医学講座

先生との相性

 ゆきだるまさんからコメントをいただきました。
 噂も大事です。
 「あそこの入れ歯はとても上手で使いやすい、
 麻酔が痛くなかった、
 詰めたのがすぐ取れた!」
 とか聞くと参考になりますよね。
 それも踏まえて
 やはりご自分で通ってみて
 カンジてみるしかないかと思います。
 あと先生との相性もありますしね(汗・・笑)
      ■         ■
 医者と患者の相性という院長日記を、
 2007年2月26日に書いています。
 残念なことですが…
 私が手術をさせていただいても、
 不満足な方はいらっしゃいます。
 イメージは自然をモットーにしているので、
 ド派手な外見を希望される方には、
 私は不向きです。
      ■         ■
 私が市立札幌病院や、
 JA帯広厚生病院に勤務していた頃、
 予約診療でも2時間待ちがありました。
 説明に時間がかかる患者さんが一人いると、
 10分の予定時間に1時間かかることもありました。
 そんな時も、
 患者さんは待っていてくれました。
      ■         ■
 札幌美容形成外科を開業してからも、
 2時間の手術予定時間に、
 3時間半もかかることがあります。
 そんな時は、
 再診の待ち時間が大幅に伸びます。
 適当に手抜きをすれば…
 待ち時間は短くできますが、
 私にはそれができません。
      ■         ■
 私のように…
 バカがつくほどクソ真面目な人間より、
 自分の都合に合わせて、
 適当に対処してくれる先生が合う人もいます。
 たとえ効果が一時的でも、
 ダウンタイムが短い治療を希望する人もいます。
 人それぞれです。
 相性が合う先生を見つけるのは難しいです。
 人生の伴侶を選ぶのと同じだと思います。

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医学講座

歯医者さんの選び方

 じいちゃんの入れ歯でご紹介したように、
 歯科にも専門があります。
 入れ歯補綴(ほてつ)科
 歯槽膿漏(しそうのうろう)保存(ほぞん)科
 歯を抜くのは口腔外科(こうくうげか)です。
 歯学部には、
 たくさんの講座があります。
      ■         ■
 わかりやすいのは、
 小児歯科
 予防歯科
 子どもの歯を専門に診ていただき、
 むし歯予防をしてくださいます。
 私の子どもも、
 フッ素を塗ったり、
 シーラントという処置をしていただきました。
      ■         ■
 矯正科は、
 歯列矯正の専門家です。
 最近では、
 成人矯正(せいじんきょうせい)といって…
 大人でも矯正装置をつけて、
 正しい噛み合わせにすることができます。
      ■         ■
 問題なのは、
 数ある歯科医院の中から、
 一番自分に合う歯医者さんを見つける方法です。
 はっきり言って…
 これ!という決め手はありません。
 私たち医師ですら難しいです。
      ■         ■
  ゆきだるまさんからいただいたコメントです。
 入れ歯も型採りの段階から上手くやらないと
 ピッタリ合う入れ歯が作れません。
 あと技工士さんの腕です。
 それにはやはり腕のいい歯科医院を見つける事です
 優しくて上手な先生と、
 親切な衛生士さん。
 腕の良い歯科技工士さん。
 なかなか難しいと思いますが…
 見つけてください。

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昔の記憶

ウィリアム王子おめでとう!

 昨夜のTVで、
 ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式を見ました。
 とてもきれいなお嫁さんでした。
 56歳の一人の日本人として、
 心からおめでとうと伝えたいです。
 立派になったと思います。
      ■         ■
 比較の対象にもなりませんが、
 チャールズ皇太子とダイアナ妃が結婚されたのが、
 1981年7月29日です。
 私が結婚したのも、
 1981年7月でした。
 ほぼ同じ時期に結婚し、
 ウィリアム王子の誕生が1982年です。
      ■         ■
 私の長女が生まれたのが、
 1983年です。
 私たち夫婦と、
 英国王室は比べようもありません。
 ただ、
 子どもは同じように成長し、
 大きくなって行きます。
      ■         ■
 お母さんの…
 ダイアナ妃が亡くなったのに、
 ウィリアム王子は立派に成長され…
 素晴らしい伴侶を得られました。
 ダイアナさんが生きていらしたら、
 どんなに息子の成長を喜んだことか…
 暗いニュースが多い中で、
 久しぶりにうれしいニュースでした。

