医療問題

医療事故を防ぐには④

 昨日の日記に書いた、
 最初はできなくて、
 よく叱られたのは…
 私のことです。
 私は慎重です。
 臆病(おくびょう)な人間です。
 だから無謀な運転はしません。
 素直?かどうかはわかりませんが、
 他人の言うことはよく聞きました
      ■         ■
 手術場の看護婦さんという、
 2008年7月19日の院長日記に書いてあります。
 私が医師になりたての頃は、
 医師免許を取得したのに、
 消毒一つ満足にできず、
 毎日、まいにち先輩から叱られていました。
      ■         ■
 当時の手術室ナースは、
 グリーンのキャップに、
 グリーンのマスクでした。
 目しか見えませんでしたが、
 とても精悍に見えました。
 あんなに手術器械があるのに、
 どうやって覚えるのだろう?
 と感心するほど、てきぱきしていました。
      ■         ■
 外科医は育てるのに時間がかかります。
 私は、あまり要領の良い方ではなかったので、
 手術が上達するまで時間がかかりました。
 よく、
 時間がかかるとか、
 遅いとか叱られました。
 研修医時代には、
 何人もの術場の看護婦さんに、
 いろいろ教えていただきました。
      ■         ■
 どんなに偏差値が高い有名大学医学部を…
 首席で卒業し…
 医師国家試験も…
 一発で合格した先生でも…
 卒業したての時は、
 ベテラン看護師さんより…
 仕事ができません。
 わからないことだらけです。
      ■         ■
 医師というプライドを捨てて、
 素直に看護師さんの言うことを聞くべきです。
 まみ子師長さんのように…
 長年、ベテラン理事長と仕事をした看護師さんは、
 新人皮膚科医より、
 的確に診断ができます。
 私が理事長だったら…
 大学から来た新人医師には、
 まみ子師長をつけます。
      ■         ■
 医療事故は、
 一人で防ぐものではなく、
 全員で防ぐべきです。
 できない先生は、
 できる看護師についてもらい、
 危ない!と思ったら…
 補助ブレーキを踏んでもらいます。
 看護師に、
 ブレーキを踏まれて、
 怒る医師は失格です。
      ■         ■
 できる看護師さんは…
 いきなり補助ブレーキを踏まずに…
 先生、この検査はよろしいですか?とか
 先生、こちらのお薬でよろしいですか?とか
 当院では、理事長はこのようになさっていますょとか
 優しく指導されるのでは…?
 …と思います。
 優秀な医師や
 優秀な看護師と働くことは、
 とても大切なことだと思います。

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医療問題

医療事故を防ぐには③

 医療事故を起こしにくい先生もいます。
 最初はできない人です。
 よく叱られた人です。
 臆病(おくびょう)な人です。
 素直で、
 他人の言うことを聞く人です。
 チェーン店の美容外科に勤務すると…
 最初は…
 売上、全国最下位になるような先生です。
      ■         ■
 チェーン店の問題という院長日記を、
 2009年12月16日に書きました。
 次の文章は私が考えた文です。
 美容外科のチェーン店には、
 売上目標や売上ノルマがあります。
 ないところでも…
 利益が出ていないと…
 院長の給与はゼロか大幅にダウンします。
 不景気になると、
 次々と‘閉店’する美容外科もあります。
 次の話しは架空の作り話です。
      ■         ■
 この患者さん…
 お腹も…
 腕も…
 太もも全周も…
 全部脂肪吸引して…
 がっつり根こそぎ
 5リットル以上吸引して…
 なんて言ってる…
 こんなに吸引したらヤバイよなぁ…
      ■         ■
 でも、
 これだけ脂肪吸引したら…
 250(万円)は取れる…
 ローンの審査もパスしている。
 今月の売上は低迷…
 受付からのプレッシャー
 先生、お願いしますぅ♡
 悪魔のささやきが聞こえてきて…
      ■         ■
 はいはい、脂肪吸引は簡単ですょ。
 眠っている間にすぐ終わりますょ。
 2~3日休めば、お仕事もすぐにできますょ。
 がっつり根こそぎ脂肪をとりますから…
 見違えるように細くなりますょ。
 みなさん、していらっしゃいますょ。
 心配なんて、いりませんょ。
 キズは残りませんょ。
 さぁ、手術をしましょう!
      ■         ■
 こんな美容外科は…
 実在しないと思いますが…
 広告を見ていると、
 多少やばいと思っても、
 強引に手術をしてしまいそうな…
 美容外科も目につきます。
 売上が重要なのは、
 美容外科チェーン店に限ったことではありません。
 大病院の院長とは…
 病院の赤字を減らせる先生のことです。
      ■         ■
 国の医療費抑制政策によって、
 どこの病院も疲弊しています。
 高齢者が増えた
 →医療費増大
 財政赤字
 →医療費抑制。
 →病院の赤字増大。
 疲弊したベテラン医師の退職。
 という負の連鎖が続いています。
      ■         ■
 最初はできなくて、
 よく叱られる人は、
 慎重です。
 臆病(おくびょう)な人だから
 無謀な運転はしません。
 素直で、
 他人の言うことを聞くので、
 しっかり教育すれば、
 素晴らしい先生に育ちます。
      ■         ■
 医学部の定員だけを増やしても…
 よい先生はできません。
 医療事故も減りません。
 いくら、
 インシデントレポートを書いても、
 医療事故は減りません。
 大切なのは、
 教育だと思います。
 どんな業種でも、
 事故を防いでよいサービスを提供するには、
 まず人を教育することです。
 その予算配分が少ないと思います。

