医学講座

事故で死なないために…

 若者の事故は辛く悲しいです。
 救急医療の現場にいると…
 事故に遭った人をたくさん診ます。
 交通事故を扱う警察官や
 救急隊員も…
 悲惨な事故現場を見ます。
 大きな事故でも…
 奇跡的にかすり傷で済むことがあります。
 事故に遭っても…
 死なない方法があります。
      ■         ■
 私が医師になって30年です。
 この間に、
 自動車の安全性能は…
 驚くほど進歩しました。
 一番大きいのは…
 シートベルトの義務化でした。
 顔に大きなけがをする人が
 激減しました。
      ■         ■
 エアバッグが作働して…
 私が直接診たのは数例です。
 エアバッグに顔が当たって、
 小さなかすり傷ができていました。
 もちろん手術は必要ありませんでした。
 エアバッグは、
 20年前にはオプションで…
 しかも10万円以上しました。
 ケチな私が、
 このオプションをつけました。
 その代わりCDは無しでした。
      ■         ■
 本間家では、
 25年前からチャイルドシートを使っていました
 赤ちゃんが生まれて…
 お祝いは何が欲しい…?
 と聞かれて…
 家内の親に買ってもらった記憶があります。
 当時のチャイルドシートは…
 今よりずっと性能が悪く、
 その上、高価でした。
      ■         ■
 救急隊員や警察官、
 救急医は、
 安全な車を知っています。
 私は学生さんに…
 『中古でもいいから
 『安全な車に乗りなさい
 と言っています。
 安全性能が高い車をすすめます。
      ■         ■
 わが家の車は、
 5年以上の経年車ですが、
 安全装備は万全にしています。
 昨日の事故のRV車も…
 おそらく安全性が高い車だったと思います。
 残念なことに…
 どんな車でも…
 側面からの衝撃には弱いのです。
      ■         ■
 冬道で何度もスリップした経験から…
 スリップしにくい車を購入しました。
 昔のように…
 一回転することはなくなりました。
 自動車メーカーには…
 更に安全性が高い車を
 開発して欲しいと思います。
 亡くなったお二人のご冥福を…
 心からお祈りしています。
 今日は小林里穂さんのお通夜です。

