医学講座
第18回日本褥瘡学会北海道地方会
今日は2019年2月23日(土)です。
札幌は雪でした。
札幌コンベンションセンターで、
第18回日本褥瘡学会北海道地方会が開催されました。
帯広から、
まみ子師長さんも参加されていました。
大勢の看護師さん、
リハビリの先生(理学療法士さん)、
…が参加されていました。
■ ■
日本褥瘡学会にほんじょくそうがっかいは、
私の恩師、大浦武彦先生がつくられた学会です。
今日は、
大浦武彦先生の特別講演がありました。
褥瘡発生予測とリスクアセスメント
~オムツ交換、体位変換も大きな影響有り~
座長:髙橋誠 先生(日本褥瘡学会北海道地方会 代表世話人)
演者:大浦武彦 先生(医療法人社団 廣仁会褥瘡・創傷治癒研究所 所長)
■ ■
大浦武彦先生は、
1931年5月11日(昭和6年5月11日)生まれです。
今年5月11日で満88歳の米寿です。
現役の医師で、
現役の研究者です。
今日の講演もすばらしかったです。
私が形成外科医になったのは、
札幌医大6年生の時に、
北大形成外科から特別講義にいらしてくださった、
大浦武彦先生の講演を聞いたからです。
■ ■
大浦先生の特別講演で、
25年前に褥瘡学会を立ち上げる前の状況と、
今の状況がいかに変わったかがわかりました。
体圧分散マットレスの進歩や褥瘡ケアーの進歩がわかりました。
大浦先生と代表世話人の髙橋誠先生、
ユニチャームの共同研究によって、
スキンコンディションという新製品ができたことがわかりました。
自分が褥瘡になった時には、
ぜひ新製品を使いたいと思いました。
私は米寿まで現役医師は無理ですが、
大浦武彦先生のますますのご活躍を祈念しています。

医学講座
昨夜震度6弱の地震がありました
2019年2月21日21時22分頃、
北海道で最大震度6弱の地震がありました。
私は自宅にいました。
緊急警報が鳴って、
すぐに強い揺れがきました。
幸いなことに、
被害はありませんでした。
■ ■
2018年9月6日の地震の記憶があったので、
すぐに水を貯めました。
昨年の地震で、
一番困ったのが停電でした。
携帯を充電して、
停電になってもいいように準備をしました。
今回は停電も断水もありませんでした。
■ ■
私は休診日の夜で家にいましたが、
お気の毒だったのが、
帰宅できなかった方たちでした。
TVで帰宅できずに、
駅でタクシーを待つ人が、
長蛇の列になっているのを見ました。
寒さが少しやわらいだとはいえ、
2月の北海道は寒いです。
■ ■
2019年2月22日のYahoo!ニュースです。
北海道新聞の記事からの引用のようです。
立ちすくむ道都、帰宅難民の列
北海道で震度6弱
「寒い中、歩くのはつらい」
最大震度5弱を記録した札幌市内では、地下鉄やJR在来線が運転を見合わせ、駅や街中に「帰宅難民」があふれた。商業施設ではエレベーターが停止し、外国人観光客が一時閉じ込められるなど混乱した。
帰宅の足を奪われた人々は、タクシー乗り場に殺到。空車を求めて国道に沿って歩く人も歩道に長い列をつくった。地下鉄大通駅のタクシー乗り場で約100メートルの列に並んだ、札幌市白石区の会社員の女性(58)は「仕事が終わり地下鉄駅に向かっていた時に地震が起きた。自宅まで徒歩で約2時間半。今日中に帰れるのでしょうか」と不安げな表情を浮かべた。
ススキノで同僚と飲んでいた札幌市東区の会社員の男性(38)は約1時間半かけて徒歩で帰ることに。「居酒屋が地下だったので揺れは感じなかった。自宅に着くのは午前2時近くになる。寒い中、歩くのはつらい」と話した。
ススキノの路上にいた、台湾から娘3人と観光で訪れた主婦(50)は「ホテルの部屋にいたら揺れがきて、慌てて廊下に出た。館内に『ホテルは安全なので安心してください』と放送があり、ほっとした。まさか旅行先で地震を経験するとは。言葉が分からず、不安だった」と困惑した様子だった。
