医療問題

勤務医の待遇

 昨日の日記に、
 看護師さんからコメントをいただきました。
 私は看護師ですが昨年と比較して年収が50万円以上下がりました.
 しかし,近年の世相により医師の待遇改善のため同じ病院の初期研修医の給料は勤続20年以上の私より4月から上がることとなるそうです.私の勤務する病院では能力給ではありませんので,一律の報酬です.
 確かに勤務医の労働条件は改善していかなくては,疲弊していきます.
 でも,医療の世界で医師だけがそうなのでしょうか?
 ほかの職種の犠牲のもとに改善していくのでは,ひずみが生じるのは目に見えています.
 医療の世界では経済的なことを声高に言うのは,なんだか下品なことと捉えられるのか,周りは何も言いません.同じ年代の(他の職業の)人よりも収入はいいのだから,多少年収が下がっても,そんなことは言うなともいわれました.
 私は自分の仕事に誇りを持っています.経済的な問題だけではもちろんありませんが,職種によって評価が下がるのは,納得しかねます.
      ■         ■
 医師の給与という日記に書いてあります。
 私が研修医になった昭和55年(1980年)、研修医の給料が一番安かったのが、なんと慶応病院でした。
 慶応義塾大学病院の研修医の月給が約3万円。北大病院の研修医が約10万円でした。慶応病院はお給料が安くてもたくさんの研修医が集まるため高くする必要がなかったのだと思います。
      ■         ■
 看護師さんのコメントにもあるように、
 ふつうの病院では、
 能力給ではなく,一律の報酬です
 つまり…
 お医者さんは…
 医師職俸給表(ほうきゅうひょう)
 看護師さんは…
 看護職俸給表という‘表’によって…
 免許取得後の経験年数で、
 ○号捧○等級…
 という‘給与’が決まります。
      ■         ■
 どんなに忙しくて…
 重患がたくさんいる病棟も…
 軽症患者しかいない病棟も…
 看護職の‘給料’は同じです。
 違うのは…
 超過勤務手当(超金:ちょうきん)とか
 危険手当(放射線を浴びるとか)の手当です。
 大きく年収の差が出ることはありません。
      ■         ■
 医師職も同じです。
 昼休みに…
 医局のソファーで…
 ‘お昼寝’ができる先生も、
 当直明けでも…
 処置をしたり…
 家族に説明をしたり…
 警察の問い合わせに答えたり…
 解剖に立ち会ったり…
 忙しくしている先生も‘給与’は同じです。
      ■         ■
 国の医療費抑制政策のために…
 医療機関の経営は瀕死状態です。
 たくさんの民間病院が倒産しています。
 病院が儲かった時代は…
 遠い過去のものになっています。
 海外で病院にかかると…
 日本の医療制度が…
 いかに素晴らしいかよくわかります。
      ■         ■
 勤続20年以上の看護師さんは…
 免許取立ての研修医より仕事ができます。
 医療のことについても…
 よく知っていらっしゃいます。
 お怒りもごもっともです。
 コメントをいただいた病院の経営者は、
 (経営者=院長とは限りません)
 他の臨床研修病院と比較して…
 初期研修医の給料を上げたと考えます。
 給与や待遇をよくしないと…
 臨床研修医が集まらないからです。
      ■         ■
 院長や部長クラスの給与は、
 ご存知ないでしょうが…
 私と同年代の‘先生’は…
 位(くらい)が上がるほど…
 近年は給与が下がっています。
 この20年間で…
 一番職位が上がったのが看護職です
 市立札幌病院では…
 看護のトップが係長職から
 課長職→部長職→理事(副院長)と…
 あっという間に昇進しました。
 時代の流れだと思います。
 看護職は評価されていると思います。

