院長の休日
                        
                            リカちゃん衣装愛らしく                                                    
    
                         平成22年9月15日、朝日新聞朝刊_『ひととき』への投稿です
 リカちゃん衣装愛らしく
 小学2年生のみことちゃんとお友達です。みことちゃんは、私が週1回通っているデイサービスで会う、介護士さんの娘さんです。時折、お便りやビーズのネックレスをもらいます。
 先日、みことちゃんからリカちゃん人形のドレスの注文がありました。人形を借りておよその寸法で布を裁断し、手縫いで3着ほど作りました。
 一着は、ピンクの繻子地(しゅすじ)の端布にピンクのレースをあしらい、肩ひものついたドレス。後ろ身ごろにスリットを長く入れ、あでやかに仕上げました。
 もう一首は盛夏用。白いレースのボレロに水玉模様のフレアスカートと、さわやかな組み合わせです。
 3着目は浴衣。綿の水色の生地を選び、継ぎ目は腰揚げ風にしました。たもとは元禄袖、帯は朱色の羽二重の布で貝の口むすび。帯は面ファスナーで留めるようになっており、適当な肩揚げでいっそう愛らしくなりました。
 3着とも、きちんとできました。みことちゃんからは「ありがとう」と、お礼状が届きました。
 「こんなドレスがいいかな」 「あんなドレスはどうだろうか」と理想を思い描いたり、空想を交えたり。思いつくままにリカちゃんのファッションで遊びました。うれしい数日をみことちゃん、ありがとう。秋にはケープを作りましょう。
 (山形市_鏡チヱ子_無職_96歳)
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 96歳の鏡チヱ子さんに拍手です。
 専門的?な言葉が多く、
 恥ずかしながら…
 繻子地(しゅすじ)とか…
 元禄袖(げんろくそで)とか…
 よくわかりませんでした。
 市販品にはない、
 特別仕立てのリカちゃんは、
 さぞ愛らしいことと想像しました。
      ■         ■
 96歳になられても…
 理想を思い描いたり
 空想を交えたり
 できることが、
 健康で長生きの
 秘訣なのだと思います。
 次のケープは、
 どんなに素敵なことでしょうか。
 いつまでもお元気で、
 リカちゃんとお遊びになってください。
                        
                        
                     
                                    
                                                医療問題
                        
                            山の中の交通事故                                                    
    
                         北海道は広大です。
 携帯電話の電波状況は、
 かなり良くなりましたが、
 山の中では通じないところがあります。
 札幌→富良野へ向う道路ですと、
 三笠市(みかさ)を過ぎると…
 山中に入ります。
 携帯の電波は通じなくなります。
      ■         ■
 札幌→帯広へ向う道路でも、
 夕張を過ぎて山中に入ると…
 携帯のアンテナが…
 圏外になります。
 携帯電話が通じないところは…
 事故に遭っても通報できません。
 通りがかりの車に…
 助けてもらうしかありません。
      ■         ■
 札幌市内や、
 札幌近郊で事故に遭った場合は、
 札幌消防に防災ヘリがあります。
 ドクターヘリも飛んできてくれます。
 ただし、条件があります。
 ヘリが飛べるのは、
 視界が良い日中だけです。
 雲や霧がかかると、
 ヘリは飛べません。
      ■         ■
 交通事故は、
 霧や雪など、
 視界が悪い時に起こります。
 北海道の山中で事故に遭い、
 瀕死(ひんし)の重症になったとします。
 一刻も早く、
 救助に来て欲しいです。
 ところが…
 山の中には救急車がいません。
      ■         ■
 運良く…
 携帯が通じて…
 救助を要請したとします。
 119番です
 どうなさいましたか?
 交通事故です。
 助けてください。
 場所はどちらですか…?
 夕張と日高の間です。
 詳しくわかりません。 
      ■         ■
 最近の携帯には、
 GPS機能がついているので、
 運が良ければ…
 位置情報を発信してくれます。
 うまく伝わらなければ…
 だいたいの場所を伝えることになります。
 救急車は、
 その土地を管轄する、
 消防から助けに来てくれます。
      ■         ■
 事故に遭った場所で、
 患者さんの運命が分かれることがあります。
 北海道には、
 形成外科医が勤務する病院が、
 まだ多くはありません。
 救命救急センターも限られています。
 日勝峠の十勝側、
 つまり清水町側でしたら、
 JA帯広厚生病院という…
 頼りになる病院があります。
 形成外科医もいます。
      ■         ■
 鹿と衝突して、
 フロントガラスから…
 鹿が飛び込んできて、
 顔に大けがをしたとします。
 札幌→帯広の間に、
 形成外科医が常勤している病院は、
 ありません。
 地元消防の救急車は、
 顔の大けがでは、
 おそらく
 札幌までは搬送してくれません。
      ■         ■
 脳挫傷など、
 もっと瀕死の状況だったとします。
 ドクターヘリに来て欲しくても…
 山の中には着陸できません。
 夜間は飛べません。
 山の中を走行する時は、
 夜間や、
 視界が悪い時こそ、
 慎重に運転してください。
 携帯の電波が通じないところは、
 救助にも時間がかかります。 
 気をつけてください。
 