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医療問題

医療事故を防ぐには②

 医療事故を起こしやすい医者がいます。
 一見、やり手で…
 腕がよくて…
 自信に満ちた人です。
 チェーン店の美容外科医になると、
 売上、全国一になるような人です。
 こんな先生が危険です。
      ■         ■
 一度見ただけで…
 自分は何でもできると錯覚しています。
 全身麻酔を、
 麻酔科指導医に教わったこともないのに…
 見よう見まねで覚えました。
 問題なく全身麻酔をかけることができました。
 横で見ていた看護師は…
 内心、ひやひやしていました。
      ■         ■
 無事に手術が終わって…
 麻酔から覚醒して…
 手術も成功しました。
 俺って…
 天才じゃん…!
 と看護師に言っていたそうです。
 看護師は黙って聞いていました。
      ■         ■
 数年後…
 俺って…
 天才じゃん…! 
 と言っていた先生は、
 死亡事故を起こしました。
 亡くなった患者さんには…
 ほんとうにお気の毒ですが、
 私はいつか死亡事故を起こすと思っていました。
      ■         ■
 私は医師免許をいただいて30年になります。
 私自身も…
 もう少しのところで危なかったことがあります。
 麻酔科研修の想い出⑥に書いてあります。
 私を助けてくださったのは、
 当時、札幌医大麻酔科の…
 医局長だった本間英司先生です。
 私の事例は、
 決して特殊なケースではありません。
      ■         ■
 昨日も書きましたが、
 医師免許証をいただいただけでは、
 仮免許運転中です。
 仮免許なのに…
 いきなり高速道路を200㎞/hで飛ばすような、
 無謀な先生がいます。
 こんな先生の車に乗せてもらうと…
 いつか死亡事故に巻き込まれます。
 事故は誰でも起こす可能性があります。
 自分だけは大丈夫と思わないことです。