“勤務医の待遇”へのコメントを見る

医療問題

医師増だけで救急改善無理

 平成22年3月12日、朝日新聞朝刊、声の欄への投稿です。
 医師増だけで救急改善無理
 開業医_長尾秀幸(広島県江田島市_56歳)
 4月からの診療報酬改定では重点課題に救急医療の再建などが挙げられている。救急医療では医師の不足や待遇が問題視され、今回の改定では勤務医の待遇改善がなされるが、果たして医師が増えれば解決するだろうか。
 問題は多く、まず、医療機関に十分な医師、看護師、検査技師を確保できるだけの医療収人がないため、現場は少数精鋭で頑張るしかないという現実がある。
 次に、療養型の医療機関の減少で緊急の治療期を脱した患者の新たな収容先がないことが挙げられる。転院したくてもできず、在宅での医療も難しいなどの理由から退院ができないのである。
 さらに大事な点は急性期医療をどこまでするべきかが決められていないことである。進歩する医療の中で治療の限界を決めなくては、老衰と思われる患者でも最善を尽くす現在の医療のあり方からは、救急現場の混乱を回避することは不可能と思われる。これらの改善なくして、医師数だけを増やしても救急医療の再建は望めないと考える。
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 私は長尾先生とまったく同意見です。
 安全で快適な暮らしには…
 それなりの‘お金’がかかります。
 住宅のセキュリティーを
 警備会社に依頼すると…
 毎月かなりの経費になります。
 ビルの警備なども同じです。
      ■         ■
 自分がもし万一…
 大きな事故に遭ったら…
 救急車は無料が当たり前。
 救急病院で…
 適切な治療を受けられなければ…
 病院を訴えるというのが… 
 現在の風潮のように思えます。
      ■         ■
 一年365日、24時間体制で…
 いつ来るともわからない…
 救急患者のために…
 医師や看護師を雇い、
 高価な医療機器を揃えて、
 救命救急センターのベッドを準備しておくには、
 たくさんの経費がかかります。
 歳入不足の地方自治体には、
 とても余裕がありません。
      ■         ■
 私が医師になって30年です。
 この30年で…
 医師の給与は…
 下がることはあっても…
 上がったという話しは聞きません。
 救命救急に従事して、
 身を削って働いている医師の給与は…
 決して高いとは言えません…
      ■         ■
 医者の3Kは…
 つい(Kitsui)、
 険(訴訟が多い(Kiken)、
 料安い(Kyuryou)、
 だと聞いたことがあります。
 こんな救急医になりたいと思うのは…
 情熱がある若い先生だけです。
      ■         ■
 札幌市の救急医療は…
 情熱がある若い先生に支えられて…
 日本でもトップクラスです。
 私は、
 安全で快適な生活のためには…
 国が税金を投じて、
 救急医療システムを
 確立するべきだと考えます。
 若い先生が救急医を目指すように…
 政策を考えるべきです。
 救急医の待遇が改善されるべきです。

“医師増だけで救急改善無理”へのコメントを見る

医学講座

埋没法<適応を選ぶ>

 埋没法はしない先生が…
 いらっしゃいます。
 とても腕の良い先生です。
 老舗で繁盛していらっしゃいます。
 どうして埋没法をなさらないのですか…?
 …と以前の学会で質問がありました。
 埋没法の糸で炎症を起こした人を…
 何人も治療したので、
 埋没法はしない。
 …と答えていらっしゃいました。
      ■         ■
 私が釧路労災病院に勤務していた頃です。
 若い頃に東京で…
 埋没法の手術を受けた女性が…
 形成外科へいらっしゃいました。
 数日前から…
 二重のラインが取れて…
 まぶたに炎症を起こしてきたので、
 治してほしいというご希望でした。
 立派なお仕事をしていらっしゃる、
 素敵な女性でした。
      ■         ■
 炎症を起こしていたまぶたから…
 透明な糸が出てきました。
 私はこの時にはじめて…
 埋没法の糸を見ました。
 糸を取ったら炎症は治りました。
 総合病院の形成外科医をしていても、
 埋没法で二重まぶたの手術はしません。
 埋没法は、
 美容外科で発達した技術です。
 日本が発祥の地です。
      ■         ■
 私がはじめて美容外科で、
 二重の手術を見せていただいたのが、
 札幌中央形成外科の武藤靖夫先生でした。
 まるで手品を見ているようでした。
 (武藤先生は手品の名人でした)
 大学病院や総合病院にしか
 勤務したことがない私は、
 武藤先生の患者さんに対する姿勢を拝見して、
 カルチャーショックを受けました。
 武藤靖夫先生の技術は、
 ご子息の英生先生へと引き継がれています。
 英生先生は優しい優秀な先生です。
      ■         ■
 私は埋没法も切開の手術もします。
 適応を選べば…
 埋没法は素晴らしい結果が得られる手術です。
 埋没法は糸で二重のクセをつけます。
 糸で皮膚を内側へ引っぱって、
 二重のラインを作ります。
 最初は糸が真皮(しんぴ)という、
 皮膚の下で引っぱっています。
 ラインがくっきり見える時期です。
 そのうちに、
 皮膚の下の眼輪筋(がんりんきん)という、
 筋肉の中に結び目が入ります。
 ちょうど落ち着いてラインが安定する頃です。
      ■         ■
 糸の周囲には瘢痕(はんこん)という、
 線維性の被膜(ひまく)ができます。
 この瘢痕(はんこん)でできた被膜(ひまく)が
 糸の代わりに皮膚を引っぱるようになります。
 瘢痕(はんこん)は自分自身の組織ですから、
 糸のように切れたり溶けたりしません。
 ですから、埋没法で手術をしても、
 生まれつきの二重と同じ構造が、
 半永久的にできるのです。
      ■         ■
 一口に埋没法と言っても…
 方法はクリニックによって違います。
 チェーン店でよく行われる、
 瞼板法(けんばんほう)と、
 挙筋法(きょきんほう)に大別されます。
 難易度は挙筋法の方が上です。
 一番大切なのは、
 その人の目に合った手術を選ぶことです。
 埋没法が取れたら
 切開の手術でしっかり治せることです。
 埋没法で幸せな人生を歩んだ女性は…
 たくさんいらっしゃいます。

