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研修医の指導
昨日の日記に医者は学会に参加したり外国雑誌を読んで勉強すると書きました。英文論文を読んで、すぐに手術ができるのはかなり技量がある医師です。フランス料理の本を読んでも、一流シェフと同じ料理は作れませんね。
以前に医師免許を取得しても、切ったり縫ったりする技量がないことを書きました。研修医は自動車学校で運転を習うように、指導医に横についてもらい切ったり縫ったりする練習をします。実験台になる患者様はたまったものではありませんが、厚生労働省の臨床研修指定病院になっている総合病院や大学病院では『手術の練習』が行われています。
実際には指導医が自動車学校の教官のように、暴走しないよう常に補助ブレーキを踏む準備をしています。私もこの自動車学校の教官役を何年間かしました。患者様にご迷惑をおかけすることはできませんので、研修医ができないと判断すれば私が代わりにします。自分で運転すれば5分で着くところを、研修医に運転させると10分も15分もかかります。最終的には私がチェックして手術を終了しますので出来上がりはキレイです。デキの悪い研修医に当たると指導医はとても疲れます。最近、大病院のベテラン医師が次々と病院を辞めて開業するのは、この指導に疲れるからだという説もあるくらいです。
大手美容外科にも卒後数年の若い先生がいらっしゃいます。できるフリをして手術をしていますが、昨日教えてもらったばかりの手術を一人前の顔をして一人でしなければならない時もあるようです。わきがの手術などは片方をある程度できる先生がして、反対側を新人がすることもあります。教える側の先生がいい加減な手術しかできないという、とんでもないクリニックもあります。その先生が上手か下手かを見極めるのは素人にはとても難しいことです。当院では私一人で診察から手術までを行っておりますので、どうかご安心ください。
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医者の勉強法
医学は日進月歩で常に新しい治療法が開発されています。よく医者は一生勉強が必要だと言われています。私もその通りだと思います。医師の勉強法には学会に参加する、他の先生の手術を見せていただく、先輩や同僚に相談するなどの方法があります。開業して毎日の診療に追われているとなかなか勉強の機会を作るのは大変です。
米国形成外科学会の雑誌がPlastic and Reconstructive Surgery(通称PRSピーアールエス)という本です。私は形成外科医になってから毎年年間購読しています。年間14冊程度で毎月航空便で送ってきます。以前は送られてくるまで読めなかったのですが、最近はインターネットに接続されていれば米国国内に居るのと同じように読むことができます。購読するとユーザー名とパスワードがもらえ、それでログインします。
形成外科・美容外科の医師にとってこのPRSに自分の論文が掲載されるのはとても名誉なことです。日本人の論文は毎号1~2編掲載されれば多いほうです。私も北大や札幌医大時代に掲載していただきました。
私が形成外科医になった26年前は、PRSに美容外科関連の論文が掲載されることは少なかったのですが、最近は約1/2から1/3が美容外科関連の論文です。アジア人に関しては日本の他、韓国の先生も多数投稿されていて、質の高い良い論文があります。私はこのPRSの他、美容外科関連の国際雑誌を講読して日々勉強しています。私が現在行っている目頭切開の手術法もこのPRSを通じて習得しました。著者の韓国人の先生と学会でお会いして、お互いに手術で工夫している点などを話しとても参考になります。医学を志す学生さんや若い先生は英語を自由に使いこなせる能力が必要だと思います。
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家内の美容法
11月25日に書いた家内のページにたくさんのアクセスをいただいています。同窓会では治療効果があって2番目に若かったとご機嫌で帰宅しました。やはり先生の奥さんはどんな治療をしているかご興味があると思います。
昨年11月に東京で行われた国際美容外科学会でロシアのスラマニーチェ先生の発表を見て(家内も学会に参加しました)、私もこのアプトスをしたいと言い出しました。一昨年6月に韓国のソウルでイタリアの先生のライブサージェリー(手術のデモンストレーション)を見た時には「あんな(糸を使った)手術は受けたくない」と言っていたのですが、本家本元のロシアの先生の手術結果を見て受けたいと言い出しました。学会でロシアの先生から直接手術を指導していただき当院でもアプトスを始めました。患者さん第一号は家内です。手術後しばらくは大きな口を開けると糸が突っ張るとか言っていましたが、その後は『たるみ』も改善してご機嫌です。