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院長の休日

悲しい交通事故

 平成22年3月22日、北海道新聞朝刊の記事です。
 RVが標識に衝突 北大の学生2人死亡
 【共和】平成22年3月21日午後8時15分ごろ、後志管内共和町宮丘の国道で、札幌市中央区大通西27、大学生玉置陽生さん(22)が運転するRVが道路左側の案内標識に衝突、後部座席にいた同市北区北17西4、大学生井上真明(なおき)さん(20)と同市中央区北7西15、大学生小林里穂さん(19)が頭などを強く打ち、病院に運ばれたが間もなく死亡した。
 岩内署によると、RVには5人が乗っており、玉置さんら3人は足や腰などを打つ軽傷。5人は北大のアイスホッケー部の部員で、20日から後志管内泊村のアイスセンターで練習を行い、札幌へ帰る途中だった。
 事故当時、路面は圧雪アイスバーン状態で、同署はRVがスリップしたとみて調べている。
 (以上、北海道新聞より引用)
      ■         ■
 とても悲しい事故です。
 亡くなられたお二人の
 ご冥福をお祈りいたします。
 5人は、
 北大医学部歯学部アイスホッケー部の
 メンバーです。
 昨日の北海道は大荒れでした。
 3月下旬としては
 異常な悪天候でした。 
      ■         ■
 私も35年間、車を運転しています。
 冬道でスリップしたことは
 数え切れないほどあります。
 何度かは、
 車が一回転して、
 対向車が来ていたら、
 危うく衝突というところでした。
 どんなに気をつけていても、
 冬道は事故が起こります。
      ■         ■
 25年間、
 北海道各地の病院で、
 形成外科医として…
 交通事故の治療をしてきました。
 形成外科医が関与する事故は、
 死亡することはまれです。
 救命救急センターへは…
 ドクターヘリで搬送されても
 救命できない患者さんも来ます。
      ■         ■
 医療に携わっていて…
 若者の死ほど辛いものはありません。
 全力を尽くしても…
 救命できないことがあります
 朝まで元気だった人が
 何度呼びかけても
 返事をしてくれなくなります。
 残されたご家族のお気持ちを考えると
 言葉もありません。
      ■         ■
 私のまわりにも、
 若くして亡くなった学生がいました。
 日高の山で滝に落ちて死亡。
 湘南海岸で水死。
 北大の寮に帰る途中で、
 ひき逃げされて犯人は不明のまま。
 ニセコへスキーに行く途中、
 中山峠で対向車と衝突して死亡。
 若い命が失われるのは、
 ほんとうに辛いものです。
      ■         ■
 私も若い頃には、
 友人たちと道内を車で旅行しました。
 写真部の仲間とも車で旅行しました。
 仲間と車で移動するのは、
 楽しいものです。
 せっかく苦労して合格した北大です。
 事故は辛く悲しいことです。
 亡くなられた
 井上真明(なおき)さん(20)は北大歯学部、
 小林里穂さん(19)は天使大学の学生さんでした。
      ■         ■
 ご両親のお気持ちを考えると、
 同じ親として、
 お慰めの言葉もありません。
 運転していた玉置陽生さんは、
 北大医学部の学生さんです。
 どんなに辛い思いでいることでしょうか。
 自分の子どもと重ね合わせてしまいます。
 運転していた学生さんの、
 ご両親もどれほど辛いことでしょうか。
      ■         ■
 私は学生さんの講義で、
 毎年言う言葉があります。
 大きな事故に遭う人は、
 まさか自分が事故に遭うなんて
 考えてもみなかった人ばかりです。
 せっかく苦労して入った大学です。
 学生時代にしか
 できないこともたくさんあります。
 何をしても自由です。
 でも事故にだけは気をつけてください。
 もう一度、
 亡くなったお二人のご冥福をお祈りいたします。 

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院長の休日

さいごのおべんとう

 平成22年3月20日、朝日新聞朝刊、
 【男のひといき】への投稿です。
 「さいごのおべんとう
 今月15日で、6年間の孫のお弁当作りが終わった。下の孫が20日に幼稚園を卒園するからである。
 私が孫たちの食事を作るようになったのは、孫娘が生まれ満1歳になった2001年9月からである。近くに住む娘夫婦が共働きのため、毎日預かることになった。
 満1歳は離乳食のころである。妻が大人の食事係、私が離乳食担当になった。戦中戦後に男兄弟で育った私は、母に食事の手伝いをさせられていたので、厨房に入るのはなんとも思わない。
 孫娘が3歳になり幼稚園へ進むと、妻と協力して週3日、お弁当を持たせるようになった。孫娘が小学校に入学すると、今度はその弟が幼稚園へ入園。引き続きお弁当作りである。
 はじめは子どものお弁当の本と首っ引きであった。メーンの肉か魚、卵料理、緑と赤の野菜を入れ、バランスをとる。弁当箱を開けたとき喜ぶようにと、ご飯に顔やお花畑を描いた。
 最後のお弁当に心を込めた。ソーストンカツにスパゲティ、卵焼き、ホウレンソウのおひたし、ニンジンの甘煮。デザートは妻の役目で、リンゴ煮を人れた。
 手紙を書き、弁当箱の上に添えた。
  「きょうがさいごのおべんとう。そつえんおめでとう。じじばば」
 ちょっぴりさびしさが募った。
 (千葉県松戸市_松岡清三_無職_79歳)
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 私は79歳まで…
 生きられる自信がないです。
 孫もできるかどうか…?
 わかりません。
 でも…
 美容形成外科医を卒業したら…
 お料理を習おうと思っています。
      ■         ■
 79歳のおじいちゃんが…
 子どものお弁当の本を見ながら…
 お孫さんのお弁当に…
 ご飯に…
 顔や…
 お花畑を…
 描いているなんて…
 素敵です。
      ■         ■
 私が幼稚園の時に…
 おばあちゃんが…
 お弁当をつくってくれました。
 ちらし寿司でした。
 ピンクのそぼろが上にのっていて…
 『けんちゃんのお弁当おいしそう…』
 と言われたのを覚えています。
 今でも…
 ちらし寿司が好きです。
      ■         ■
 私も…
 孫が喜ぶお弁当が作れる…
 そんな…
 「じじ
 になりたいです。
 お弁当は無理でも…
 アップルパイなら…
 作れるかも…です。 