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医療問題

医療事故を防ぐには①

 誰でも、医療事故にはあいたくありません。
 医療者側も…
 医療事故を起こしたくはありません。
 以前にも書いたことがあります
 医療は車の運転と同じです。
 条件が悪い道路を走ると
 必ず事故に遭う危険性が伴います。
 悪路で、視界が悪い山道でも、
 必要に迫られて走る必要はあります。
      ■         ■
 どんなに慎重に運転しても、
 がけ崩れや…
 橋の崩落にあってはたまりません。
 そういう‘医療’もあります。
 自動車事故にには、
 自賠責という強制保険があります。
 残念なことに医療事故には、
 任意保険しかありません。
      ■         ■
 医療事故が社会問題になって、
 国も積極的に政策を練っています。
 リスクマネージャーとか
 サブリスクマネージャーとか、
 インシデントレポートなど、
 横文字の単語ばかりが目立ちます。
 いくらリスクマネージャーをつくっても、
 インシデントレポートを書いても、
 事故は減りません。
      ■         ■
 医療事故を防ぐ一番のポイントは、
 教育
 訓練だと思います。
 今の医学教育では、
 医師になるにも、
 看護師になるにも、
 ペーパーテストに合格すればOKです。
 国家試験前には、
 徹夜で勉強しています。
      ■         ■
 晴れて…
 医師免許証を手にしても…
 看護師免許証を手にしても…
 何もできないところからスタートします。
 旧帝大とか有名私大とか、
 大学の難易度とは関係ありません。
 無名の私大の方が…
 よい医学教育をしていることもあります。
      ■         ■
 医師が医療事故を起こさないためには、
 良き師について、
 たくさん失敗を重ねることです。
 他人の失敗をたくさん見ることです。
 誰でも医療事故を起こすリスクはあります。
 大切なのは、
 事故が起こりそうになった時に、
 横に座っていて、
 補助ブレーキを踏んでくれる、
 教官につくことです。
      ■         ■
 医師免許取得時は、
 自動車でいうと、
 仮免許運転中と同じです。
 良き師匠について、
 運転が上手になるまでは、
 しっかりと教育してもらう必要があります。
 私は、
 北大形成外科という素晴らしい教習所で、
 大浦武彦先生という、
 素晴らしい師匠=教官についていただき、
 事故を起こさずに運転ができるようになりました。
 

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医療問題

荻野先生【控訴】

 山形大学職員組合から、
 【荻野先生の裁判を支援する会ニュースNo.14】が届きました。
 発行日:2010年8月31日
 山形大学職員組合
 原告請求棄却!控訴決意!
 <報告の後に、荻野先生と渡邉代表のご挨拶とお願いがあります。>
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  【判決報告】世話人 品川敦紀
 平成22年8月24日、午後1時15分より山形地裁において、荻野先生不当処分取り消し請求事件の判決が有りました。
 残念ながら、原告の請求がいずれも棄却されました。
 法廷では、主文のみの言い渡しのみでした。
 後で渡された理由書がに従って佐藤弁護士から、裁判所前で、簡単な説明がありました。
 主要な争点では,原告に報告義務があったかどうかについては,皮膚科に出来上がったコンパートメント症の患者がいるとの菊地医師の立ち話を、口頭報告と見なし、原告に、報告義務があったと認定しています。
 また、本件にかかる他の医師の処分、就業規則上の懲戒指針、他の処分事案との比較で、不当に重い処分だったかどうかについては,隠蔽、報告義務違反との大学側主張に沿って、その重大性から、本処分が,大学の裁量の範囲を著しく逸脱するものではないとして追認しています。
 今回の判決は,廊下での立ち話を口頭での報告と見なし、原告に報告義務があったと認定し,皮膚科での事故の責任を整形外科の教授だけに負わせていることを裁量権の範囲内と認定するなと,体制順応の不当判決(佐藤弁護士の評価)であり、佐藤弁護士から、絶対控訴すべきとの意見が出されました。
 とりあえず、荻野先生ご本人もご承知の上で,控訴を決めました。
 9月28日に佐藤弁護士事務所で弁護団会議を開き、控訴理由に付いて検討することになりました。
 支援する会としても、一度、中間総括を行い,控訴支援の体制を整える必要があると思われます。
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 ご支援ありがとうございます。
 私の裁判のご支援では、日頃、大変ありがとうございます。皆様のご支援を大変心強く思っております。今回の裁判についての山形地裁の判決は、全面的にこちらの訴えは認められなかったという残念な結果でした。私が訴えた内容は、普通の医師であれば、当然同じ様にするのではないかと思われる内容です。
 石栗正子裁判長は、これらの全てを否定しました。判決の理由は、大学の代弁者が語るような内容のもので、私には偏りがあるように見えます。この問題を早く終わりにしたいと思っていましたが、正しいと思うことを正しいと主張しなければいけないと思っております。弁護士さん、支援する会の世話人の高方と相談し、控訴することにしました。
 今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
 2010年8月26日
 荻野利彦
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 懲戒処分無効訴訟判決に思う
 支援する会 世話人代表 渡邉誠一
 今回の判決について、裁判所の姿勢が昔とほとんど変わらないことを改めて実感させられました。大学が決めた「処分」に対して構成員が異議申し立てをしても、裁判所はほとんど省みない、つまり、特別権力関係下での決定に裁判所は深入りを避けるという傾向が今なお残っているということです。今回の判決の根拠も、ほとんど被告=大学の主張を追認していることからも、そのことがよく解かります。
 また、この裁判を通じて、山大医学部附属病院の診療体制が、時代遅れであり、また同時に無責任な体制であることが露呈されました。
今日、医学の「進歩」で専門分化したこともあって、診療が複数の科で組織的に協働して対応している、所謂「チーム医療」がよく行われている中で、山大病院は、個人的に他の科に応援依頼し、しかも、依頼と同時に責任も押し付けるという、チーム医療とはほど遠い状態にあることが明らかにされました。この裁判中、医学部にチーム医療高度化委員会なるものがつくられたようですが、それが本当に診療体制の改善になっているか見極めたいと思います。
 今回、残念ながら、荻野先生の名誉が回復されるような判決が得られませんでしたが、これからこの間の運動を総括し、今後の運動の進め方を改めて検討していきたいと思っております。
 今までのご支援・ご協力に感謝申し上げるとともに、また今後もご支援よろしくお願い申し上げます。
 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
 判決文を弁護士の高橋智先生に読んでいただきました。
 高橋先生のご意見は、
 この事件は、
 医療事故と労働事件の、
 2つの面を持った興味深い裁判です。
 山形地裁では、
 原告の主張を退けています。
      ■         ■
 判決文を読むと、
 『…といって、平等性の原則に反するといえるものではない』
 『…といって、合理性を欠くものといえるものではない』
 というような表現を使っています。
 裁判官も、
 絶対に大学の処分が100%合理的とは言い切れていない
 逆転勝訴の可能性が高い裁判であり、
 控訴すべきですと
 力強いお言葉をいただきました。
      ■         ■
 私は医師として、
 医師法に規定された、
 患者さんの診療録(カルテ)を見ることもできない、
 他科の荻野教授一人が、
 極めて重い処分を受けたことの、
 合理性を判決に見出せません。
      ■         ■
 医療事故で被害を受けられた、
 若い女性の患者さんには、
 ほんとうに申し訳ないと思います。
 形成外科を信じて手術を受けてくださったのに、
 最悪の結果になったことは、
 とても残念です。
 同じ事故を起こさないためにも、
 形成外科の診療体制を確立してください。