その他に、毎日ソニシオンという超音波美顔器でお肌の手入れをしています。顔に定期的にレーザーを当てて(レーザーフェイシャル)むだ毛を焼いて肌を活性化しています。
家内はあまりマメな人ではないのですが、ソニシオンだけは風呂上りに毎日ピッピッピッと当てています。たまに娘と器械を取り合いしているくらいです。
あまり参考にならないかも知れませんが先生の奥さんはこのようなお手入れをしています。
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高校生の法則
毎日たくさんの方に日記を読んでいただきありがとうございます。三日坊主で終わるかと思っていましたが、アクセス数が増え、それが励みになり続けています。今日、受付から「毎日ネタに困りませんか?」と尋ねられました。この日記は私がふだん話していることや感じていることを気ままに書いています。つまらない内容もあると思いますがご容赦ください。
私がいつも言っている言葉に『高校生の法則』があります。高校の時に習ったピタゴラスの定理や三角関数ではありません。高校生の時から彼女が3人いて二股も三股もかけているような人は、大人になって結婚して、50歳のオッサンになっても必ず浮気や不倫をしているという法則です。
人間は声と性格はなかなか変えることができません。浮気性は一種の病気のようなものだと思います。必ずしもカッコ良いイケメンだけが浮気を繰り返す訳ではありません。どうしてこんな男がもてるのだろう???というような人に愛人がいたりします。お金だけでもなさそうです。
浮気をよくしている男に共通しているのは、実にマメに電話やメールをしています。『奥さんや子供がいるのだから、あんたももう少し家庭を大事にして子供と遊んでやりなさい。』と注意したこともありますが、その人の病気は治りませんでした。
男性を選ぶ時は真面目で誠実な人が良いと思います。高校生の時からカッコよくてもてる人はいます。全部が全部とは言いませんが、高校生の時から彼女が3人も4人もいる人はおやめなさい。あなたが苦労するだけです。女性でも同じ法則が成り立ちませんか?
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日本美容外科学会
日本には日本美容外科学会という同姓同名の学会が2つあります。一つは形成外科系の日本美容外科学会です。もう一つはいわゆる十仁学会と言われる日本美容外科学会です。
私はもともと形成外科医でしたから最初に形成外科系の日本美容外科学会に入会いたしました。偉い形成外科医の中には十仁系日本美容外科学会を毛嫌いする先生がいらっしゃいます。私もずっと十仁系学会には入ってはいけないと思っていました。
平成14年8月に中央クリニック札幌院の院長にさせていただきました。この時に十仁系日本美容外科学会に入会しました。形成外科系にはチェーン店の美容外科医になってはいけないという暗黙のルールのようなものがありました。私のように大学の形成外科講師からチェーン店の店長になった例はマレでした。
はじめて十仁系学会に入り、上海で行われた国際学会で発表しました。この時に十仁病院院長の梅澤文彦先生が私のところへいらしてくださり「先生ようこそこの学会にいらしてくださいました」とおっしゃってくださいました。少し肩身の狭い思いで参加した私はVIPの梅澤先生から歓迎されてとても嬉しく思いました。上海の学会では韓国や台湾、中国の先生と親しくなりました。日本に帰ってから韓国の先生から韓国へ講演に来てくれないか?とメールをいただきました。
形成外科系の日本美容外科学会は十仁系学会の会員が発表しようとしてもなかなか歓迎してくれない風潮があります。確かに学術的には形成外科系の方が優れた先生もいらっしゃいますが、十仁系学会も積極的にライブサージェリーという手術の実況中継を取り入れて活発に活動しています。米国や韓国など海外でも形成外科系と非形成外科系学会の仲が悪いところが多いようです。日本では逆に2つの日本美容外科学会を仲良く1つにしたいと考えている先生がいらっしゃいます。私もいつの日か2つの学会が1つになればよいのに・・・と考えています。
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救急車