“埋没法<適応を選ぶ>”へのコメントを見る

医学講座

埋没法<保証付>

 美容外科の広告でよく見かけます。
 二重埋没法
 一点どめ(保証なし)
 両目通常 80,000円 ⇒ 9,800
 二点どめ(保証あり)
 両目通常 100,000円 ⇒ 19,800
 通常価格8万円の商品が…
 わけありで…
 9,800円だったら…
 激安と考えますか…?
      ■         ■
 ブランド物の財布が…
 通常価格8万円で…
 キャンペーン価格…
 9,800円だったら…
 どう考えますか…?
 あやしい…
 にせもの…
 と考えませんか…?
 二重まぶたの手術は…
 9,800円(保証なし)でも…
 19,800(保証あり)でも…
 まともな美容外科では採算が取れません
      ■         ■
 美容外科は自由診療なので…
 価格をどうつけようと…
 クリニックの自由です。
 二重手術が…
 9,800円のつもりで…
 コンビニでバイトして貯めた…
 一万円を持って…
 女の子
 美容外科を受診しました。
      ■         ■
 あなたの目は
 一点どめ(保証なし)9,800だったら…
 すぐに取れちゃいますよ…!
 と親切に説明をして…
 二点どめ(保証あり)19,800
 の手術をすすめます。
 脂肪が多いので…
 脂肪切除もして…9万8千円です。
 と手術をすすめるのが…
 悪徳美容外科の手口です。
      ■         ■
 安いものしか売れない時代です。
 価格破壊も結構です。
 ただ…
 <保証付>だから、
 何回も埋没法を受けるのだけは…
 絶対
 やめていただきたいです。
 瞼の裏側には、
 無残な糸の痕が、
 リストカットの痕のように、
 たくさん残ります。
      ■         ■
 <保証付>で何度も埋没法を受けると…
 小さなキズ
 瞼の裏側にたくさんついてしまいます。
 角膜という…
 大切な部分に傷がつくこともあります。
 埋没法は2回までにしてください。
 目は大切な器官です。
 見えなくなってからでは遅いのです。
 自分の目を守るのはご自身です。
 だまされないでください。