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医学講座

子育て中の手術③

 埋没法が取れてしまった目を…
 お直ししたいと思うことがあります。
 埋没法は2回まで
 …って書いてあったなぁ…
 困ったなぁ…
 どうしよう…
 だんなさんには…
 コンタクトで眼瞼下垂症になった
 …って言い訳して。。。…
      ■         ■
 実家のお母さんにだけ相談して…
 切開の手術を受ける決心をしました。
 赤ちゃんは、
 離乳がすすみ…
 母乳も出なくなりました。
 これでお薬の心配もなくなりました。
 勇気を出して…
 切開手術の相談をしました。
      ■         ■
 ここで…
 また大きな問題にぶつかりました。
 切開の手術をしたら…
 目を閉じて安静にしていないと…
 キズが汚くなると言われてしまいました。
 キズはメスで切って…
 糸で縫うと…
 一次的治癒という状態で治ります。
      ■         ■
 看護師さんでも…
 抜糸したらキズはくっついている…
 と考えていらっしゃる方もいます。
 これは大きな間違いです。
 引っぱってもちぎれないくらい、
 キズがしっかりとくっつくのは、
 手術してから3~6ヶ月もかかります。
 その間は、
 キズが硬くなったり、
 つっぱったりすることもあります。
      ■         ■
 目は…
 開けたり…
 閉じたりするだけで…
 動きます。
 動かすと…
 せっかくくっつきかけた組織に…
 力が加わります。
 一週間、目を閉じてじっとしていた方と
 ぱちぱち目を開いて…
 PCを操作していた人のキズは…
 明らかに違います。
      ■         ■
 子どもさんが…
 伝い歩きをして…
 よちよち歩きの頃は…
 一生で一番けがをしやすい時期です
 文字通り…
 目を離せない時期です。
 授乳が済んでいても…
 子どもさんが小さい時期は…
 お母さんの手術には不向きです。
 もしどうしても手術を受けるのでしたら…
 お母さんの手を借りて…
 子どもさんの面倒をみてもらってください。
 これがキレイに治るこつです。
 
 

