昔の記憶

北区新琴似の思い出

 今日は2023年6月5日(月)です。
 昨日の院長日記、
 新琴似で猛吹雪、雑貨店に泊めてもらったで、
 昔のことを思い出しました。
 今から42年前に私が新婚生活をはじめた時です。
 私が選んだ新居は、
 北区新琴似7条12丁目の公団住宅でした。
      ■         ■
 家賃4万5千円程度(管理費含)の、
 札幌市北区新琴似にある、
 2DKの公団住宅です。
 今も建物はあるものの、
 公団住宅ではなくなっていました。
 私が公団住宅を選んだのは、
 お金がなかったからです。
      ■         ■
 ふつうに家を借りるには、
 前家賃、
 敷金、
 (礼金)、
 不動産手数料がかかります。
 1年以内に退去すると、
 敷金が返還されないこともあります。
 お金がなかったので1円でも安く住むところを決めました。
      ■         ■
 公団住宅を選んだのは、
 不動産手数料がかからない、
 礼金がない、
 保証人もいらない、
 とにかく安く住めました。
 これが公団住宅を選んだ理由です。
 安い公団住宅に住んだ頃が、
 人生で一番しあわせな時期でした。
      ■         ■
 他の公団住宅ではなく、
 北区新琴似を選んだのは、
 比較的新しい物件だったこと、
 下にスーパーがあって便利だったこと、
 北大に通勤しやすいことと、
 形成外科メモリアル病院にも近いことでした。
 私が形成外科医になった、
 1980年に北区北36条西8丁目に形成外科メモリアル病院ができました。
 今はカレス札幌 時計台記念病院になっています。
      ■         ■
 この公団住宅に住んで、
 釧路労災病院に3ヵ月間勤務し、
 それから札幌医大で麻酔科研修をさせていただき、
 函館中央病院に転勤するまで住みました。
 家内は近くの中央バス自動車学校で運転免許を取得しました。
 今から考えても、
 やっぱり人生で一番いい時期でした。
 私の北区新琴似の思い出です。

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医学講座

半世紀前のおとぎ話

 今日は2023年6月4日(日)です。
 札幌は晴れです。
 北海道は梅雨がなく6月はいい季節です。
 残念なことに、
 保険証、来秋に廃止
 マイナカード読取不能など、
 いいことがありません。
      ■         ■
 今日の北海道新聞朝刊のいずみに、
 とてもいい投稿が載っていました。
 半世紀前のおとぎ話
 昭和40年(1965年)、現在でいう札幌市北区新琴似にある新興団地に入居した。当時は札幌にあって離れ小島のような寂しさだった。
 最初はバスと路面電車を乗り継いで市中心部の職場へ行っていた。私は67年に運転免許を取り、独身時代の貯金をはたいて中古車を購入。翌年には夫も免許を取得し、夫婦でマイカー通勤をするようになった。
 やがて、同じく札幌の中心部へ通勤していたお向かいの女性とその息子さん、私と夫、うちの息子の計5人が1台に同乗するようになった。子どもたちを保育園に預けて、大人3人で通勤し、5人で仲良く帰宅した。
 先日、道外に住む息子に会って、半世紀以上前の思い出が話題になった。70年3月末、春が近いのに猛吹雪となった。保育園に寄って5人で帰宅する途中、道路の先が見えなくなり、雑貨店の駐車場に停車したのだ。
 天候は一向に良くならない。雑貨店の人に、泊めてもらえないかと思い切って頼んだ。店主が夫の身分証明証を確認し、許可してくれた。店の片隅でも借りようと思ったが、私たち5人を部屋に上げてくれ、夕食のほか布団まで用意してくれた。
 翌朝、天気が少し落ち着いた。車道の除雪が追いつかないため、私たちは車を駐車場に残して、雪の中をこいで帰宅した。
 優しくしてくれた店の皆さんの対応は、おとぎ話の一場面のようだった。いくら感謝してもしきれない。
 白石由美子(しろいし・ゆみこ 85歳・無職)=札幌市西区

(以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 昭和40年1965年には、
 私は美唄市茶志内びばいしちゃしないに住んでいました。
 1970年は札幌西高校の学生でした。
 1970年3月末に大雪があったのは忘れました。
 春の猛吹雪で帰れなくなり、
 雑貨店に泊めてもらって、
 ごはんまでごちそうしてくれたなんて、
 なんて素敵はお話しだろうと思います。
 白石由美子さん素敵なおとぎ話をありがとうございました。

