医学講座
形成外科医はキズを治すプロです
偉そうなタイトルですが、
形成外科医としての誇りです。
治らないキズ…。
キレイにしたいキズ。
キズのことなら形成外科へ!
自信を持って言える、
キズを治すプロ
が形成外科医です。
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じゃあ…先生、
私のこのキズも…
まったくわからないように消せるの…?
というご質問が来そうです。
ちょっと待ってください…!
キズを治すプロでも、
キズ痕は消せません。
限りなく目立たないように治すのが、
形成外科医です。
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キズが目立つか?目立たないか?は、
同じ人でも、
体の部位によって異なります。
できたキズの状態にもよります。
一般的なことですが、
浅いキズは治りも早いし、
キズ痕も目立ちにくくなります。
皮膚が薄くて、
血流がよく、
皮膚に緊張がかからない部位は、
キズが目立ちにくいと言われます。
■ ■
キズを治すプロなんて言うと…
縫い方が上手な、
神の手を、
想像なさる方も多いと思います。
私の手は、
残念ながら…
‘神の手’ではありません。
よく練習した、訓練を積んだ‘手’ですが、
生まれ持った特別な才能はありません。
先輩に叱られて…
患者さんといっしょに悩んで…
苦労して覚えた‘手’です。
■ ■
確かに上手な先生は、
切り方も、
血の止め方も、
縫い方も、
違います。
この切って縫うまでが、
キズを治すプロの条件だと、
誤解されることがあります。
もちろん下手くそだと、
お話しになりません。
■ ■
どんなに上手な先生が、
神の手で縫ったキズでも、
目立つことがあります。
治らないこともあります。
それは、
キズを治すのに必要な、
血流が障害された時、
縫った後で、
キズに緊張が加わった時などです。
■ ■
抜糸したら…
キズは治っていると思うのは誤りです。
引っぱってもちぎれないくらい、
キズがしっかりとくっつくのは、
手術してから3~6ヶ月もかかります。
その間は、
キズが硬くなったり、
つっぱったりすることもあります。
そうしたキズも治すのがプロです。
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縫うのが上手なだけが、
プロではありません。
しっかりと後療法(こうりょうほう)もするのがプロです。
キズが治るメカニズムを理解して、
キズが治りやすい環境を整えて、
患者さんにそれを説明して、
一緒にキズを治す協力をするのが、
形成外科医です。
残念なことですが…
プロでも治せないキズもあります。