JR札幌駅の改札前は運行再開を待つ人々であふれた。旭川市の会社員の女性(23)は「友人宅に泊まりに来ていて、午後11時発の特急で帰る予定だったが、運休してしまった。高速バスもない時間帯なので、ホテルに泊まるしかない」と肩を落とした。
観光で訪れた大阪府の女子大学生さん(21)は「市電に乗っていたところ地震が起きて一度止まった。地震速報が鳴り、怖かった。歩いて札幌駅に来た。宿に帰るためにJRを待っているが、早く動いてほしい」と不安そうに話した。札幌市中央区の複合商業施設「JRタワー」ではエレベーター2機が停止、最上階の38階展望室に50人が取り残された。エレベーターは地震発生から約1時間後に復旧、けが人はいなかった。展望室にいた韓国人観光客(26)は「本当に怖かった。なかなか地上に降りられず不安だった」と話した。
札幌市は22日未明から中央区の「さっぽろ創世スクエア」を避難場所として開放し、帰宅困難者が集まった。豊平区の男子大学生(19)は「タクシー待ちが2時間なので帰宅するのを諦めた。初めての避難所生活で、また地震が起きないか不安」と話した。

(以上、Yahoo!ニュース、北海道新聞より引用)
■ ■
札幌で起きた地震は、
東京でも、
大阪でも、
他の大都市でも起こる可能性があります。
大地震への準備を、
もう一度考えなおそうと思いました。
札幌美容形成外科は通常通りの診療を行っています。
二重・眼瞼下垂
甲状腺機能亢進症
昨日の院長日記、
甲状腺と眼瞼下垂
…の続きです。
甲状腺こうじょうせんは首にある組織です。
甲状腺機能亢進こうじょうせんきのうこうしんは、
甲状腺ホルモンが出すぎる病気です。
若い女性に多いです。
■ ■
私が札幌医大の学生だった40年前に、
甲状腺のことを教えてくださったのが、
上條桂一かみじょうけいいち先生でした。
私が医学生だった時に、
甲状腺機能亢進症の女性は、
目が大きくて、
きらきらした目の美人に多い。
…と教えてくださったのが、
上條かみじょう先生だったかどうか?
…は忘れてしまいました。
上條先生、申し訳ありません。
■ ■
甲状腺の病気は、
上條甲状腺クリニック
…をおすすめします。
札幌美容形成外科を受診された患者さんで、
甲状腺が疑われる患者さんは、
上條かみじょう先生をご紹介しています。
優しくていい先生です。
■ ■
甲状腺が原因で目やまぶたに異常が起きても、
甲状腺を治療することでよくなります。
形成外科で手術をしなくても、
まぶたの症状が改善することがあります。
まぶたの異常があって、
甲状腺のはれ、
疲れやすい、
脱力感、
原因もなくやせた、
手のふるえ、
多汗、
生理の減少、
食べても食べてもやせる
…こんな方は甲状腺が原因のことがあります。
■ ■
2019年2月21日21時22分頃、
北海道で最大震度6弱の地震がありました。
私は自宅にいました。
かなり大きく揺れましたが昨年9月より短時間でした。
停電も断水もなく大丈夫です。
札幌市営地下鉄が全線で運休しています。
TVで地下鉄で帰宅できない人が映っています。
JR北海道も運休や遅れが出ています。
私はすぐに水を貯めました。
札幌美容形成外科は通常通り診療を行います。
二重・眼瞼下垂
甲状腺と眼瞼下垂
第30回日本眼瞼義眼床手術学会(大阪)
…で勉強したことです。
先天性無眼球症
…のことを3日間も書きました。
まれな病気のため、
ネットで調べても情報量が少ないので、
私が忘れないうちに書きました。
■ ■
今日の院長日記は、
甲状腺と目の関係です。
目が出ている人
2015年7月6日の院長日記です。
女性に多い甲状腺の病気でも、
眼球突出になる人がいます。
私が札幌医大の学生だった頃、
甲状腺機能亢進症の女性は、
目が大きくて、
きらきらした目の美人に多い。
必ず首をよく診ること!
…と教えていただいたのを、
30年以上経っても覚えています。
■ ■
私はよく女性の首を見ます。
甲状腺が腫れていないか?