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医学講座

保険証、来秋に廃止 改正マイナンバー法成立

 今日は2023年6月3日(土)です。
 北海道新聞朝刊の記事です。
 保険証、来秋に廃止 マイナに一本化 改正マイナンバー法成立
 健康保険証を2024年秋に原則廃止してマイナンバーカードに統一するマイナンバー法など関連改正法が2日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。任意のカード取得を事実上義務化し、マイナンバーを利用できる事務も拡大する。マイナ保険証を巡って別人の情報が誤登録されるなどのトラブル発覚が相次ぐ中、立憲民主、共産両党は「まずは制度への信頼回復を図るべきだ」として反対した。
 マイナカードの取得は任意だが、国民皆保険制度の下では、カードと健康保険証を一体化したマイナ保険証へ原則的に切り替えることになる。カードを持たない人には、保険診療を受けるために資格確認書を発行するが、有効期間最長1年の更新制で、患者の窓口負担もマイナ保険証より重く設定する。経過措置として、現行保険証は2025年秋まで最長1年間使える。
 また、これまで社会保障と税、災害対策に限っていたマイナンバーの利用範囲に、行政書士や美容師といった国家資格の手続きや自動車登録、在留外国人の関連事務などを加える。このほか、法で認められた業務に「準ずる事務」なら法改正せずに政省令で利用できるようにし、政府の裁量を広げる。
 国の給付金支給などの迅速化を目的に、年金受給口座など行政機関が既に把握している住民の口座情報をマイナンバーにひも付け、公金受取口座として登録する制度も設ける。口座を利用していいかどうかを本人などに確認し、一定期間内に「不同意」の回答がなければ同意したとみなす。
 マイナカードを巡っては、マイナ保険証への他人情報のひも付けや公金受取口座の誤登録、住民票の写しなど証明書のコンビニでの誤交付などトラブルが続出している。(関口潤、勝間田翔)

(以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 あ~ぁ、
 仕方がないなぁ~、
 マイナカードだけで、
 意識不明の重体で運ばれたら、
 どうやって認証するんでしょうか?
 顔認証はできないですし、
 暗証番号も入力できません。
 ちゃんと考えてくれているのか?
 とても不安です。
      ■         ■
 厚労省HPを読むと
 救急専用端末というのをつくるそうです。
 厚生労働省のお役人は、
 高度救命救急センターに搬送される患者さんをご存知ないと(私は)思います。
 男性か女性かもわからないほど、
 重度に顔が損傷されることもあります。
 そうするとどんな端末を用いても、
 本人確認はできません。

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医学講座

簡単ではない本体交換

 今日は2023年6月2日(金)です。
 昨日の院長日記、
 保険証を人質にしてマイナカード普及の続きです。
 2023年5月18日にマイナ保険証のNTT工事
 翌日からマイナカード読取不能でした。
 結局は読み取り機の本体交換になりました。
      ■         ■
 簡単に交換はできません。
 クリニックの受付右端に設置していただきました。
 そこから線をPCモニターの裏側に遠し、
 YAMAHAのルーターと、
 LENOVOのノートPCに接続します。
 上手に線を隠していただいたので、
 本体交換になると大変です。
      ■         ■
 コールセンターの人は、
 線を抜いて本体を交換してくださいと言われますが、
 それじゃぁ、
 『あんた来てやってごらん!』です。
 私は日本熱傷学会から帰ってきた、
 2023年5月26日は23:30までかかって、
 IPアドレスの変更をしました。
 小倉の日韓形成外科学会から帰ってきた、
 2023年5月31日は6時間もかかって、
 補助金の申請をしました。
 ほんとうにやれやれです。
 河野太郎デジタル担当相に自分で設定してみてほしいです。
 ついて行けない医師は引退しろと言われているようです。

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医学講座

マイナカードを100%にするために保険証を人質に取った?