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医学講座

子育て中の手術②

 子育て中の手術②は、
 目の手術です。
 埋没法で幸せな人生を歩んで…
 素敵なが見つかり、
 めでたくご結婚されました。
 幸せいっぱいの毎日です。
 めでたくご懐妊なさいました。
 新しい生命が宿ると…
 体調にも変化が出ます。
      ■         ■
 むくみやすくなったり…
 おしっこが近くなったり…
 少しずつ身体が変化します。
 二重まぶたの手術を受けたことすら…
 すっかり忘れていました。
 ある日…
 瞼に痛みを感じました。
      ■         ■
 コンタクトを入れっぱなしで…
 寝てしまったから…かなぁ…
 まぁ、そのうち治るでしょう…
 と考えていました。
 そのうち… 
 瞼が腫れて赤くなってきました。
 目も充血して…
 うさぎさんの目です。
      ■         ■
 眼科を受診しました。
 瞼に触られるのも痛いです。
 瞼の裏側を見た眼科の先生から…
 『二重の手術をしたことはありませんか?』
 と聞かれ…
 高校を卒業した年の3月に… 
 二重埋没法の手術を受けたことを…
 ようやく思い出しました。
      ■         ■
 ご主人には内緒。
 知っているのは…
 実家のお母さんだけです。
 『お母さん!おかあさん!』
 『どうしよう…』
 『二重まぶたの糸が…』
 『目に炎症をおこしているんだって…』
 『安いところでやったからかなぁ…?』
 『眼科じゃ治せないって…』
      ■         ■
 こんな患者さんが、
 一年に一人くらい…
 眼科の先生から紹介されます。
 私の先輩で…
 埋没法をしない先生がいらっしゃいます。
 こういうトラブルを避けるためです。
 チェーン店の埋没法は…
 大部分が瞼板法(けんばんほう)です。
 札幌美容形成外科の埋没法は…
 挙筋法(きょきんほう)です。
      ■         ■
 瞼板法(けんばんほう)は…
 角膜(かくまく)という…
 目の表面にキズをつけます
 埋没法の糸が原因で炎症を起こし…
 まぶたに膿(うみ)が溜まることもあります。
 こうなると…
 妊娠中でも…
 授乳中でも…
 手術をしないと治りません
      ■         ■
 あかちゃんが心配な時は…
 産婦人科の先生に…
 状態をお聞きして手術をすることもあります。
 以前にいらした方は…
 妊娠中には応急処置だけをして…
 授乳が終わってから…
 手術をしたこともありました。
 将来困らないように…
 埋没法でもしっかりと先生を選んでください

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医学講座

子育て中の手術①

 現在、子育て中です。
 わきが手術はできますか…?
 育児休業中です。
 この期間に…
 手術はできますか…?
 というご質問を受けます。
 残念ですが…
 子育て中の『わきが手術』は無理です。
      ■         ■
 子どもさんが小さい時期…
 女性の一生の中で…
 人生で一番忙しい時期です。
 授乳中は…
 夜間も起きておっぱいをあげます。
 オムツを交換して
 お風呂にも入れてあげます。
 有給休暇も…
 代休もありません。 
      ■         ■
 2007年3月7日から3回、
 妊娠授乳中の手術という日記があります。
 妊娠中・授乳中に手術が可能かどうか?
 のお問い合わせをいただくことがあります。
 厚生労働省や製薬メーカーが出している
 医薬品の添付文書には、
 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、
 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、
 治療上の有益性が危険性を上回る
 と判断される場合にのみ投与すること』
 と記載されています。
      ■         ■
 授乳が終わった後でも、
 小さなお子様がいらっしゃる方は、 
 手術後の安静がとれません。
 自分一人でしたら… 
 何をしようと自由ですが…
 赤ちゃんや子どもは待っていてくれません。
 子育て中に…
 一番難しいのが…
 わきが手術です。
 わきが手術の後には安静が必要です
      ■         ■
 妊娠出産によって
 女性のおっぱいは大きくなります。
 ふだんはAカップより小さいのに…
 BとかC以上になります。
 おっぱいが大きくなると、
 ワキの皮膚も伸びます。
 たとえ
 『母乳で育てないからわきが手術をしてください』
 と依頼されても、
 皮膚の状態は手術には向いていません。
 伸びた皮膚を手術するとシワシワになりやすいのです。
      ■         ■
 授乳期間が終わっても
 子供さんが小さいうちは手がかかります。
 子供が幼稚園や小学校に入るまでは、
 一生のうちでもっとも可愛い頃です。
 その代わり、
 ちょっと目を離すとケガやヤケドをしたり、
 事故に遭ったり、
 誘拐されたりします。
 女性の一生の中でもっとも多忙な時期です。
      ■         ■
 実家のお母さんに120%
 (ふだんの家事+患者さんとなるあなたのお世話)
 手伝っていただくのでしたら話は別ですが、
 子育て中は安静を保てません。
 小さなお子さんがいらっしゃる女性は、
 残念ですがキレイに治りません。
 子供さんが小さいうちは、
 わきが手術は無理です。
 少なくとも一人でお風呂に入れるようになるまでは
 手術をガマンなさってください。