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医学講座

じいちゃんの入れ歯

 最近、じいちゃんの元気がない。
 食べたがらない。
 以前より食べなくなった。
 入れ歯が合わないらしい。
 私の母が心配していました。
 そういえば…
 85歳の誕生日も…
 調子が悪そうでした。
      ■         ■
 私の父は、
 歯が悪いです。
 残っているのは、
 右下の3番という…
 犬歯(けんし)と呼ばれる…
 一本だけです。
 昨年12月に作っていただいた、
 入れ歯が合わなくて、
 今年に入ってから食が細くなりました。
      ■         ■
 作っていただいた歯科に通院しても治らず…
 調剤薬局で聞いた…
 評判の良い歯科へ通院し、
 少し良くなって…
 また痛くなって…
 最後には、
 自分でガーゼを切って…
 入れ歯にはさんで使っていました。
      ■         ■
 私は入れ歯に専門家がいることを…
 長い間、知りませんでした。
 北大形成外科で歯学部の先生と
 合同カンファレンスをしていました。
 医科と歯科の協力という、
 2010年2月3日の日記に書いてあります。
 歯科のtetsuko先生からコメントをいただいています。
      ■         ■
 卒後在籍した教室は、
 大浦教授時代の形成外科とチームを組んでいたので、
 医科、歯科合同で症例に取り組む良さを実感しました。
 患者さんの口もとを美しくしたい大浦先生側と、
 患者さんにしっかり咬める歯並びを残したい歯科側の先輩とで
 「どの歯を残す?抜く?」
 と激しいやりとりをしていたのを思い出しました。
      ■         ■
 入れ歯の専門家は、
 補綴科(ほてつか)の先生です。
 北大歯学部には、
 第一と第二の2つの補綴学講座がありました。
 私たち形成外科は、
 第二補綴科の先生とご一緒に、
 顎顔面の治療をしていました。
      ■         ■
 私の家内も、
 結婚前に受けた抜歯が原因で、
 顎関節症になりました。
 私の幼なじみの小山先生に見つけていただき、
 北大歯学部で治療しました。
 北大から紹介されて、
 家内の治療をしてくださったのが、
 清水則夫先生です。
      ■         ■
 清水先生は、私と同年代です。
 北大歯学部第二補綴学教室の、
 医局長をなさっていらっしゃいました。
 現在は…
 北区新琴似で開業されています。
 昨日、清水先生に父を診ていただきました。
      ■         ■
 治療室から出てきて、
 父がにこにこしていました。
 やぁ~
 楽になった。
 ここの先生は違う。
 ガーゼをはさんでいた入れ歯を、
 調節してくださったそうです。
      ■         ■
 ちょっとした調節でも、
 名人がすると違うものです。
 残された人生を、
 笑顔で過ごせるように、
 快適な入れ歯を作っていただきます。
 清水則夫先生に感謝しています。
 清水歯科クリニック
 〒001-0908
 札幌市北区新琴似8条2丁目1−13
 011-761-7211
 予約制です
 混んでいますので
 予約はお早めに!

