医学講座
画像診断学
画像診断学とは、耳慣れない難しい言葉です。
‘がぞうしんだんがく’といいます。
市立札幌病院には、
画像診療科という専門の科もあります。
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私が、札幌医大を卒業して、
北大形成外科に入局したのが1980年でした。
札幌医大と北大では、
さまざまなシステムが異なっていました。
北大へ行って、
驚いたのが放射線科でした。
札幌医大での放射線科のイメージは、
ガンを放射線で治療する科でした。
北大へ行って、
画像診断を専門とする
放射線科医がいることを知りました。
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レントゲンやCTを撮ってくださるのが、
診療放射線技師です。
撮っていただいた、
X線やCTの画像を見て
(これを読影(どくえい)といいます)
病気を診断するのが、
画像診断の専門医です。
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私が医学生だった30年前は、
肺炎や肺ガンは呼吸器内科で習い、
肺のX線写真は呼吸器内科の実習で教わりました。
当時、東京の国立がんセンターから
新進気鋭の鈴木明教授が赴任され、
第三内科の読影会(どくえいかい)は大盛況でした。
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今でも、肺のX線写真の読み方を、
(X線やCTの写真を見て診断することを、
‘読む’といいます)
教えてくれるのは呼吸器内科だと思います。
ただ、画像診断科がある病院では、
CT検査をした後には、
放射線科の画像診断専門医が
読影をして、
所見をレポートにまとめてくれます。
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私たち、専門外の医師は、
そのレポートを読んで、
わからない点は
画像診断医にお聞きして勉強します。
CT検査は、簡単に言うと、
人体を輪切りにして、
白黒の写真にしたものです。
ですから、
肺以外にも背骨や乳腺なども写ります。
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肺ガンの専門医は、
肺のことはよくわかりますが、
肺以外の、
背骨や乳線、
皮膚や軟部組織については
専門外です。
画像診断専門医は、
画像から得られる
すべての情報のスペシャリストです。
疑問があれば、診療放射線技師に指示をして、
撮影条件を変えることもします。
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CTやMRIの検査は
医師免許があれば、
誰でも指示をすることができます。
ところが、
出来上がった写真を
読む(読影する(どくえい)のが難しいのです。
写真から、
いかに正確に情報を引き出すかが問題なのです。
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不必要な検査について、
さくらんぼさんからご意見をいただきました。
確かに必要な検査もしてもらえないのは問題です。
ただ、今の日本では、
検査だけして、
そこから正確に情報が得られていないことがあります。
医学の進歩とともに、
さまざまな専門医が活躍しています。
市立札幌病院画像診断科の先生は、
素敵な女性の先生です。
鋭い目で病気を見つけてくれる頼りになる方です。