特に若い女性で、
目の大きな人を診る時には、
注意して首を診るようにしています。
甲状腺眼症こうじょうせんがんしょう
…を見落とさないためです。
■ ■
第30回日本眼瞼義眼床手術学会(大阪)
特別講演1
2019年2月16日(土)11:09~11:49
座長:辻 英貴(がん研有明病院眼科)
甲状腺眼症治療の実際;評価と内科的治療を中心に
講師:安積 淳(神戸海星病院 眼科・アイセンター)
とてもためになる特別講演でした。
■ ■
安積先生から、
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)のことについて、
最新の情報を詳しく教えていただきました。
甲状腺機能の異常で、
甲状腺眼症(バセドウ病眼症)という状態になります。
患者さん自身が、
甲状腺の病気を自覚する前に、
目の異常に気づくことがあります。
■ ■
私、もしかして?
眼瞼下垂がんけんかすい?
…という主訴で受診した患者さんの中に、
実は甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の初期症状のことがあります。
すぐに診断がつかないこともあります。
安積先生から、
甲状腺眼症(バセドウ病眼症)の診断に、
MRI検査が有用であることを教えていただきました。
■ ■
私は知らなかったのですが、
日本は世界一MRIが普及している国なんだそうです。
欧米の比ではなく、
ダントツ世界一です。
健康保険点数のためだと(私は)思います。
MRIで眼部を精密に検査すると、
甲状腺機能亢進で外眼部が変化しているのがわかります。
甲状腺眼症を疑ったら眼のMRI検査です。
医学講座
骨の発育と義眼
先天性無眼球症
まぶたの再建2019
…の続きです。
生まれつき眼球がない赤ちゃんにも、
まぶたはあります。
まつ毛もあります。
…でも、
そのままでは義眼は入れられないのです。
■ ■
義眼を入れるスペースがありません。
赤ちゃんの顔は小さいです。
ミルクを飲んで成長します。
顔にはたくさんの骨があります。
眼球が入る部分の骨を、
眼窩がんかといいます。
外側は厚い骨で、
内側と底は薄い骨です。
■ ■
眼球が入っていて、
眼球が成長すると、
眼窩がんかも大きくなります。
ところが、
先天性無眼球症で眼球がないと、
眼窩がんかの骨は成長しません。
眼球の代わりになるものを製作して、
眼球の位置に入れるのが、
拡張器かくちょうきです。
■ ■
市販の拡張器はありません。
患者さん毎に、
手づくりでひとつひとつ製作します。
小さすぎても、
大きすぎてもだめです。
入れるのも大変です。
無理に入れると血がでますし、
炎症を起こすこともあります。
■ ■
ここで必要なのが、
義眼師さんと、
形成外科医の協力です。
いちばん大変なのは、
拡張器かくちょうきを製作する義眼師さんです。
まぶたのことをよく知っていて、
技術力もある義眼師さんでないと無理です。
アツザワプロテーゼ九州の、
光安哲人さんのは最高でした。
福岡大学形成外科との協力もすばらしいです。
拡張器かくちょうきで、
眼窩がんかの骨を成長させて、
はじめて義眼を装着できるようになります。
医学講座
まぶたの再建2019
大阪で開催された、
第30回日本眼瞼義眼床手術学会
実に内容が充実していて、
いい学会でした。
学会長の、
大阪回生病院眼科の今川幸宏先生に感謝いたします。
形成外科学が進歩した2019年でも、
まぶたの再建は難しいです。
■ ■
形成外科医は、
生まれつきの病気の子どもたちを手術しています。
唇顎口蓋裂など口唇や顎の骨の病気、
手の異常、
耳の異常、
この30年の間に進歩しました。
難しいのがまぶたの再建です。
■ ■
特に難しいのが、
自然に動くまぶたを再建することです。
昨日の院長日記に書いた、
先天性無眼球症は、
生まれつき眼球がない病気です。
まぶたはあります。
まつ毛も生えています。
■ ■
ところが、
眼球がないために、
そのまま成長を続けると、
眼窩がんかという骨が成長しません。
まぶたも小さいままです。
アツザワプロテーゼ九州の、
光安哲人さんが製作してくださったような、
拡張器を目があるべき場所に入れないと、
骨が成長しません。
■ ■
われわれ形成外科医は、
手術で治すのは得意ですが、
