医学講座

看護の極意

 昨日らずべりーさんからいただいたコメントです。
私が注意している事、心がけている事、対処の方法の例です。その中でいくつか書かせて頂きます。
五感を使い、非言語的なサインに気づく
病室を退出する時、特に転倒しそうな方はスリッパや靴を次回降りやすいよう向き変えて揃えておく、障害物がないかも見ておく(夜急いでトイレに行く時に転倒される時がある)
 スリッパで足元が危ない場合は、滑らないシューズに変更出来ないかご本人やご家族に相談をしてみる。
頻尿の場合で転倒の危険がある場合は、トイレの近くの病室やトイレ付きの部屋を検討してみる。トイレまで間に合わないや歩行はいまいち厳しい時は、ポータブルトイレや尿器をどうかとお聞きしてみる。
 点滴が500ml×3本(24時間継続の指示ではない場合)の指示の場合、いつもより3時間早く(朝6時、7時~)スタートする事で消灯前に終わらせる事ができ、夜トイレに行く回数が減り、眠れるようになる事もあるので患者さんと相談してみる。
眠れないと訴えがあった時、原因をアセスメントしてその方にあった解決策を一緒に考えて対応を心がけています。第一選択は薬ではなくちょっとした配慮で入眠できる事があります。
 眠れない理由の一例として:{①腰が痛くて眠れない、②寒くて眠れない、③隣の人のいびきがうるさくて眠れない、④昼間寝ていたから眠れない ⑤ずっと眠れない
①の対応としては、整形的な疾患による腰の痛みかベッドのマットが硬くて眠れないのかお聞きします。医師の指示書に湿布や鎮痛剤の指示が記載してあり、ご本人がご希望の場合はそのように対応します。マットが硬くて辛い場合は中敷き布団を敷いたり工夫をしたりします。褥瘡が出来る恐れがあったりする方はエアーマットを入れるよう検討したりします。
②の場合は、熱がないか体温値を確認、室温を少し上げてみる、加湿。足を触って冷たいようであれば湯たんぽ(袋2重に)を足元に入れてお休みになると眠れるかもしれません。いかがですか?とお聞きしてみる。
③空いている部屋があれば一時的に移動して頂き、入眠出来る環境を整える。次の日、その病室に予約が入っている場合もあるのでその事も確認して伝えておく。上に報告しベッドコントロールを検討して頂く。
いびきをかく隣の患者さんですが、起こして注意するべきか悩むところですが、無意識なので罪はないので、その日の夜は無呼吸がないか観察して見守りとし注意しなかった事があります。結果、無呼吸が何秒かあり、朝、いびきがあったうるさかったとは言わず、無呼吸があった事の方が問題であると感じ、無呼吸があったんですとご本人と医師にお伝えし、後日、検査しましょうとなり、睡眠時無呼吸症候群でしたが、軽症だったように記憶してます。
教えてくれてありがとうと言ってくれましたが、大事なくて良かったと思った事でした。
④の方は昼間なるべく起きておくと夜眠れるようになります。中庭に花が咲いていますが気分転換になりますしどうですか?とお聞きしてみたりします。
⑤ずっと眠れない方は、原因が様々であったりします。精神的なものか、眠剤に対する耐性もあって効きが悪いのかアセスメントをして、まずは薬を追加しないで済むようにしてみても追加しない辛い場合は医師の指示書又は指示がこれ以上ない時は、医師に確認して眠剤をお渡しする事があります。
この対応が正しいのか間違ってるのか、迷う事もあります。個別性によって違うにかなっと思います。
 いびきをかいてる人を起こして注意する方もいます。無呼吸の秒数が長い場合は、声かけするかもしれませんが、いびきがうるさいと患者様から言われて、夜中にその方を起こすのは躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。トイレに起きられた際で無呼吸の事はお知らせしてもいびきの注意は出来ないです。
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 私はこのコメントを読んだ時に、
 自分が患者だったら…
 こんな看護師さんがいる病院に入院したい…
 と思いました。
 私は大きな病院で、
 30年近く看護師さんと仕事をしてきました。
 正直なところ、
 看護師さん(看護婦さん)と衝突したことも…
 何度もありました。
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 お恥ずかしい話しですが、
 病棟で指示を出す時に、
 看護師さんがここまで考えて、
 患者さんのケアーをしてくださっているとは…
 考えたことがありませんでした。
 申し訳ございませんでした。
 朝の申し送りで…
 先生、○○さんが眠れないそうです。
 眠剤(みんざい)出していただけますか…?
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 はい、不眠時、○○シオン0.125mg
 最初は1/2錠でいいかな…?
 指示簿に書いておくね
 いびきがうるさくて眠れないと聞いたこともありましたが、
 いつも病室は満床でした。
 部屋移動はできませんでした。
 病室を決めるのは病棟婦長(師長)で、
 医師はよほどのことがなければ、
 婦長に一任していました。
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 きっとらずべりーさんの病院では、
 先生も看護師さんも、
 とても穏やかに…
 仕事をなさっているように思いました。
 私の勤務医時代は…
 今よりずっと忙しく、
 あまり細かいところまで
 気配りができませんでした。
 らずべりーさんが書いていただいた
 看護の極意は、
 医学部の学生さんに、
 是非知っていただきたいと思いました。

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