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医学講座

美容外科へ行く時の準備(既往歴編②)

 誰にでも…
 言いたくないことはあります。
 ○○美容外科で、
 ワキガの手術をしました。
 プレミアム超音波○○法
 手術時間20分
 日帰りOP
 通院なし
 という甘い宣伝を鵜呑み(うのみ)にして、
 失敗しました。
      ■         ■
 …なんてことは言いたくありません。
 確かにキズは目立ちません。
 手術したかどうか…?
 ちょっと見にはわかりません。
 でも…
 汗も…
 臭いも…
 手術前と変わりません。
      ■         ■
 毎晩、熱帯夜で…
 暑くて暑くて…
 9月になったのに眠れない夜です。
 10万円という…
 私にとっては…
 大金を使って手術を受けたのに…
 わきが蒸れて臭います。
 どうしても治したくて、
 診察にいらっしゃる方がいます。
      ■         ■
 札幌美容形成外科では、
 今までに受けた手術などは、
 問診票に記入していただきます。
 忘れたわけはないと思うのですが…
 以前に受けたワキの手術を…
 書いてくださらない方もいらっしゃいます。
 お気持ちはよくわかります
      ■         ■
 目の手術と違って、
 わきの手術は、
 一度目と二度目は大違いです
 たとえ20分の手術で、
 見た目にキズがなくても…
 皮膚の下には、
 瘢痕(はんこん)という…
 立派なきずがあります。
 このきずがあると…
 手術が難しくなります。
      ■         ■
 何も手術を受けたことがない方と比較すると、
 手術による効果も減ります。
 瘢痕があるために、
 組織が硬くなっていて…
 アポクリン腺をきれいに取り除けないためです。
 手術で症状の改善が見込まれる時には、
 きずの治りが悪いことをご説明した上で、
 手術をお引き受けすることもありますが、
 手術ができないこともあります。
      ■         ■
 どんな手術でもそうですが、
 最初に受ける手術が不適切だと、
 2回目以降になおすのが、
 極めて難しいことがあります。
 目の手術も、
 鼻の手術も、
 フェイスリフトの手術も、
 おっぱいの手術も、
 脂肪吸引の手術も、
 2回目以降は難しくなります。
      ■         ■
 しっかりなおしてほしければ、
 担当の先生には、
 できるだけ正確に、
 今までの治療経過を説明してください。
 病院へ行って話すと忘れるので、
 履歴書のように…
 A4の紙にワープロで書いておいたり、
 時間がある時に、
 携帯に入力しておくのも便利です。
 情報は包み隠さず伝えてください。
 お医者さんからのお願いです。
 

