医学講座
脂肪吸引の失敗
他院で脂肪吸引に失敗しました。
脂肪注入はいつから受けられますか?
というご質問をいくつかいただきました。
日本全国の
いろいろなところから…
切羽詰ったメールが届きます。
お悩みは切実で、
助けてくださいという
悲鳴が聞こえてきます。
■ ■
脂肪吸引にはさまざまなトラブルがあります。
2007年5月15の日記に書いた、
脂肪吸引のトラブルという日記をご覧ください。
この女性は、
脂肪吸引による感染症でした。
危うく命を落とすところでした。
美容外科医の間では、
脂肪吸引よって亡くなった患者さんが、
日本でも何人もいるのは、
周知の事実です。
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簡単に細くなれる…
と思って手術を受けると、
とんでもない結果になることがあります。
脂肪吸引で失敗したから、
凹んだところへ脂肪注入をすれば…
元に戻せると考えるのは誤りです。
脂肪吸引を受けた部位には、
皮膚の下や…
脂肪層に…
瘢痕(はんこん)という…
線維性の組織ができています。
■ ■
この瘢痕(はんこん)が、
ガッチリとしたクモの巣のように、
皮膚の下にできています。
そのために…
凹んだところへ脂肪注入をしても、
元のようには膨らみません。
自動車をぶつけた時に、
凹んだところを、
裏側からたたき出しても、
キレイに膨らまないのと同じです。
■ ■
凹んだところを治す治療法としては、
まず、瘢痕(はんこん)を柔らかくすることです。
瘢痕(はんこん)は、
時間とともに少しずつ柔らかくなりますが、
早く柔らかくする薬があります。
硬いところを、
指で優しくマッサージするのも、
柔らかくするよい方法の一つです。
私でしたら、
最低でも6ヶ月は柔らかくする治療をします。
■ ■
瘢痕(はんこん)が柔らかくなったところで、
どのような治療をするか…?
とても難しいところです。
一般的なことですが…
脂肪注入をしても…
元通りには膨らみません。
頭を悩ませるところです。
2009年9月の日本美容外科学会でも、
知り合いの先生が、
お腹全面に凹凸ができた患者さんの治療法を、
いろいろな先生に聞いていらっしゃいました。
■ ■
他院の修正を数多く手がけた先生でも、
う~ん…困った!
という状況でした。
大量に脂肪吸引を受けて、
失敗した患者さんの治療は、
形成外科専門医でも、
神の手の美容外科医でも、
大変難しいものです。
私がおすすめする、
脂肪吸引が上手な先生は、
こちらの先生です。
脂肪吸引は信頼できる、
上手な先生に受けてください。