医療問題

看護師さんの仕事と記録

 医療というのはチームプレーです。
 医師だけではできません。
 看護師さんは、
 よりよい医療を提供するために、
 なくてはならない大切なパートナーです。
 私は細かくて厳しい医師なので、
 形成外科部長をしていた頃には、
 看護婦さんから嫌われていたかも…?です。
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 最近の看護師さんは疲れています。
 函館の看護師さんが書かれていたように…
 大きな病院ほど、
 記録が多く、
 病室へ行って…
 患者さんのお話しを聞き…
 患者さんのお世話をする時間よりも…
 PCに入力したり、
 書き物をする時間が長いように…
 思うことがありました。
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 病院にPCが導入されて、
 オーダリングシステムや
 (処方や検査の指示を直接PCへ入力)
 電子カルテになってから…
 医師も患者の方を向かないで、
 パソコンの画面ばかり見ていると言われます。
 指示を間違えたり、
 入力ミスがあると大変なので、
 ついつい画面に目が行きます。
 2009年1月2日の日記、
 セカンドオピニオンにも書いてありますが、
 手術を決めるのも、
 PCに入力しなければできません。
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 私が医師になった30年前は、
 検査の指示も、
 お薬の処方も、
 すべて手書きでした。
 医療事務のプロは、
 先生がカルテに書いた
 ミミズが這ったような
 瞬時に判断しなければなりませんでした。
 大学病院で新人医師の仕事は、
 上の先生について、
 先生が言われたことをカルテに記載する、
 ベシュライバーbeschreiberという係りでした。
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 30年前から、
 大学病院の病棟勤務の看護婦さんは、
 記録が大変そうでした。
 医師のカルテより、
 よほど詳しく書かれていました。
 新人ナースが、
 夜10時頃まで、
 サービス残業で看護記録を書いていました。
 残念なことに…
 医師のカルテと看護記録が別だったために、
 私たちが看護記録を見ることは、
 めったにありませんでした。
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 看護師さんの仕事は3交代で、
 複数の人が担当します。
 記録を正確に残さないと、
 一貫した看護ができないことはわかります。
 医師の立場から見ると…
 この記録が重荷になって、
 本来、患者さんの傍に行って…
 お話しを聞いたり、
 お世話をしたりする時間が、
 少なくなっているように思ったことがありました。
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 アナログ時代の地方病院では、
 検査データーは看護婦さんが
 カルテに、
 紙を貼ってくれていました。
 私よりも検査結果をよく覚えている…
 優秀な看護婦さんもいらっしゃいました。
 先生、はい、今日の検査結果です。
 まだデーターが悪いですね。
 こんな会話が成立したのも、
 紙の時代の良さなのかも…?です。
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 今、大病院では、
 PC画面でリアルタイムに検査結果がわかります。
 プリントして患者さんに差し上げることもできます。
 看護師さんが入力した看護記録も、
 医師が外来や医局で見れると思います。
 私は、
 偉そうなことを言える立場ではありません。
 医療というのは、
 患者さんの傍へ行くことが大切で、
 記録がもっと簡単に入力できるようになると、
 患者さんの満足度も高くなると思います。

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