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医学講座

美容外科へ行く時の準備(既往歴編①)

 既往歴(きおうれき)と読みます。
 今までにどんな病気をした…?
 どんな手術を受けた…?
 …という
 ご自分の、
 病気の歴史のようなものです。
      ■         ■
 医師が病気を診断する時に、
 重要な手がかりとなります。
 美容外科でも…
 既往歴(きおうれき)、
 特に手術歴が大切です。
 今まで、
 何回、埋没法の手術を受けた…?
 わきがの手術を受けた…?
      ■         ■
 実際の診療で困るのは…
 はっきり覚えていないという人が、
 実に多いことです。
 高校生の頃に…
 母親に連れられて…
 二重の手術を受けた…
 場所…?
 先生…?
 まったく覚えていません。
      ■         ■
 最初の二重は…
 3ヶ月で取れて…
 大学に入る前に2回目をして…
 22歳の時にもう一度しました。
 また取れたので…
 もう何回したか覚えてません。
 最後は東京だったような…
      ■         ■
 …というような方は、
 珍しくありません。
 二重が取れた原因がわからないと、
 適切な手術法を選べません。
 埋没の糸が何本も入っていると…
 まぶたの裏側がたがたです。
 手術で糸を取るにも、
 手術回数や先生がわかると…
 糸を探す手がかりとなります。 
      ■         ■
 手術を、まったく覚えていない人でも、
 手術前の写真があれば、
 手術前の瞼の状態がわかります。
 中学生や高校生の頃の…
 学生証はありませんか…?
 とお願いすることもあります。
 残念なことに、
 証拠隠滅のために…
 昔の写真はないことも多いです。
      ■         ■
 手術で瞼の中を見ると、
 糸や傷で、
 まぶたの中ががたがたになっていることがあります。
 その方の既往歴が、
 残っているや、
 きずとしてわかる場合もあります。
 美容外科ならではの苦労です。
 表面からはわからないことが、
 手術でわかることもあります。

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医学講座

美容外科へ行く時の準備(検査データー編)

 高血圧や糖尿病で、
 治療中の方は珍しくありません。
 血液をさらさらにする薬も、
 何種類もあります。
 しっかり治療していれば、
 手術を受けることができます。
 問題なのは…
 今の状態です。
      ■         ■
 最近の病院では、
 検査データーをくれるところが多くなりました。
 札幌美容形成外科でも、
 検査結果を差し上げています
 病院からいただいた、
 検査結果を持参していただくと、
 手術ができるかできないかを判断できます。
 足りない検査を追加することもできます。
      ■         ■
 一般的なことですが、
 糖尿病手帳などで、
 ご自分の検査結果を…
 しっかり管理されている方は…
 経過良好で、
 問題なく手術ができる場合が多いです。
 内科の先生と相談をして、
 糖尿病の方の手術もしています
      ■         ■
 内科の先生に、
 『美容形成外科で手術をするので…』
 『紹介状を書いてください。』
 とお願いするのは、
 ちょっと勇気が要ります。
 でも、こちらから、
 眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)で手術が必要です。
 内科的に手術は可能でしょうか?
 と診療情報提供書を差し上げ、
 内科の先生に診ていただくと安心できます。
      ■         ■
 美容外科も医療機関です。
 これからの高齢化社会では、
 糖尿病や高血圧を持った方は増えます。
 検査結果が悪い方は、
 内科的な治療を強化してから、
 手術をすることもあります。
 内科的な病気を持った方の手術でも、
 しっかり治療していれば、
 手術は可能です。
 そのためにも検査結果は重要なのです。