                        
                        
                     
                                    
                                                昔の記憶
                        
                            鹿と交通事故                                                    
    
                         私は北海道内の大きな病院に勤務していました。
 札幌医大病院
 JA帯広厚生病院
 市立札幌病院
 函館中央病院
 釧路労災病院
 美唄労災病院
 短期間でしたが、
 JA旭川厚生病院にも勤務しました。
      ■         ■
 自分が勤務していた時には、
 札幌と道内各地を
 自動車で往復しました。
 30年前に比べると、
 道路は格段に良くなりました。
 昔は、
 札幌→帯広へ行くには、
 砂利道の日勝峠がありました。
      ■         ■
 今は、
 期間限定ですが…
 高速道路も無料区間があります。
 本州からいらっしゃると…
 北海道の一般道は、
 信号もなく高速道路みたいです。
 高速道路も…
 めったに渋滞しません。
 一見、快適に思えます。
      ■         ■
 本州の道路と違って、
 北海道の道路には危険がたくさんあります。
 北海道で多いのが、
 動物との衝突です。
 最近の北海道では、
 えぞ鹿が増えています。
 私は、 
 釧路に住んでいた時に
 野生の鹿を道路で数回見ました。
 しかとの衝突は大変です。
      ■         ■
 シカと衝突すると…
 車は大破します。
 運転者も同乗者もケガをします。
 私自身は診たことはありませんが、
 鹿と衝突して、
 顔にケガをした人もいると思います。
 動物を避けようとして、
 ハンドルを切ったために、
 事故に遭って亡くなった方も知っています。
 秋の紅葉が始まったようです。
 しかとぶつからないように、
 スピードは控えめにしてください。
 形成外科医としてのお願いです。
                        
                        
                     
                                    
                                                院長の日記
                        
                            さだまさしコンサート2010                                                            2010年9月13日
                                                    
    
                         昨夜、さだまさしさんの
 コンサートに行ってきました。
 前回が2008年3月16日(日曜日)でした。
 17:00開演で、
 終演が20:00でした。
 3時間途中休憩なしで、
 歌とトークを楽しませていただきました。
      ■         ■
 昨日は、
 特別ゲストとして、
 ヴァイオリンの長井明さんが、
 いらしてくださいました。
 長井さんは旭川出身。
 東京藝術大学卒業。
 現在はカナダのバンクーバー交響楽団
 終身名誉コンサートマスター。
 カナダにお住まいです。
      ■         ■
 「まっさん」の音楽と語りも最高でしたが、
 長井さんのヴァイオリンとの共演が、
 素晴らしかったです。
 さだまさしさんは、
 1952年4月10日生、58歳。
 私より2つ年上です。
 どうして…?
 あんなに元気なんだろう~?
 と思いました。
      ■         ■
 昨日のコンサートでは、
 昨年末にお父様が89歳で亡くなられたこと、
 大正9年生まれで
 最期は、
 大腿骨骨折でケガをしたのが、
 弱ったきっかけになったこと。
 …などをお話しくださいました。
 思わず、自分の父親を思い出しました。
 高齢者は、
 ケガが命取りになります。
 あわてず、あせらず、急がない
 のが大切です。
      ■         ■
 友人の、
 高名なお坊さんが50歳で、
 がんで亡くなったことも、
 お話ししてくださいました。
 私の知っている大学教授が、
 急死したことと重なりました。
 50代という年齢は、
 どうしても身近に死が多くなります。
      ■         ■
 さだまさしさんのコンサートを聴いて、
 元気をいただきました。
 人生には、
 辛いことが多いそうです。
 「まっさん」も、
 たくさんの辛いことの中で、
 締め切りに追われ…
 がんばっていらっしゃる様子が、
 伝わってきました。
 56歳の私もがんばらねばと思いました。
                        