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医学講座

形成外科の進歩⑩【縫合法】

 私は医学生だった時に、
 顔のキズを…
 少しでも目立たなく治したいと思い、
 図書館で大森清一先生の本を見つけて、
 形成外科を知りました。
 それから30年以上が経ちました。
      ■         ■
 大森清一先生の弟子が、
 私の恩師である、
 大浦武彦先生です。
 形成外科医になった理由に書きました。
 人と人の出会いというのは偶然ですが
 人生に大きな影響を与えます。
 私は幸運にも
 とても素晴らしい指導者に恵まれました。
      ■         ■
 私の縫合法の基礎は、
 大浦武彦先生と、
 北大形成外科の先輩です。
 形成外科は進歩しましたが、
 切って
 縫う
 という基本的手技は、
 30年前の技術そのものです。
      ■         ■
 世の中には、
 ダビンチという手術ロボットが出ました。
 回転ずしでは、
 すしロボットもあるようです。
 どんなに技術が進歩しても、
 ロボットが握ったすしは、
 職人さんが握ってくれたすしにはかないません。
      ■         ■
 形成外科の縫合法も、
 30年やってもまだまだと感じます。
 同じ部位でも、
 年齢によって、
 人種によって、
 人によって、
 皮膚が違います。
 手術ロボットが進化しても、
 形成外科の手術は…
 ロボットにはできません。
      ■         ■
 私はよく目の手術をしますが、
 同じように手術をしても、
 左右差が出ることがあります。
 片方の目だけ、
 キズが目立つことがあります。
 もともと左右差がある方、
 右だけ眉を上げたりする癖(くせ)、
 右だけ目をこする癖(くせ)、
 左右差が出る原因になります。
      ■         ■
 形成外科が進歩して、
 縫合に使う糸などの材料が若干変わりました。
 でも、
 皮膚を縫うナイロン糸は、
 極細の黒で、
 30年前と同じです。
 医療工学が進歩して、
 手術ロボットが優秀になっても、
 私たち形成外科医は失業しません。
 それだけ奥深い技術です。

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医学講座

形成外科の進歩⑨【ケロイド】

 胸のにきびあとが、
 知らない間に、
 赤く盛り上がってしまう。
 耳のピアス穴がふさがり、
 耳たぶが親指より大きくなってしまう。
 こんな病気が、
 ケロイドです。
      ■         ■
 
 残念なことですが…
 形成外科が進歩しても、
 いまだにケロイドを防ぐことも…
 治すことも…
 とても難しいです。
 どんなに丁寧に手術をしても、
 キズが目立つ人がいます。
      ■         ■
 形成外科医は、
 ケロイド体質と呼びますが、
 形成外科学会用語集にはありません。
 体質が影響することや、
 遺伝的な要因があることは知られています。
 きょうだいがケロイドだったり、
 両親がケロイドだったりすると、
 ケロイドになる率が高くなります。
      ■         ■
 リザベンというお薬があります。
 ケロイドに効く薬ですが、
 100%完全に治すことは難しいです。
 耳にできたケロイドは、
 切除して放射線治療をすることもあります。
 それでも再発のリスクはあります。
 形成外科医にとっては難しい病気です。
      ■         ■
 第50回日本形成外科学会で、
 抗真菌薬により改善を認めたケロイド・肥厚性瘢痕の経験
 という発表が東邦大学からありました。
 私は注目していたのですが、
 その後、発表はないようです。
 形成外科医としては、
 何とかケロイドを…
 完治できる薬が開発されることを、
 切に願っています。

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医学講座

形成外科の進歩⑧【ボトックス注射】

 毛生え薬に匹敵するくらい、
 進歩したと思うのは、
 ボトックス注射です。
 私がはじめてボトックスを知ったのは、
 市立札幌病院に勤務していた20年前です。
 外傷で斜視になった患者さんを、
 札幌医大眼科の大庭正裕先生に、
 みごとに治していただきました。
      ■         ■
 ボトックスの効果は、
 約6ヵ月と言われていますが…
 その斜視が治った患者さんは、
 20年後も治っています。
 外傷性外転神経麻痺という、
 ふつうの斜視とは違う病態だから…?
 理由は私にもわかりません。
      ■         ■
 美容外科ではじめてボトックスを知ったのは、
 サフォクリニックの白壁征夫先生です。
 ご自身の額に、
 ボトックスを打って見せてくださいました。
 ボトックスは、
 上手に使うと…
 素晴らしい効果が得られる
 魔法の薬です。
      ■         ■
 シワの治療にも使いますが、
 脇の汗を止める注射として、
 抜群の効果があります。
 欠点は、
 保険が効かないこと、
 効果の持続が3~6ヵ月と、
 限られていることです。
 マンガでも解説しています。
      ■         ■
 シワの治療も、
 多汗症の治療も、
 神経終末という、
 神経の信号が出る部位にボトックスが作用して、
 筋肉の収縮を止めたり、
 汗腺から汗が出るのを止めたりします。
 30年前には考えられませんでした。
      ■         ■
 ボトックスは使い方を間違うと、
 こわい副作用もあります。
 日本では聞いたことがありませんが、
 米国では死者が出たという報道もあります。
 また中国製ボトックスなど、
 いろいろな製剤が出ています。
 ボトックスという名前は、
 米国アラガン社の商標です。
 アラガン社以外の製品は正確には、
 A型ボツリヌス毒素と呼びます。
      ■         ■
 札幌美容形成外科では、
 Dysport(ディスポート)という、
 英国イプセン社製の製品を使用しています。
 アラガン社の製品ではありませんが、
 有効性と安全性が確かな製品です。
 クール便で輸入しています。
 最近では、
 アレルギー性鼻炎にも、
 ボトックスが使われるようです。
 正しく使えば魔法の薬です。 
ボトックスの作用と仕組み