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医学講座

美容外科へ行く時の準備(お薬編)

 美容外科も医療機関です。
 他の病院を受診する時と同じように、
 準備する必要があります。
 今まで何も病気をしたことがない人。
 家族や血縁に
 大きな病気をしたことがない人は、
 特別な準備は要りません。
      ■         ■
 現在、医療機関から…
 お薬をいただいている人や、
 過去にお薬で薬疹(やくしん)などの、
 副作用が出た人は、
 お薬に関する資料をご持参ください。
 保険医療機関であれば、
 平成22年4月から、
 詳しい診療内容を書いた
 紙をくれるところがあります。
      ■         ■
 注射による治療を受けていても、
 診療内容を書いた紙には、
 薬剤名が書いてあります。
 調剤薬局から薬をいただくと、
 お薬手帳をくれるところもあります。
 その手帳を見ると、
 投薬内容がよくわかります。
      ■         ■
 うつ病で通院治療中…
 …なんてことは、
 あまり人に言いたくない場合もあります。
 でも、
 ある種の向精神薬(こうせいしんやく)で、
 妊娠しているわけでもないのに…
 おっぱいが出ることもあります。
 高プロラクチン血症という状態になっています。
      ■         ■
 高齢者の方は、
 血液をさらさらにする薬を内服していることがあります。
 昔は、
 手術の一週間前から、
 血液をさらさらにする薬を中止していました。
 今は、
 血液をさらさらにする薬の種類や量によっては、
 中止しないで手術をすることもあります。
 内科の先生と相談して決めたり、
 検査データーを見て決めます。
      ■         ■
 札幌美容形成外科では、
 80歳台の患者さんの手術もしています。
 80歳を超えていても、
 60台にしか見えない方もいらっしゃいます。
 お薬をまったく内服していない人も、
 たくさんの薬をのんでいる人もいます。
 正しいお薬の情報を知ることで、
 手術ができるかできないか…?
 …の判断も分かれます。
 お薬手帳をお持ちでしたら、
 必ずご持参なさってください。

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医学講座

美容外科へ行く時のお化粧

 服装の次はお化粧です。
 美容外科を、
 上手にご利用なさっていらっしゃる、
 お客様は、
 みなさん薄化粧です。
 厚化粧をしなくても、
 美しいから…?
 というのも一つの理由のようです。
      ■         ■
 レーザーフェイシャルなどは、
 施術前にお化粧を落としていただきます。
 薄くお化粧をなさっているだけですと、
 簡単に落とせます。
 手術部位の診察でも、
 傷の具合を診るには、
 ファンデーションがついていると
 診れません。
      ■         ■
 私が一番困るのが、
 眼瞼下垂症の診断の時に、
 まつ毛パーマや、
 まつ毛エクステがついている方です。
 眼瞼下垂症では、
 まつ毛が下を向いています。
 そのままだと視界の邪魔です。
 ビューラーで上げても、
 すぐに下向きになります。
      ■         ■
 まつ毛パーマをしたい気持ちもわかります。
 エクステをつけている理由もわかります。
 でも、
 簡単に取れない、
 パーマやエクステがついていると、
 正確な診断ができません。
 せっかくいらしていただいても…
 取ってからまたいらしてください
 …となります。
 若い方に多いです。
      ■         ■
 同じく眼瞼下垂症の診断の妨げ(さまたげ)になるのが、
 カラーコンタクトです。
 カラコンに注意という、
 2007年10月30日の院長日記に書いてあります。
 半分しか見えない黒目を…
 大きく見せるためにカラコンをします。
 カラコンをした状態では、
 瞳孔(どうこう)の位置が正確にわかりません。
      ■         ■
 付けまつ毛、
 アイプチ、
 カラコン、
 …で別人のようにメイクされた、
 若い女性が来院されると、
 診察前に落としていただきます。
 通販で買ったカラコンで、
 目に炎症を起こしていることもあります。
 美容外科へ行く時は、
 薄化粧でいらしてください。
 おじさん先生からのお願いです。

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