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医療問題

将来への不安

 これからの日本は、
 間違いなく高齢化社会です。
 自分が…
 歳をとって…
 身体が不自由になったら…
 という不安が…
 誰にでもあります。
 私自身にもあります。
      ■         ■
 私がアルバイトに行っていた… 
 老人病院には…
 たくさんの…
 寝たきりのお年寄りがいらっしゃいました。
 家族がお見舞いに来る方も…
 まったく来ない方も… 
 さまざまな人生がありました。
      ■         ■
 介護の現場は、
 たくさんの若い力に支えられていました。
 介護福祉士の方もいれば…
 資格はないけれど…
 看護助手として…
 お年寄りのお世話をしてくださる…
 若い方もいらっしゃいました。
      ■         ■
 まみ子師長さんのコメントのように…
 退職する若い人が…
 かなりいらしたのも事実です。
 重労働です。
 うんこの臭いも…
 辛いものがあります。
 理想と現実のギャップが大きいと
 退職者が多いのも理解できます。
      ■         ■
 日本という国は…
 今のままだと財政破綻します。
 選挙でを得るための…
 ばらまき政策ではダメです。
 将来を見据えた…
 しっかりとした政策が必要です。
 将来への不安があれば、
 国民はお金を使いません。
 消費は低迷したままで…
 景気は回復しません。
      ■         ■
 歳をとって…
 身体が不自由になっても…
 国が最期まで面倒をみますょ!
 どうか安心してください。
 こんな政策を考えると選挙で勝てます。
 刑務所に入った囚人ですら…
 医療と食事は付いています。
 国が面倒をみているのです!
 真面目に働いて、
 しっかり納税した国民は…
 健康で文化的な生活を営む権利があります。

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医療問題

介護を受ける身になったら…

 私は現在55歳、
 今年9月で56歳になります。
 自分が介護を受ける身になったら…
 ということを…
 真剣に考える年齢になりました。
 下(しも)の世話までしてもらって…
 長生きはしたくないなぁ~
 というのが本音(ほんね)です。
      ■         ■
 私の母方の祖母は…
 30台半ばで夫と死別。
 沖電気の社員だった祖父とは、
 仏壇の前の写真でしか
 会ったことがありません。
 母の一番下の弟(私の叔父)は、
 父親の顔を見たことがないそうです。
 祖母のお腹にいる時に、
 祖父が単身赴任先の中国で病死しました。
      ■         ■
 東京から…
 第二次世界大戦がはじまる前に
 郷里の札幌へ…
 5人の子どもと帰ってきました。
 札幌市北1条西10丁目の借家に住み、
 親や兄弟からの援助をうけながら…
 自分で身につけた和裁の技術で、
 女手一つで5人の子どもを育てました。
      ■         ■
 明るい人でした。
 祖母の周りからは…
 いつも笑い声が聞こえていました。
 晩年は、
 特別養護老人ホームでお世話になりました。
 施設でも、職員の方に、
 太田さん、おおたさんと、
 とても可愛がっていただだきました。
      ■         ■
 特養の職員の方が、
 祖母のために
 回転寿しに
 連れて行ってくださったことがありました。
 施設の車に、
 車椅子を積んで、
 祖母が好きだったお鮨を食べさせてあげたいと、
 わざわざ行ってくださいました。
      ■         ■
 私が大好きだった祖母です。
 残念なことに…
 最後は…
 私が見舞いに行っても…
 『あんた誰だったかねぇ…?』
 『あぁ…けんちゃんだぁ…』
 という状態になってしまいました。
 もちろん…
 下の世話を受けていました。
      ■         ■
 特養の職員の方には…
 ほんとうによくしていただきました。
 今でも感謝しています。
 祖母は…
 特養に入居できるまで…
 かなり長い間待ちました。
 その間は…
 老人病院でお世話になっていました。
      ■         ■
 国は…
 老人介護にかける予算をけちらないで…
 スプリンクラーを付けた、
 立派な施設を作るべきです。
 資産家も…
 ふつうの人も…
 貧乏人も…
 死ぬ時はいっしょです。
 火葬場で焼いたら…
 ただの灰です。
 安心して介護を受けられて…
 安心して死ねる世の中にしてほしいです。