“埋没法<保証付>”へのコメントを見る

医学講座

埋没法<糸のゆるみ>

 埋没法の糸がゆるんだ
 というご相談を受けます。
 はじめて埋没法を受けたのは19歳の時です。
 一年でゆるみました。
 他の美容整形外科でまた埋没を受けました。
 その後3年はもったのですが…
 右目が取れ…
 保証付だったので再度埋没法。
 その後数年で両目がとれ再々埋没法。
 左目はさらにゆるみまた埋没法。
 毎日…
 いつまた完全に取れてしまうか…?
 …という…
 不安・恐怖感に悩んでいます。
      ■         ■
 こんな相談を…
 北海道だけではなく…
 日本中から受けています。
 中には…
 日本で手術を受けて…
 海外で生活していて…
 困って相談のメールをいただくこともあります。
 保証をつけたクリニックは、
 閉院してしまった…!
 という方もいらっしゃいました。
      ■         ■
 糸がゆるむというのは…
 二重のラインが薄くなってくることを…
 ゆるむと表現されています。
 確かに… 
 憧れの…
 くっきり二重になったのに…
 ラインが薄くなってくると…
 糸がゆるんだと思われても…
 不思議ではありません。
      ■         ■
 私は、
 実際に…
 糸がゆるんだ方の手術を何例もしています。
 手術中に確認しますが…
 糸が伸びてゆるんだり…
 糸がほどけたり…
 していることは、
 どんなに新米の先生がしていても…
 まずありません。
 チェーン店でもありません。
      ■         ■
 埋没法に使う糸は、
 ナイロン糸(ないろんし)という糸です。
 チェーン店で行っているのは…
 瞼板法(けんばんほう)や
 瞼板上端法(けんばんじょうたんほう)…
 という術式です。
 下手な(失礼!)、新米の先生ほど、
 結び目を何度もしばっています。
 むしろ糸はガッチリくっついています。
      ■         ■
 ゆるむのは、
 糸と皮膚との接合部です。
 つまり…
 埋没の糸で、
 上まぶたの皮膚を引っぱって…
 二重のラインを作っています。
 この…
 皮膚とくっついているところが…
 取れてしまうのです。
 埋没法がとれた
 という日記に書いてあります。
      ■         ■
 糸がゆるんだのではありません。
 もともと埋没法に向かない目だったのです。
 眼瞼下垂症の目。
 筋肉や脂肪が厚い目。
 アレルギーで痒くなる目。
 などの目は埋没法に不向きです。
 不向きな目を埋没法で手術をしても…
 ゆるみます。
 ゆるんだ方は…
 手術前の目を確かめてください
      ■         ■
 一番大切なのは、
 保証付という名で…
 何度も手術を繰り返すのではなく…
 自分の目に合った手術法を選択してくれて…
 目にとって一番良い手術をしてくれる
 先生にお願いすることです。
 札幌美容形成外科では、
 埋没法でゆるんだ方を、
 たくさん手術しています。

“埋没法<糸のゆるみ>”へのコメントを見る

昔の記憶

予備校の仲間

 私は昭和48年(1973年)3月に、
 札幌あ西高校を卒業しました。
 現役で受けた…
 札幌医大→不合格
 弘前大学医学部→不合格
 10月に行われた旭川医大→不合格
 父親が弁護士がいいと言っていたので…
 なんとなく受けた
 同志社大学(法)だけ合格しましたが、
 医学部を目指して予備校へ行きました。
      ■         ■
 私が通った予備校は、
 札幌予備学院医進コースでした。
 今は、河合塾札幌校となり、
 私が通った校舎はありません。
 当時から、
 医進コースには選抜試験がありました。
 特待生制度もあったようですが…
 私の成績では特待生にはなれませんでした。
 予備校に行っても…
 最初はあまりヤル気が出ませんでした。
      ■         ■
 今の世代は…
 予備校時代にも…
 たくさんの友人ができるようです。
 私の時代には、
 予備校で友人ができて…
 話すことはあまりありませんでした。
 ただ、毎日同じ席に座って…
 先生の講義を熱心に聴いていると…
 不思議と同じ顔が集まってきます。
      ■         ■
 中にはとても優秀な成績なのに…
 模試で何度も10位以内に入っているのに…
 どうしてこの人が…?
 と思うような優秀な人が落ちて…
 予備校にいることを知りました。
 私の予備校時代に、
 常にトップだったのは、
 滝川高校出身の松倉さんという人でした。
 彼はいつも千葉大(医)を
 第一志望にしていました。
      ■         ■
 予備校の…
 一番前の席で、
 いつも熱心に聴いていたのが…
 さくらんぼさんにご紹介した、
 山形県米沢市で活躍している、
 循環器内科医の阿部秀樹先生です。
 阿部先生は、
 函館ラサール高校の出身です。
 体型も今と変わらず…
 毎日、一番前で聴いていました。
      ■         ■
 私が札幌医大に入学した当時は、
 札幌予備学院からの合格者が…
 一番多かったので…
 予備校で一緒だった仲間が…
 大学でそのまま6年間同級生になりました。
 18歳から…
 55歳まで一緒なのは…
 奥さんよりも長い年月です。
 18歳で味わった挫折感は…
 今となっては懐かしい想い出です。
 大学を卒業して…
 今年で30年になります。

