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10年目のお礼
平成20年7月12日、
朝日新聞朝刊-声-の欄への投稿です。
10年前の手術
お礼され感激
心臓外科医
泉本浩史(秋田市51)
■ ■
「先生、私を覚えていますか。
先生に手術していただき、
こんなに元気です」。
先月末、
通院する盛岡市内の医院で、
初老の女性に話しかけられ、
びっくりした。
これまで5、6千人の手術に携わったが、
意外にそれぞれを覚えている。
■ ■
約10年前、
手術後の脳出血から手足がまひ、
失語症になった方だ。
私は、
予後を心配していた。
横浜で療養後、
レストランの裏方として働くほどに快復。
■ ■
今は古里に帰り、
夫と年金生活という。
彼女は毎日、
私に治療してもらったが、
しゃべれなくて礼も言えなかった。
それが心残りで、
私の顔を脳裏に焼き付けていたから
「一目で、すぐ分かりました」。
そして
「ありがとうございました。
今日、先生に会えて良かった」
と話した。
■ ■
なんと幸せなことか。
患者さんとの再会から、
言葉や動作が不自由な患者さんとの
接遇の大切さを再認識した。
明日からまた、
自分の目標とする
手術を極めていきたい。
10年目の「ありがとう」に、
ありがとう!
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
今朝、朝日新聞を読んでいた家内が、
「お父さん、いい話が載っている」
と教えてくれた記事です。
私は、投稿者の先生とは面識がなく、
心臓外科医でもありません。
医者冥利につきるのは、
やはり患者さんから感謝された時です。
■ ■
昨日、
たまたま2年前に手術した方が
札幌美容形成外科へいらしてくださいました。
手術の痕がまったくわからないくらい
キレイでした。
「先生に手術していただいたおかげです。」
これほど嬉しい言葉はありません。
■ ■
私が手術をした、すべての方に
100%満足していただいているのではありません。
時には苦言を呈されたり、
キズが目立っている方もいらっしゃいます。
私は、出来る限りのことをしています。
時間がかかっても少しずつよくしてゆきます。
■ ■
医師になってよかったなぁと思うのは、
人の役にたっていると感じた時です。
塩谷先生がブログで、
85歳まで現役内科医をなさった、
お父様のことを書かれていました。
診療科目を問わず、
少しでも人の役に立って、
他人に喜んでいただけるのが、
医師という職業の一番の魅力だと思います。