埋没法の大家です。
英国の権威ある学会誌に、
日本人としてはじめて、
埋没法の論文を書かれました。
武藤先生は、
昭和大学形成外科の講師もされ、
日本の有名な形成外科医を、
多数育てられました。
東京の昭和大学から、
わざわざ札幌まで、
武藤先生の手術を勉強に来られたそうです。
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武藤先生のすごいところは、
大正15年生まれで、
私の父と同い年なのに、
英語がペラペラだったことです。
東京のご出身なので、
戦後に進駐軍から英語を習ったと伺いました。
その英語力を生かして、
多数の国際学会でご発表され、
英文論文として残されました。
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本日、武藤靖雄先生の告別式に
家内と参列させていただきました。
お孫さんの、武藤悠海(むとうゆうみ)ちゃん
(英生先生のご長女10歳)が
弔辞を朗読されました。
大好きだったおじいちゃんへの
メッセージが参列者の涙を誘いました。
武藤先生ありがとうございました。
先生が亡くなられても、
先生が残された技術は、
論文や伝承を通じて、
これからも日本や世界の美容外科医に残ります。
どうか安らかにお休みください。
ありがとうございました。
札幌中央形成外科副院長時代
武藤靖雄先生撮影