“予備校の仲間”へのコメントを見る

昔の記憶

合格おめでとう

 今日の北海道新聞朝刊に、
 予備校の広告が掲載されていました。
 河合塾、
 駿台予備校、
 代ゼミ、
 の3校です。
 昨日、発表された…
 北海道大学前期合格者の、
 顔写真と出身校が掲載されていました。
      ■         ■
 合格者のみなさんに…
 心から…
 合格おめでとう!
 と申し上げます。
 私は…
 一浪で札幌医大に合格しました。
 当時は、
 合格者の名前も発表されたため、
 新聞記事として、
 合格者の名前と出身校が掲載されました。
      ■         ■
 北大の合格発表は、
 TVで中継されて、
 テレビで合格者名が読み上げられました。
 札幌医大は…
 TV中継はなく、
 ラジオで合格者名が読み上げられました。
 今は…
 個人情報保護のために、
 合格発表は受験番号だけです。
      ■         ■
 新聞に掲載される、
 予備校の広告だけが、
 唯一、合格者を知る媒体です。
 どの顔も真面目そうです。
 知人の先生のご子息かなぁ…?
 と思うような名前がありました。
 そういえば…
 お父さんに似ているなぁ…?
 と思うこともあります。
      ■         ■
 札幌市内の進学校ではなく、
 地方の高校から、
 北大に合格した顔もありました。
 『がんばったね』
 『よかったね』
 という思いがします。
 私は…
 浪人は無駄ではないという考えです。
      ■         ■
 予備校時代に…
 苦労して勉強したことは、
 必ず人生で役に立ちます
 あと一点、
 あと一人、
 で合格できたのに…
 もう一度、確認しておけば…
 ケアレスミスをしなければ…
 合格できたのに…
 という経験は必ず役に立ちます
      ■         ■
 不幸にして…
 前期試験で不合格となったみなさん!
 まだ諦めないでください。
 後期試験もあります。
 運がよければ…
 補欠合格というのもあります。
 最後まであきらめないことです。
 毎年、3月になると…
 自分の受験生時代を想い出します。
 矢野先生の、
 受験生は、人生で一番ロマンチックな時期
 というお言葉を想い出します。

“合格おめでとう”へのコメントを見る

医療問題

医学部定員増の問題点

 昨日の日記
 「NYの奇跡」機長さん引退
 教員定数も変えないで…
 医学部の入学定員だけを増やしても…
 技量不足の…
 粗製濫造医師が増えるだけです。
 解剖学など…
 地味な基礎医学の教員は不足しています。
 と書きました。
      ■         ■
 医学部を卒業して…
 医師国家試験に合格すると…
 臨床研修制度があります。
 今年の卒業生は、
 2年間の臨床研修を受けます。
 私の時にも臨床研修はありましたが…
 今ほど厳格ではなかったので、
 私が研修を受けたのは
 形成外科以外では麻酔科だけです。
      ■         ■
 医学部を卒業してから…
 何科になるかは…
 個人の自由です。
 ふつうの医学生は…
 自分の適性とか…
 先輩の影響とか…
 就職後の待遇とか…
 自分の将来とか…
 お給料とか…
 いろいろなことを考えて…
 自分の専門科目を選びます。
      ■         ■
 一部の医学生は…
 大学に残って…
 教授になろう…
 と考える人もいます。
 自分は臨床家よりも
 研究者に向いている…
 と考えて大学に残る人もいます。
 解剖学などの科目を選ぶ人は、 
 100人の卒業生がいても…
 一人いればいい方です。
      ■         ■
 医学に絶対必要な
 解剖学の教員は、
 30年前から不足していました。
 私が医学生だった30年前…
 解剖学の教授は…
 三橋公平先生という立派な先生でした。
 助教授は…
 医師ではなく人類学が専門の先生でした。
 少ない教員で、
 解剖学実習を教えてくださいました。
      ■         ■
 私が解剖学教室で仕事をした、
 村上弦教授は…
 解剖学が大好きで…
 臨床に通じる解剖学を教えていました。
 医学生は…
 ご遺体を解剖させていただいて、
 人体の構造の細かさに驚き…
 医学への造詣を深めます。
 今でも少ない教員で、
 労基法無視で教えているのが実情です。
 定員を10人増やすだけでも… 
 実習がおろそかになります。
 医学部の定員を増やすだけでは、
 技量不足の医師ができる危険性があります。