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医学講座

形成外科の進歩⑦【わきが手術】

 わきが手術は進歩しました。
 日本はわきが手術先進国です。
 ワキガ手術を進歩させたのは、
 形成外科の先生ではありません。
 形成外科医ではない美容外科医が、
 わきが手術を進歩させました。
      ■         ■
 ワキガ手術は進歩しましたが、
 まだまだ問題が多いのも事実です。
 東京でクロスクリニックを開業していらっしゃる、
 石川浩一先生が、
 腋臭症の治療という本に書かれています。 
 治療効果は真皮内の汗腺組織をより完全に切除することにより得られるが,
 皮膚を薄くすればそれだけ術後合併症の危険性や瘢痕拘縮の可能性が増える。
      ■         ■
 どんなに手術法が進歩して、
 汗腺を上手に切除できるようになっても、
 回復させるのは…
 患者さん自身です。
 汗腺を広く…
 皮膚が薄くなるまで取れば…
 手術による効果は増しますが、
 治りが悪くなります
      ■         ■
 汗も臭いも完璧に取りたい!
 だけど…
 休みは2日しかない
 …という患者さんの要望を満たす手術法はありません。
 私が手術をしても、
 手術後の安静を守らなければ…
 禁煙を守らなければ…
 キズが大きく残ることがあります。
      ■         ■
 30年前のわきが手術は、
 スクーグ法という方法でした。
 スウェーデンの、
 TORD SKOOG先生という、
 有名な先生が本を書きました。
 その中に腋窩多汗症の手術として書かれています。
 英語でAxillary Hyperhydrosisと言います。
      ■         ■
 私も先輩に指導していただき、
 何例かこのスクーグ法で手術をしました。
 正直に申し上げて…
 大変申し訳ないことをいたしました
 おそらく、
 現在、スクーグ法で手術をする医師は、
 日本にはいないと思います。
 キズが残る手術でした。
      ■         ■
 ワキガは、
 大きな病院の形成外科にはかかりにくい疾患です。
 市中の美容外科でワキガ手術が進歩したのは、
 それだけ患者さんが多いからです。
 札幌美容形成外科を開業して7年になります。
 それまで20年以上、
 形成外科医としてワキガ手術をした件数より、
 この7年間の数がずっと多いです。
      ■         ■
 ワキガ手術には、
 さまざまな方法があります。
 …ということは、
 どの方法にも問題があるということです。
 どんなに完璧に手術をしても、
 手術後の安静とケアーがなければ、
 決してきれいには治りません。
 時間がある時に、
 信頼できる先生に手術を受けてください。
 手術後は指示をしっかり守ってください。