美容外科医になる前、病院勤務をしていた頃に何回か救急車に同乗したことがあります。一番長く乗ったのがロシアから来た熱傷患者を新千歳空港から札幌まで搬送した時でした。
できれば救急車のお世話にはなりたくないですが、イザという時にはとても頼りになります。私自身は病気で乗せていただいたことはありませんが、母が一度お世話になりました。
救急車は実際に乗せていただくと意外なことに気づきます。まず救急救命士の方はとても親切で言葉遣いも丁寧です。病院の先生や看護師さんより言葉は丁寧だと思います。救急現場の方が病院より接遇に関する教育が行き届いていると思いました。
病院では『○○さん、目を開けてください!手を握ってください!どこが痛いですか?』などが普通で、反応が無いとかなり大きな声で呼びかけます。救急救命士の方は『どうなさいましたか?大丈夫ですか?これから○○病院へ向います』といった具合です。
もう一つ意外なのが救急車の乗り心地です。乗用車やワンボックスカーを想像して乗るとかなり乗り心地が悪く、揺れも大きく感じます。サスペンションはトラックに似ているようです。
もし万が一交通事故で顔面に大きなケガをなさった時は、うわごとでも『形成外科がある病院へ搬送してください』とお願いし、到着後は形成外科の先生に縫合してくださいと言うと普通に救急の先生が縫合するよりはキレイになると思います。ただ形成外科専門医でも上手な先生と下手な先生では差があります。美容外科のように選べないところは残念ですね。
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×とんでもありません
昨日、敬語の使い方について書きましたら、今朝の北海道新聞に『敬語 正しく使ってます1?』という記事が掲載されていました。
『とんでもありません』とか『とんでもございません』という言葉は正しい日本語のように思いがちで、私も使っているような気がしますが間違いだそうです。正しくは『とんでもないことです』と言うそうです。
Googleで『とんでもございません』を検索すると解説が沢山出てきました。一部をご紹介します
「とんでもない」というのは一語で形容詞ですから、この場合の「ない」は、「くだらない」とか「つまらない」とか「切ない」の「ない」と同じなわけです。つまり、「とんでもございません」というのは、「くだらございません」とか「つまらございません」とか「切なございません」というのと同じレベルの事なのです。「とんでもございません」はもちろん、文法的には「とんでもありません」も間違いです。
私も毎日気をつけて日記をつけているつもりですが、正しくない日本語を使っているかもしれません。日本語の文法チェックがPCでできればよいのですが・・・。もし文法の誤りにお気づきでしたらご教示をいただけると幸いです。
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敬語の使い方
美容外科を開業して苦労するのが電話応対です。お客様はまず電話で治療内容を確認なさって診察を予約されます。
普通の病院でしたら「○○さん、今日はどうしました?」で始まるような会話でも、「お電話ありがとうございます。札幌美容形成外科でございます」から始まります。
「どのようなご相談でいらっしゃいますか?承知いたしました。かしこまりました。」など普通の病院よりは一段上の言葉遣いを要求されます。医学部6年間の教育でも、言葉遣いについては正式な授業はありません。最近はOSCE(オスキー)という授業科目がありボランティアの模擬患者様に診察の練習をさせていただきます。その時にある程度の言葉遣いは注意されますが、美しい日本語の講義はありません。
私も美容外科医になりたての頃は、「○○さん、今日は何の相談ですか?」のようにお話していました。開業して従業員に電話応対を教育する立場になって、はじめて自分で「承知いたしました」と言えるようになりました。最近では「(当院を)ご利用いただきありがとうございました。お気をつけてお帰り下さい」まで言えるようなりました。
敬語の使い方は難しいので参考書を利用しています。院長自ら美しい敬語を使えないと職員教育もできませんので、私自身が苦労しながら美しい日本語を話すように努めています。業者さんに電話した際でも、「札幌美容形成外科の本間先生ですね。いつも大変お世話になりありがとうございます。」と言われると気分が良いです。当院へお電話いただいた方にできる限り美しい日本語で対応できるように努力しております。もしお気づきの点がございましたら、メールでもお電話でも結構ですのでご教示をいただければ幸いです。
医学講座
キズは残りますか?