 今日から2023年6月です。
 電気料金が上がりました
 今朝の羽鳥慎一モーニングショーで玉川徹さんがいいことを言ってくれました。
 2023年6月1日のYahoo!ニュースです。
 玉川徹氏「マイナカードを100%にする為保険証を人質に取った?」と河野デジタル相へ切り込む 保険証のマイナ一本化で
 テレビ朝日の玉川徹氏が1日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演。番組に生出演した河野太郎デジタル担当相に、来秋に現在の保険証が廃止されることに関して「マイナンバーカードを100%にするために、保険証を人質に取ったんじゃないですか?」と切り込んだ。
 番組では、マイナンバーカード普及の旗振り役である河野デジタル担当相をスタジオに招いて、全国でトラブルが続出しているマイナンバーカードについて取り上げた。
 玉川氏は「河野さん突破力ある。利便性を訴える突破力もあるだけど、ある種、裏腹で、強引な感じも受けるんですね」とマイナンバーカード導入を性急に進めようにしていると述べた。
 来年の秋には現在の保険証が廃止され、マイナ保険証としてマイナンバーカードに一本化されるが、マイナ保険証の普及率は現在、5割程度にとどまっている。
 大阪府保険医協会へマイナ保険証のトラブルの実態について取材したという玉川氏は「このまま保険証を廃止すると、事務が滞るだけじゃなくて、高齢者は元々、デジタルに弱いので、そうした人たちの対応に追われるだろう」と利便性は上がらず、むしろ混乱に拍車をかけることになるだろうと指摘。従来の保険証が本人の元へ送られてくるのに対し、「(マイナ保険証は)原則申請になっている。申請を忘れる人、できない人、保険を払っているのにもかかわらず無保険になってしまうという問題がでてきてしまう」と、問題点を挙げた。
 続けて、「『マイナ保険証を進めていくとしても、それが十分に行き渡ってからでいいじゃないですか、保険証を廃止するにしても。なぜそこを急ぐんですか?』というふうなことを考えてらっしゃる。ぼくも『なぜだと思いますか?』と聞いたら『マイナカードを100%にするために保険証を人質に取ったんじゃないですか?』という言われ方をしてました」と現場への取材を元に切り込んだ。
 羽鳥アナも「(従来の保険証との)併用というは無理なんですか?」と尋ねたが、河野氏は「そこはマイナ保険証でやっていってもらいたい」と回答。
 玉川氏が重ねて「トラブルが続いたとしても、それでも来年の秋に廃止というのは、見直さないということですか?」と尋ねると、河野氏は「絶対、大きな大きなトラブルが起きたときにどうか、それは厚労省が判断されると思いますが…」と言葉を濁したものの、「来年の秋に向けてひとつひとつトラブルの原因を取り除いているところです。私としてはそれに間に合うタイミングでシステムを動かすことができると思ってます」と、基本的には見直す考えがないことを示した。
 玉川氏が「こういう不審がある中で、強引に進めていくというイメージがあると、余計に不審が募るんじゃないかと思うんですけど」と再度詰め寄ったが、河野氏は「そこに向けてしっかり準備をしていくということで、目標をきちんと決めませんとなかなか作業が進みませんから」と最後まで平行線をたどっていた。
 (以上、Yahoo!ニュースより引用)

      ■         ■
 玉川徹さんがおっしゃる通りです。
 札幌美容形成外科は2023年5月18日にカードリーダーを設置していただきました
 残念なことに翌日にはエラーが発生しました
 つながらない電話サポートに何度も電話をして、
 機器本体の交換になりました。
 2023年5月27日に交換品が届きました。
      ■         ■
 本体を交換しただけではダメでした。
 ノートPCのIPアドレスも変えました。
 LENOVOのノートです。
 なぜかIPアドレス
 サブネットマスク
 デフォルトゲートウェイ
 この3つが変わっていました。
      ■         ■
 私は何もしていません。
 うちの職員も何もしていません。
 電話サポートさんが言われる通りに、
 接続を確認したり、
 線が抜けていないか確認しただけです。
 不具合が生じた時に助けに来てくださったのは、
 NTT東日本の営業担当さんでした。
      ■         ■
 私はPCのIPアドレスの確認もできますし、
 書き換えることもできます。
 でも、手順書には何も書いていませんでした。
 不具合が生じたら、
 IPアドレス、
 サブネットマスク、
 デフォルトゲートウェイ、
 これを確認することをおすすめします。
      ■         ■
 医療機関には何の責任もないのに、
 突然、マイナカードの読取ができなくなることがあります。
 その時のためにも、
 保険証は必ず持参してください。
 高齢者は暗証番号を忘れます
 顔認証ができないこともあります。
 私は一人の医師として、
 このまま保険証を廃止すると、事務が滞るだけじゃなくて、高齢者は元々、デジタルに弱いので、そうした人たちの対応に追われるだろうと思っています。

