医療問題
看護師さんの仕事と記録
医療というのはチームプレーです。
医師だけではできません。
看護師さんは、
よりよい医療を提供するために、
なくてはならない大切なパートナーです。
私は細かくて厳しい医師なので、
形成外科部長をしていた頃には、
看護婦さんから嫌われていたかも…?です。
■ ■
最近の看護師さんは疲れています。
函館の看護師さんが書かれていたように…
大きな病院ほど、
記録が多く、
病室へ行って…
患者さんのお話しを聞き…
患者さんのお世話をする時間よりも…
PCに入力したり、
書き物をする時間が長いように…
思うことがありました。
■ ■
病院にPCが導入されて、
オーダリングシステムや
(処方や検査の指示を直接PCへ入力)
電子カルテになってから…
医師も患者の方を向かないで、
パソコンの画面ばかり見ていると言われます。
指示を間違えたり、
入力ミスがあると大変なので、
ついつい画面に目が行きます。
2009年1月2日の日記、
セカンドオピニオンにも書いてありますが、
手術を決めるのも、
PCに入力しなければできません。
■ ■
私が医師になった30年前は、
検査の指示も、
お薬の処方も、
すべて手書きでした。
医療事務のプロは、
先生がカルテに書いた
ミミズが這ったような字を
瞬時に判断しなければなりませんでした。
大学病院で新人医師の仕事は、
上の先生について、
先生が言われたことをカルテに記載する、
ベシュライバーbeschreiberという係りでした。
■ ■
30年前から、
大学病院の病棟勤務の看護婦さんは、
記録が大変そうでした。
医師のカルテより、
よほど詳しく書かれていました。
新人ナースが、
夜10時頃まで、
サービス残業で看護記録を書いていました。
残念なことに…
医師のカルテと看護記録が別だったために、
私たちが看護記録を見ることは、
めったにありませんでした。
■ ■
看護師さんの仕事は3交代で、
複数の人が担当します。
記録を正確に残さないと、
一貫した看護ができないことはわかります。
医師の立場から見ると…
この記録が重荷になって、
本来、患者さんの傍に行って…
お話しを聞いたり、
お世話をしたりする時間が、
少なくなっているように思ったことがありました。
■ ■
アナログ時代の地方病院では、
検査データーは看護婦さんが
カルテに、
紙を貼ってくれていました。
私よりも検査結果をよく覚えている…
優秀な看護婦さんもいらっしゃいました。
先生、はい、今日の検査結果です。
まだデーターが悪いですね。
こんな会話が成立したのも、
紙の時代の良さなのかも…?です。
■ ■
今、大病院では、
PC画面でリアルタイムに検査結果がわかります。
プリントして患者さんに差し上げることもできます。
看護師さんが入力した看護記録も、
医師が外来や医局で見れると思います。
私は、
偉そうなことを言える立場ではありません。
医療というのは、
患者さんの傍へ行くことが大切で、
記録がもっと簡単に入力できるようになると、
患者さんの満足度も高くなると思います。