美容外科よりも形成外科でよく患者様から尋ねられたのが「キズが残るかどうかです」。残念ですがキズはどんなに丁寧に縫合しても残ります。問題なのはキズが目立つかどうかです。手術をした私が見てもどこにキズがあるかわからない位、キレイになる方もいらっしゃいます。これならキズは残りませんと言ってもよい位ですが厳密にはキズは残っています。
キズが残るかどうかは、手術した部位、患者様の年齢、遺伝的な体質、喫煙の有無、手術後の安静やケアーなどによって決まります。形成外科医は安易に「キズは残らないのでご安心下さい。」とは申しません。「絶対にキズは残りません。」と言うのはウソが上手な先生か素人の先生です。
美容外科医も神様ではないので絶対にキズを残さずに手術はできません。手品と同じようにタネもしかけもあります。たとえば二重切開をする時は二重の線に合わせて切るので目を開けている時は目立ちません。鼻を高くする手術は鼻の中を切るので見えません。フェイスリフト手術は耳のすぐ前や後ろを切って髪で隠します。
形成外科はケガをした方を縫合するので目立つ場所にキズができます。これを目立たないように縫うのは美容外科より難しい場合があります。一般的に、白人→黄色人種→黒人と肌の色が濃くなればなるほどキズが目立ちやすくなります。日本人でも色白の方がキズが目立ちません。
手術後にタバコを吸うと皮膚血流が悪くなりキズが治りにくいためキズが目立ちやすくなります。治りが悪いとキズそのものが赤く盛り上がってしまう他に、PIHと呼ばれる炎症後色素沈着という状態になります。軟膏などで少しずつ治すことになります。
どんなに丁寧に手術をしてもご自分でしっかりとキズの管理ができなければキズは目立ってしまいます。キズを目立たないようにするには術者の腕にも影響されますが、患者様自身の管理にもよります。医師の指示は守ってくださいね。
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形成外科医になった理由
昨日、家内の昔の写真を出して自分の若い頃を想い出したので形成外科医になった理由を書いてみます。
私は父が病院勤務の薬剤師だったため、小さい頃から身近にお医者さんがたくさんいました。小学校2年生までは手稲金山にあった三菱砿業の結核療養所に父が勤務していました。その療養所は現在も手稲ロイヤル病院として残っていますが、当時は病院の前に芝生と池があり小奇麗な病院でした。子供の頃は近所のお医者さんの子供たちとよくその病院へ遊びに行っていました。
漠然と医師になろうと考えた始めたのは、おそらく中学生の頃だったと思います。高校に入って自分の実力が医学部とは遠くかけ離れたものだと知りましたが地道に努力しました。他人が遊んでいる時も勉強していたように思います。
一浪して札幌医大に入った頃は、実習で血を見たらどうしようと思っていた位で、外科医になるとは夢にも考えていませんでした。医学部の5年生・6年生となり臨床実習で各科を回り、その頃にはどうも自分には内科医は向いていないと思うようになりました。血を見ると最初怖かったのですが、慣れてくると血を見て怖いよりも、手術で治る方が興味深くなりました。
実習で手術を見学していた頃です、顔を縫うのにどう見てもキズが残りそうな縫い方を見ました。『病気が治ってもキズが残ったらこの人の人生はどうなるのだろう?』と思って、図書館で形成外科の教科書を見つけました。当時、札幌医大には形成外科はなく講義もありませんでした。仲が良かった同級生の福岡君に形成外科ってどうだろうと話すと『僕も興味があるので北大に話を聞きに行ってみよう』ということになりました。
札幌医大の学生が北大に見学に行くのは少し抵抗があったのですが、当時、北大形成外科の医局長だった杉原平樹先生(後の形成外科教授、北海道大学病院長)は快く引き受けてくださり、一週間の実習を受け入れてくださいました。
一週間の実習が終わり、病棟チーフだった本田耕一先生(現、時計台記念病院院長)と他のスタッフがススキノの三光舎というすき焼きの店に連れて行ってくださいました。
札幌医大を卒業後に私は北大形成外科に入局し、大浦武彦教授の門下生になりました。結果的に北大に行ったのは私の人生にとってとてもよい結果になりました。大浦教授は北大出身者も札幌医大出身者もまったく差別なく教育してくださいました。現在、私が一人前に手術できるのは北大形成外科の諸先輩に手取り足取り教えていただいた結果です。
人と人の出会いというのは偶然ですが人生に大きな影響を与えます。私は幸運にもとても素晴らしい指導者に恵まれました。どの道でもそうでしょうが、特に技術者である外科医はどの師匠につくかで技量が決まります。私は教えてくれ精神的な支えになってくださった師匠にいつも感謝しています。