左端が祖母の太田キヨ
30年前です

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医療問題

介護の大変さ

 札幌市北区屯田は、
 閑静な住宅街です。
 私が高校生の頃(30年前)は、
 まだ畑がたくさんありました。
 夏になると…
 ひばりがよく鳴いていました。
 遠くに手稲山が見えました。
 火災になったグループホームは、
 二世帯住宅を改造したと報道されていました。
      ■         ■
 私もよく知らないので、
 これから先の記述が誤っていたら、
 コメントで訂正してください。
 介護福祉施設という名前から…
 どんな仕事を想像されますか…?
 老人介護施設
 お年寄りのお話しに…
 耳を傾けて…
 いっしょにカラオケを歌ったり…
 お食事の介助をしたり…
 ピンク色の…
 ほんわかとしたあたたかい雰囲気
 を想像されませんか?
      ■         ■
 現実は…
 そんなに甘いものではありません。
 一番大変なのが…
 下(しも)の世話です。
 特に大変なのが…
 うんこです。
 元気な時には、
 一日に一回だけだったのが…
 下痢でもすると…
 シーツやマットまで汚れることもあります。
      ■         ■
 24歳の女性職員が… 
 一人で8人ものお世話をするのは…
 寝る間もないと想像します。
 体重が70㎏もあるような方の…
 おむつ交換は疲れます。
 おむつ交換と
 体位交換をして、
 ベッド周りを整理して…
 あっという間に時間が過ぎます。
      ■         ■
 私は、
 そもそも国の基準が悪いと思います。
 一人あたりの…
 介護報酬が低すぎるのです。
 もともと老人病院で診ていたような方を、
 国の医療費が高騰したという理由で…
 グループホームなどへ移しました。
 一人あたりの報酬が低ければ…
 施設改修にかけるお金もなければ、
 複数の夜勤者も雇用できません。
      ■         ■
 私は…
 厚生労働大臣や、
 厚生労働省のお役人に、
 一週間でもいいから…
 介護福祉施設の夜勤をしてもらい、
 おむつ交換で、
 うんこの臭い
 髪にしみつく体験をしてもらうと、
 現場がよくわかると思います。
      ■         ■
 今回の火災で、
 24歳の女性職員が負傷して、
 入院されています。
 たくさんの方が亡くなられて…
 精神的にもショックを受けていると思います。
 とてもお気の毒です。
 問題の根幹は…
 消防設備ではなく…
 老人の介護を…
 安くあげようと考えた、
 国の政策にあると私は考えます。