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医学講座

形成外科の進歩⑥【豊胸術】

 遊離皮弁(ゆうりひべん)による、
 乳房再建は飛躍的に進歩しました。
 健康保険も使えるようになりました。
 これからも進歩すると思います。
 残念なことですが、
 それに比べて…
 豊胸術はまだまだです。
      ■         ■
 30年前には、
 現在と同じような、
 シリコン製バッグがありました。
 安全性が問題になり、
 製造中止となった経緯があります。
 その後、
 生理食塩水を入れるバッグが普及しました。
      ■         ■
 生理食塩水が漏れて…
 バッグがぺしゃんこになる事故が、
 少なからず起きるようになりました。
 その後、再度、安全性の調査が行われ、
 一度はシリコンバッグを禁止した、
 米国FDAが、
 メンター社とアラガン社が作ったシリコンプロテーゼを、
 条件付きながら認可しました。
      ■         ■
 残念なことですが、
 厚生労働省に関しては…
 日本は美容外科後進国です。
 日本の厚生労働省が認可した、
 美容外科用の豊胸用バッグはありません。
 世間では一般的になっている、
 コラーゲンやヒアルロン酸ですら、
 日本国内で、
 美容外科用に認可された製品はありません。
      ■         ■
 世の中には、
 女性同士ですら、
 絶対胸を見られたくない!
 …という平らな胸の女の人がいます。
 美容外科の歴史を見ても、
 胸を大きくしたい…
 という希望を持っていたのに…
 とんでもない結果になった人がたくさんいます。
      ■         ■
 日本の厚生労働省は及び腰です。
 私から見ると…
 危ないものには手を出さない主義です。
 日本では、
 製造も販売も認可しない。
 豊胸をやりたい人は、
 医師が個人の責任で輸入して、
 勝手にやってもらったら…?
 …というふうにも感じます。
      ■         ■
 豊胸用バッグは、
 表面がざらざらした(テクスチャードタイプ)で、
 シリコンが漏れ出しにくい、
 コヒーシブタイプのシリコンバッグが主流です。
 ただ、
 今年の日本形成外科学会でも、
 FDAから認可を受けたアラガン社の、
 テクスチャードタイプのバッグで、
 ダブルカプセルという、
 副作用が出たという報告がありました。
      ■         ■
 一部の医療機関で行われている、
 自分の脂肪を注入する豊胸術や、
 ヒアルロン酸による豊胸術も、
 まだまだ100%完全とは言えません。
 30年前と比べて、
 良くはなっていますが…
 まだまだ解決しなければならないのが、
 豊胸術です。
      ■         ■
 一つ言えることは、
 30年前に豊胸術を受けた女性が、
 全員不幸になってるのではありません。
 世の中には、
 平らだった胸を膨らませて、
 副作用もなく、
 幸せな人生を送っていらっしゃる女性も、
 たくさんいらっしゃいます。
 豊胸術ももっと進歩してほしいです。

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医学講座

形成外科の進歩⑤【乳房再建】

 田中好子さんが、
 55歳の若さで亡くなったことは、
 とても残念です。
 幅広い世代の人から、
 愛されていた女優さんだと、
 あらためて思いました。
 心からご冥福をお祈りしています。
      ■         ■
 皮弁や筋皮弁の進歩とともに、
 乳房再建は進歩しました。
 30年前と比べると、
 夢のような世界になりました。
 乳房再建は、
 米国で発展しました。
 それを日本で改良して…
 より良いものにしています。
      ■         ■
 北大形成外科で乳房再建を担当されたのが、
 野平久仁彦先生です。
 米国留学から帰国されて…
 室蘭の日鋼記念病院で、
 素晴らしいおっぱいを作りました。
 野平先生の後輩が、
 北大形成外科の山本有平教授です。
      ■         ■
 山本有平教授も、
 米国留学でたくさんの技術を習得され、
 英文論文も多数書かれました。
 野平先生も、
 山本教授も、
 乳房再建がお上手です。
 筑波大学へ行かれた、
 関堂教授も乳房再建がお上手です。
      ■         ■
 大学の形成外科で行う乳房再建は、
 皮弁(ひべん)という…
 自家組織を使う方法が大多数です。
 乳房インプラントなど人工物を使う方法は、
 保険外診療になるため、
 大学病院では難しいことがあります。
 厚生労働省が、
 乳房インプラントを認可していないためです。
      ■         ■
 30年前と比べると…
 技術的には進歩しましたが、
 実際に手術を受けることになると、
 かなり不自由な部分があります。
 たとえば…
 乳輪を作るのは、
 刺青が主流です。
 この乳輪をつくる刺青には保険が効きません。
      ■         ■
 乳癌でない側のおっぱいと、
 形が合わなくなることもあります。
 健側のおっぱいを手術しようとしても、
 形をそろえる手術は自費になります。
 乳房再建は、
 形成外科医でも、
 得意とする先生が限られる手術です。
 できあがったおっぱいにも差があります。
 ネットなどで調べて上手な先生を見つけてください。

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