“医学部定員増の問題点”へのコメントを見る

院長の休日

「NYの奇跡」機長さん引退

 平成22年3月4日、朝日新聞の記事です。
 「NYの奇跡」機長、
 30年の操縦士生活から引退
 【ニューヨーク=山中季広】
 故障した旅客機を
 米ニューヨークのハドソン川に
 無事に不時着させてたたえられた
 USエアウェイズ社の
 チェスリー・サレンバーガー機長(59)が
 2010年3月3日、
 現役最後の飛行を終え、
 30年の操縦士生活から引退した。
      ■         ■
 フロリダ州からノースカロライナ州への飛行を
 無事に終えて会見。
 「航空各社が経営難のため、
 技量不足の操縦士を安い給料で雇ってきた。
 もっと給料を上げて
 経験豊富な操縦士を増やさないと、
 空の安全は確保できない」と訴えた。
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 30年の操縦士生活、
 お疲れ様でした。
 私の憧(あこが)れの職業は、
 医師ではなく…
 パイロットでした
 お客さんの命を預かるという…
 共通点があります。
 沈着
 冷静
 的確な判断を…
 求められる職種です。
      ■         ■
 私も医師になって30年です。
 私は…
 サレンバーガー機長の意見に賛成です。
 ジェット機のような…
 巨大な機体が空を飛ぶのです。
 安全が一番大切です。
 安い給料の技量不足操縦士
 の飛行機には乗りたくありません。
      ■         ■
 医療の世界にも同じことが言えます。
 医師不足だから…
 医学部の入学定員を増やしたり…
 医学部を新設しようしています。
 こんなことをしてもダメです。
 今でも…
 解剖学など…
 地味な基礎医学の教員は不足しています
      ■         ■
 教員定数も変えないで…
 医学部の入学定員だけを増やしても…
 技量不足の…
 粗製濫造医師が増えるだけです。
 命にかかわるものは、
 安ければ良いのではありません。
 安全と安心が一番大切です。
 緊急事態が発生しても、
 的確に対応できるようになるには、
 教育・経験・技量が必要です。
 機長さんの言葉を、
 航空政策を決める偉い人に聞いて欲しいです。


 サレンバーガーさん
 (以上、朝日新聞より引用)

“「NYの奇跡」機長さん引退”へのコメントを見る

院長の休日

父の誕生日2010

 今日3月4日は、
 私の父の誕生日です。
 今年は年男です。
 大正15年(1926年)3月4日生です。
 寅年です。
 84歳になりました。
 毎年、2~3人ずつ…
 同級生が亡くなり…
 残っているのは一桁になったそうです。
      ■         ■
 私の父親の世代は、
 戦争で徴兵された時代でした。
 父親は、
 徴兵されるのがイヤで、
 徴兵免除になる、
 薬学専門学校へ進学したそうです。
 実際には、
 召集令状が来る前に終戦になり、
 同級生で戦争へ行ったのは、
 志願兵だけだったそうです。
      ■         ■
 私の祖父(父の父)は…
 81歳で亡くなりました。
 私は自分の父より…
 長生きできる自信はありません。
 昨年の誕生日には、
 定山渓温泉に行きました。
 今年は…
 大雪山の旭岳温泉に行きました。
 旭岳の麓(ふもと)にある温泉です。
      ■         ■
 私はこの旭岳温泉が好きです。
 札幌からは遠い温泉ですが、
 何度入っても…
 湯疲れしない温泉です。
 山の中の温泉なので…
 とても静かです。
 木に囲まれた温泉です。
 雪が真っ白でキレイです。
      ■         ■
 夏と秋には、
 旭岳登山をしました。
 とても雄大でキレイな山です。
 旭岳は冬のスキーで有名です。
 私も昔はスキーをしましたが、
 最近はしていません。
 ロープウェイで…
 スキー客と一緒に上がり、
 またロープウェイで下りてきました。
      ■         ■
 今日の旭岳は…
 父親の84歳の誕生日を祝うように…
 すっきりと晴れてくれました。
 スキーや
 ボードを楽しんでいる人が
 たくさんいらっしゃいました。
 来年も…
 どこかの温泉で…
 85歳の誕生日が祝えるといいなぁ~
 と思っています。


84歳の父と私(旭岳)

“父の誕生日2010”へのコメントを見る

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