                        
                     
                                    
                                                院長の休日
                        
                            気をつけていること③                                                    
    
                         私は粗食(そしょく)です。
 結婚して間もない頃に…
 一時期、幸せ太りしたことがありました。
 新婚だったので…
 奥さんの手料理にも力が入っていました。
 NHKのきょうの料理など、
 いろいろな新しい料理が、
 毎日の食卓を豊かにしました。
      ■         ■
 結婚する直前の3ヶ月間は、
 人生ではじめての一人暮らしを
 美唄労災病院の宿舎で過ごしました。
 自炊することはなく、
 病院の食事も…
 昼しかなかったので…
 あっという間に…
 食生活は悪化しました。
      ■         ■
 私の新婚生活は、
 2DKの公団住宅ではじまりました。
 狭いながらも…
 それは楽しい毎日でした。
 新婚旅行の機内で出た、
 グアバジュースが美味しかったので、
 同じ味を買ってきて飲みました。
 サントリーがビールを売り出したので、
 箱で買ってきて飲みました。
      ■         ■
 今から考えると…
 ジュースとビールが原因で、
 あっという間に…
 ウエストがきつくなりました。
 せっかく、
 おそろいで買った…
 トレーナーが着れなくなりそうになり…
 ジュースを止めました。
 ビールはあまり飲まなくなりました。
      ■         ■
 体重が増えると…
 体調が悪くなりそうだったので、
 その後は食生活に気をつけるようになりました。
 特に…
 50歳を過ぎてからは…
 だんだん食べなくなりました。
 新婚の頃は、
 気合が入っていた
 奥さんの手料理も…
 30年近く経つと…
 新しいものは、あまり登場しなくなりました。
      ■         ■
 息子は、
 お母さんの料理は味が薄い
 …とよく文句を言っています。
 私は口うるさい夫ですが…
 料理に関してはあまり文句を言いません。
 毎日、前の晩と同じおかずでも…
 弁当を作ってくれるので感謝しています。
 弁当箱もきれいに洗っています。
      ■         ■
 今は時間がないので無理ですが、
 仕事を止めたら…
 料理を習いたいと考えています。
 ぼけ防止のためと、
 自分の健康のためです。
 私は凝り性なので、
 料理も極めれば…
 家内よりも上達する自信はあります。
 粗大ごみにならないための作戦です。
                        
                        
                     
                                    
                                                院長の休日
                        
                            気をつけていること②                                                    
    
                         札幌美容形成外科には、
 たくさんのきれいなお客様がいらっしゃいます。
 カルテが間違っている?じゃないの…?
 と思うほど…
 お若く見える方が、
 たくさんいらっしゃいます。
 そういう方たちは…
 例外なく標準体重以下です。
      ■         ■
 あるお美しい方から伺いました。
 どうしてお若いのですか?
 『先生のおかげです…』
 なんて嬉しいことを言ってくださいますが、
 私の力なんて微々たるものです。
 その方から伺った秘訣は栄養です。
 体調を崩されてから…
 栄養学を勉強されたそうです。
      ■         ■
 毎日の食事は、
 どんなお薬より…
 どんなサプリメントより…
 効果的です。
 不景気のためか、
 新聞にも…
 TVにも…
 得体の知れない…
 若く元気に美しくなる、
 初回限定○○○円商品がたくさん出ています。
      ■         ■
 有名な女優さんや、
 俳優さんが宣伝していると、
 つい信用してしまいます。
 痩せる食事も出ています。
 体験者が、
 ご自分のお腹の贅肉を出して、
 こんなにスマートになりましたと
 宣伝している食品もあります。
 そんなのに限って…
 効果には個人差があります
 …なんて書いてあります。
      ■         ■
 私が気をつけていること②は、
 食べ過ぎないことです。
 若い頃から、
 大食いではありませんでした。
 最近は、
 特に食べ過ぎに注意しています。
 腹8分目とはよく言ったものです。
 あともう少しのところで止めます。
 私は結婚した時から、
 服のサイズが変わっていません。
 体調管理の指標にしています。 
                        
                        
                     