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医療問題

グループホーム火災で7人死亡

 昨日(平成22年3月13日)朝の火災でした。
 朝、札幌駅で読売新聞の号外が配られていました。
 読売新聞の記事です。
 札幌の老人介護施設で火災、7人死亡
 3月13日午前2時25分頃、札幌市北区屯田4の2、グループホーム「みらいとんでん」から出火、木造2階建て延べ約250平方メートルをほぼ全焼し、入居者8人のうち、焼け跡から男性3人と女性4人の計7人が遺体で見つかった。
 女性職員(24)がのどに重いやけどを負った。1階居間の灯油ストーブ付近が激しく焼けており、119番した女性職員が「ストーブから出火した」と話していることなどから、札幌北署はストーブが火元になった可能性があるとみている。施設入所者の多くは体が不自由で自力での避難が困難だったことから、同署は業務上過失致死容疑を視野に施設の安全管理体制についても調べる。
 同署や札幌市によると、「みらいとんでん」は福祉施設運営会社「みらい25」(札幌市中央区、谷口道徳代表取締役)が経営する定員9人の認知症対応型施設。施設管理者はケアマネジャーの笠井雅子さん(58)。
 施設関係者などによると、現在は60~90歳代の高齢者9人が入居。入居者は中程度から重度(要介護度3~5)の認定を受けており、介助がないと自分では歩けない人もいる。出火時は女性入居者1人が外泊中で、室内にいたのは入居者8人と女性職員1人の計9人だった。病院に搬送された女性入居者(83)にけがはなかった。
 焼け跡では、火元の可能性がある1階居間付近の台所などに2人が倒れていたほか、個室で3人が発見された。残る2人は、2階の個室で見つかった。同署が身元を確認している。
 札幌市によると、この施設は2005年12月に介護保険法に基づく介護事業所として指定を受けた。職員数は常勤5人を含む計13人。2008年7月に同市が行った立ち入り調査で、災害時の避難誘導方法などを確認するために施設運営規則で定めた年2回の避難訓練を実施していなかったことが判明。市から改善命令を受け、同年9月に訓練を実施したという。
 また、避難方法などを定めた消防計画を市に提出せず、2009年5月に市から指導を受けたが、その後も提出していなかった。消火用スプリンクラーは取り付けられていなかったが、法律上の設置義務はないという。
 現場はJR札幌駅から北に7キロ離れた住宅街。消火作業で消防車27台が出動し、約1時間半後に鎮火した。
 ◆グループホーム…高齢者や障害者などがスタッフから介護や支援を受けながら少人数で共同生活する施設。認知症の高齢者向け施設は、介護保険法で「認知症対応型共同生活介護事業所」と規定されている。厚生労働省によると、全国で9966か所(2009年12月現在)あり、計約14万3000人が利用している。居間や食堂、台所、浴室などを備え、居室は個室になっている。家庭的な雰囲気の中で個別のケアを受けることができ、認知症の進行を緩やかにする効果があるとされる。
 (以上、読売新聞から引用)
      ■         ■
 亡くなられた7人の方の…
 ご冥福をお祈りいたします。
 とても悲惨な事故です。
 報道によると…
 小さな犬が飼われていたそうです。
 犬の消息までは報道されていませんでした。
 犬も亡くなったのでしょうか…?
      ■         ■
 一般的なことですが、
 認知症のお年寄り7人を、
 一人の夜勤者で連れ出すことは…
 火災でなくても不可能です。
 もし同じような災害が、
 大病院で起こったとしても救出できたでしょうか?
 数人の夜勤のナースで、
 数十人の入院患者を救出するのは困難です。
      ■         ■
 火災によるけがやけどです。
 私たちは熱傷(ねっしょう)と呼んでいます。
 高齢者の熱傷は…
 救命することが難しいです。
 もし…
 7人のお年寄りが…
 重症熱傷となったら…
 札幌市の救命救急センターだけでは足りません。
      ■         ■
 札幌医科大学高度救命救急センターが、
 熱傷患者の搬入を受け入れていません。
 2010年3月14日現在、
 札幌市内で、
 重症熱傷の治療が可能なのは、
 市立札幌病院と北大病院だけです。
 他には2施設くらいありますが、
 受け入れてくれるかどうか…?
 私にはわかりません。
      ■         ■
 今回の事故のように…
 一度に多くの方が犠牲となる事故は、
 ある程度の確率で起こります。
 航空機事故の炎上→火災。
 大型バスの事故炎上→火災。
 大規模な地震による火災。
 工場などの火災。
 昔は炭鉱事故による熱傷がありました。
      ■         ■
 万一のために…
 消防車や救急車を配備するのは、
 行政の仕事です。
 万一のために…
 救命救急センターを整備するのも…
 行政の重要な仕事です。
 今回の事故では、
 消防設備についての報道が多いようですが、
 重症熱傷は意外と身近に起こります。
 北海道の高橋はるみ知事には、
 ぜひ札幌医大高度救命救急センターのことを…
 善処していただきたいと思います。


 炎に包まれた老人介護施設
 (3月13日午前3時4分)=田村充撮影
 (以上、読売新聞より引用)

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