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医学講座

第15回日韓形成外科学会(小倉)③

 今日は2023年5月31日(水)です。
 第15回日韓形成外科学会(小倉)が終わりました。
 今日は福岡→札幌の直行便で帰ってきました。
 空港も飛行機もコロナ前と同じように混んでいました。
 日韓形成外科学会は来年、
 第16回日韓形成外科学会が韓国の釜山プサンで開催されて最後になります。
 その後はアジア太平洋地区の国際形成外科学会として活動をはじめます。
      ■         ■
 私は韓国の学会に招待していただき発表したことがありました。
 手術用顕微鏡を使った目の手術
 2008年11月です。
 その頃の日韓関係は良好でした。
 昨夜のディナーパーティーで、
 大韓民国福岡領事館の朴建燦総領事がおっしゃったように、
 今年になって日韓関係が大きく改善しました。
 私はとてもいいことだと思います。
      ■         ■
 日本と韓国はとても近いです。
 私が福岡から札幌まで帰ってきたより、
 福岡から釜山までが約半分以下の時間です。
 うちの奥さんは韓国ドラマの大ファンですし、
 韓国の化粧品も使っているようです。
 小倉で開催された日韓形成外科学会に参加して一番感じたことは、
 国際親善の大切さです。
 日本と韓国や日本と台湾は、
 今まで以上に友好を深めるのがいいと思いました。

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医学講座

第15回日韓形成外科学会(小倉)②

 今日は2023年5月30日(火)です。
 第15回日韓形成外科学会(小倉)の続きです。
 日韓形成外科学会ですが、
 中国の先生も台湾の先生もいらしてます。
 インドネシアの先生も発表されます。
 公用語は英語です。
      ■         ■
 プログラムも英語です。
 May 29 (Mon) 16:48–17:28 Room 3
 Free Paper 5
 Nipple Areola
 Moderator: Hiroki Mori (Plastic and Reconstructive Surgery, Tokyo Medical and Dental University)
 P5-1 SVF Pretreatment for Nipple Reconstruction in Radiated Breast
 SeungYong Song
 Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Yonsei University College of Medicine, Seoul, Republic of
 Korea
 FP5-2 Nipple reconstruction using modified C-V flap with purse-string sutures for maintenance of long-term nipple projection
 Seokwon Park
 Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Seoul National University, Seoul, Republic of Korea
 FP5-3 A New Method for Inverted Nipple Treatment with Diamond-shaped Dermal Flaps and Acellular Dermal Matrix
 Jeong Do Park
 Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Soonchunhyang University Gumi Hospital, Gyeonsangbukdo, Republic of Korea
 FP5-4 Modified skin banking closure technique after nipple areola-sparing mastectomy
 Miki Kanbe
 Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Nagoya University, Nagoya, Japan
 FP5-5 A nipple protector for the duct-preserving surgical correction of the inverted nipple.
 Kento Homma1,2
 1Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Tokyo Women’s Medical University, 2Sapporo Aesthetic Plastic Surgery
 (以上、第15回日韓形成外科学会プログラムより引用)

 こんな感じです。
      ■         ■
 日本、韓国、中国、台湾、インドネシア、
 どの国の言葉でもなく英語が公用語です。
 会場内の掲示もすべて英文です。
 英語が赤点だったけんいち少年には考えられないことですが、
 私は同時通訳もないのに発表を理解できます。
 杉田敏先生のおかげです
 英語を勉強してよかったと思っています。
 日本人も韓国人も顔や骨格は同じです。
 日韓形成外科はためになることがたくさんあります。

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医学講座

第15回日韓形成外科学会(小倉)①

 今日は2023年5月29日(月)です。
 第15回日韓形成外科学会に参加するため、
 昨夜、小倉に来ました。
 新千歳空港→羽田空港→北九州空港と乗り継いで、
 ホテルに着いたのが午前0:20頃でした。
 はじめてスターフライヤーの飛行機に乗りました。
 ANAとの共同運航便です。
      ■         ■
 日韓形成外科学会への参加は2回目です。
 2004年に第7回日韓国際形成外科学会が札幌で開催されました。
 杉原平樹先生が会長でした。
 私は目頭切開でPRSに論文を書かれた、
 韓国テグ市の形成外科医Cho先生とはじめてお会いしました。
 Cho先生のMedial Epicanthoplasty Combined with Plication of the Medial Canthal Tendon in Asian Eyelids
 アジア人の内眼角靭帯短縮による目頭切開
 …という論文を読んで目頭切開の手術をはじめました。
      ■         ■
 今年の第15回日韓形成外科学会は、
 第43回日本美容外科学会に合わせて、
 2020年9月18日~20日に行われる予定でした。
 ところがコロナ禍で美容外科学会は2021年2月に延期され、
 第15回日韓形成外科学会は2023年5月に延期されました。
 学会長の清川兼輔先生、久留米大学形成外科のスタッフのみなさんは、
 ほんとうに大変だったと思います。
 今日の学会には韓国や中国の先生もいらしてます。
 中国でもなんちゃって美容外科医がした不自然な二重を、
 形成外科の先生が修正する手術があるそうです。

