医学講座
眼瞼下垂手術後の腫れ
眼瞼下垂症の手術は進歩しました。
私が医師になった30年前は、
眼瞼下垂症手術は必ず入院していました。
手術で出血して、
眼の腫れがすごかったからです。
目が腫れて歩きにくく危険なので
入院して手術をしましょう。
が決まり文句でした。
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こちらのHPに記載されている方は、
腕のよい先生が手術をなさったと思います。
手術後の経過や縫い方を見るとわかります。
ただ、手術後の腫れはかなりのものです。
手術をしたら…
こんなに腫れるのですか?
とご心配なさる方もいらっしゃいます。
私はこのページを患者さんから教えていただきました。
札幌美容形成外科で手術をなさった方は、
HPの眼瞼下垂症に掲載してある程度です。
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形成外科専門医が手術をしても…
私が手術をしても…
10年前は最初のHPに記載されていた方と
同じ位腫れていました。
目の手術は腫れるのが当たり前でした。
まぶたの皮膚は薄く、
皮膚のすぐ下に細かな血管網があります。
血管が網のようになっています。
細い針で注射をしても、
血管に当たってすぐに内出血してしまいます。
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まぶたの皮膚の下は
すぐに眼輪筋(がんりんきん)という筋肉です。
この筋肉の中にも
細かい血管がたくさんあります。
筋肉が収縮する時に、
たくさんのエネルギーを消費するので、
血管が発達しているためです。
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眼輪筋(がんりんきん)の下には、
瞼板(けんばん)、
挙筋腱膜(きょきんけんまく)
眼瞼挙筋(がんけんきょきん)
ミューラー筋(みゅーらーきん)
といった組織があります。
特に瞼板と眼瞼挙筋の接合部では
それはそれは細かい血管が、
網の目のようになっています。
■ ■
眼瞼下垂の手術では、
この細かい血管が網の目になっている、
ちょっとでも間違うと
すぐに出血してしまう部位を操作するので、
どんなにベテランの先生が手術をしても
必ず出血していました。
私が手術をしても出血していました。
最初のHPの例は、
決して特別な腫れではなかったのです。
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今の札幌美容形成外科の手術では、
腫れはあっても軽度です。
ある方が、
前に埋没法で手術した時より腫れが少ない
と驚いていらっしゃいました。
この腫れが少ない企業秘密は、
手術用顕微鏡です。
私たち形成外科医は、
血管の手術を顕微鏡でします。
業界用語でマイクロと呼んでいます。
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簡単にできる手術ではありません。
手術用顕微鏡もドイツ製です。
ベンツSクラスと同じ位の価格がします。
使いこなすのにも、
訓練が必要です。
ここがチェーン店の、
なんちゃって美容外科医と違うところです。
札幌美容形成外科の腫れの少なさは、
誰にでも真似ができる手術ではありません。
手術前です
手術直後です
腫れや内出血はわずかです
手術直後です
手術7日後です
手術17日後です
手術8週後です