                                    
                                                院長の休日
                        
                            気をつけていること①                                                    
    
                         私の健康法という日記を、
 2006年11月6日に書きました。
 医師という職業は仕事が不規則で
 自分の健康管理が難しいのが特徴です。
 医者の不養生とはよく言ったものです。
 大学病院に勤務していた時に
 健康診断で中性脂肪とコレステロールが
 正常値をはるかに超えていました。
      ■         ■
 内科の友人に相談したところ
 運動をすれば良いと教えてくれましたが
 朝7:00に出勤し夜10:00に帰宅する生活では
 スポーツクラブへ行く時間などありません。
 大学病院の中で運動する方法など
 なかなかありません。
 困っていたところ
 整形外科の石井教授が
 階段で医局まで歩いて上がられるのを目にしました。
      ■         ■
 私の医局は最上階の13階でしたので
 階段で上がることは
 考えてもみなかったのですが挑戦しました。
 最初は5階、
 その後8階、
 10階と
 少しずつ休まずに上がれるようになりました。
      ■         ■
 48歳で退職する頃には
 13階までスタスタと上がれるようになり
 検査値も正常になりました。
 札幌美容形成外科が入っているビルは
 6階までしかないのですが
 朝は屋上まで階段で上がっています。
 通勤でもなるべくエスカレーターは使わずに歩いています。
 階段男という、
 2008年5月4日の院長日記にも書いています。
 伊東四朗さんも階段の愛用者です。
      ■         ■
 私が医学生だった30年前、
 医者は…
 産婦人科以外は…
 自分の科の病気で死ぬと言われていました。
 白血病の研究者は白血病で。
 心臓の専門家は心臓病で。
 今は…
 必ずしも当てはまらないと思います。
 でも医者は短命なようです。
      ■         ■
 この一年の間に、
 私が知っている先生が何人か亡くなりました。
 現役の医学部教授でした。
 自分の健康は、
 なかなか自分で管理できません。
 苦しんで死なないように、
 日常生活でできることから、
 すこしずつ気をつけています。 
                        
                        
                     
                                    
                                                院長の休日
                        
                            56歳になりました                                                    
    
                         昨日で56歳になりました。
 お祝いのメールやコメントをいただき、
 ありがとうございました。
 じじいになりました。
 自分の父親が、
 56歳の時には、
 私は結婚していました。
 私は26歳で結婚したので、
 来年で30年になります。
      ■         ■
 私の父は55歳で定年になりました。
 その後、
 定年延長で数年間同じ病院で、
 薬剤師として働いていました。
 南大夕張という炭鉱の病院に、
 単身赴任で働いていました。
 実際には、 
 私たち家族が、
 父を夕張に置いて札幌へ来ました。
      ■         ■
 その父親が84歳です。
 かなりよぼよぼしていますが、
 まだ元気です。
 薬剤師なので、
 薬のことでわからなければ父に聞きます。
 頭はしっかりしていて、
 昔からある薬のことなどはよく知っています。
 頼りにしています。
      ■         ■
 自分が年齢を重ねる毎に思います。
 私の願いです。
 ①他の人(家族も含みます)に迷惑をかけたくない。
 ②汚くなりたくない。(きれい好きなので…)
 ③他の人から感謝されたい。
 ④粗大ごみや邪魔者になりたくない。
 ⑤できれば病気になりたくない。
 ⑥苦しんで死にたくない。
 私は贅沢でしょうか?
      ■         ■
 昨夜は、
 仕事帰りに娘も来てくれて、
 4年ぶりに…
 家族で食事ができました。
 娘との仲直りをすすめてくれた…
 私の人生の師(子育て編)である、
 さくらんぼさんのおかげです。
 感謝しています。
      ■         ■
 私の年齢になると、
 特に欲しいものはありません。
 元気で働ければ十分です。
 自分が経験して得られた、
 形成外科の知識と技術を、
 少しでも、
 他の人に喜んでいただけるように、
 役立てたいと思っています。
 これからもよろしくお願いいたします。
札幌美容形成外科のスタッフから
いただいた花束です 
                        
                        
                     