拡張器のようなプロテーゼは作れません。
作る道具も材料も持っていません。
私が市立札幌病院に勤務していた頃に、
目の悪性腫瘍で、
眼球を摘出した子供さんがいらっしゃいました。
■ ■
患者さんとご家族のご希望は、
たとえ見えなくてもいいので、
(他人から見て)
違和感のない目にしてほしい
…というご希望でした。
残念なことに、
文献を調べても、
学会で発表を聞いても、
いい解決法がありませんでした。
■ ■
義眼を入れるスペースを上手に作るのは難しいです。
関西医大形成外科の小川豊名誉教授が、
義眼床手術研究会を設立されたのは、
ちょうど私が市立札幌病院で患者さんを診た頃でした。
生まれつき眼球がない赤ちゃんも、
眼球を摘出した子どもさんも、
義眼がうまく入って、
(他人から)自然に見えるまぶたをつくりたいです。
日本眼瞼義眼床手術学会が発展することを祈っています。
医学講座
先天性無眼球症
暖かい大阪から寒い札幌に帰ってきました。
パンジーが咲いているどころか土も芝生の雪の下です。
あと2ヵ月はかかりそうです。
第30回日本眼瞼義眼床手術学会(大阪)で勉強したことです。
とても有意義な学会でした。
学会長の大阪回生病院眼科、
今川幸宏先生に感謝しています。
私が感動したのは、
義眼師さんの発表です。
義眼を作ってくだる技師さんです。
毎回、この学会で発表されています。
■ ■
特殊な義眼の形状を呈するに至った先天性片無眼球症の1例
光安哲人1、光安佐織1、大慈弥裕之2
1有限会社アツザワプロテーゼ九州、2福岡大学病院形成外科
先天性無眼球症という病気があります。
生まれつき眼球がない赤ちゃんがいます。
片眼だけない赤ちゃんも、
両眼ともない赤ちゃんもいます。
■ ■
眼球がないので、
義眼を入れます。
たとえ見えなくても眼球のように(他人から)見えます。
ところが、
生まれつき眼球がないので、
義眼を入れるスペースがありません。
眼球がなくても、
上手な義眼が入ると、
見た目は改善します。
■ ■
赤ちゃんに目がないときは、
生まれてからできるだけ早く、
眼球の代わりになるものを装着して、
眼窩骨が発育するようにします。
この時に役立つのが拡張器です。
市販の拡張器はないので、
オーダーメイドで作ることになります。
活躍するのが義眼師さんです。
■ ■
アツザワプロテーゼ九州の、
光安哲人さんはプロフェッショナルです。
患者さんのご両親と協力して、
拡張器(ブジー)を制作されました。
私が市立札幌病院に勤務していた頃に、
無眼球症の患者さんから相談を受けたことがありました。
残念なことに、
当時はいい解決法が見つけられませんでした。
■ ■
先天性無眼球症の患者さんでも、
上手に義眼を入れるスペースをつくって、
上手に作っていただいた義眼を入れると、
見た目は大きく変わります。
アツザワプロテーゼ九州の、
光安哲人さんがつくられた、
拡張器(ブジー)と義眼のおかげで、
すばらしい目ができていました。
感激しました。
医学講座
第30回日本眼瞼義眼床手術学会(大阪)②
今日は2019年2月16日(土)です。
昨夜、神戸経由で新大阪まで来ました。
学会の会場は新大阪のメルパルク大阪です。
ホテルの玄関前に、
パンジーが咲いていました。
雪の札幌から来ると、
ちょっと驚きでした。
■ ■
第30回日本眼瞼義眼床手術学会は、
大阪回生病院眼科の今川幸宏先生が会長です。
朝9:30から、
夕方18:00まででした。
学会のテーマは、
機能美と形態美の融合です。
いい言葉だと思います。
会長の今川幸宏先生が次のように書かれています。
■ ■
本学会は眼瞼・義眼床に関する手術のみならず、
眼付属器に対するすべての手術を対象として議論する学会です。
多くの場合、
これらの疾患は機能の再建と外観の再建を両立させることを要求されますが、
機能再建は眼科医が、
外観の再建は形成外科医および美容外科医が得意とするところと思います。
両者がそれぞれの立場から意見を述べ、
お互いに情報を共有することは、
より質の高い医療を創造することに繋がると考えております。
本学会は、
眼科医、形成外科医および美容外科医が、
一堂に会して議論できる数少ない学会の一つですので、
その点で非常に有意義であり、
我々が中心となって発展させていかねばならないと思います。
■ ■