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医学講座

小児で増加する電気ケトル熱傷

 今日は2023年5月28日(日)です。
 札幌は晴れのいいお天気です。
 予想最高気温は23℃です。
 金曜日に第49回日本熱傷学会から帰ってきたばかりなのに、
 明日から小倉の第15回日韓形成外科学会に参加するため、
 夜の飛行機で小倉に行きます。
      ■         ■
 第49回日本熱傷学会で知っていただきたい発表がありました。
 小児で増加する電気ケトル熱傷
 平尾大祐ひらおだいすけ、日原正勝、光井俊人、覚道奈津子
 関西医科大学附属病院形成外科
【目的】小児熱傷は日常的に遭遇頻度の高い疾患である。その中でも特に乳幼児の熱傷の割合は高い。今回、当院を受診した過去11年問の乳幼児熱傷患者について検討し、臨床統計学的検討を行った。
【方法】2011年1月から2021年12月までの11年間に当院を受診した乳幼児の新鮮熱傷患者184名について、初診時診療科、受傷年齢、受傷部位、受傷面積、受傷深達度、受傷原因、原因種別の検討を行った。
【結果】全期間を通して、熱傷患者は緩やかに減少していた。性差はほぽなく、生後6か月から1歳児の受傷が多かった。初診時対応は形成外科が多く、外来通院で経過観察した患者が多かった。受傷部位は背臀部を除き、他の部位でほぼ差はなかった。受傷面積は5%TBSA以下が約80%を占め、深達度はSDBが最も多かった。受傷原因は液体が多く、中でも熱湯汁類が約70%を占めた。熱湯汁類の詳細として、電気ケトルによる受傷が著増していた。
【考察】乳幼児新鮮熱傷症例は減少傾向であった。受傷原因として、特に電気ケトル熱湯による受傷が増加していた。
電気ケトルを保有する家庭が近年増加していることが理由の一つと考えられ、乳幼児を持つ家庭、医療機関、企業、マスコミにおいて情報を共有し、対策を行う必要があると考えられる。
【結論】近年電気ケトル熱傷は増加傾向にある。保護者は危険性を理解し、社会全体としても予防策を講じる必要がある。
 (以上、第49回日本熱傷学会抄録集より引用)

      ■         ■
 電気ケトルはかなり普及しています。
 うちのばあさんも持っていました。
 意外と不安定です。
 沸騰させて倒すと凶器になります。
 私が日本熱傷学会で発表してマスコミに取材していただいたのが、
 加湿器によるやけどです。
 読売新聞社が最初に取材に来てくれました。
      ■         ■
 関西医大形成外科の日原正勝先生は、
 2019年1月26日の第25回日本熱傷学会北海道地方会で、
 特別講演広範囲熱傷の治療戦略2019をしてくださいました。
 日本形成外科学会専門医、
 日本熱傷学会専門医、
 日本救急医学会専門医、
 3つも専門医を持った、
 熱傷治療のスペシャリストです。
 平尾大祐先生のご発表をマスコミが取り上げてくれることを願っています。
 電気ケトルは注意しないと危ないです。

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医学講座

第49回日本熱傷学会(東京)③

 今日は2023年5月27日(土)です。
 昨夜、東京から帰ってきました。
 私が札幌行の飛行機に搭乗した後で、
 関東地方で地震がありました。
 私は着席していたので気づきませんでした。
 飛行機は予定通り離陸し、
 定刻に新千歳空港に着きました。
      ■         ■
 地震や災害はいつ起きるかわかりません。
 形成外科で災害時に役立つのが熱傷治療です。
 3年間のブランクがありましたが、
 熱傷治療がまた進歩していました。
 東京女子医大形成外科で行われていた超早期手術
 広範囲熱傷の救命のために必須の手術になりました。
 難しい手術なので、できる施設はまだまだ限られています。
      ■         ■
 京都アニメーション放火殺人事件
 大阪のクリニック放火事件
 ふつうに暮らしていても、
 いつ災難にあうかわかりません。
 時代が変わって広範囲熱傷の患者さんは減りました。
 世界を見ると紛争地域などに熱傷の患者さんがいます。
 核戦争になったら悲惨です。
 熱傷治療は国民を守るために必要だと思います。
 来年は第50回日本熱傷学会が大阪で開催されます
 来年も参加したいと思っています。

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