                                    
                                                医療問題
                        
                            医療事故を防ぐには⑥                                                    
    
                         新車をぶつけて壊しました。
 昨日、交通違反で捕まりました。
 …なんてことは言いたくありません。
 インシデントレポートなんて横文字を使うと…
 何となく聞こえがいいですが、
 事故報告書です。
 私も、医療事故報告書を書いたことがあります。
 自分が手術した患者さんの、
 入院中に起きた事故です。
      ■         ■
 幸い、大事には至りませんでしたが、
 医療者側の過失でした。
 患者さんにお詫びして、
 傷が治るまで責任を持って治療しました。
 医療に事故はつきものです。
 同じような事故が繰り返されます。
 どんなに優秀な先生でも、
 どんなに頭が良い先生でも、
 事故を起こします。
      ■         ■
 麻酔科研修の想い出⑥に書いたように、
 偉大な教育者とは、
 自分がした失敗を、
 いかに繰り返さないか…?
 ということを正確に教える人のように思います。
 たくさんの麻酔科教授を輩出した、
 札幌医大麻酔科学教室には、
 ケースカンファレンスという、
 症例検討会がありました。
      ■         ■
 私が研修していた当時は、
 医局長の本間英司先生が、
 閻魔帳(えんまちょう)と呼ばれたノートを持って、
 各手術室を歩いて見ていました。
 何かトラブルが発生すると…
 ケースカンファレンスで発表が、
 命じられました。
 毎週行なわれるケースカンファレンスでは、
 どうしてトラブルが起きたのか?
 トラブルを未然に防ぐにはどうしたら良いのか?
 などを詳細に調べて発表しました。
      ■         ■
 一人が起こしたトラブルは、
 他の先生が起こす危険性があるからです。
 熱心に討論が繰り返され、
 容赦ない質問が上の先生からも
 下の先生からもありました。
 こうした
 失敗から学ぶ
 失敗を共有する
 ということが、
 医学の発展には必須だと思います。
      ■         ■
 私が研修医だった頃の北大形成外科では、
 スライドカンファレンスがありました。
 形成外科で手術した、
 すべての症例のスライドを出して、
 大浦武彦教授以下の全員で討論しました。
 結果が悪い症例もありました。
 どこが悪かったのか?を、
 とことん討論しました。
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 私が形成外科医としてやっていけるのも、
 すばらしい先輩に、
 しっかりと教育されたからです。
 私は札幌医大を卒業しましたが、
 北大形成外科の大浦武彦先生の門下に入りました。
 北大形成外科には、
 素晴らしい先輩がたくさんいらっしゃいました。
 今日で56歳になり、
 少々くたびれていますが、
 これかも人様のお役に立てる間は、
 形成外科を続けようと思っています。
                        
                        
                     
                                    
                                                医療問題
                        
                            医療事故を防ぐには⑤                                                    
    
                         現在の医学教育の中で、
 医療事故防止のための専任教員はいません。
 私は…
 ○○大学医学部、
 医療事故防止講座主任教授です。
 …なんて人は、
 日本の医学部には存在しないと思います。
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 医学の特殊性かも知れませんが…
 私たち医療関係者が、
 医療事故について…
 医学論文として…
 発表することは極めて稀です。
 形成外科関連では、
 過去数十年間に数編しか見たことがありません。
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 私はこんな失敗をしました。
 …なんてことは人に言いたくありません。
 そんなことを発表すると…
 開業医は命取りになります。
 一般病院や大学病院でも…
 患者数が減ります。
 誰でも事故を起こした病院は敬遠します。
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 私たちが医療事故のことを知るのは、
 同じ病院内であっても稀(まれ)です。
 関係者だけの秘密です。
 医師賠償責任保険のパンフレットや、
 医療事故裁判の判例などで…
 こんな事故があったのか?
 と知る程度です。
 示談や和解になったケースだと、
 たとえ死亡事故でも闇の中です。
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 医療事故を防ぐ一番の方法は、
 こんな医療事故で患者さんが亡くなったとか、
 こんな検査で後遺障害が残ったとか、
 そういう情報を、 
 正確に伝えることです。
 仮免許なのに…
 いきなり高速道路を200㎞/hで飛ばすような…
 無謀な人でも
 覆面に捕まっている車を見ると…
 スピードを落とします。
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 厚生労働省は、
 国の政策として医療事故防止に取り組んでいますが、
 私に言わせると…
 美容外科の分野では無策です。
 レーザーなどの医療機器も、
 ヒアルロン酸などの医療材料も、
 未承認品だらけです。
 使った医師の責任にしています。
 どんな事故が起こっているか?
 どんな副作用が出ているか?
 知るすべがありません。
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 医療事故を防ぐには…
 怖さを教えることです。
 誰でも…
 事故でぐちゃぐちゃになった車を見ると…
 怖いと思います。
 死亡事故現場という看板を見ると…
 スピードを落とします。
 この道は人が死んで…
 幽霊が出るという評判になれば、
 誰でも慎重になります。
 怖さを教える教育が…
 大切だと思います。