美容外科医まで入れていただき、
ありがたいお言葉です。
なんちゃって美容外科医が、
レディエッセや、
ヒアルロン酸注射で、
眼動脈を閉塞させてしまい、
失明しそうになった時に、
必ず眼科医のお世話になります。
■ ■
私はヒアルロン酸注射もやめましたが、
まだまだリスクがある注入剤を使っている美容外科医もたくさんいます。
私たち形成外科医と、
眼科医が仲良く討論することで、
少しでも快適で、
ものが見やすく、
見た目もよい目にするのが理想です。
今日の学会はとても勉強になりました。
なんちゃっての先生にも伝えたいことがありました。
明日からの診療に役立てます。
学会で勉強した内容は明日以降に書きます。
医学講座
第30回日本眼瞼義眼床手術学会(大阪)①
今日は2019年2月15日(金)です。
今日は早目に診療を終えて、
明日、大阪で開催される、
第30回日本眼瞼義眼床手術学会に参加するため、
新千歳空港から神戸に行きます。
学会は新大阪で開催されますが、
伊丹行きより、
神戸行きに遅い便があるため、
神戸経由で新大阪に行きます。
■ ■
東京の学会でしたら、
日帰りでも行けますが、
大阪である学会は、
前泊と、
後泊が必要になります。
ちょっと大変ですが、
昨年は引っ越しで参加できなかったので、
今年はがんばって大阪まで行きます。
■ ■
幸いお天気はよさそうなので、
今のところ安心しています。
神戸はうちの奥さんの出身地です。
神戸や新大阪は、
何度も行っているので、
道に迷うこともありません。
明日はまぶたのことを、
しっかり学んできます。
医学講座
病院の赤字2019
昨日の院長日記、
簿記とITに強くなる
私は医学部の入試に商業簿記を入れて、
高校生の時から、
簿記を勉強すべきだと思います。
入試で商業簿記は無理だとしても、
医学部の一般教養として、
簿記を教えるのがいいと思います。
■ ■
昨日の院長日記に、
ラズベリーさんからいただいたコメントです。
病院に勤務していると一人一人のコスト意識がかなり重要になります。
解熱剤等に座薬を使用したり、
ニトロダームTTSも臨時で使用しますし、
患者様の寝衣やオムツの契約も取り交わします。
病院控えの紙一枚が重要なのです。
紛失させないよう努めなければなりません。
日々のコストは経営者じゃなくて従業員、
つまり労働者が行います。
コストの取り漏れも多いと損失になると賢い経営者は考えます。
日頃から教育するにしても
自分自身の知識や意識があるかが非常に重要になってきます。
簿記を学んでるとコスト意識だけでなく、
経済・経営的思考が潜在的に身につき強くなるのではないかと私は考えます。
■ ■
ホテルに宿泊して注文をすると、
必ず伝票がきます。
病院でさまざまな処置をしても、
コストを請求しないと、
病院が赤字になります。
私が医者になった40年前は、
すべて手書きの伝票でした。
4枚複写くらいの伝票に、
ボールペンで強く字を書いていました。
■ ■
コストの取り漏れを防ぐために、
オーダリングというシステムができました。
今は電子カルテです。
量販店でものを買う時に、
店員さんがバーコードを読み込むように、
患者さんのタグと、
自分のIDを読み込んで、
それから点滴をつなぐ病院もあります。
■ ■
薬剤を間違って別の患者さんに投与しないようにするという、
メリットもあります。
点滴一つするのに、
いちいち面倒くさいという手間が増えました。
厚生労働省は医療費を削減するのに必死です。
大きな病院では、
いくら薬を使っても、
まるめと言って、
患者さんに請求できないシステムができました。
■ ■
それでも病院は赤字になります。
一つは消費税です。
ふつうの病院は保険診療です。
患者さんに消費税はかかりません。
今年秋に消費税がUPすると、
病院経営はますます苦しくなります。
消費税の仕組みで病院が大変だからです。
消費税と病院経営
2012年8月11日の院長日記に書いてあります。
■ ■
私は保険診療の病院は、
海外からの観光客のように、
免税にするのがいいと思います。
全部は無理だとしても、
せめて保険診療で使う薬代は、
免税がいいと思います。
そうすると、
病院経営もかなり楽になります。
お医者さんはもうかる時代は終わりました。
私と同年代の大病院の院長先生が、
赤字に苦しまない制度にしてあげたいです。